在山间情人酒店度过一晚

iamk 日本恐怖故事 2024-04-27 09:00:01 259 0

“嘿,我们回家吧。”

坐在副驾驶座上的娜美看上去有些疲[文]惫,对着S喊道。

他没有回应尼米的哀求,而是紧紧握[章]着方向盘,把油门踩得更远。

太阳已经落山了,车外漆黑一片。

※※※※※※※※※※

那是夏天的一个星期六。

29岁的S和比她小5岁的娜美下午[来]在S的公寓玩,但他们有一些空闲时[自]间,决定去驾车约会。

把车停在隔壁镇中心的一个商场后,[i]我们两个人一起逛了一会儿,然后在[a]商场内的餐厅区吃了晚饭。

然后回到车里开始驾驶。

当时,太阳已经西下,天色已经黑了[m]

S 想与 Nmi 享受更亲密的时刻,所以他把车开进[k]了郊区立交桥附近的一家情趣酒店,[.]但不幸的是,它已经客满了。我去了[c]该地区的几家餐馆,但都订满了。

S无奈,只能再次沿着县道向北奔跑[n]

然后我就去了路上发现的沿路一栋房[恐]子,不过也住满了。

从这时起,S的脸上露出了不耐烦的[怖]神色,而Nmi的脸上也露出了迷茫[鬼]的神色。

看着S继续向北奔跑的侧脸,N米终[故]于开口了。

“嘿,我们现在回家吧。我有点累了[事]。”

他回应对于尼米的抱怨,他根本不听[文],只是盯着眼前绵延的道路。

他的脸上甚至还带着一丝悲伤。

不幸的是,男性悲伤的本性似乎显露[章]出来了。

很快,车子开始沿着缓坡行驶。

看来我们已经进入县界山区了。

S的车继续行驶在一条单车道的路上[来],右边有护栏,左边是山林。

周围已经被黑暗所笼罩。

此时,N-mi已经双手抱胸,一副[自]不忠的样子。我茫然地看着窗外。

我不知道转了多少弯,突然Nmi说[i]

“嘿,那边有东西在发光!”< /p>

并指向挡风玻璃的左前部。

S也朝那个方向看去。

那里,黑暗之中,是一片茂密的山林[a]

前面的道路上有一块拱形的发光招牌[m],发出可疑的光芒。

S放慢了速度,把车拉到左边,开始[k]慢慢行驶。

招牌上写着“LOVE SPOT Komorebi”,散发着粉红色[.]的光芒。

“这里也有类似的东西。”

S一边感慨万千,一边慢慢地转动了[c]方向盘向左。切到顶部并爬到拱形招[n]牌下面。

沿着一条两边都是树木的狭窄山路行[恐]驶后,道路终于开阔了,一片草地铺[怖]展开来。

在那里,他把车停了下来,用车头灯[鬼]照亮了道路。

前景是一块木制招牌,上面写着“L[故]OVE SPOT Komorebi”,后面我可以看[事]到周围散布着几栋类似小屋的单层建[文]筑。

“我想知道他们是不是在这里做的?[章]

S 将下巴靠在方向盘上,嘀咕道。

“这里有点令人毛骨悚然。我们现在[来]回家吧。”

娜美一脸担心地看着S。

不管有没有听到她的话,他默默地又[自]发动了车子。

似乎只有悲伤的男性本性在驱动着S[i]

我们慢慢地穿过粉红色屋顶和白色墙[a]壁的星罗棋布的建筑。

车内唯一回响的声音是轮胎碾压枯树[m]的声音。

然后,S突然看向前方,忍不住“啊[k]!”的一声。

前方大约50米处。

黑暗中,“空房间”两个字发出隐隐[.]约约的苍白光芒。

他小心翼翼地打方向盘,把车停在小[c]屋旁边。

S一关掉引擎,Nmi就板着脸嘟囔[n]道:“这种地方我进不去。”

“那就留在这里吧。”

S冷冷地说完,打开驾驶座车门,快[恐]步下了车。

娜美急忙开门出去,说道:“等一下[怖]。”

他靠着月光行走,站在了平房门口。[鬼]

