“Omamori”独自旅行系列“山阴版”①

iamk 日本恐怖故事 2023-08-17 08:30:02 475 0

曾几何时,很久以前我犹豫要不要把它贴在这里。 (笑)

曾经有一段时间,我沉迷于一个人旅行。

每到节假日,我都会怀念那些光着身子跳上火车,没有箭也没有盾的日子。

“Omamori”独自旅行系列“山阴版”①

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‖放长假的时候,我拿着一张大到一[文]只手拿不住的时刻表,挂了一个单反[章]脖子上挂着胶片相机,背着比背宽一[来]号的帆布背包,在开着车窗的慢车上[自]摇摇晃晃地度过了一天,风随心所欲[i]地吹。

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‖那个年代,没有智能手机,没有手[a]机,一出门,与家人朋友联系的唯一[m]方式就是在车站或商店。无论你走到[k]哪里,都必须使用提供的公用电话或[.]借用一部。

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‖目的地的信息收集是一份报纸(我喜欢当地报纸不到10p。),或者

Nothing但是车站里一台嘈杂的晶体管收音机和一台电视机一直开着。

所有模拟。那是正常的时代。

‹ 首都圈只有几家便利店,便利程度与[c]现在明显不同,但我并没有感到任何[n]不便,即使是一点小麻烦也成为了美[恐]好的回忆。对吧。等等,我只是在找[怖]自私的借口。

‖当然,对于一个年轻的女孩来说,[鬼]一个人旅行总是很危险的,过去也没[故]有改变。

我的家人警告我“保持联系!”换句[事]话说)猫直起。 (我妈说我傻。)

听说有隐藏点,你会花上一整天的时间逛一圈,如果你听说这个地方很好吃,你会去任何地方。 。 . .我不介意排队等候吃饭。

‖在拍照和与当地摄影师和报社交朋友的过程中,行程出了问题,(因为偶尔的假笑话和失败)他不得不上火车。总是在最后一刻到达住宿处。

e

即使是在住宿地,也忍不住享受当地[文]美食,在公共大浴场泡个澡,泡完澡[章]再来一杯啤酒。还没来得及确认第二[来]天的日程,我就倒在被褥里睡着了,[自]直到早上被旅馆的女服务员或工作人[i]员叫醒。

‖公用电话备币、借电话、连电话卡[a]都麻烦,整整一个礼拜都没有联系。[m]有很多事情。

〉(我经常被训斥,因为早餐时打电[k]话给宾馆的小姐,问我深夜在家是否[.]安全......)

〉这个“不孝女”是安全的. 我敢肯定,在我回到家之前,我的父[c]母很担心。

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‖首先,对于我这个年龄来说,我年[n]轻的可怜,又是一个“女人”,我真[恐]的不明白什么“旅途”、“孤独”和[怖]“青春”的意思。

‖青春是美好的。它是无知的,没有[鬼]防御能力的,并且有足够的动力来克[故]服一些障碍。

我的许多旅行都是辉煌的、耀眼的、有趣的。

另一方面,我在光天化日之下也有过很多可怕的经历,比如被绊倒在脚下,陷入深深的黑暗之中。

如今年纪大了,无论是怎样的邂逅,都比任何珠宝都贵重珍贵,闪耀着珍贵的“宝物”。

说到“宝物”,我曾在旅途中收到一[事]位女士送的非常难得的礼物。

从现在开始,将被拼写出来的故事,将是在与独自旅行有关的记忆中脱颖而出的“神秘莫名的事件”。

(最近觉得有点像我上传的两部作品(《固定电话1和2》)。>

有些地方记忆有点模糊,但如果有时间和余地暗光公主一个人的旅行,你愿意陪我一段时间吗?

