作者:天虚空蔵
原文:引越し業者
朝、小山田猛が寝坊して少し遅めに出社してくると、誰もいない事務所で電話が鳴っていた。
いつも電話対応してくれる事務のオ[文]バサンも席を外しているようであり[章]、周りを見回しても出払っているの[来]か他に誰もいない為、猛は手元の電[自]話を取った。
「はい、みたらし運送です。」
みたらし運送は、社長とその奥さん[i]の副社長、そして従業員が男女合わ[a]せて十名ほどの小さな運送会社だ。[m]
近隣の企業の様々な配送業務に加え[k]、個人の引っ越しなども請負ってい[.]る。
(すみません、引越しをお願いした[c]いのですが。)
若い女性の声なのだが、どこかオド[n]オドしたような声調だ。
「ああ、引越しの予約ですね。ちょ[恐]っと待ってください。今電話を切り[怖]替えますね。」
業務の計画表は事務のオバサンの机[鬼]に置いてある。
パソコンは苦手だという時代遅れの[故]オバサンのせいで、未だに紙での予[事]約台帳なのだ。
「すみません。お待たせしました。[文]それでいつ頃をご希望ですか?」
(できるだけ早くお願いしたいので[章]すが。)
通常は引越し先の引き渡し日や、電[来]気、ガス等のライフラインの契約等[自]があり、ピンポイントで日時を指定[i]されることが多いのだが、時折この[a]ような客もいる。
現在住んでいる家、もしくは近隣に[m]何か問題があるのか、若い女性であ[k]ればストーカー被害ということも考[.]えられる。
まさか夜逃げではないと思うが。
「そうですか。部屋の大きさはどの[c]くらいですか?」
(海老名にある二十畳程のワンルー[n]ムマンションで、厚木まで引っ越し[恐]たいのですが。)
その大きさであれば、家財道具の量[怖]もたかが知れているし、海老名から[鬼]厚木であれば距離的にも近い。
ふたり作業で半日あれば十分だと猛[故]は踏んだ。
「それでしたら、えっと・・・今日[事]の午後でしたら空いてますけど、い[文]くら何でも無理ですよね。後は、明[章]後日の午前中か・・・その翌日の・[来]・・」
(今日お願いします!)
「え?あ、そうですか。それでは実[自]際に作業する者に大至急確認します[i]ので、このままお待ち頂けますか?[a]」
猛はそう告げて電話を保留にすると[m]、スマホを取り出した。
「あ、乙葉さん?小山田です。」
「猛か?お前今朝も遅刻しただろう[k]。社長がカンカンに怒っていたぞ。[.]」
村越乙葉は、今年二十七になる猛よ[c]りふたつ年上の先輩であり、シング[n]ルマザーなのだが男勝りのさばさば[恐]した性格で、仕事の同僚として頼り[怖]になる存在なのだ。
「いやあ、夕べちょっと飲み過ぎて[鬼]。それよりも、急な引越しの依頼が[故]入ったんですよ。今日の午後二時く[事]らいから海老名から厚木、ワンルー[文]ムなんですけど、大丈夫っすか?俺[章]とペアになります。」
「海老名だったら、岩田が近くにい[来]るだろ?」
「いや、依頼主が女性なんで、仮に[自]も女性である乙葉さんに相棒をお願[i]いできたらなって思って。」
「ああ、そう言う事か。って、ちょ[a]っと待て。”仮にも”って何だ?こ[m]の可愛い乙葉さまをつかまえて。
まあいいや。じゃあ、直接そっちに[k]行くから、場所をスマホに連絡入れ[.]ておいて。」
「ありがとうございます。」
nextpage
◇◇◇◇
猛がトラックで海老名のマンション[c]に到着すると、乙葉はすでにマンシ[n]ョンの入り口で待っていた。
午前中の仕事を済ませ、その仕事の[恐]相棒に送って貰ったのだろう。
マンション前にトラックを駐車する[怖]と、ふたりは依頼主の部屋へ向かっ[鬼]た。
電話で確認した依頼主は、神武比奈[故]子という会社員の女性だ。
通常であれば、見積りを作成するた[事]めに一度下見に来るのだが、今回は[文]下見無しの作業になる。