朴素的白墙中央有一扇廉价的门。

门上贴着一块牌子,上面写着【全场[故]2000日元】。

在它的上方,“空房间”的字样发出[事]蓝白色的光。

S抓住门把手并尝试转动它。

然后它轻松旋转并轻松打开。

与此同时,房间里亮起了灯光。

当我抬起头时,我面前有一扇门。

刚脱掉鞋子,打开门,一股烧焦的味[文]道就扑面而来。

房间里好像有8张榻榻米左右。

这里的景色是一间廉价的情人酒店房[章]间,看起来就像是昭和时代粉色电影[来]中的场景。

吊灯式的灯从天花板上垂下,散发出[自]温暖、苍白的光芒。

长绒酒红色地毯上铺着廉价的米色布[i]料。

一个角落里有一台不合时宜的盒子形[a]状的电视和一台小冰箱,后面是一张[m]双人床。

床正上方的天花板铺满了镜子,边缘[k]完全是玻璃,所以你可以看到后面的[.]浴室。

当两人站在门口时,

摇晃

唐。 ,,唐...

有人敲前门。

S和Nmi惊讶地对视一眼,同时转[c]过身来。

S 看起来很紧张,说:“是的。”

然后,从门的另一边,我听到一个低[n]沉的男声问道:“你要过夜吗?”

当 S 走向门口并回答“是”时,底部的小[恐]窗口就会打开。

两处血丝眼睛从缝隙里往外看。

瞳盯着S等人看了一会儿,低声说道[怖]:“2000日元。”

S走到门口,从牛仔裤后面的口袋里[鬼]掏出钱包,掏出两张1000日元的[故]钞票,放进缝隙里。

过了一会儿,一根肌肉发达的手指出[事]现,将它夺走了。

他立即锁上了门,并在门上挂了一条[文]链子。

※※※※※※※※※※

“嘿,我要去洗澡了。”

< p>我就是这么说的,尼米去了后面的卫生间。

此时,S坐在床边的沙发上,玩着手[章]机。

大约过了半个小时,他开始觉得无聊[来],漫不经心地朝卫生间看了一眼。

在浴室床边的隔断玻璃的另一边,我[自]可以看到N-mi赤裸的背影。

但是事情有点奇怪。

他连动都没动一下,在黑暗中冲了头[i],没有开灯。

他心中疑惑,站起身往卫生间走去。[a]

我打开与卧室隔开的玻璃门,再次看[m]着尼米。

我深吸了一口气。

不是平时白皙紧致的身材,而是皮肤[k]干燥,腹部肉厚,屁股微微下垂,就[.]像一个疲惫的中年人。年长的女人。[c]

她的身体与平常不同,她只是站在浴[n]缸前,从头上洗着澡。

S恐惧地叫道。

“N-bi...”

但她背对着他,低下头,完全没有反[恐]应。。

最后,S从后面走近,关掉淋浴,再[怖]次看着旁边N米的侧脸。

我再次震惊了。

他的额头布满了皱纹,脸颊下垂,到[鬼]处都是斑点。

她低头凝视着一点,自言自语着什么[故]

“嘿,出于某种原因你在跑步吗? ”

就在这时,S把手放在了她的肩膀上[事]

突然,尼米看向他的脸,双手掐住他[文]的脖子,握得更紧。

他的眼睛是纯白色的,没有黑色的眼[章]睛。

“喂,你在做什么?停下来!”

说着,S抓住了她的手腕,试图将其[来]移开,但是……力量比他们想象的还[自]要强大,两人向后倒去。

娜美骑在他的浴室瓷砖上,开始对他[i]的手施加更大的压力。

他的脸上挂着灿烂的笑容。

S无法忍受疼痛,用力拍打她的脸颊[a]

力量导致娜美跌倒在横手身上,她无[m]法动弹。

S惊慌失措,依偎在她身边,再次看[k]着她的脸。

那是一张平常的N美人脸。

她似乎昏迷不醒,他抱起她,回到卧[.]室,将她放在床上。

※※※※※※※※※※

之后,S洗完澡,躺在Nmi身边,[c]关了灯。

过了一会儿,他突然醒了,感觉昏昏[n]沉沉的。

看来他做了一场噩梦。

我看了看床边的手机,已经凌晨两点[恐]多了。

当我转过身去时,我看到尼美仰面睡[怖]得很香。

他松了口气,下床去拿水,在黑暗中[鬼]走到靠墙的冰箱前。

就在这时,门开了。

“哇!”