天哪,好久不见介绍变得太长了。

我以为没有任何先验知识,人们是不可能了解当时的情况的。

老太婆的心。

对不起。 “不,我不想变老。”

那么,让我们开始吧。

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我想,“我想去很远的地方,这是很[文]少可能的。”我决定去“Hagi / Tsuwano”和“Yamagu[章]chi / Akiyoshido”。

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‖提前购买往返机票,并决定在目的[来]地住宿。虽然行程随意,但没有大的[自]问题。‖行程进入最后阶段. 我正要欢迎你呢。 (唯一的问题是我从爸爸那里借来的[i]单反胶片相机摔坏了。汗)

然而,这是我的第一次长长的旅行,我可能有点累,不像我前两次旅行。

突然想去看海,于是改变了计划,决定去S市的○○,那里以美丽的海岸着称。

‖去S市,中途要在M站换乘。

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带着洗衣、纪念品、传单和小册子,我走到哪里都有,我的大背包膨胀得太多了,我装不下任何其他东西。 .

虽已是9月下旬,但酷暑依旧。为了应对暑气,我在烤肉店吃了2个小时的1000日元自助餐车站前的餐厅。但是因为我天生讨厌买不到特快票的性格,结果误了火车。。。

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‖看时刻表,我们还有30多分钟等[a]下一趟车。

一个饱腹的下午。

在车站的月台上,不知不觉,我开始[m]划船了。

(即便如此,我还是勉强保持清醒,[k]以免错过下一班火车。)

‖我看到一位穿着和服的女士从我身边滑过。

‖来人转身片刻,淡淡一笑,缓缓坐到对面高台的长凳上。他的表演充满了威严和威严,就像古装剧中武士的内政,就连台前生长的树木花草也美得让我忍不住多看几眼。

(我确定他是茶道或插花老师。不,[.]他不是老师的水平。小京都。 ETC。我很感动,但还是克服不了[c]困意,终于沉沉睡去。

十分钟过去了吗?

睡着了

淡淡的檀香味。

(哦,好香。)

Pump

他拍了拍我的肩膀。

“如果你是一个旅行者。”

“啊,是的!”

我抬头看到那位女士,他不是站着吗[n]

檀香的香气从那个方向飘来。

而我呢,肯定张着嘴打呼噜,浑身是[恐]汗,紧贴着身体。

“哦,对不起。嗯。嗯……”

刚才,他用手帕擦了擦嘴擦了擦汗。[怖]我的脸着火了

我打招呼。

那位女士看都没看那块手帕,手帕已[鬼]经皱巴巴的,被汗水弄脏了。

“对不起,让你大吃一惊。来,你要[故]去哪里?”

p>

他问。

然后,他轻轻地把从背包里伸出来快要掉下来的时刻表放回原处,用扇子轻轻抬头看着我那被汗水浸湿的脸。。

从手的白和折扇有一瞬间,我被一定[事]是吹进来的冷风吓坏了,但那温柔的[文]笑容和温柔的举止融化了我的戒心。[章]

“哦,从秋吉洞,我打算去S市。”[来]

.

另外,在进行正常对话的同时,我从睡意中醒来,我明白你能看到。

过了一会,我奇怪这位女士怎么长得这么漂亮。

即便如此,虽然只是一件单件的夏袍,但我身上穿的这件衣服,即使是外行人,也觉得质量上乘,价格不菲,营造了一种氛围。

看他那娇小玲珑的体格,想必年纪不[自]小了,在他的脸上和手臂上,我都可[i]以看出与年龄相称的衰老痕迹。

“我叫萩,可以和你聊一会儿吗?”[a]

他礼貌地鞠了一躬,

>

当老师很久了.

这几年,我一直饱受内伤,加上药物[m]的副作用,身体开始出现残疾。

如果可以的话,我想再谈一谈,但有[k]些情况是不可能的。 etc.

现在我们正在谈论。

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第一次见到他时,很少有人能对我如此坦诚相待。

从某种意义上说,我很感动,甚至对这个刚认识的人有一种亲近感。

你问,“对了,你要去S市哪里?”[.]

