秋冬即将换季的一天
阿良良木裕司正在便利店上班,22:30换上了一件淡粉色的外套。北野叶月来了到店里
“啊,叶月先生来了。”
“我叫阿良良木先生。”
“兰石先生,你会的给我想要的答案。”
“不是,我是叶月同学。”
叶月解释说是裕二他们用的视频软件。诈骗事件发生了,管理公司向经销商披露了其中的窍门,并提醒他们
“我明白了,如果你知道这个窍门,为什么不注意一下呢?”
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“问题是在那之后,他们似乎正在考虑将昂贵的礼物锁定在这一招中,以便只有通过提交身份证明文件注册的用户才能使用它。”
“我明白了……如果是这样的话情况下,那么你就知道礼物丢在了哪里,是谁丢的,所以可能会导致抓捕凶手。” p>
“不能打开,超过1000点的礼物是不能丢的。 ..” 尽情享受吧。”
“对了,别扔了。”
“贵的礼物真好。
可以买Yuji 等人使用的视频应用程序上的积分从 110 日元起
110 日元 50 积分
这是一个观众可以使用他们的积分向经销商赠送礼物的系统。然后,貌似叶月是在向雄二要收入,不过之前雄二扔了50点礼物的时候,节目中叶月正常的说了句感谢的话,但是叶月我告诉他我下一次来到便利店的时候有多开心天。
雄二扔掉昂贵的礼物后,他自杀了。告诉雄二不要这样
但是,我把雄二当成我的朋友,因为我可以谈论我最喜欢的动漫和偶像。
下班回家
村)悠二的手机通知了美奈子的信息
“悠,你有麻烦了”
“早上好,美酱,发生什么事了?”
>
“应用程序正在进行诈骗”
“发生了一些事情,美酱是不是中招了?” ”
“嗯,我表哥我不介意,不过这次轮到小雨了,是吧?”
“为什么?”写下来,就会“什么都解决了,对吧?你也解决了我的问题。” ・ 咦,为什么米伊酱知道这件事……世代都不知道,对吧? 我哥哥告诉我,他在重播时看到了它。 ・ 现在是警察抓骗子的时候了。”
雄二忍不住想知道雄二在美欧娜心目中是个什么样的人
突然,他打开了SNS。
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算命师Himiko感叹最近受骗者的咨询量增加了
Yuji立即回复Himiko。
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Miko嗨,谁不看电视
你可能不知道的近期事件
1:30年前,有个骗子
他的名字就是稻叶白人
他从来没有被警察抓到过,据说损失总额超过了1亿。
警察官员或者只有骗子知道名字的骗子
这个名字将被大众所熟知之所以会这样,是因为骗子假借白人的名义,骗取了骗子,受害人被汇回了损失金额。让他名声大噪
不过,从那以后,白人就再也没有出现过< /p>
而现在
一座孤零零地矗立在深山中的建筑就是一颗卫星。是否有人居住或仍在使用,面谈另议
房子是住户已经过世,短时间播出,邮箱里塞了一张兔子卡。
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那是白人离开藏身处后留下的卡片。
2:Talpa 一切如常。
他们三人的常规流程聊天然后分手
Talpa 必须服用精神药物。如果我这样做我就睡不着
今天是我的休息日
虽然正想着吃药睡觉
塔尔帕的手机响了
是大国集的来电
“别君,你呢?”现在打电话还好吗?”
“Kuni-san,好久不见了。 ?
舒今年55岁,是一名警察
他是辖区刑事科科长
5年前,他负责
塔尔帕约会的女子被毒品迷惑
发生争吵,附近居民报案
民警赶到赶到现场的是舒
女子一直对警官说
“不要相信他,他是个魔鬼!”
但是警官
结果被一个精神错乱的女人袭击,自卫成立。我对他产生了兴趣,决定以警官的身份成为顾问。我做了什么
“不,这次我没有怀疑。”
“别怀疑我,完全催眠是有可能的。你认为?
“这是可能的,但是……这不是完全困难吗?
“对了……我辖区发生了一件麻烦事,想听听你的意见。”
“好的,你在哪?”我走了,你来我家接我。”
“我现在在警察局。
3:来接我Talpa的小伙子到了警局,正和两个刑警聊天。
当我被带到一间空荡荡的审讯室时,Shu正坐在那儿等着.