他发出一声轻微的尖叫,屁股摔倒了[故]

我的心率突然达到最大值。

在S的视线前方,一个白色的小冰箱[事]里躺着一个男人的头颅。

那里只有一个棕色头发、皮肤白皙的[文]年轻男子的头。

男人眼睛瞪大,嘴巴半张着,似乎想[章]要说什么。

令人难以置信的是,S吓得不敢动弹[来]。,一道微弱的声音从他的嘴里发出[自]

Ta...Kulter...An[i]o...女人...

``是吗?女人疯了?”

S重复了男人的话。

说完这句话,只剩下脖子的青年静静地闭上了眼睛和嘴巴。

在山间情人酒店度过一晚 日本恐怖故事

当S再看时,年轻人的头已经不见了[a]

他坐在那里,茫然若失,感觉鼻孔里[m]有一股奇怪的味道。

这与我进入房间时感受到的烧焦气味[k]相同。

而且比第一次更强烈,甚至让我咳嗽[.]

感觉到身后有一股不寻常的气息,他[c]本能地转过身来,看到眼前的景象,[n]发出一声小叫。

S的身后突然被苍白的火焰包围。

火焰很强大,正在逼近。

他急忙站起来,大喊“N-bi!”[恐],然后看向床边。

然后我注意到床前有一个被火焰吞没[怖]的黑色人影。

“N-bi?”

那个人影还在那里,没有回答他的问[鬼]题。我'我站在那里。

当他的目光终于看到那道身影时,他[故]的脊背瞬间升起一股寒意。

这是一个黑发夹杂着被不经意地伸展[事]开来的灰白头发的女人。

而且那两只眼睛没有黑眼珠,是纯白[文]色的。

而且,他的身体从脖子以下,漆黑一[章]片,如同影子一般。

女人慢慢靠近S。

他一点点后退。

然后,那个女人终于出现在了他的面[来]前。

他吓得失去了知觉,当场倒地。

※※※※※※※※※※

…………

“嘿,醒醒!”

S 被 Nmi 的声音吵醒。

环顾四周他很震惊。

映入眼帘的,是一片如同大火残骸的[自]景象。

周围的墙壁大部分都不见了,仿佛被[i]烧成了平地,只有几根粗大的黑色碳[a]化柱子矗立着。

他躺在烧焦的地板上,摇摇晃晃地站[m]了起来。

旁边是一个漆黑的冰箱和一个盒子形[k]状的电视。

在他面前两米左右的破旧双人床上,[.]裹着被子的尼美正用一脸准备的表情[c]看着他。哭吧,有。

床边是一个烧焦的浴缸。

当我抬头望去时,我看到蔚蓝的天空[n],没有一丝云彩。

S摇摇晃晃地走到Nmi的床边,重[恐]重地坐在床边。

然后,就在两人站着发呆的时候,前[怖]方的树林中突然出现了一个穿着工作[鬼]服的老者。

男人一脸狐疑地走近两人,问道:“[故]你们在这里做什么?”

据说这名男子来自附近的一个村庄。[事]

S将昨晚这里发生的神秘事件尽其所[文]能地告诉了该男子。

男人听完他的话,抱臂了一会儿,似[章]乎在思考什么,但随后就说出了这样[来]的话。

``正如你所说,这附近肯定有一些[自]有问题的酒店。

但那是在昭和时代。嗯,最初,好像[i]是从别处来了一个见不得光的女人,[a]买下了这一带的所有土地,开始做生[m]意了。

那个女人总是化着华丽的妆容,显然[k]是个奇怪的老太太,穿着露出鲜红的[.]衣服。

她对自己在泡沫经济时期投资房地产[c]赚了很多钱感到非常自豪。

所以,对于一些人来说,事情似乎进[n]展顺利。几年了,但是有一天,附近[恐]的一套公寓发生了火灾,是的,就是[怖]你现在住的同一栋楼。

从烧焦的废墟中,发生了火灾。旅馆[鬼]老板的女人的尸体被发现了。

并且似乎与女人一起发现了一名年轻[故]男子的无头尸体。店主金似乎已经养[事]成了主人的习惯,他总是乐于把年轻[文]人带进大楼。

看来,她终于爱上了其中一位主人,[章]有一天,她与他发生了争吵,还把他[来]杀了。

最后,她夺走了自己的生命。生命,[自]似乎被点燃了。

嗯,看来这在当时是一个相当热门的[i]话题。”