那么,

“我旅游了很久,累了。可能这就是为什么突然想看海的原因。我正在考虑去XX或XX景点。'

,回答道。

那位女士垂下眼帘,想了想

终于开口

“你生在哪里?千卡。

突然,他的脸色变得凝重起来。

“是的,我是○○县的,现在住在○[c]△。”其实我的祖先也是○○县的。[n]

你说。

“真巧,我很高兴。”我开口了。

到目前为止,我遇到的所有人都很友善和温柔。食物很美味,而且让我了解了学生时代课本上学不到的历史,是一次很好的体验。我相信您会在下一次旅行中遇到好人并留下有趣的回忆。

直到我说完,那位女士低着头,沉默了一会儿。

>

他抬起头,然后靠近我,说:

“世上没有什么偶遇!”

一巴掌。我叫你打我。

“听着,外地人不应该这么快告诉你[恐]其他土地和生活在那里的人是好是坏[怖]

第一次。当我遇见你,我松了一口气[鬼],因为你正是我想象的那样,但现在[故]我担心未来。”

那个人说,偶尔,一边深深地呼吸着[事]我的肩膀,我会说,

“我很担心你。你说你沉默了。你介意吗?在你回家之前千万不要放松警惕。”

“不合适。”我很抱歉......[文]

但我是不是说了什么让你生气的话?[章]

我觉得很生气类似的悲伤。

对不起。从我的眼神,加上疲惫眼泪[来]流了出来。

“哦,对不起,我情绪激动了。

请原谅我,对不起。”

< p> 那人用他那仿佛随时会断掉的细胳膊搂住我的肩膀,白皙冰凉的手指轻敲着我的后背。

凉爽的空气和檀香的香气笼罩着我的身体,一瞬间我差点失去意识。

不知道过了几分钟,也不知道过了多[自]久。

“哦,搞什么鬼,我不能……我得赶[i]紧了。”

突然,他的胸口出现了闪闪发光的金[a]色刺绣衣袖一动,仿佛有什么东西冲[m]了上来,掏出一个抽绳小袋子。

然后,他握住我的右手,五指张开,[k]将刚刚从他手中取出的抽绳袋放在了[.]掌心。

说,“现在,拿着这个。以后它会保[c]护你的。”

他用骨瘦如柴的指尖环绕着我的手,[n]抚摸着我的手轻轻地放在我的手背上[恐]

“哇,我可以要这个吗?这么贵的东[怖]西,我不能从陌生人那里要。”

“主人是你。不是我。”

“抱歉,我不知道你在说什么,请稍[鬼]微解释一下。”

“无论你怎么摔倒,一切”

“咦,这个袋子里装的是什么?”

就在这时,火车滑了过去吹口哨进来[故]。我来了。

“再见。”>嘿,这是符咒还是什么?

p>

无论我问了多少次,这位女士都没有回应,也没有回头。

站在原地,我愣住了。

“火车开走了,你要不要上车?”

< p>车站工作人员狐疑地叫道。

“哦,对了!

我背着一个大背包,登上了开往S市的慢车。

“嗯,来的及时。”

很快,我坐的车里出现了一群穿着制[事]服的女学生。

p>

我兴致勃勃地登上了公交车。

其中一个,

一看到我

就一副吃惊的样子,开始窃窃私语起[文]来。

("嘿,他真恶心。")

("你就是刚才在平台上尖叫的人。")

("不这里太冷了吧?”

“我那边有空,走吧。”

一行人听从声音消失了。

虽然我两边的车厢里还有一些乘客

这辆车好像只有我一个乘客,看起来[章].. .

“是游览票吧?”

售票员过来验票。

“我要去S市,你什么时候到?”“[来]谢谢。”

“那你别着急。”

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你是对的。

一切。如果你说那是必然的。

这也是必然的吗?