桌子上放着一个文件叠起来
“早上好,不好意思给你打电话”
“没关系,我”今天我请假了,怎么回事?”
第一起事件发生在大阪府
诈骗案,嫌疑人却极力否认
当天1日他自称不记得
即使是测谎,法医研究所的工作人员从数据上也断定他不是罪犯
京都府也是如此。< /p>
东京发生3起
全国共发生10起
为防止冤假错案,警方监控
Talpa正在看修订购的资料。出事了
“Kuni-san,你知道这个街头算命先生是谁吗?”
“这个我就不知道了……所有的嫌疑人都不记得他们的脸了,他们的名字都不一样,在我们家发生的事件中,他们自称是‘Yokihi’ ”
>
“你听不到嫌疑人的声音吗?
“是的,总公司在审讯时主动录音,我们家发生的事件嫌疑人打电话给公司请假,他们还提交了录音资料。
>
Talpa 听了并对比了音频数据
感觉很奇怪
听了几遍之后,他发现了一些东西
“数据说他是在这家公司休息……语调有点不一样,有点东北口音。”
舒惊讶
想想看,正如塔尔帕指出的那样。
谢谢。
4:某天
因为下雨取消了工作,Talpa去女生酒吧喝酒
在回家的路上
我正想去参观雄二工作的那家店。
算命先生泽渡琴音坐在已经关门但现在空着的大楼前。/ p>
她是个女人,有一张漂亮的脸
她没有穿斗篷之类的东西,但她穿着一件黑色外套
我的时候他不在
塔尔帕的精神力即使在他喝醉的时候也会发挥作用。
“晚上好,你想算命吗?”
塔尔帕没有看漏
算命师一时浑身一颤,僵住了
“不……那是我的名字。”不是这样,是是吗?”
“嗯……那你的身体怎么一瞬间僵硬了?
“你是谁?” p>“跟我来”
说着,算命先生收拾了桌椅,站了起来。 >终于,我们到了周公馆并把Talpa领到一个房间
“我是稻叶白斗,你叫什么名字?”
“我不是算命先生,我之前劫持了算命先生,我”我是个骗子……我想和你做一笔交易,所以我想知道你的名字。”
塔尔帕想
看来会比我好玩期待
“我是另一个天神Talpa”
声音和琴音一样,自称白人的人带着轻微的东北口音
5:塔尔帕在闹市区郊外的一栋公寓前
白人走近塔尔帕。一笔交易
那个,和
公馆是持牌情趣用品店,没有招牌
完善的预约系统,没有初来乍到
完全保护顾客隐私
< p>Talpa进了门,往门卫办公室走去
“我约了8910,他昨天打来的。”
门卫房间里的男人是个年轻人
这个人是这家店的接待员
“我们在等你,请稍等。”
前台的人拨通了分机,之后不一会儿自动上锁的大门打开,出现了一位老者
这人。就是这家店的店长
曾经从白人那里继承这家店并受托的人
Hakuto 称自己为“Inada”作为经理
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“看起来您找到了一个相当年轻的继任者,Inada 先生。请走吧到经理办公室。”
公寓一共3层,一二楼各5个房间,有保安室和监
控金库
经理办公室是一个房间公寓里有一张桌子和一张沙发用来接待,经理催促Talpa坐下
>“请先给我举个例子。”
Talpa从里面拿出一个信封
收到信封后,他去了后面的办公桌,我检查了信封里的内容
这是一个毫无意义的用白人特有的笔迹写成的代码
前一天拥有Talpa的白人写的
>
“当然可以。确认了。我会准备好钱。你去玩吧,对吧?”