当那人谈到这件事时,他说叫你们小[a]心点,回家吧。我什么也没说,就走[m]了。

然后,S和Nmi离开了床,走到停[k]在大楼旁边的车上,上了车。

※※※※※※※※※※

S终于可以回家了,顺着缓坡的山路[.]走下去。就这样,我和Nmi一遍又[c]一遍地交谈。

但她仍然保持沉默,靠在左边的窗户[n]上。

然后,在第二次等红绿灯的时候,他[恐]终于把手放在她的肩膀上,更加有力[怖]地说,“嘿,来吧,说点什么。”

Nomi然后慢慢转向S。

看到那张脸的那一刻,他脊背发凉。[鬼]

她笑得白眼无黑眼。

fin

分隔符

由Nekojiro介绍


作者:ねこじろう
原文:山あいのラブホでの一夜

「ねぇ、もう帰ろうよ」

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助手席のN美が少し疲れた感じで、[故]Sに声をかける。

彼はそんなN美の訴えに答えること[事]もなくハンドルを強く握りしめると[文]、さらにアクセルを踏み込んだ。

日はとっくに落ちていて、車の外は[章]漆黒の闇が支配していた。

※※※※※※※※※※

それは夏のとある土曜日のこと。

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29歳のSと5歳下のN美は午後か[来]らSのアパートで遊んでいたが、暇[自]を持てあましドライブデートに出掛[i]ける。

隣町の中心部にあるショッピングモ[a]ールに車を停めた後、しばらく2人[m]でショッピングを楽しみ、モール内[k]のレストラン街で晩御飯を食べた。[.]

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それから再び車に乗り、走り出す。[c]

その時はもう太陽は西の彼方に沈も[n]うとしていて、辺りはだいぶん薄暗[恐]くなっていた。

SはN美とさらに濃密なひとときを[怖]楽しもうと郊外のインター近辺に建[鬼]ち並ぶラブホの1軒に車を入れるが[故]、あいにくと満室だった。ならばと[事]周辺の数軒に入るが、やはり全て満[文]室だった。

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しょうがないからSはまた県道を北[章]へと走りだす。

そして途中に見つけた道沿いの一軒[来]に入るが、これまた満室。

このくらいからSの顔には焦りの、[自]N美の顔には困惑の表情が現れ出し[i]た。

どんどん北へと走り続けるSの横顔[a]を見ながら、とうとうN美は口を開[m]く。

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「ねぇ、もう帰ろうよ。私ちょっと[k]疲れたよ」

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彼はN美の訴えには全く耳を貸すこ[.]となく、ひたすら正面に伸びる道を[c]睨んでいた。

その顔には悲壮感さえ漂いだしてい[n]る。

残念ながらオスの悲しい本性がむく[恐]むくともたげてきているようだった[怖]

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やがて車はゆるやかな傾斜の坂道を[鬼]走り出す。

県境の山あいに入ったようだ。

右手にはガードレール、左手には山[故]林の迫る片側一車線の道を、Sの車[事]は走り続けている。

既に辺りは闇に包まれていた。

この頃にはN美は腕組みして不貞腐[文]れたような顔でウィンドウからボン[章]ヤリ外を眺めていた。

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何個めのカーブを曲がった時だろう[来]か、突然N美が

「ねぇ、あそこ、何か光ってるよ![自]

と言ってフロントガラスの左前方を[i]指差す。

Sもそっちに視線をやった。

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そこは暗闇の中、鬱蒼と拡がる山林[a]

その手前辺りの道に沿って怪しく灯[m]るアーチ型の電飾看板。

Sは速度を落とし車を左に寄せると[k]、ゆっくり走り出した。

看板には「LOVE SPOT こもれび」という文字がピンクの光[.]を発している。

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「こんなとこにも、あるんだ」

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感心し呟きながらSはゆっくりハン[c]ドルを左に切り、アーチ型の看板の[n]真下を潜り進む。

そしてしばらく両側に木々の迫る狭[恐]い山道を走ると、やがて道が開け草[怖]地が広がった。

そこで彼は車を停め、ヘッドライト[鬼]で前方を照らす。

手前に「LOVE SPOT こもれび」と書かれた木製の立て看[故]板があり、その後方にロッジ風の平[事]屋の建物が数軒疎らにあるのが見え[文]た。

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「ここ、やってるのかな?」

ハンドルに顎をのせたまま、ぼそり[章]とSが呟く。

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「ここ何だか気味悪いよ。もう帰ろ[来]うよ」

N美が不安げな顔でSの顔を見る。[自]

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彼女の言葉が聞こえているのかいな[i]いのか、彼は無言のまま再び車を動[a]かしだす。

