“赌博”

iamk 日本恐怖故事 2023-09-08 08:30:01 278 0

音乐：1

壁纸：1

套，套。卡塔，卡塔。

〉银球与无数钉子相撞，落下。

套，套。

〉有一人正用仇恨的目光瞪着他。

--- Shigeru Takakuwa。

‖他是一名上班族，单身，二十多岁[文]，唯一的爱好就是赌博。我特别沉迷[章]于弹珠机，但当我得不到好结果时，[来]我很快就会兴奋起来，失去理智。不[自]知不觉，我的钱包就空了。

――钱好像用完了。

“可恶……” 高桑强忍着怒火，吐了出来。

‖我站起身，缓缓离开了弹子店。他[i]驼着背，低着头走着，却一副丢了性[a]命的样子。我觉得我的灵魂被抽走了[m]。

‹ 走了一小会儿，赌输光了的气突然又来了。

（妈的，有那么点钱，什么都可以买，去哪里都行！）

踢旁边的垃圾桶一边说“该死的！”

杜恩。卡兰，卡兰。 ――猛烈倒塌的垃圾桶将里面的空罐[k]子扔了出去。

〉高桑没有理会情况，继续往前走。[.]然后，有人从后面跑了过来。当有人[c]追上高桑时，他喊道：“对不起。”[n]

“什么！？”

〉一个陌生的男人站在那里。一个穿着破旧西装的中年男人。

男人说。

“嗯？跟你没关系！”

〉他说的对，高桑没有在这里冷静下[恐]来的余地。

“别害羞，我给你找了一份好工作。[怖]”男人勉强说道。他好像少了几颗门[鬼]牙。

“干得好？你是不是想骗我？”

“不会吧！真的好吃我有一份工作，[故]但我没有足够的人手。你为什么不试[事]试呢？∀如果你能帮助我，它是 50,000 日元。”

“50,000 日元日元？”

‖一瞬间，高桑将``5万日元''转换成了``今天的损失''。如果你得到这个，那将是一个笑话[文]。

“可是好吃又贵，你搞什么鬼？”

绳子。就这些。”

“哦，就这些了？”

“对了，就这些！你是怎么有动力的？”

“嗯嗯。这不是犯罪，是吗？”

“没关系，没关系。它不会伤害你稍[章]后。”

“那我们试试吧。”

“好吧，我们一起去现场吧”

“现在？”

“对了，有急事。”

∀ 说完，男人就朝着主干道冲了过去，[来]去那里拦一辆便宜的出租车。 Takakuwa 和那个男人赶紧上船。

“司机，往这边走”，男人递给司机一张纸。司机神色凝重的看着纸条然后回复“嘿”。我们原样离开了。

“没那么远，嗯，大概一个小时后到家。”

“有那么容易吗？”

“嗯，老实说，如果你问我更多细节，我无法回答。商业机密。”

“是这样吗……”

〉高和做出了奇怪的举动现在借钱开[自]始后悔了它给你。

‖过了一会儿，司机说“到了”。

我被告知“交通费我这边，你可以下[i]车”

所以高桑率先下了出租车。环顾四周[a]，你会看到许多大型仓库。它看起来[m]像一个工厂区。

“来，快点。”

∀轻推高桑背，让他的男人快点..[k]

我应该去哪里？

那里的仓库

似乎离这里最近的仓库就是这个项目的工地。

‖当我快步走向仓库时，一个男人叫[.]我从后门进去。我从后门进去，上到[c]四楼，那个人补充说，网站就在那里[n]。

‖一名男子在4楼开门。

“嘿嘿，欢迎光临。”

〉我走进去，另一个男人出现在我面[恐]前。

‖四十多岁的男人，穿着一身纯黑色[怖]的西装。你在这里负责吗？

Takakuwa给出了一个模糊的[鬼]答案做。

“对不起，我没有时间。负责人将其[故]中一把修枝剪递给了高桑。高桑顶着[事]一个问号接受了。

“好吧，前面有两条绳子，所以如果你发出信号，剪断你喜欢的那一条。就这样，工作完成了。”

