BO9

咲夜公主漫步在盛开的樱花树下。 一阵异想天开的风拂过你的长发,散发出淡淡的甜香。 我告别了沉闷的初中生活,开启了青春的新篇章。 虽然离我家有点远,但是我能够进入我向往已久的新学校。 幸运的是,我很快就交到了朋友。 从现在开始,好好享受你的高中生活吧。 一大早就到学校,看到一班走廊上贴着一张成绩前50名的学生名单。 我疯狂地寻找我的名字。 “Nacchan”听到远处有人叫我的名字,我转身。 这是我的朋友风香。 风香跑到我身边,和我并肩窃窃私语。 “这第一名是不是很厉害啊?满分500分”“是啊

咲夜公主漫步在盛开的樱花树下。

一阵异想天开的风拂过你的长发,散发出淡淡的甜香。

我告别了沉闷的初中生活,开启了青春的新篇章。

虽然离我家有点远,但是我能够进入我向往已久的新学校。

幸运的是,我很快就交到了朋友。

从现在开始,好好享受你的高中生活吧。

一大早就到学校,看到一班走廊上贴着一张成绩前50名的学生名单。

我疯狂地寻找我的名字。

“Nacchan”

听到远处有人叫我的名字,我转身。

这是我的朋友风香。

风香跑到我身边,和我并肩窃窃私语。

“这第一名是不是很厉害啊?满分500分”

“是啊是啊。”

我点点头。稻田。

第1名:不知火瞬

好像在哪里听过这个名字,但当时想不起来了。

“说起来,我从来没见过她跟任何人说话。”

风香抬头看着空中问道。

“优等生都是这样”

我立马回答。

“对了。对了,小奈你昨天看到新闻了吗?河里发现了一个女孩的尸体。”

“我没看到。”< /p>

>“凶手还没有抓到,凶手可能就在这附近,所以很可怕是吧?啊,第一节的铃声响了,回头见。”

> p>

我和风香冲向教室。溜进去。

一天平安无事地过去了。

钢琴演奏会马上就要开始了。

上钢琴课学习。

我有点忙。

最近有时候觉得很奇怪。

我感觉有人在背后看着我。

即使回头看,也没有人。

有一个地方我经常用来作为放松的地方。

学校图书馆一角的“恐怖小说角”

>

我是学校里唯一一个使用这种古怪角落的人,所以这是我的特殊座位。

又到了像往常一样从书架上拿一本小说的时间了。

我注意到地板上有一本又旧又脏的笔记本。

我偷偷把笔记本塞进水手服的胸袋里带回家了。

笔记本上写了什么?

出于好奇偷看笔记本。

我翻了第一页。

这是一份被红色铅笔覆盖的文件,看起来很不正常。

右肩斜上扬的幼稚扭曲的角色。

像孩子的涂鸦…

—————————- —

在我的内心,还有另一个我。

BO9(B O 九)。

这就是我给它起的名字。

第一次见到他是在我还没有上小学的时候。

我坐在自家门廊上,发呆地看着外面。

一群小蚂蚁带着一条紫色的燕尾。 Papilio machaon 的一只翅膀被扯掉,可以看到几乎没有连接到另一只的身体在颤抖。

我出神地看着这一幕,乐此不疲。

我看到自己原本静静流淌的血液在荡漾。

“怎么样?美不美?”美。

在那之后,有一段时间,他把自己关在我里面,再也没有出现过。我也不在乎。

时间让我忘记了它,我把它收进了我胸口最深处的抽屉里。

我上小学的时候,邻居春经常来看我。 Haru-chan 是一个小两岁的女孩。无论我走到哪里,他都跟着我。

离我家不远就有一条大河。抓鳉鱼时,我正泡在河水中,膝盖没及膝盖。稻田。

当时应该和我们在一起的小春没有来。

“不要去河里,妈妈总是这么说。”

我听到小春在河岸边尖叫。

“没事的。看,不会沉的。小春,过来。” .