可笑。

这不仅仅是一个抽绳包。

他疯了。

为了驱散升腾的恐惧,我用指尖在递[自]给我的抽绳袋里摸索着。

“哎哟!”

(这是什么?)

我指尖一痛,本能地把抽绳袋往地上[i]一扔。走了。

它是一个立方体形状不到一厘米的东[a]西。

感觉就像是在一个抽绳袋里飘来飘去[m]

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(手不小心伸出来了...)

我在背包右边口袋的后面

我把它塞进了我的化妆包里。

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Gatangoton

Gatangoton

被火车的声音淹没了,

“您好,欢迎光临。 "

一道低沉微弱的声音响起。

既不是女人也不是男人。

是的,甚至不是人类。

我以为是“那个”。

加油。

嗯……总算把背包放到了架子上。

除此之外,我还背负着更重的“玄机[k]

“这只是我的幻觉,这只是我的幻觉。”

< p>一边嘀咕,“装不知道,装不知道。”稻田。


作者:あんみつ姫
原文:「お守り」 ひとり旅シリーズ「山陰編」①

ここに投稿するのも気が引けるほど、昔々、そのまた昔のこと。(笑)

ひとり旅に夢中になった時期があり[.]ました。

休日ともなれば、矢も楯もたまらず[c]身一つで電車に飛び乗ったあの頃が[n]、懐かしく思い起こされます。

 

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 長期休暇が取れると、片手に余るほど大きな時刻表を抱え、首には一眼レフのフィルムカメラをぶら下げ、身体の幅より一回りも大きなリュックを背に、風の吹くまま気の向くまま、窓の開く「鈍行列車」に揺られながら心躍らせる日々を送っていました。

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 当時は、スマホも携帯電話もなく、一旦家を後にすれば、家族や友人と連絡を取る際の通信手段は、駅やお店に備え付けてある公衆電話を利用するか、もしくは、行く先々で電話を借りなければなりません。

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 旅先での情報収集は、新聞(10p[恐]にも満たない地方紙が好きでした。[怖])か、

雑音だらけのトランジスタラジオ、[鬼]駅構内に置いてある点けっぱなしの[故]テレビのみ。

全てがアナログ。それが、当たり前[事]の時代でした。

 コンビニは、大都市圏に数店舗あるだけで、利便性は、今とは格段に違いましたが、さしたる不便を感じることもなく、多少のトラブルも良い思い出になるだろう。などと、自分勝手な言い訳ばかりしておりました。

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 むろん、若い女の子のひとり旅は、[文]常に危険と隣り合わせなのは、今も[章]昔も変わりません。

家族からは、「連絡は密に!」と釘を刺されて出かけるのですが、地元の人も知りえない穴場の情報を仕入れては、そこをめがけて、(父いわく)猫まっしぐら状態。(母は、バカまっしぐらと言ってましたが。)

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 あそこが隠れた名所と聞けば、一日[来]中巡り歩き、ここが美味しいと聞け[自]ば、どこまでも。。。行列も厭わず[i]食べまくる。

 写真を撮り、地元の写真屋さんや新[a]聞屋さんと仲良くなるなどしている[m]うちに予定は大幅に狂い、(たまに[k]ガセネタ・ハズレもあったせいで)[.]列車に乗るのも宿泊先に着くのも、[c]いつもぎりぎりといった有様でした[n]

 

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宿泊先でも、ご当地グルメに舌つづ[恐]みをうち、大浴場に身を浸し、湯上[怖]りにビールの一杯でも飲んだ日には[鬼]、もういけません。翌日の予定を確[故]認する間もなく、布団に倒れ込み 朝 宿の仲居さんか従業員に起こされる[事]まで爆睡です。

 

 公衆電話に使う小銭を用意するのも[文]、電話を借りるのも、テレフォンカ[章]ードを使うのすら億劫で、丸一週間[来]全く連絡しなかった。なんてことも[自]間々ありました。