>nextpage

〉高桑似乎很快就听懂了正在说的作[文]品内容。确认并回复。

‖如说明，往前走，天花板上有两根[章]绳索向左右延伸。

‹ 底部有一个和绳子一样大小的洞，几乎没有缝隙。高桑终于明白，他的工作就是砍掉这两个人中的一个。

“我马上给你信号，你决定砍哪一个吧。”

“我明白了。”

‖肯定是可疑的。不过，走到这一步[来]，高桑尽量不去多想。

是的，30秒前！

是的！

好吧，我们往右走，高桑决定，准备靠近绳子切。

摇

――两根绳子剧烈摇晃。

‖他们身体剧烈地颤抖着，仿佛在抽[自]搐。高川傻眼了。

“十秒前！大哥，你别着急，做好准[i]备。”

“哈，是的”

‖绳子还在晃动。

“是的，九、八、七、六、五、四、[a]三、二……”

高桑闭上了眼睛。

“是的，剪掉它！”然后绳子断了，[m]掉到了水底。

Yes, thank you for your hard work. 是一个男人说的，并收到一个棕色信[k]封。

“谢谢。”男人转身背对着高桑，想[.]要离开。

“啊！”

“什么？”

“这到底是怎么回事？”

“抱歉，我不能这么回答... ”

』男人说着就走了。

“来吧，我送你半路回家”

∀第一个人笨拙地笑着说高桑。

“嗯”

∀当我被一个男人引到外面时，他说[c]，``交通费请”，将两万交给了高[n]桑。高桑想拒绝这笔钱，觉得钱太多[恐]了，但他想起今天在弹珠机上输了，[怖]就收下了。

“那就小心点”

〉等我上了出租车，车门还没关上，[鬼]男人就来了。说罢送他。高桑点点头[故]后，出租车就出发了。

‖从我上车的地方到我家不远，看来[事]我收到的交通费会有盈余。

2010年消失的钱，还有多余的交[文]通费，都会留在手边。

〉高桑松了一口气，庆幸自己执着帮[章]忙，但也有一面在疑惑刚才发生了什[来]么。。但是那些人说，“没问题”，[自]所以我认为没有什么可担心的。不，[i]我试着想。这是我已经做过的事情，[a]所以我认为这不是坏事。

‖从那以后几个月过去了。

〉高桑从早上开始就一直在玩弹珠机[m]，没有学习。我得到了奖金，所以我[k]沉浸在弹珠机中。

“今天心情不错，我还要继续。”

〉高桑背上满是balls 许多盒子被堆叠起来。看样子好像是[.]莲花。然后，

“求求你！借我钱！”一个没什么变[c]化的男人冲着高桑跪下，一边拉着自[n]己的衣服一边说道。

“咦？你是谁？决定不喜欢了，走开[恐]。”

说着 Takakuwa 擦身而过。做臀部的男人。

‖男人在哭。看来情况相当危急，但[怖]与高桑无关。

“杀了，杀了”

〉男人说。高桑斜眼一想，自己可能[鬼]涉足了黑钱。高桑回想起自己之前从[故]事的那份可疑的工作，心想自己当时[事]可能就是这个样子。

“哇”

‖球衣男被两名黑西装男子绑架。她[文]哭了，可是没有人扶她，她只是一脸[章]不安的看着。当然，高桑也是其中之[来]一。

‖高桑立马离开座位，跟在二人身后[自]。我赶紧往外面跑，发现那两个人正[i]把球衣男强行塞进一辆黑色的马车里[a]。

我一直在喊“不，住手！”随着“嗡[m]”的一声，火车很快就开走了。

‖高桑连忙拦住出租车，对司机说：[k]“跟着那辆黑色面包车。”

‹ 有点小激动，好像是在演戏，但过了[.]一会儿，那种感觉就平息了。原因是[c]，黑色马车抵达的地方，正是进行可[n]疑工作的仓库。

‖黑色马车里首先走下两名男子，紧[恐]随其后的是一名身穿运动衫的男子。[怖]似乎他不再暴躁了，已经成年了。

〉高桑在远处结完账，往仓库走去。[鬼]