当小春走到我身边时,我用双手把它挖出来,给她看里面的青鳉。

小春的大眼睛瞪得更大了,一副幸福的样子。

是时候将它转移到她的手掌上了。

“啊,鱼……”

鳉鱼从春酱的小手指间掉了下来。

小春急着去捡鳉鱼。

就在这时,小春的脚被一块表面光滑的圆形石头绊住了,她沉入了河里。

突如其来的事,我身体一僵,动弹不得。

许多大大小小的泡泡从水面上浮起。

当我的身体终于开始移动时,我正在河里潜水。

从河底,我看到了用平假名写着“四条春”的小春的名牌。

我看着春酱的脸。

Haru 的嘴里不再有泡沫。

小春用大大的眼睛看着我。

就像一个漂亮的洋娃娃。

“你看,是不是很漂亮?”

BO9…

我能感觉到我身体里的齿轮“咔哒”一声。

“你不难过吗?”

他和蔼地说。

“不,我不难过。因为小春马上就开始动了。就像电动玩具一样,只要按一下她身上某个地方的开关就没事了。”

p>然而,小春没有动。

—————————————-< /p>

我发现自己身体前倾我在看书的内容。

文章到此结束。

我翻过几页,但除了空白什么也没有。

过了一会儿,我停了下来。

又写了一封信。

笔迹变了。

与我之前写过的信相反,这些信工整工整,就好像是用尺子画出来的一样。

我又开始看书了,好像被什么东西吸引了一样。

—————————————-< /p>

现在的我就像蜕壳的蝉。

我的身体去了很远的地方,不在了。

BO9…….

我永远不会忘记我遇见他的那些充实的日子。

我想找回身体细胞在运动的感觉。

放学回家的路上,我正走在一条狭窄的小巷里。

一个陌生的小女孩走到了我的面前。

这景象让我想起了鲜红夕阳下的一幅美丽的画。

我想把整件东西带回家。

我心里是这么想的。

“小姑娘,我给你一个好吃的草莓蛋糕,你要不要到我家来一趟?”

我对小姑娘说。

“我不需要,老师叫我不要跟不认识的人。”,从我面前走过。

我不想失去我找到的‘宝藏’。

我的脑袋一片空白。

下一刻,我就在女孩的脖子上扎了起来。

女孩顿时不动了。

BO9

“很好玩,不是吗?”

BO9…

我抑制不住胸中的激动。

我是天生的杀手吗?

当生物面临死亡时,你会被它迷人的表情迷住片刻。

我背着姑娘回家了。就算是陌生人看到他们,也只会把他们当成手足。在那之后,我盼望着回家。

我和BO9,我们三个,聊了很多。然而,女孩虽然我专攻听力。

一周后,女孩美丽的秀发脱落,皮肤剥落,一股浓烈的恶臭扑鼻而来。

那是“宝物”变成“垃圾”的时刻。

我把一个女孩扔进了河里。

我找到了下一个“宝藏”。

那是我很久以前失去的东西,一个有着春酱形象的女孩。

—————————————-< /p>

笔记本上的笔记到此为止。

第二天,我去上学了。

到达学校,进入教室。

站在办公桌前,我在制服口袋里摸索着。

哦,我忘记带笔记本了。

这时,我感觉到身后有一道目光,转过身。

现在我在音乐室弹钢琴。

一个男孩进来叫我。

“嘿,你好吗?”

“哦,难得和我打招呼,不知火君。”

“还真不是。”

“需要什么东西给我吗?”

“不需要,一点也不需要”

“如果是笔记本的话,这里没有。”

p> >

“你到底在说什么?”

“切白了也没用,本不该对我感兴趣的你,一转身,就服了我你是罪魁祸首。” “你是来杀我的吗?”

“我知道你在做什么。我唯一的错误是我的笔记本掉了。但如
果我杀了你之后把它拿回来。不问题。现在,你要给我什么样的表情?”

不知火的手掐住了我的脖子。

“Goho.Bee…”

“嗯?”

“哦…”

“最后的死亡cry Are you sure?”