“被27号VIP明美小姐任命”
tulpa被传的房间里的女人是个24岁的美少女
p>
在那之后,白人还出没于塔尔帕,享受着女性难以光顾的夜店。
塔尔帕醒来时口袋里有20万日元。你逗我开心。但乐趣还在后面。”
Talpa 阴险地笑着说
5:白人之所以至今没有被抓到
是因为他使用了先天能力“附身”
由于附身,调查员< /p>
这样做,他逃脱了抓捕
首先,他附身琴音,寻找猎物进行诈骗
控制猎物行骗
把钱交给琴音后,离开琴音放出猎物
只是今天不一样
一边控制着猎物,一边去琴音所在的后巷,被刑警盘问了一番等待。比看起来更清晰
白人选择逃跑
逃离他的猎物,将他的灵魂逃到琴音
放弃他赢来的钱
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转几个弯,走向一条荒凉的小巷
直奔琴音等候的地方
突然出现了一个意想不到的人。
手拿剃刀的塔尔帕
“斩皇”
挥动手中的剃刀
变成斩击,命中白斗< /p>
“为什么?”
白人的灵体在斩击中被撕裂
“你是谁……”
白人说道对塔尔帕怒目而视
既然白人操纵了他的记忆,他不可能被问及他的职责,否则塔尔帕会出现在这里。
/p>
“你明白吗,如果我说平行思维?我不孤独…只有百分之几的人脑被使用。我在那个空白处植入了一些人格,所以我被允许看到你所有的记忆。你很快就会把我卖给警察,因为我是个骗子,是吗?这是一个前景。在那之前,我会让你消失。” 琴音感觉到消失了就冲了过来
“你是谁?”
“你是恶魔。直到最后,直到我厌倦它,即使是魔鬼。现在,我们去藏钱的地方吧。
藏钱的地方是白人接手琴音契约的后备箱。
即使必要的费用扣除了,5000万日元还在这个地方。
/p>
“你要做什么?你愿意自首吗?
“我不想被抓”
“那么份额就是7:3。”我会救你我要吃掉你的窝你可以成为我的眼睛,用那种灵感来帮助我。”
作者:蘭ユウジ
原文:『装飾虚偽(そうしょくきょぎ)』(存在しない記憶vol.5)
秋から冬に季節が変わろうとしているある日の事
蘭(あららぎ)ユウジが職場のコンビニエンスストアで仕事中、22時30分に薄いピンク色のコートを着込んだ北野(きたの)ハヅキが来店した
「あ、ハヅキさんいらっしゃい」
「らららぎさん!事件です」
「僕の名前を歌い上げるように間違えるな、僕の名前はあららぎだ」
「流石蘭さん、私が欲しい返しをくれますね」
「いや、今のはハヅキさんからのネタ振りでしょ・・・ところで事件?」
「あー、そうなんですよ、蘭さん」
ハヅキの説明ではユウジ達が使用している動画アプリで詐欺事件が起き、運営会社から配信者に向け手口を公開して注意喚起されていた
「なるほどね、手口が分かってるならそれに注意すれば良いんで無い?」
「問題はその後なんですよ、今回の手口にある高額ギフトに鍵を掛けて本人確認書類提出で登録したユーザーのみ使える様にする事を検討してるらしいのです」
「なるほど・・・確かにそれなら何処の誰がギフト投げたか分かるから犯人逮捕に繋がるかもね」
「そんな事になったら蘭さん絶対鍵開けないですよね」
「開けないね、そもそも1000ポイントを超えるギフトなんて投げれないし…」
「ですよね!よし!蘭さん、鍵が付く前に私に高額ギフトを投げてその快感を楽しみましょう」
「やっぱそう来たか、投げねーよ」
「高額ギフトは良いですよぉーまずはライバーからの心よりの感謝、そしてリスナーからは羨望と尊敬を受けれるんです」
ユウジ達が使う動画アプリでは110円からポイントを購入出来る
110円で50ポイント
視聴者はそのポイントを使用して配信者にギフトという形で投げ銭が出来るシステムである
配信者はポイントに応じた金額が報酬として支払われる
一見するとハヅキがユウジに収入の為におねだりしてる様に見えるが、以前ユウジが50ポイントのギフトを投げた時
配信中は普通にお礼の言葉を発したが、ハヅキが次の日コンビニに来て嬉しかった気持ちを伝えた