‖因为我觉得如果从前面进去，会被[故]拒之门外，所以就和之前来的一样，[事]试着从后门进去。

‖好在后门好像没有人。为了不引起[文]怀疑，我进去了。

‹ 走向前门，我来到一条走廊上。当我[章]环顾四周时，我注意到只有一个招牌[来]。到了那里，有一块牌子写着“这里[自]就是会场”，旁边是一扇大门。似乎[i]这地方的深处有什么事情正在发生。[a]高桑心跳加速地打开了门。

∀大型场馆。它挤满了很多人。

‖前面还有一个阶段。想到自己马上[m]就要开始写戏了，高桑心里稍稍松了[k]口气。怎么回事，这不是很正常吗？[.]

然后，站在门口的一位女士递给我一张纸和一支笔，说：“祝你好运。”

〉高桑接过，一看，上面写着A和B，旁边还有一个空白。随着这种重复，它结束了。

（这是什么？）

』老实说，高桑不太明白他的意思，[c]但他还是四处寻找着空位，以便找到[n]合适的座位。

‖我勉强在面前找了个空位坐下。

‖活动好像还没开始呢。焦躁不安的[恐]高桑随便环顾四周，发现很多人都有[怖]钱。和普通人不同的是，这里只有有[鬼]着奢华气息的人。高桑完全格格不入[故]。但是，我装作很平静，以免担心。[事]

“现在，丸节大会马上就要开始了！[文]” 台上出现了一个金发男子。

耶！会场沸腾震动。

（真的很热，还有丸津大会……）

“那么，开始吧”

『主持人这么说着，两名男子被带上[章]了台。他们都在哭。

（那个家伙是……）

∀其中一名男子是弹珠机店，借钱给[来]Takakuwa . 问的是球衣男。

“救救我！我不想死”

（你不想死吗？ ? 接下来会发生什么?

‖ 看的时候，从幕后搬进来一个大平台[自]，上面有两条绳子和轮子。绳子的末[i]端似乎乱七八糟。

‖两人的脖子都系在绳子上。男人们[a]拼命反抗，但其他黑西装男人却像是[m]没有了牙齿一般。它被放在桌子上，[k]并附有一根绳子。

“来吧，从左边开始，A和B的残片中，哪一个会死？死的写叉，死的画圈谁活了下来。>

‖会场变得嘈杂。他们中的大多数人[.]都在微笑着填报。高桑看到那一幕，[c]不由的想到。

（这些家伙疯了）

“现在，你填完了吗？∀从现在开始[n]的变化是invalid.Yes,[恐] then 1 minute ago."

（1 分钟前？）

Takakuwa 回应一个某些短语。

“是的，30秒前！”

∀被绑在桌子上拼命挣扎的男人们嘎[怖]嘎作响，嘎嘎作响。

（啊……）

〉高桑好像注意到了。

“是的，九、八、七、六、五、四、[鬼]三、二……”

(那个震颤...)

“Ichi, Zerooo!”

(当你挣扎它在颤抖。）

“哦不”

“我想死”

〉声音沙哑，分不清是哪一个说的是[故]同一个东西。

‖穿球衣的人，另一个人消失在站台[事]底部。球衣男的脖子被绷紧的绳索勒[文]断，动脉越来越紧。

‖痛苦的表情，鲜红的脸，四肢发出[章]嘈杂的声音。

〉高桑努力忍受着压倒性的恶心。蓦[来]地，再环顾四周，只见人们欣喜若狂[自]的表情，令人厌恶。

（这些家伙疯了）

“好吧，再痛点”

‖穿球衣的人很快就会死在底部。

‖他伸出舌头，从嘴里吐出白沫。眼[i]珠子快要蹦出来了，还有泪痕。

〉高桑想要尽快离开这里。我感到胃[a]里恶心，现在想尖叫。

“大家好！预言成真了吗？我们继续[m]下一个！”

“喂！”

〉高桑终于忍不住提高了声音。

“你们都是变态！看人痛苦死去就好[k]了。”高桑说着站了起来。

“哦，原来是这个啊，我以前的兄弟[.]”