電話で確認したところでは、生活家[章]電とベッドとキュリオ、そして机が[来]大物で、あとはプラスチックケース[自]や段ボール箱などの小物だというこ[i]とだったが、手間が掛からないこと[a]を祈りながらインターホンを押した[m]。
「あ、みたらし運送です。引越しの[k]作業に来ました。」
ドアから顔を出したのは、猛や乙葉[.]とそれほど違わない、二十代後半と[c]思われる小柄な女性だった。
しかしたった今まで泣いていたよう[n]に目が赤く腫れぼったい。
猛はどう話をすればいいのか戸惑っ[恐]てしまったが、乙葉がそれを察した[怖]のかすっと前に出た。
「この度はご依頼ありがとうござい[鬼]ます。お急ぎのようですが、すぐに[故]作業に取り掛かって大丈夫ですか?[事]」
いつもの乙葉らしくない優しい語り[文]口で問い掛けると、彼女はこくりと[章]頷いた。
「ええ、あ、でも・・・いえ、お願[来]いできますか。」
何故か歯切れの悪い言い方で返事を[自]した神武比奈子はふたりを中へ招き[i]入れた。
「お邪魔しまーす。」
「失礼しまーす、って、え?」
部屋の中は驚くほど散らかっていた[a]。
とてもこれから引越ししようという[m]部屋ではない。
しかしその散らかり具合は、生活に[k]よる汚さとは違っていた。
基本は綺麗なのだが整理してあるも[.]のを故意に撒き散らかした、そんな[c]感じなのだ。
「ごめんなさい。今日の午前中、引[n]越しの為に荷物を全部まとめたんで[恐]すけど・・・」
そして引越し業者が来る前に昼食を[怖]済ませようと外出し、戻ってきたら[鬼]この有様だったと神武比奈子は泣き[故]そうな顔で言い訳した。
「泥棒か何かに入られたって事なの[事]?」
乙葉の問いに彼女は首を横に振った[文]。
彼女の説明によると、この部屋はそ[章]もそもいわくつきの物件だったとい[来]う。
それでも自分には霊感がないと信じ[自]ていたし、通常の半額以下という家[i]賃に釣られてここへ越してきた。
「でもやっぱり出たんです。それも[a]男性の幽霊で・・・あの・・・」
なぜか言い辛そうにしている神武比[m]奈子の様子を見た乙葉は、横に立っ[k]て話を聞いていた猛の肩を押した。[.]
「猛、ちょっと近くのコンビニへ行[c]って大量に粗塩を買って来てくれな[n]いか。」
塩と聞いてピンときたのだろう、猛[恐]は大きく頷くと部屋を出て行った。[怖]
「それで、その男の幽霊はただ出て[鬼]くるだけなの?」
女性同士なら話しやすいだろうと気[故]を遣った乙葉が話の先を促した。
「最初は部屋の隅に立って様子を窺[事]っているだけだったんです。」
nextpage
**********
この部屋に引っ越してから数日が経[文]ったその日の夜、神武比奈子は深夜[章]二時にふと目が覚めた。
なんでこんな時間に目が覚めたのだ[来]ろうと、寝返りを打とうとしたが体[自]が動かない。
まさか金縛りだろうかと思いながら[i]目だけで周囲を見回すと、部屋の隅[a]に誰かが立っていたのだ。
見た目は四十歳前後の男で、何故か[m]衣服は身に付けていない。
全身が青白く、薄闇の中に浮き立っ[k]て見える。まるで弱い蛍光塗料を塗[.]っているようだ。
すぐにその男が泥棒などではなく、[c]ここがいわくつきの物件である所以[n]であることを理解したが悲鳴も上げ[恐]られない。
しかしその夜は、その場所から動く[怖]ことなく、じっと彼女のことを見つ[鬼]めているだけだった。
ところがその男はその翌日から徐々[故]にベッドへ近づいてくるのだ。
そして三日後にはベッドのすぐ横に[事]立ち、彼女を見下ろしてニヤニヤと[文]笑っていた。
ベッドに寝ている目の前には裸の男[章]の股間があり、はっきりと欲情して[来]いる状態を示している。
このまま襲われるのではないかと思[自]ったが、その夜もそのまま消えてし[i]まった。
ひょっとするとあの男の幽霊は驚か[a]せるだけで、襲ってくることはない[m]のではないかと安易な考えが頭を過[k]った.