ユウジは100円程度と言ったが、ハヅキは値段で無くユウジが自分の為に使ってくれたのが嬉しいと言った
ユウジが高額のギフトを投げた後自殺・・・
そんな事になったら悲しいから無理はしないで欲しいとユウジに話している
ハヅキは自分に起きた怪現象を解決したユウジに感謝の気持ちを持っているが、ハヅキ自体は恋愛に興味は無く恋人を作る気は無い
しかし、好きなアニメやアイドルの話が出来るユウジを友人と思っている
仕事が終わり帰宅後
有村(ありむら)ミオナからの連絡をユウジの携帯電話が通知した
「ユー君大変だよー」
「ミーちゃんおはよ、どしたん?」
「アプリで詐欺事件起きてるって」
「なんか起きてるらしいね、まさかミーちゃん被害に遭った?」
「ううん、私のとこは平気、でもこれはユー君の出番でしょ?」
「何故?」
「だって・・・ユー君は何処かの駅の伝言板に秘密の言葉を書き込むと何でも解決してくれるんでしょ?私の問題も解決してくれたしー」
「俺を何処ぞのもっこりスイーパーと同じにするな、あそこまで優秀じゃない・・・てか、なんでミーちゃんがそれ知ってるのよ・・・世代的に知らんでしょ」
「だってこの間番組でMCとメンバーがコラボしたのってその作品の歌でしょ?お兄ちゃんが再放送で見たって教えてくれたよ」
「あぁ、そういやそんなシーンあったね、懐かしかった、しかし、だ、心霊絡みなら何とかなるかもだけど、前回のはギリギリ・・・詐欺師捕まえるのは警察の出番でしょ」
ミオナの中でユウジはどんな存在なのか疑問に思わずにはいられないユウジだった
ふと、SNSを開く
占い師をしている斐巫女(ひみこ)が最近詐欺被害に遭った人の相談が増えたと嘆いている
ユウジは早速斐巫女へ返信した
テレビを見ないという斐巫女
知らないであろう最近起きた出来事を
1:今から30年前1人の詐欺師がいた
名は稲羽(いなば)ハクト
警察に捕まる事も無く、被害総額は億を超えると言われている
警察関係者か詐欺師にしかその名を知られてない詐欺師
この名前が一般人に知れ渡る事となるのは、ハクトの名をかたって詐欺を行った詐欺師を騙して、被害者に被害額を送金した
詐欺師をも騙す詐欺師
そんなニュースが彼を有名にした
しかし、それ以降ハクトが現れる事は無くなった
そして現在
山の中などにぽつんと建つ建物を衛星写真から探すテレビ番組である家が放映された
番組は人が住む、もしくは、現在も使用されてる場合、取材交渉するのだが
その家は住人は既に死去しており、尺の都合で少しだけ放映された
その放映を見た退役警察官は目を疑った
住人が死去したその家の郵便受けには兎のカードが貼ってあった

それこそ、ハクトがアジトを引き払った後に残すカードだったのだ
2:タルパは何時もの様に業務をこなし、キヨマロと共にユウジが働くコンビニエンスストアに来ていた
3人で雑談をして解散というのが何時もの流れだ
タルパは精神薬を飲まなければ眠る事は出来ない
休みの日だ
薬を飲んで寝るか考えている時
タルパの携帯電話が着信を報せる
大国(おおくに)シュウからの着信だ
「別君、今電話平気?」
『国さん久しぶり、平気だよどうかした?』
シュウは55歳で警察官だ
所轄で刑事課長をしている
5年前タルパが巻き込まれた傷害事件を担当した刑事だった
タルパが付き合ってた女が薬で錯乱
喧嘩騒ぎになり、付近の住人の通報
駆けつけた警察官がシュウだった
女はしきりに警察官に対し
「そいつは悪魔だから信じちゃ駄目!」
と言い続けたが、警察官からみればどちらがまともかは一目瞭然だった
結果、錯乱した女が襲って来た事による正当防衛が成立した
シュウはタルパが持つサイコパスへの知識に関心を持ち、警察官としてアドバイザーとする事を決め、現在にいたる
『あれ?俺何かしたっけ?』
「いや、今回は疑って無いよ」
『今回はって事は前回疑ってたのかよ!』
「疑っちゃ居ないさ、なぁ、催眠術によって完全に記憶飛ばすのって可能だと思うかい?」