‖说着，版主那个男人摘下墨镜和假[c]发。

“咦？”

‖当时的负责人就站在那里。

“嘿嘿，你来了，我不知道。”

>“有没有这么可怕的事情，我出手相助！“别傻了！我早知道就不会这么做”

“闭嘴！”

p>

‖这个男人喊的声音比我以前听过的都大。

“别势利，伙计，这是事实。”

>“不.. 。

“哥哥，人总是靠选择而活的。有些[n]人被这些选择拯救了，有些人则没有[恐]。这种事每天都在发生。忘了那个

‖一个男人在舞台上对着高桑说话。[怖]高桑看也不看就往外走。

‖ 就在我像一具空壳一样艰难前行的时[鬼]候，有人从后面跑了上来。然后他拍[故]了拍高桑的肩膀。

“我有一份很棒的工作，你愿意做吗？”

作者：細井ゲゲ
原文：『ギャンブル』

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　カタ、カタ。カタ、カタ。

　銀色の玉は無数に打ち付けられている釘に衝突しながら落下していく。

　カタ、カタ。

　それを憎らしそうに睨んでいる男がいた。

　――高桑重（たかくわしげる）。

　サラリーマン、独身、二十代の男であり、唯一の趣味がギャンブル。特にパチンコに没頭しているのだが、いい結果が出せないとすぐに興奮してしまい、見境を失う。そして気がつけば財布の中は空になっているのだ。