有那么一刻,不知火的手放松了。

我尽量提高声音。

“BO9没了,BO9没了,BO9没了不存在。

BO9是幻觉,BO9是幻觉,BO9是幻觉。”

不知火一听到我的声音,就低下了头。我蹲了下来。

就好像是一个死气沉沉的疯子。

不知火被赶到我家的警察逮捕了。

逮捕的决定性因素是笔记本的内容和不知火衬衫上沾染的少量堪称被害少女怨气的口水。

据警方后来了解到,在整个审讯过程中,他口中念叨着“BO9,BO9”。

—————————————-< /p>

钢琴演奏会的日子到了。

我目前正在弹钢琴,伴着“佳能”的轻快节奏。

他的余生都将继续面对BO9。

嗯….那很好。

突然想起了从前的日子。

请大家为演奏帕赫贝尔的《佳能》的四条夏送上热烈的掌声。

钢琴演奏结束后,大厅内宣布。

全场爆发出雷鸣般的掌声。

就在这时。

不知道他什么时候进来的。

我不该到现在的。

一个和春年龄相仿的女孩鼓掌,仍然不确定,但绝望。

时间仿佛静止了。

哦,哈鲁…

一滴眼泪顺着他的脸颊滚落。

那时,我无法控制自己的情绪。


作者:退会会員
原文:BO9

咲耶姫(サクヤヒメ)満開の桜並木をひたすら歩いて行く。

気紛れな一陣の風が長い髪に触れ、ほんのりとした甘い香りを乗せてくる。

地味だった中学生活に別れを告げ、あたしの新しい青春一頁が今始まった。

家から少し遠いけれど、念願の新設校へ進学することができた。

幸い直ぐに気の合う友達もできた。

これからは楽しい高校生活をエンジョイしよう。

朝早く学校に登校すると、1年1組の廊下に学年50位までの入試結果順位表が貼り出されている。

あたしは自分の名前がないか必死に目で追った。

「なっちゃん」

遠くから、あたしの名前を呼ぶ声がして振り向く。

友達の風花(ふうか)だ。

風花が走り寄ってきて、あたしと肩を並べて呟く。

「この1位の子、凄くない?500点満点だなんて」

「う、うん。そうだね」

あたしは相槌を打った。

1位 不知火 駿(しらぬい・しゅん)

どこかで聞いた名前だったが、その時はまだ思い出せなかった。

「そういえば、この子、人と話してるところ見たことないんだけど」

風花が宙を仰ぎながら、あたしに問いかけた。

「優等生なんて皆そういうものよ」

咄嗟に、あたしはそう答えた。

「だよね。ところで、なっちゃん昨日のニュース見た?川から女の子の遺体が見つかったっていうの」

「見てないけど」

「犯人まだ捕まってないんだって。犯人この辺に居るかもしれないから怖いよね。あっ、1限目のチャイム鳴った。じゃあ、またね」

風花とあたしは慌てて教室へ滑り込む。

その日は授業を受け何事なく過ぎ去った。

もうすぐピアノの発表会。

勉強にピアノのレッスン。

ちょっと忙しくなってきた。

最近変に感じることがある。

誰かに後ろから見られている、そんな視線を感じてしまう。

実際後ろを振り返っても誰もいないけれど。

あたしがよく息抜きとして使っている場所がある。

学校の図書室、一角にある『ホラー小説コーナー』

こんな風変わりなコーナーを利用するのは、学校中探してもあたししかいないので、あたし専用の特等席になっている。

いつものように棚から小説を取ろうとした時だ。

床に薄汚れた古い手帳が落ちているのが目に入った。

あたしは、こっそりセーラー服の胸ポケットに手帳を押し込み、家に持ち帰った。

手帳には何が書いてあるのかしら。

興味本位で手帳の中を覗き込む。

最初のページをめくった。

何か異常とも思えるほど、赤鉛筆の赤で一面を埋めつくされた文書だ。

斜め右肩上がりの幼稚で歪(いびつ)な字。

まるで子供が書いた落書きのように……

——————————————

ぼくの中に、もう一人のぼくがいます。

BO9(ビー・オー・ナイン)。

ぼくは、そう名付けました。

最初に彼と出会ったのは、ぼくがまだ小学校へ上がる前の子供だった時の事で。

ぼくは家(うち)の縁側に腰掛け、ぼんやり外を眺めていました。

小さなアリの大群がムラサキアゲハを運んで行きます。ムラサキアゲハの羽一枚はもぎ取られ、もう一枚の羽には辛うじて繋がっている胴体が小刻みに震えているのが見てとれました。