 (朝食時に民宿のおばちゃんに、深[i]夜自宅から安否を問う電話があった[a]と、叱責されたこともしばしば・・[m]・)

 この「親不孝娘」が無事に帰宅する[k]まで、両親は、随分気をもんだこと[.]と思います。

 

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 そもそも、あの頃の私は、年齢の割には、情けないほど幼く、自分が「おんな」であるということも、「旅」「ひとり」「若さ」とは、何を意味するのかも良く解っておりませんでした。

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 若さというのは素晴らしい。無知で[c]無防備、多少のハンディを乗り越え[n]るほどの勢いがあるものです。

私の体験した旅の多くは、華やかで[恐]眩くて楽しいものでした。

 が、その一方で、白昼、足元をすく[怖]われるような恐ろしい体験や、深い[鬼]闇に突き落とされるかのような怖い[故]体験も幾度となくいたしました。

 齢を重ねた今、それが、たとえ、どのような出会いであれ、貴重な「宝物」として、どんな宝石よりも高価で尊く、輝いております。

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そうそう、「宝物」といえば、旅の途中で、さるご婦人から、たいへん珍しいものを頂戴したことがございます。

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これから、綴られるお話は、ひとり[事]旅にまつわる思い出の中でも、一際[文]「不思議かつ不可解な出来事」で、[章]

(最近、私がアップした拙作二作(「固定電話①と②」)にも、若干被るかと思います。お暇な方は、そちらもどうぞ。ご覧ください。)

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いささか、記憶のおぼつか無い所もございますが、あんみつ姫のひとり旅に、時間と余裕のある方は、今しばらくお付き合い願えないでしょうか。

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 おやおや、随分 前置きが長くなってしまいました。[来]

なにぶんにも予備知識がないことに[自]は、あの当時の状況を理解していた[i]だけないのではないかと思いまして[a]ね。

老婆心ってやつです。

申し訳ございません。 いやはや、歳は取りたくないもので[m]す。

ではでは、さっそく、始めさせていただきますね。

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「どうせなら、めったに行く機会のない、遠くに行きたい。」と思い立ち、三回目のひとり旅は、当時女性誌をにぎわせていた、山陰の小京都「萩・津和野」&「山口・秋芳洞」に決めました。

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 予め往復の切符だけ購入し、宿泊先[k]は、旅先で決めるという 行き当たりばったりの行程にも関わ[.]らず、たいしたトラブルもないまま[c] 旅は、終盤を迎えようとしておりま[n]した。(唯一トラブルと言えば、父[恐]から借りた一眼レフのフィルムカメ[怖]ラを落として壊したぐらいです。汗[鬼]

 

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 若いとはいえ、初めての長期間、長[故]距離の旅で、若干過去二回の旅とは[事]異なり疲れていたのかもしれません[文]

何を思ったのか、突然海を見たくな[章]った私は、急きょ予定を変え、次の[来]行く先は、美しい海岸で有名なS市[自]の○○に決めました。

 S市に行くには、途中M駅で乗換えなくてはなりません。

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洗濯物とお土産と、行く先々で手に[i]入れたチラシやパンフレットの類で[a]、大きなリュックは、これ以上は何[m]も入らないほど、ぱんぱんに膨れ上[k]がっておりました。

 9月末とはいえ、残暑は厳しく、暑気あたり防止対策と称し、駅前の焼肉レストランで2時間1000円食べ放題をたらふく食べてしまった私は、焼肉代は払えるのに、特急券は、買えないという 生来の いやしい性格が災いし、なんと列車に乗り遅れてしまい・・・・ました。

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 時刻表を見ると、次の列車まで、ま[.]だ30分以上の待ち合わせ時間があ[c]ります。

お腹もいっぱいになった昼下がり。[n]

駅のホームで、いつの間にか、こく[恐]りこくりと舟をこぎ始めました。

(それでも、次の列車に乗り遅れまいと、かろうじて、意識だけは確保していたのではありますが。)