『可能っちゃ可能だろうけど・・・完全には難しいんじゃ無いかなぁ?』
「だよなぁ・・・管轄で厄介な事件起きてね、別君の意見聞きたいんだよ」
『良いよ、何処にいるの?今から行くから家まで迎えに来てよ』
「今は署に居るよ、分かった、迎えを出す」
『パトカーはやめろよ?この前のクラウンが良いな』
「なんだよ、パトカーは駄目か?分かった、30分位で行けると思う」
3:迎えに来た若い刑事2名と談笑しながら警察署に到着したタルパ
空いている取り調べ室へと案内されるとシュウが座って待っていた
テーブルにはファイルが積み重なっている
「おはよう、呼び出して悪いね」
『良いよ、今日休みだしー、で、どんな事件?』
最初に事件が起きたのは大阪府
詐欺事件だが、被疑者が徹底して否認している
その日1日の記憶が無いと主張している
ポリグラフ検査でも科学捜査研究所の職員がデータを見る限り犯人では無いと結論を出した
すると、京都府でも同様の事件発生
東京都でも3件事件発生
全国で合計10件の事件が起きている
警察は冤罪を防ぐ為、監視する事で様子見をしている
タルパはシュウが取り寄せた資料を読んでいる
するとこの事件の共通点として、路上占い師に声を掛けられた事があった
『国さん、この路上占い師ってのは誰か分かってるの?』
「それが分からないんだよ・・・被疑者は全員顔を覚えて無い、名前もバラバラ、うちで起きた事件では『ヨウキヒ』と名乗っていたらしい」
『被疑者の声とか聞けないかな?』
「あるよ、本庁から任意で取り調べの時録音してるし、うちで起きた事件の被疑者は会社に休みの電話入れてる、その音声データも提出して貰ってる」
タルパはその音声データを聞き比べた
違和感を覚えた
何回か聞き返した結果ある事に気付いた
『この会社に休むって言ってるデータ・・・少しだけどイントネーションが違うね、少し東北訛り入ってる』
シュウは驚いた
言われてみれば、タルパの指摘通りであった
『精神鑑定とかした方が良いかもよ?』
「ありがとう、早速手配するよ」
被疑者の精神鑑定を警察は行ったが異常は認められず、捜査は振出しに戻った
4:ある日の事
雨で仕事が中止になった為、タルパはガールズバーへ飲みに行っていた
その帰り道
ユウジの働く店に顔出そうと考えていた時だ
閉店して空き店舗になっている建物の前に座る占い師である鮫渡(さわたり)コトネがいた
女性で顔立ちも整っている
マントの様な物は羽織ってはいないが黒いコートを着ている
以前通った時には居なかった
タルパは酒が入った時も少しだけ霊感が働く
その占い師に何かを感じた
目が合った事で占い師の口が開く
「こんばんは、占いますか?」
『悪いが占いには興味は無い、あんたがヨウキヒか?』
タルパは見逃さなかった
占い師が一瞬動揺し、身体を強張れせた事を
「いえ・・・私はそんな名前ではありませんよ?」
『ふーん・・・じゃあ何で身体が一瞬強張ったんだ?』
「あなた何者?」
『さぁね』
占い師が一瞬口を閉じ、辺りに沈黙した空気が流れる
「着いて来て」
そう言うと占い師はテーブルと椅子を片付けて立ち上がった
占い師が歩く方向に着いて行くタルパ
やがてウィークリーマンションに着き、タルパを一室に案内した
「私は稲羽ハクト、君の名は?」
『待てよ、占い師に名前なんて明かすわけねーだろ』
「占い師では無いよ、さっきの占い師なら私が乗っ取っている、私は詐欺師だよ・・・君と取引がしたい、だから名前を知りたいのだよ」
タルパは考えた
思いの外に楽しめそうだ
『僕は別天津神タルパ』
声はコトネと同じだがハクトと名乗ったその人物の言葉には少し東北訛りがあった
5:タルパは繁華街の外れにあるマンションの前にいる
ハクトがタルパに持ち掛けた取引
それは、かつてハクトが騙し取った高級風俗店に預けた金を回収する事だった
そのマンションは看板を出してない営業許可済みの風俗店
完全予約制、一見さんお断り
客のプライバシー完全保護