　――金が底をついたようだ。

「ちくしょう……」と高桑は怒りをグッと堪え、言葉を漏らした。

　席を立ち、ゆっくりとパチンコ屋から出る。猫背で顔は俯きながら歩いているのだが、生気を失ったように見える。魂を抜き取られたみたいだ。

　少し歩くと、急にギャンブルで有り金を全て失ったことに対して怒りが蘇える。

（くそ、あんな金があれば何だって買えたし、何所にでも行けるじゃないか！）

「くそおっ！」と言いながら近くにある缶専用のゴミ箱を蹴っ飛ばす。

　ドオン。カラン、カラン。――勢いよく倒れたゴミ箱は中の空き缶をぶちまける。

　その様子には目もくれず、そのまま歩く高桑。すると、後ろから小走りで誰かが近づいてくる。何者かが高桑に追いつくと、「すいません」と声をかける。

「何だよ！」苛立っている高桑は声を荒げ、振り向いた。

　そこには見覚えのない男が立ってい[事]る。中年の男性で、くたびれたスー[文]ツを纏っていた。

「あのー、どうやらパチンコでだいぶやられたようすですね」とその男は言った。

「はあ？　お前に関係ないだろうが！」

　彼の言う通りなのだが、ここで温和に帰す余裕は高桑にはない。

「そうつんけんしないで。おいしい仕事があるんですよ、あなたにピッタリな」と男は言いにやっとした。前歯が二三本ないみたいだ。

「おいしい仕事？　俺を騙そうとしてるだろ？」

「とんでもないです！　ほんとにおいしい仕事があるんだけども、人手が足りないんだよ。どう、やってみない？　手伝ってくれたら五万円だよ」

「五万円？」

　高桑は一瞬にして「五万円」をすぐに「今日の負け額」と変換した。これが手に入れば、チャラになる、と。

「でも、おいしくて高額ってやっぱり怪しいよ。一体何をするんだ？」

“赌博” 日本恐怖故事

「それが、縄を一本切るだけ。それだけでいいんだ」

「え、それだけ？」

「そうさ、ほんとそれだけ！　どう、やる気になった？」

「う、うーん。犯罪ではないだろうね？」

「大丈夫、大丈夫。後々やっかいになるようなことは一切ないよ」

「それなら、やってみようかな」

「オッケー決まり。じゃあ、これから一緒に現場に向おうか」

「今から？」

「そうだよー、急なんだ」

　そう言うと、その男は駆け足で表道路の方へ行き、手頃なタクシーを呼び止める。高桑と男は慌てて乗車する。

「運転手さん、ここに向って」と男は紙切れ一枚を運転手に渡す。運転手は険しい表情をして紙を見ると、ややあってから「へい」と返事をする。そのまま、発車した。

「そんな遠くないから。そうだな、今から一時間後くらいにはもう帰れるかもね」

「そんな簡単に済んじゃうんですか？」

「まあね。正直これ以上あんまり詳しいこと聞かれても答えられないからよろしく。企業秘密なもんで」

「そ、そうですか……」

　高桑は変なことに手を貸しているのでは、と今更嫌な気を起こし、後悔し始めている。

　しばらくすると、運転手が「つきました」と言った。

「交通費はこっちもちなんで、あなたは降りてていいから」

　そう言われたので、高桑は先にタクシーから降りる。辺りを見回すと大きな倉庫がたくさんある。そこは工場地帯のようだった。

「さあさあ、急いで急いで」

　高桑の背中を軽く押し、急がせる男。

「何所に向かえば？」

「そこの倉庫」

　どうやらここから一番近いところにある倉庫が今回の現場のようだ。

　早歩きで倉庫に向うと、裏手口から入るように男から言われる。裏口から中に入ると、そこから四階に上るとそこが現場だ、とまた男に補足された。

　四階に着き、男が扉を開けたので、高桑は不安に思いながらも後に続く。

「やあやあ、ようこそおいでくださ[章]いました」

　中に入り、また違う男が目の前に現れる。

　四十代くらいの男で、こちらはがっしりとした黒のスーツを着こなしている。ここの責任者であろうか。

「どうも」反応に困り、高桑は曖昧な返事をする。

「すまないが、もう時間がない。さあ、これを持って」

　そう言い、責任者の男が刈込鋏を一つ高桑に渡した。頭にクエスチョンマークを浮かべたまま高桑は受け取る。

「さあ、この先にロープが二本あるから、合図を出したら好きな方を切ってくれ。それで、お仕事はお終い」

　早口で作業内容を言われたが、なんとか聞き取れた様子の高桑。肯いて返事をする。

　説明の通り前に進むと、そこには天井から左右に二本のロープが伸びている。

　底にはロープの大きさ丁度に切り取られた穴があり、殆ど隙間はない。どうやら、これのどちらかを切る、ということが今回の仕事なのだ、とようやく高桑はしっかりと理解した。

「あと、一分後合図するから、どっちを切るか決めといてね」

「わかりました」

　確実に怪しかった。しかしここまで来てしまったので、高桑は深く考えないように努めた。

「はい、三十秒前！」

「はい！」

　よし、右にしよう、と高桑は決め、そのロープの近くで切る準備をする。

shake

　――激しく揺れる両方のロープ。

　まるで痙攣したかのように激しく小刻みに揺れている。なんだ、と高桑は呆気に取られる。

「十秒前！　お兄さん、気にしないでしっかり準備して」

「は、はい」

　尚も揺れるロープ。

「はい、九、八、七、六、五、四、三、二……」

　高桑は瞳を閉じた。

「はい、切って！」

　全身全霊を鋏に込めた。するとあっさりロープは切れ、底の方へと落ちていった。

「はいー、お疲れさん。ありがとう助かったよ。はい、お給料」

　そう責任者の男に言われ、茶封筒を差し出される。

「ど、どうも……」

「じゃ、もう帰って大丈夫だから」と言うと責任者の男は高桑に背中をむけ、去ろうとする。

「あ、あの！」

「なんだい？」首だけ振り返る男。

「この下では一体何が起きているのでしょうか？」

「悪いがそれは答えられない」

「そ、そんな……」

「まあ、知っても何にもならないことだから、あんまり気にしないほうがいいと思うよ」

　そう男は言うと、去ってしまった。

「さあさあ、帰りは途中まで案内しますよ」

　最初の男が不器用な笑顔で高桑に言った。

「はあ」

　男に案内され、外に出ると、「交通費これで何とかしてください」と二万を高桑に渡した。充分過ぎる金額に高桑は断ろうとしたが、今日パチンコで負けたことを思い出し、そのまま受け取った。