悲しいオスの本性だけがSを突き動[m]かしているようだ。

点々と建ち並ぶピンクの屋根に白い[k]外壁の建物の間をぬって、ゆっくり[.]と進んでいく。

パキパキというタイヤが枯れ木を踏[c]む音だけが、やけに車内に響いてい[n]た。

そしてふと前方に視線をやったSが[恐]思わず「あっ」と声をあげた。

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そこは凡そ50メートルほど前方辺[怖]り。

暗闇の中、「空室」の二文字がボン[鬼]ヤリ青白く光っている。

彼は慎重にハンドルを操作し、その[故]コテージの真横に車を停車した。

Sがエンジンを切ると途端に、N美[事]が「わたしはこんなとこ、入らない[文]からね」と険しい顔で呟く。

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「じゃあ、ここにいろよ」

そう冷たく言い放つとSは運転席の[章]ドアを開き、さっさと外に出た。

慌ててN美も「ちょっと待ってよ」[来]と言いながらドアを開き外に出る。[自]

月明かりを頼りに彼は歩くと、その[i]平屋建物の入口前に立った。

殺風景な白壁の中央には安っぽいド[a]ア。

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ドアには【オールタイム2,000[m]円】と書かれたボードが貼られてい[k]た。

その上には「空室」の文字が青白く[.]光っている。

Sはドアノブを握ると、回してみる[c]

するとそれは容易に回転しあっさり[n]開いた。

同時に室内に明かりがパッと灯る。[恐]

見ると玄関上がってすぐ目の前にド[怖]アがあった。

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靴を脱いで上がりそのドアを開いた[鬼]途端、何故か焦げ臭い匂いがSの鼻[故]をつく。

室内は8帖ほどあるようだ。

そこはまるで昭和の頃のピンク映画[事]に出てくるような安っぽいラブホテ[文]ル一室の眺め。

天井からはシャンデリア調の照明が[章]ぶら下がっていて、淡い暖色系の明[来]かりを灯している。

毛足の長いワインカラーのカーペッ[自]トに安っぽいベージュのクロス。

片隅には時代錯誤な箱型テレビと小[i]さな冷蔵庫があり、奥にはダブルベ[a]ッドが一つある。

ベッドの真上の天井は鏡張りで、際[m]は全面ガラスになっていて奥の浴室[k]が丸見えのようだ。

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二人が入口で立ち尽くしていると、[.]

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shake

ドン、、、ドン、、、

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玄関ドアを叩く音がする。

驚いたSとN美は顔を見合わせると[c]、同時に振り返った。

緊張した面持ちでSが「はい」と声[n]を出す。

するとドア向こうから「お泊まりで[恐]すか?」というくぐもった男の声が[怖]した。

Sがドアに向かい「は、、はい」と[鬼]答えると、下方にある小窓がパカリ[故]と開く。

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血走った2つの瞳が隙間から覗いて[事]いる。

瞳はしばらくSらを凝視すると、「[文]2,000円です」と呟いた。

Sはドアのところまで歩きジーパン[章]の尻ポケットから財布を出すと、1[来],000円札を2枚抜き取り隙間に[自]差し出す。

しばらくすると筋張った指がぬっと[i]現れ、奪うようにして取り去った。[a]

彼はすぐドアに鍵をかけると、さら[m]にチェーンも掛けた。

※※※※※※※※※※

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「ちょっと、シャワー浴びてくる」[k]

そう言って、N美は奥の浴室へと行[.]った。

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その間Sはベッド横にあるソファー[c]に座り、携帯をいじっていた。

それから半時間くらいが過ぎて退屈[n]しだした彼は、何気に浴室の方に視[恐]線をやる。

ベッド横の仕切りガラスの向こうに[怖]ある浴室に、裸のN美の後ろ姿が見[鬼]えていた。

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ただ少し様子が変だ。

電気もつけず暗闇の中シャワーを頭[故]から浴びながら、ピクリとも動かな[事]いのだ。

不審に思ったSは立ち上がると、浴[文]室に歩いた。

寝室との仕切りのガラスドアを開き[章]、改めてN美を見る。

そしてハッと息を飲んだ。

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そこにあるのはいつもの白く張りの[来]ある身体などではなく、ぱさついた[自]肌と腹回りにはでっぷりと肉が付き[i]尻は少々垂れていて、まるで疲れ果[a]てた中年女のようだ。