エントランスに入りタルパは管理人室に向かった
『昨日電話した8910番を指名した者だけど』
管理人室いたのは若い男
この男はこの店の受付業務をしている
「お待ちしておりました、少々お待ち下
さい」
受付の男が内線で連絡し、しばらくするとオートロックになっている大きな扉が開き、初老の男が現れた
この男はこの店の店長
かつてハクトからこの店を譲り受け金を預かっている男だ
ハクトは店長には『稲田(いなだ)』と名乗っていた
「これはこれは稲田さん随分と若い後継者を見つけたみたいだね、どうぞ、店長室へ」
マンションの301号室通されたタルパ
マンションは3階建で、1、2階は1フロア5部屋
サービスを行う為の部屋である
3階は3部屋で店長室とモニター監視をする警備室と金庫室がある
店長室はマンションの一室で応接用のテーブルとソファーがあり、店長はタルパに座る様に促し言った
「まずは例の物を見せて下さい」
タルパはコートのポケットから封筒を取り出して店長に渡した
封筒を受け取ると奥にあるデスクに向かい、封筒の中身を確認した
それはハクトの癖字で書いた意味の無い暗号である
前日にタルパに乗り移ったハクトが書いたものである
「確かに。確認しました。お金を準備します。遊んで行かれますよね?」
『もちろん』
店長が内線で受付を呼び出し
「VIP様27番あけみさん御指名で」
タルパが通された部屋にいた女性は24歳の美しい風俗嬢だった
その後もハクトはタルパに取り憑いて、女性では行きにくい夜の店を堪能した
目覚めたタルパのポケットには20万円が入っていた
『随分と楽しませてくれたじゃん。でもお楽しみはこれからさ』
タルパは邪悪な笑みを浮かべそう言った
5:ハクトが今まで捕まらなかった理由
それは生まれ持った能力の『憑依』を使用していたからである
憑依により、捜査員の情報を得て、ある程度の記憶操作
それにより、逮捕を免れていた
まずはコトネに取り憑き、詐欺を行う獲物を探す
獲物をコントロールし詐欺を行う
得た金をコトネに渡した後、コトネと離れて獲物を解放する
今日だけは違った
獲物をコントロール中、コトネの待つ裏路地に行く前に刑事から職務質問されてしまったのだ
鞄にある金を見られると疑われてしまう事は火を見るより明らか
ハクトは逃げる事を選択した
獲物から脱出して、魂をコトネの所まで逃げる
あがりの金は諦めた
いくつか曲がり、人気の無い路地に向かった
コトネが待機しいてる場所までは一直線
目の前に意外な人物がいた
カミソリを手にしたタルパだ
『斬撃皇帝』
手にしたカミソリを振る
斬撃となり、ハクトに当たった
「なっ、何故だ?」
斬撃が当たるとハクトの霊体は切り裂かれた
「貴様何者じゃ…」
睨みながらタルパにハクトは言った
ハクトは記憶の操作をしたので、先程、職務質問を受ける事もタルパがこの場に現れるわけも無い
『並列思考って言ったら分かるか?僕は1人じゃ無いのさ…。人間の脳ってのは数パーセントしか使われて無いんだぜ。その空白に何体か人格を植え付けてるから、お前の記憶は全て見させて貰ったよ。もうすぐ僕を詐欺の犯人として警察に売るつもりだったんだろ?お見通しだ。そうなる前に消えてもらうよ』
悔しい表情を浮かべハクトの霊体が消える瞬間をタルパは弱者を見下す様な目で見ていた
ハクトの気配が消えた事を感じたコトネが駆け寄ってきた
「貴方何者なの?」
『悪魔だよ。あくまでも、飽くまでも、悪魔でもね。さぁ、金の隠し場所まで行くぞ』
金の隠し場所はハクトがコトネを乗っ取り契約したトランクルーム
必要経費を抜いた分でも5000万はこの場所にある
『どうする?これを持って自首するか?』
「捕まるのは嫌よ」
『なら分け前は7:3な。救ってあげるよ。巣食ってあげるよ。僕の目となり、その霊感を僕の役に立てるんだ』
こうしてコトネはタルパに従う占い師となった
秋から冬に季節が変わろうとしているある日の事だった
『装飾虚偽』完