「では、お気をつけて」

　タクシーに乗ると、男は扉が閉まる前にそう言って見送る。高桑は会釈すると、タクシーは発車した。

　乗車した地点から家までそこまで遠くなかったのでもらった交通費から余りがでそうだ。

　それを合わせると、パチンコで消え失せた金と交通費の余りの金が手元に残ることになる。

　助けにすがってよかった、と安心する高桑だが、先ほどまでの出来事は一体何だったのだろうか、と不思議に思っている一面もあった。しかし、あの人たちは「何も問題ない」と言っていたのだから、何も心配する必要ない、と思った。いや、思おうとした。既にしてしまったことなので、悪い方に考えるのはよそう、と。

　あれから数ヶ月経ったある休日。

　高桑は懲りずに朝からパチンコをしていた。ボーナスも出たこともあり、どっぷりとパチンコに浸っている。

「今日は調子いいなー。まだ出るぞ」

　高桑の後ろには玉の詰まった箱が何段も積まれている。どうやら蓮チャンしているようだ。すると、

「頼む！　金を貸してくれ！」

　上下ジャージの高桑とそう歳も変わらないくらいの男が高桑に跪いて、服を引っ張りながら言った。

「はあ？　誰お前。嫌に決まってんだろ。あっちいけ」

　そう言って男を払いのける高桑。尻餅をつく男。

　男は声をあげて泣いている。どうやら相当危機的状況みたいだが、高桑には関係ないことだ。

「ころされる、ころされる」

　と男は言っている。闇金にでも手を出してしまったのか、と高桑は横目でそう思う。あの時の自分もこうなっていた可能性もあったかもしれないな、と前にあった怪しい仕事のことを思い返す高桑。

「うわあっ」

　ジャージの男は二人の黒いスーツの男に連れ去られている。泣き喚いているが、誰も助ける者はいなく、不安げな表情で眺めているだけだ。もちろん、高桑もその一人。

　咄嗟に高桑は席を立つと、その二人組を追った。急いで表へ出ると、二人の男は無理やり黒いワゴン車にジャージの男を乗せている。

「いやだ、やめろ」と何度も叫んでいるが、それも虚しく中へ押し込まれる。ブウンッ、と音を立て、まもなく発車した。

　高桑は慌ててタクシーを止めると、「あの黒のワゴン車の後追っかけて」と運転手に告げた。

　なんかドラマみたいだな、と少し胸が躍るような気持ちになっていたが、しばらくしてその気持ちは静まる。何故なら、黒いワゴン車が辿りついた場所は、あの怪しい仕事をした倉庫だったからだ。

　黒いワゴン車から二人の男が先に降りて、続いてジャージの男が降ろされる。もう暴れず大人しくしているようだ。

　高桑は少し離れたところで勘定を済ませ、倉庫に向った。

　表から行っては門前払いされるだけだ、と思ったので、以前来たように裏口から入ろうとする。

　幸い裏口には誰もいないようだった。怪しまれないように堂々と中に入る。

　そのまま正面出入り口付近に向うと、一本の廊下に出た。辺りを見回すと、一つ立て看板があることに気付く。そこまで行くと、「会場はこちら」と書いてあり、そこの横には大きな扉があった。どうやら、この奥で何かが催されているみたいだ。高桑は鼓動を早く打ちながらも扉を開けた。

　広い会場。多くの人で埋め尽くされている。

　先には舞台がある。これから、演劇でも始まるのか、と高桑は思い、少し安心した。何だ、普通じゃないか、と。

　すると、扉付近に立っていた女性に[来]「ご健闘お祈りしてます」と紙とペ[自]ンを渡される。

　高桑は受け取り、見てみると、Ａ、Ｂと書かれ、その横は空白になっている。そしてその繰り返しで、終わりになっていた。

（なんだこれ？）

　正直意味がいまいち分からない高桑であったが、とにかく適当な席に座ろうと、空席を探す。

　辛うじて前方に一つだけ空いている席を見つけ、着席する。

　まだ催し物は始まらない様子だ。落ち着かない高桑はさり気なく辺りを見まわすと、金を持っている人たちが多いことに気付く。身なりが普通の人とは違い、豪華な雰囲気な人ばかりだった。完全に高桑は場違いである。だが、気にしないように落ち着いたフリをした。