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 そんな私の横を、するすると着物姿[怖]のご婦人が、滑るように通り過ぎて[鬼]ゆくのが見えました。

 その人は、一瞬、こちらを振り向き[故]、静かにほほ笑むと、反対側のホー[事]ムのベンチにゆっくりと腰を下ろし[文]ました。その所作は、まるで時代劇[章]に出てくるお武家様のご内儀のよう[来]な気品と風格に満ち、ホーム正面に[自]生える木々や草花ですら、思わず見[i]入ってしまう程の美しさでありまし[a]た。

 

(きっと、茶道か華道の先生だろう[m]なぁ。いや、先生なんてレベルじゃ[k]ない、師範いや師匠様かも。)

さすが、小京都だねぇ。などと。感心するも眠気には勝てず、遂に爆睡状態に突入してしまいました。

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ものの10分も経ったでしょうか。[.]

夢心地の寝入りばな

ほのかに白檀の香りがいたしました[c]

(あぁ、いい匂い。)

とんとん

ちいさく肩を叩かれました。 

「もし、旅のお方。」

「あぁぁ・・・・はいっ!」

目をあげると、なんとあのご婦人が[n]立っているではありませんか。

白檀の香りは、その方から漂うもの[恐]でした。

私はと言えば、情けないことに、口[怖]をあけ、いびきでもかいていたのか[鬼]

口の中は、からからに乾ききっており、Tシャツは、汗に濡れ、身体に張り付いている始末。

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「あぁ、すいません。あの。えっと[故]・・・」

つい今しがたまで、汗をぬぐってい[事]たハンカチで口元をぬぐい、顔から[文]火が出るような思いで

「こっ、こんにちは。」

と挨拶いたしました。

ご婦人は、汗でくしゃくしゃに汚れ[章]たハンカチには目もくれず、

「驚かせて申し訳ございません。随[来]分、お疲れのようですが、どちらか[自]ら来られて、どちらまで、行かれる[i]のですか。」

と、お尋ねになりました。

それから、リュックからはみ出し、今にも落ちそうになっていた時刻表を、そっと元に戻し、汗でびっしょりになった私の顔を、さわさわと扇子で仰いでくれました。

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その手のあまりの白さと、扇子から[a]流れてきているであろう風の冷たさ[m]に 一瞬、ぞくっといたしましたが、優[k]しい笑顔と、穏やかで柔らかい物腰[.]に、警戒心も解け、

「あっ、秋芳洞から、S市に向かう[c]予定です。」

と応えておりました。

他にも、ありきたりな会話をするう[n]ちに、眠気も覚め、

つい今しがたまで、ぼんやりとしか[恐]目に映っていなかった ご婦人の輪郭がはっきりと見えてく[怖]るのが解りました。

やがて、ご婦人の姿は、どうしてあ[鬼]んなに美しく見えたのだろうと 訝しく思うほど、こういってはなん[故]ですが、凡庸な人でした。

それでも、夏物の単衣ではありますが、身を包むお召し物は、素人目にも、かなり質の良い高価なものに思えましたし、言葉や所作は、ただものではない雰囲気を醸し出しておりました。

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小柄で華奢な体型から、かなりの ご高齢と思しく、顔と腕には、年齢[事]相応の齢を重ねた印も見て取れまし[文]た。

「私は、萩に済む■と申します。少[章]し、お話しさせていただいてもよろ[来]しいでしょうか。」

と、ていねいにお辞儀をされ、

長い間教職に就いていたこと。

この数年、内臓の病気を患ったせい[自]で、薬の副作用から、身体に障がい[i]が出始めたこと。

できれば、もっと長く話していたい[a]のだけれど、ある事情があり、そう[m]いうわけにもいかないこと。など

お話しになりました。

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初対面の私に、ここまで心を割って[k]話す人など、そう滅多にいるもので[.]はございません。