ぼくは飽きる事無く恍惚(こうこつ)と、この光景を見つめていました。

静かに流れていたぼくの血潮が波打っているのがわかりました。

「どうだ、美しいだろう?」

彼は、ぼくの耳元で身体中が蕩(とろ)けそうになるくらいの甘美な声で、そう囁いたのです。

それから暫く、彼はぼくの奥に閉じ籠ったまま姿を見せる事がありませんでした。ぼくも気に留める事がありませんでした。

時間がその事を忘れさせ、心の奥深い箪笥(たんす)の引き出しの中にしまい込んでいったのです。

小学校へ上がった頃、よく近所のはるちゃんが家へ遊びに来ました。はるちゃんは二つ年下の女の子です。ぼくの行く場所ならどこでも後からついて来ました。

家のチョット離れた場所に大きな川が流れています。ぼくは川の水に膝まで浸かりながらメダカを獲っていました。

その時いつもついてくるはずのはるちゃんが来ません。

「川へ入っちゃだめなんだよ。ママがいつも言ってたもん」

はるちゃんが川の土手で叫んでいるのが聞こえてきました。

「大丈夫だよ。ほらね、沈まないよ。はるちゃん、こっちへおいでよ」

ぼくの声に誘われて、はるちゃんが恐る恐る近づいてきました。

ぼくのすぐ横まではるちゃんが来た時、両手で掬(すく)った中のメダカを見せてあげました。

はるちゃんは大きな目をさらに見開いて、嬉しそうに見ていました。

その後、彼女の手のひらに移そうとした時でした。

「あっ、お魚が……」

はるちゃんの小さな指の間からメダカが落ちて行きました。

はるちゃんは慌ててメダカを拾おうとしています。

その瞬間、表面がツルツルした丸い石に足をとられてしまって、はるちゃんが川の中に沈んでゆきました。

余りに急な出来事に、ぼくの身体は硬直し身動きできません。

水面(みなも)からは大小たくさんのあぶくが浮かんできます。

漸(ようや)く身体が動いた時、ぼくは川に潜っていました。

川底から『しじょう はる』と平仮名で書かれた、はるち
ゃんの名札が目に入りました。

ぼくは、はるちゃんの顔を覗きこみました。

はるちゃんの口からは、もうあぶくがでていません。

はるちゃんは大きな目でこっちを見ています。

それがまるで美しいお人形のようでした。

「ほら、美しいだろう?」

BO9……。

ぼくの身体の中にある歯車が「カチッ」と音をたてたのがわかりました。

「悲しくないかい?」

彼は、そう優しく語りかけてきました。

「ううん、悲しくなんかないよ。だって、はるちゃんは直ぐに動きだすんだ。電動仕掛けのオモチャのように身体のどこかスイッチを押せば動くからいいのさ」

ところが、はるちゃんはそれっきり動くことがありませんでした。

——————————————

気がつくと、あたしは身を乗り出して手帳の中味を読んでいた。

文章は、そこで終わっている。

ページをめくったが空白が続くばかり。

暫くして、あたしは手を止めた。

また文字が書いてあった。

筆跡が変わっている。

今までの文字とは裏腹に定規であてたような几帳面で綺麗な字だった。

何かに吸い寄せられるように、また続きを読み始めた。

——————————————

今のぼくは、まるで蝉の脱殻のようです。

ぼくの本体は、どこか遠いところに行ってしまって今ここには無い様な状態なのです。

BO9……。

彼と出会った充実した日々が忘れられない。

身体中の細胞が躍動するような感覚を取り戻したい。

学校の帰り道、狭い路地を歩いている時でした。

目の前を見知らぬ小さな女の子が近づいてきました。

真っ赤な夕陽を浴びて綺麗な絵画を思わせる光景でした。

丸ごと持ち帰りたい。

内心ぼくは、そう思ったのです。

「お嬢ちゃん、美味しい苺ケーキあげるよ。ちょっと家へ寄って行かない?」

ぼくは女の子に声をかけました。

「いりません。知らない人には、ついて行っちゃだめだと先生が言ってた」

女の子は怪訝(けげん)そうな顔をして足早に、ぼくの目の前を通り過ぎて行きました。

せっかく見つけた『宝物』を失いたくはなかった。

頭の中が真っ白になりました。

次の瞬間、ぼくは女の子の首を締めていました。

女の子は直ぐに動かなくなりました。

「楽しいだろ?」

BO9……。

胸の昂(たか)まりを抑えることができません。

ぼくは生まれきっての殺人鬼なのでしょうか?