「さあ、間もなくマルバツ大会が始まりまーす！」

　司会役であろうサングラスをかけた金髪の男が舞台に現れた。

　イエー！　会場が沸き、揺れる。

（すごい熱気だな。しかもマルバツ大会って……）

「では、早速一組目に入ります！」

　そう司会役の男が言うと、二人の男が舞台上に連れてこられる。二人とも泣き叫んでいた。

（あいつは……）

　片方の男はパチンコ屋で高桑に金を貸してくれ、と頼んだジャージの男であった。

「助けてくれー！　死にたくない」

（死にたくない？　一体これから何が起こるんだ）

　様子を見ていると、舞台裏から二本のロープと車輪のついた大きな台が運ばれてきた。ロープの先はわっかになっているようだ。

　そのロープのわっかに二人の男の首をはめる。必死に男たちは抵抗しているが、他の黒いスーツの男たちには全く歯が立たないようである。台の上に乗せられ、ロープが装着される。

「さあさあ、この左からＡとＢのくず共、どちらが死ぬでしょうか。死ぬ方にはバツ、生き延びた方にはマルを書いてくださいねー。さあ、予想してくださーい！」

　会場が騒がしくなる。笑いながら紙に記入している人が大半だった。その光景を見た高桑は素直に思った。

（こいつら狂っている）

「さあ、記入は終わりましたか？　今からの変更は無効です。はい、じゃあ一分前です」

（一分前？）

　聞いたことのあるフレーズに反応する高桑。

「はい、三十秒前！」

　台に括り付けられている男たちは必死に足掻いている。ガタガタ、ガタガタ、と。

（あ……）

　どうやら高桑は気付いてしまったようだ。

「はい、九、八、七、六、五、四、三、二……」

（あの揺れは……）

「イチ、ゼロオオオ！」

（足掻いている時の揺れだったんだ）

「いやだああ」

「死にたくなあああい」

　どちらが言ったかもわからないくらい声は枯れて同じように聞こえた。

　ジャージの男、ではないほうの男は台の底へと消えた。ジャージの男は突っ張ったロープに首が食い込み、どんどん動脈を締め上げられている。

　苦悶の表情、真っ赤になる顔、手足を騒がしく動かしている。

　高桑は押し寄せる吐き気を懸命に堪えていた。ふと、また周りを見てみると、気持ち悪いくらい愉悦している人たちの表情があった。

（こいつら頭おかしい）

「いいぞーもっと苦しめ」

「人の金を散々使ったつけだ」

「ざまあみやがれ」

　ジャージの男はまもなくして絶命した。

　舌を出し、口から泡を吹いている。眼球は見開き飛び出しそうになり、涙を流した痕がある。

　高桑は早くここから出たいと思っていた。胸糞気分が悪く今すぐにでも叫びたいくらいだった。

「さあー皆さん！　予想は当たりましたか？　では次に参りましょう！」と司会役の男が言った。

「おい！」

　遂に高桑は我慢出来ず声を荒げてしまう。

「お前ら変態だよ！　人が苦しんで死ぬところを楽しんで観賞しやがって」と高桑言い、席を立つ。

「おやおやこれはこれは、この前のお兄さん」

　そう言うと司会役の男はサングラスと鬘を取った。

「え？」

　そこにはあの時の責任者の男が立っている。

「やあやあ、ここに来ちゃいましたか。知ってしまったのでは仕方ない」

「俺はこんな惨いことに力を貸してしまったのか！　ふざけんな！　知ってたらやらなかったよ」

「黙れ！」

　男は今まで聞いたことのないくらいの声の大きさで叫んだ。

「君ね、甘ったれたことほざくのもいい加減にしなさいよ。これが真実なんだよ」

「そんな……」

　高桑は黙って出口の方へ歩き始めた。

「お兄さん。常に人は選択で生きている。その選択で助かる者がいればそうでない者もいる。これは日常的に起きている、ということを忘れないようにね」

　男が舞台上から高桑に向って喋っている。高桑は見向きもせずに表へと出て行った。

　魂の抜け殻のように、とぼとぼ歩いていると、後ろから何者かが駆けて近づいてくる。そして、高桑の肩を叩いた。

「おいしい仕事あるんですけど、やりませんか？」

日本日文 kowabana

本文链接：https://iamk.cn/riben/9149.html

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