しかしその翌日、その淡い期待は裏[.]切られた。
男はベッド横の現れると、いきなり[c]掛布団をめくったのだ。もちろん神[n]武比奈子は身動きひとつできない。[恐]
(くっ、くっ、くっ・・・)
含み笑いの声が聞こえる。この男が[怖]声を発するのを聞くのはこれが初め[鬼]てだ。
そして男が布団をめくるという物理[故]的な接触をしてきたのも。
(くっ、くっ、くっ・・・)
男は含み笑いを続けながら、神武比[事]奈子のスウェットの上着の裾を掴む[文]とゆっくりと首の下までたくし上げ[章]た。
ブラジャーをしていない胸が剥き出[来]しになる。
そして男は乳房をゆっくりと揉みし[自]だき、乳首をつまんだ。
全身に悪寒が走り、彼女は気を失っ[i]た。
********
翌朝目が覚めると、剥き出しになっ[a]ている胸が夢ではなかったことを告[m]げていた。
神武比奈子は慌てて自分の身体を確[k]認したが、下半身は衣類を身に付け[.]たままであり、最後まで犯された様[c]子はなかった。
しかしもうこれ以上、この部屋には[n]いられない。
そう思った神武比奈子は、ベッドか[恐]ら起き出すと急いで不動産屋に行っ[怖]て、即入居可能な物件を探した。
そして運良く手ごろな物件が見つか[鬼]り、すぐに契約して引越しを決めた[故]のだった。
「なるほどね。そしてその幽霊があ[事]なたをこの部屋から出したくなくて[文]こんなことをしたってわけね。」
乙葉は散らかっている部屋をもう一[章]度見回した。
その時だった。
(・・・コノ、女ハ・・・渡サナイ[来]。)
突然何処からともなく部屋の中にく[自]ぐもった男の声が響いた。
太陽が出ている明るい時間帯なら大[i]丈夫だと思っていたのだろう、神武[a]比奈子は顔を引き攣らせた。
「この部屋から一歩も出られない地[m]縛霊ごときがなに寝言を言ってるん[k]だ!こっちはこの人をここから出す[.]のが仕事なんだよ。邪魔するな。」[c]
乙葉が部屋の中へ向かってそう叫ん[n]だ途端、いきなり乙葉の被っていた[恐]キャップが飛んだ。
そして次の瞬間、着ている作業服の[怖]後ろ襟が持ち上がった。
「きゃっ!」
乙葉はそのまま物凄い力で後ろへ引[鬼]き倒され、仰向けにひっくり返った[故]。
更にその見えない力は襟を掴んだまま乙葉を玄関へと引き摺って行く。
「くそっ!」
乙葉は咄嗟に作業服の前のファスナ[事]ーを下ろし、作業服を脱ぎ捨てると[文]前へと転がった。
主を失った作業服はそのまま一瞬宙[章]に浮いていたが、すぐにはらりと床[来]の上に落ちた。
Tシャツ姿になった乙葉はすぐさま[自]上体を起こし、中腰で身構えたが男[i]の姿は何処にも見えない。
そこへひょっこりと猛が帰ってきた[a]。
「乙葉さん、塩買ってきましたよ。[m]」
「猛!神武さんを今すぐこの部屋か[k]ら連れ出してくれ!」
乙葉は猛の手からレジ袋を引っ手繰[.]ると塩を取り出しながら、そう叫ん[c]だ。
猛は事情が呑み込めないまま、とに[n]かく乙葉の指示に従い神武比奈子の[恐]腕を掴むと玄関へ向かった。
ドン!