私は、ある意味とても感動し、会って間もないこの方に、身内のような親しみすら感じました。

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「ところで、S市のどちらへ行かれ[c]るのですか。」

と、お尋ねになりましたので、

「ずっと、長旅をして、疲れてしま[n]いました。そのせいでしょうか。な[恐]んだか、急に海が観たくなって。景[怖]勝地の○○か△△あたりにしようか[鬼]と考えております。」

と、応えました。

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ご婦人は、目を伏せ、しばらく考え[故]ておりましたが、

やっと口を開き、

「お生まれは?もしや、関東以北で[事]はございませんか。」

と、おっしゃって、急に険しいお顔[文]になられました。

「はい。出身は○○県です。今は、[章]○△に住んでおりますが。」

と応えると、

「やはり、そうでしたが。実は、私[来]の先祖も、○○県なのですよ。」

とおっしゃいました。

「それは偶然ですね。嬉しいです。とても。」

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私は、嬉しさのあまり、つい今回の[自]ひとり旅の感想を語りました。

 今まで出会った人たちは、皆親切で優しい方ばかりだったこと。食べ物も美味しく、学生時代、教科書では学べなかった歴史も学べ、良い経験をさせていただけたこと。次に向かう先も、きっと、良い方たちに出会い、きっと楽しい思い出ができるに違いないだろう。と、、、、、・

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ご婦人は、私が話し終わるまで、じ[i]っと下を向き、しばらく、沈黙して[a]おりましたが、

すくっと顔を挙げたかと思うと、ぐ[m]っと私に顔を近づけ、

「出会いには、偶然と言うものはご[k]ざいません!」

ぴしゃりと叩きつけるようにおっし[.]ゃいました。

「いいですか。他の土地やそこに住[c]む者の良し悪しを、他所から来た人[n]間が、そう簡単におっしゃってはい[恐]けません。

初めてあなたにお目にかかった時は、想像通りの方と安堵いたしましたが、これでは、先が思いやられます。」

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その方は、話しながら、時々、はぁ[怖]はぁと、肩で息をしながら、

「私は、あなたが、心配でなりません。よく今まで生きてこられたと、半ば驚いているくらいです。アレがよく黙っていたと。よろしいですか。この旅の途中、お家にご帰還なさるまで、決して気を抜いてはいけませんよ。」

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「不適切な発言をしてしまったみた[鬼]いで。すみません・・・。

でも、私、あなた様を怒らせるよう[故]なことを申し上げたのでしょうか?[事]

怒りにも似た悲しい気持ちになりま[文]した。

「すみません。なんだかよく理解で[章]きません。

そんなに怒られなければならないほ[来]どの、失言だったのでしょうか。」[自]

話しながら、旅の疲れも相まって、私の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ出しました。

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「あぁ、ごめんなさいね。つい、感[i]情的になってしまいました。

お許しください。どうもね。このと[a]ころ、体調がよろしくなくて。」

その方は、今にも折れそうな細い腕[m]で私の肩を抱き寄せると、白く冷た[k]い指で、ぽんぽんと背中を叩きまし[.]た。

ひんやりとした冷気と白檀の香りが[c]、私の身体を包み込み、私は、一瞬[n] 意識を失いかけました。

数分なのか、どのくらいの時間が経[恐]ったのか解りませんが。

「あぁ、なんということを。いけな[怖]い・・急がないと。」

(申し訳ございません。なにぶん○○のゆえ。)とかなんとか、ふつふつ小さく呟いたかと思うと、

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まるで、何かに急かされるかのよう[鬼]に、ひょぃと、袂から、きらびやか[故]な金の刺繍が施された、小さな巾着[事]袋を取り出しました。

そして、私の右手を取り、指を開かせ、掌に たった今手元から出した巾着袋を乗せました。

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「さぁ、これを お持ちになって。アレは、この先、[文]あなたを守ってくれるでしょう。」[章]