そんないつもと異なる身体の彼女が[m]バスタブの手前に立ち頭からシャワ[k]ーを浴びながら、ただじっと立ち尽[.]くしている。

Sは恐る恐る声をかけた。

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「N美、、、」

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だが彼女は背中を向けたままうつむ[c]き、全く反応しない。

とうとうSは背後から近付きシャワ[n]ーを止めると、真横から改めてN美[恐]の横顔を見た。

そしてまた衝撃を受ける。

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その額には幾筋もシワがより頬は弛[怖]み、あちこちシミがあった。

彼女はうつむき一点を見つめながら[鬼]、何かぶつぶつと独り言を呟いてい[故]る。

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「おい、何しかとしてるんだよ?」[事]

そう言ってSが彼女の肩に手を乗せ[文]た時だった。

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突然N美が彼の顔の方を見ると両手[章]でその首を掴み、グイグイと力をこ[来]めだした。

その瞳には黒目がなく真っ白だ。

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「おい何すんだよ、止めろよ!」

そう言いながらSは彼女の手首を掴[自]み外そうとするが、その力は思った[i]以上に強く二人はそのまま後方に倒[a]れこむ。

浴室のタイルの上でN美は彼に馬乗[m]りになると、その両手にさらに力を[k]こめだした。

その顔には満面の笑みを浮かべなが[.]ら。

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苦しさに耐えきれなくなったSは思[c]わず力任せに彼女の頬を平手打ちす[n]る。

その勢いでN美は横手に倒れると、[恐]そのまま動かなくなってしまった。[怖]

慌ててSは彼女の傍らに寄り添うと[鬼]、改めてその顔を見る。

そこには、いつものN美の顔があっ[故]た。

どうやら彼女は気を失っているよう[事]で、彼は彼女を抱えると寝室に戻り[文]ベッドに寝かせた。

※※※※※※※※※※

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その後Sはシャワーを浴びN美の隣[章]に横たわると、電気を消す。

それからどれくらいの時が過ぎた頃[来]か、彼はうなされながら突然目を覚[自]ました。

どうやら悪夢を見ていたらしい。

枕元に置いた携帯に目をやると、時[i]刻は深夜2時を過ぎている。

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隣を向くと、仰向けのまま熟睡して[a]いるN美の姿があった。

彼はホッと息をつき水でも飲もうと[m]ベッドから降り、暗闇の中壁際にあ[k]る冷蔵庫まで歩く。

そしてその扉を開いた時だった。

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「うわっ!」

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彼は小さな悲鳴をあげ、そのまま尻[.]餅をついた。

心拍数が一気にマックスになる。

Sの視線の先、小さな白い冷蔵庫の[c]中には男の生首があった。

茶髪で色白の若い男の頭部だけがそ[n]こにはある。

その男は何か言いたげに大きく目を[恐]見開き、口は半開きにしている。

Sが恐怖のあまり動けずにいると、[怖]信じられないことに、その口から微[鬼]かに声が聞こえてきた。

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タ、、タスケテ、、、アノ、オンナ[故]、、クルッテル、、

nextpage

アノ、オンナ、、クルッテル、、ア[事]ノ、オンナ、、、

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「あの女狂ってる?」

Sが男の言葉を復唱した。

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それだけ言うと首だけの若い男は、[文]静かに瞳と口を閉じる。

Sが再び見たとき、その若い男の生[章]首はなかった。

呆然と放心したまま座り込でいた彼[来]は、おかしな匂いを鼻腔に感じる。[自]

それは入室した時にも感じた、焦げ[i]臭い匂い。

しかも最初の時よりも強くなってお[a]り、咳き込むほどだ。

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ただならぬ気配を背後に感じた彼は[m]思わず振り向くと、眼前に広がる光[k]景に小さな悲鳴を上げてのけぞる。[.]