生き物が死に直面した時、一瞬魅せる表情に見惚れてしまうのです。

女の子をおんぶして家に持ち帰りました。誰か知らない人が見ても兄妹としか見えないでしょう。それから家へ帰るのが楽しみになりました。

BO9とぼく、女の子の三人でよくお喋りしました。もっとも、女の子は専(もっぱ)ら聞き役専門でしたけれど。

一週間を過ぎた頃、女の子の綺麗な髪の毛は抜け落ち皮膚が剥がれ、強烈な異臭が鼻を突きました。

『宝物』が『ガラクタ』へと変貌した瞬間でした。

ぼくは女の子を川に捨ててきました。

ぼくは、次の『宝物』を見つけました。

それはぼくが遠い昔失ったもの、はるちゃんの面影を持った少女でした。

——————————————

手帳の手記(しゅき)は、そこで終わっていた。

次の日、学校へ行った。

学校に到着し、教室へ入る。

自分の机の前に立ち、制服のポケットを弄(まさぐ)る。

「あっ、手帳忘れた」

やばい、うっかり声を出してしまった。

その時、背後から視線を感じ振り返った。

今あたしは音楽室でピアノを弾いている。

一人の男子生徒が入って来て、声をかけてきた。

「やあ、元気かい?」

「あら、あたしに挨拶するなんて珍しいわね、不知火君」

「そうでもないさ」

「あたしに何か、ご用かしら?」

「いや、別に」

「手帳なら、ここには無いわよ」

「いったい、何の事だい?」

「白(しら)を切っても無駄よ。さっき、あたしが“手帳忘れた”って言った時、普段何にも興味を示さないはずのあなたが振り向いたでしょ。だから、あたしはあなたが犯人なんだと確信したわ」

「……」

「それとも、あたしを殺しに来たのかしら?」

「君の行動は把握していたよ。ぼくの唯一の失敗は、手帳を落としたことなんだ。しかし、それも君を殺した後取り戻せば何の問題もないよ。さて、君はどんな表情を見せてくれるのかな?」

不知火の手があたしの首を締めあげた。

「ゴホッ。ビー……」

「ん?」

「オー……」

「最後の断末魔の叫びかい?」

一瞬、不知火の手が緩む。

あたしは、あらん限りの声を振り絞った。

「BO9はもういない、BO9はもういない、BO9はもういない。

BO9は幻なんだ、BO9は幻なんだ、BO9は幻なんだ」

不知火は、あたしの声を聞くや否や大きく項垂(うなだ)れ蹲(うずくま)ってしまった。

あたかも、それは生気を失った腑抜けのように。

あたしの通報によって駆けつけた警官により、不知火は取り押さえられた。

逮捕の決め手となったのは、手帳の内容と不知火のワイシャツに付着した被害者女の子の怨念とも言うべきほんの僅かな唾液だった。

後から聞いた警察官の話によれば、取調べ中ずっと「BO9、BO9」と呟いていたという。

——————————————

ピアノ発表会の日が訪れた。

あたしは今『カノン』の軽快なリズムに乗せてピアノを弾いている。

彼は、この先も生涯BO9と向き合ってゆくことでしょう。

はる……、これで良かったのね。

ふと昔を思い出した。

「皆様、パッヘルベル『カノン』を演奏された四条 奈津(しじょう・なつ)さんに温かい拍手をお願い致します」

ピアノの演奏を終えたところで、場内にアナウンスが流れる。

会場の至るところから割れんばかりの拍手が湧き起こった。

ちょうどその時だ。

いったい、いつ入ったのかしら。

今まで居なかったはずなのに。

はると同じくらいの年齢の女の子が拍手している、まだ覚束(おぼつか)ない手つきで懸命に。

まるで時間が止まったようだった。

ああ、はる……。

一筋の涙が頬をつたう。

その時あたしは、こみあげてくる感情を抑えることができなかった。

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