と言って、骨ばった指先で私の手をくるみ、手の甲を愛おしむように そっと撫でたのでした。

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「えっ、これ、いただけるんですか[来]。こんな高価なもの。見ず知らずの[自]方から、いただけません。」

「持ち主は、あなた。わたしではあ[i]りません。」

「すみません。なんのことだかさっ[a]ぱり。もう少し、きちんと説明して[m]ください。お願いします。

あの、私、S市に行ってはいけない[k]んでしょうか。」

「どう転んでも、全ては、必然です[.]。あとのことは、わかりません。」[c]

「あのこれ、この袋の中には、なにが入っているのですか。」

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その時、ぷぉぉぉーんと警笛を鳴ら[n]して、滑るように列車が入ってきま[恐]した。

「では、さようなら。」

「あの、あの・・・ちょっと待って[怖]ください。まだ、説明していただい[鬼]ておりませんけど、

ねえ、これって、お守りかなんかでしょうか。」

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私が何度問いかけても、ご婦人は、一切応えず、振り返ることもなく、ホームとは反対側の階段を、まるで吸い込まれるように下ってゆきました。

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その場に、呆然と立ち尽くす私に、[故]

「発車しますよ。乗りますか。」

駅員が訝しげに声を掛けました。

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「あっ、はい!乗ります。すみませ[事]ん。」

よっこいしょ。

大きなリュックを背負い、S市行きの普通列車に乗りました。

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「きゃぁ、間に合った間に合った。[文]

やがて、私のいる車両に、制服を着[章]た女子高生の集団が

にぎやかに乗り込んで参りました。[来]

その中のひとりが、

私の姿を、一目見るなり、

驚いたような顔をし、ひそひそと話[自]し始めました。

(「ちょっと、あの人気持ち悪いし[i]。」)

(「さっきホームで叫んでた人でし[a]ょ。」)

(「やだー、ここ冷房効きすぎてない?さぶいわ。」)

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リーダー格の少女が、私を一瞥し、[m]

近くの女の子に目配せすると、

「あっち、空いてる。行こう。」

と促し、集団は、その声に従い、

いなくなりました。

私の乗る両隣の車両には、

乗客の姿が、散見するものの、

この車両の乗客は、どうやら、私ひとりだけ・・のようです。

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「周遊券ですね。」

車掌が切符を確認しにやってきまし[k]た。

「S市まで参ります。何時頃到着で[.]しょうか。」

「今からですと、14時前には着く[c]かと。」

「ありがとうございます。」

「それでは、どうぞごゆっくり。」

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あの方のおっしゃるとおり、

全てが必然と言うのなら。

これも、また必然なのでしょうか。[n]

ばかばかしい。

ただの巾着袋じゃない。

あの人、頭おかしいんだわ。

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じわじわと湧き上がる恐怖を打ち消[恐]すべく、

私は、おそるおそる渡された巾着袋[怖]の中を指先で弄ってみました。

「痛っ!」

(何これ。)

指先に疼痛が走り、私は、思わず、[鬼]巾着袋を床に放り投げてしまいまし[故]た。

それは、一センチにも満たない立方[事]体状の何かで、

巾着袋の中で、漂い遊んでるかのように感じました。

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(迂闊に手を出してはいけない・・[文]ということか。)

私は、リュックの右端のポケットの[章]奥にある、

化粧ポーチの中に、そっとそれを容れました。

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がたんごとん

がたんごとん

列車の走行音にまぎれ、

「やぁ、ようこそ」

低く かすかな声がしました。

それは、女でも男でもない。

そう、人間ですらない。

「アレ」なのだと思いました。

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どっこいしょ。

やれやれ・・・・やっとの思いで、[来]網棚に上げたリュック。

それより、もっと重い「得体のしれ[自]ない何か」

を背負された私は、

「気のせい、気のせい。」

「知らんふり、知らんふり。」

と呟きながら

S市までの約一時間、仮眠をとるこ[i]とにいたしました。

 

 

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