Sの背後はいつの間にか青白い炎に[c]囲まれていた。

炎の勢いは強く、間近に迫っている[n]

慌てて立ち上がった彼が「N美!」[恐]と叫び、ベッドの方を見る。

そして炎に包まれたベッドの前に黒[怖]い人影があるのに気付いた。

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「N美?」

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彼の問いかけに答えることなく、そ[鬼]の人影はただじっとその場に立ち尽[故]くしている。

そしてその目がようやくその姿を捉[事]えた時、彼の背筋は一瞬で凍った。[文]

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それは白髪交じりの黒髪を無造作に[章]伸ばした女。

そしてその2つの瞳には黒目がなく[来]真っ白だ。

しかも首から下の身体は影のように[自]真っ暗だった。

女はじりじり歩きながらSに近づい[i]てくる。

彼は少しづつ後退していく。

そしていよいよ、その女が目前に迫[a]った時だった。

恐怖のあまり彼は意識を失うと、そ[m]の場にへたりこんだ。

※※※※※※※※※※

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…………

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「ねえ、起きてよ!」

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N美の声でSは目覚める。

そして辺りを見回した彼は愕然とし[k]た。

その視界には、まるで火事の焼け跡[.]のような光景が入ってきた。

周囲の壁はほとんど焼け落ちたかの[c]ように無くて、炭化した黒く太い支[n]柱だけが数本立っているような状態[恐]だ。

焦げた床の上に横たわっていた彼は[怖]よろけながら立ち上がった。

傍らには真っ黒になった冷蔵庫と箱[鬼]型テレビ。

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2メートルほど前にあるぼろぼろの[故]ダブルベッドの上には布団にくるま[事]ったN美がいて、今にも泣きそうな[文]顔で彼の方を見ている。

ベッドの向こうには焦げたバスタブ[章]があった。

見上げると、雲一つない青空が広が[来]っている。

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Sはふらふらと歩いてN美のいるベ[自]ッドまで行くと、ドスンとその端に[i]座った。

そしてしばらく二人ただ呆然として[a]いると、前方に立ち並ぶ林の間から[m]忽然と作業着姿の初老の男性が現れ[k]た。

男性は怪訝な顔をしながら二人の傍[.]まで近づくと「あんたたち、こんな[c]とこで何してんだ?」と尋ねる。

男性はこの近くの部落の者というこ[n]とだった。

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Sは男性に、昨晩ここで起こった不[恐]思議な出来事の顛末を覚えている限[怖]り話した。

男性は彼の話を聞いた後しばらく何[鬼]かを考えるような様子で腕組みして[故]いたが、やがてこのようなことを喋[事]りだした。

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「あんたの言う通り、確かにここら[文]一帯には怪しげなホテルが数軒あっ[章]たな。

ただそれは昭和の頃の話でな、元々[来]はなんでも、他所の土地からふらり[自]と来た胡散臭い女がここら一帯の土[i]地を買い占めて営業始めたみたいで[a]な。

その女、なんやいつも派手な化粧と[m]露出多めの真っ赤な服を着た、ちょ[k]っと変わったおばさんやったそうや[.]

なんでもバブルの頃不動産投資で大[c]儲けしたと、えらい自慢しとったら[n]しい。

それで数年はうまくやっとったみた[恐]いなんやけど、ある日ここらの平屋[怖]の中の一棟が火事になってな、そう[鬼]、あんたらが今いるそこの棟や。

焼け跡からは、なんとホテルオーナ[故]ーの女の遺体が発見されたそうなん[事]や。

しかも一緒に若い男の首のない遺体[文]が見つかったようでな、どうやらこ[章]この女オーナー金にものを言わせて[来]ホスト遊びにはまっとったみたいで[自]な、普段から若い男をその棟に連れ[i]込んでは楽しんどったみたいや。

それでとうとう一人のホストにがち[a]惚れしたようでな、ある日そのホス[m]トと痴話喧嘩のあげく殺してしまっ[k]たみたいでな、

最後は自ら命を絶って火を放ったみ[.]たいなんや。

まあ当時は結構話題になったそうや[c]

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男性はそこまで話すと、あんたたち[n]も気いつけて帰りやと言い残し立ち[恐]去った。

それからSとN美は二人ベッドから[怖]離れると、棟に横付けしている車の[鬼]ところまで歩き乗り込んだ。

※※※※※※※※※※

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ようやく帰路に付くことが出来たS[故]は、なだらかな傾斜の山道を下りな[事]がら何度となくN美に話しかける。[文]

だが彼女は左手のウィンドウにもた[章]れかかったまま、黙りこんだままだ[来]った。

そして何回めかの信号待ちの時、彼[自]はとうとう彼女の肩に手を乗せ、「[i]なあ、いい加減何か喋れよ」と少し[a]強く言う。

するとN美はゆっくりSの方に向き[m]直った。

そしてその顔を見た瞬間、彼の背筋[k]は凍りつく。

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彼女は黒目のない白い瞳でニタリと[.]微笑んでいた。

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