荷物を運び出すためにストッパーを[怖]掛けて開け放っていたドアが、猛の[鬼]目の前でいきなり勢いよく閉まった[故]。
この時点で、猛は詳細までは分から[事]ないものの何が起こっているのかを[文]理解した。
「乙葉さん!玄関に塩を撒いて!」[章]
「はいよっ!」
乙葉が塩の袋を開け、塩を掴むと、[来]玄関ドアに向かって投げつけた。
そしてそれと同時に猛は神武比奈子[自]の腕を思い切り引っ張ってドアを開[i]けると転がるように外へ飛び出した[a]。
「きゃー!」
猛の背後で乙葉の悲鳴が聞こえ、同[m]時にドアが再びバタンと閉まった。[k]
「神武さんはこのままマンションの[.]外へ出て待っていて下さい!」
猛は、泣きそうな顔をした神武比奈[c]子にそう告げると、再び玄関ドアを[n]開けて部屋の中へ飛び込んだ。
中に入るとリビングの中央で乙葉が[恐]めくれ上がったTシャツを必死に抑[怖]えてもがいているのが見える。
「乙葉さん!」
慌ててリビングへ駆け込もうとした[鬼]猛はいきなり見えない壁にぶつかっ[故]たように弾き飛ばされ、仰向けにひ[事]っくり返って後頭部を床に打ち付け[文]た。
一瞬意識を失ったかと思うほどの衝[章]撃だったが、猛は頭を振りながら再[来]び立ち上がった。
乙葉は見えない何かに両腕を頭の上[自]で押さえられ、ブラジャーもたくし[i]上げられて豊かな胸が丸見えになっ[a]ている。
猛は乙葉の傍に落ちていた塩の袋を[m]掴んで叫んだ。
「お前は神武さんが目当てじゃなか[k]ったのかよ!女だったら誰でもいい[.]のか、この変態が!」
相手の姿は見えない。しかし乙葉の[c]傍にいるのは間違いない。
猛は塩を掴んで二回、三回と乙葉を[n]目掛けて投げつけた。
「うわっ、ぷっ、ぺっ!」
塩が効いたのだろうか、突然両腕の[恐]拘束が解かれ、うずくまった乙葉は[怖]顔をしかめて自分の顔に掛かった塩[鬼]を振り掃っている。
「乙葉さん、逃げますよ!」
幽霊が怯んだと見切った猛はそう言[故]って乙葉の腕を掴んで立ち上がらせ[事]、ふたりは部屋の中に向かって塩を[文]撒きながら一目散に玄関から飛び出[章]した。
「乙葉さん、大丈夫でしたか?」
「ああ、大丈夫だ。ありがとう。」[来]
玄関から通路に出たところでふたり[自]はドアを振り返ったが、男の幽霊が[i]部屋から追って出てくることはなさ[a]そうだ。
ほっと一息つき、猛が振り返ると乙[m]葉は苦笑いをしてTシャツの裾から[k]中へ手を突っ込んだ。
「猛、悪いけどブラのホック止めて[.]くれないか?体が硬くて背中だと自[c]分でできないんだ。」
「いいっすよ。でも乙葉さんて意外[n]に胸が大きいんですね。初めて女な[恐]んだって認識しましたよ。」
「てめえ、殺すぞ。」
とにかく部屋から逃げ出し、猛と乙[怖]葉はじゃれ合いの会話が出来る位に[鬼]落ち着いたようだ。
「とにかく今回の仕事は、申し訳な[故]いけどキャンセルだな。
今まで何件か事故物件の引っ越しを[事]やったけど、こんなの初めてだ。絶[文]対無理だよ。」
乙葉が肩をすくめてそう言うと、猛[章]は何か思いついたようで、ポケット[来]からスマホを取り出した。
「あ、岩田さん?いま、相模原です[自]よね。ちょっと緊急事態なんで海老[i]名まで来られますか?・・・はい・[a]・・ええ、こちらに来てから説明し[m]ます。お願いしますね。待ってます[k]。」
猛が通話を切ると、乙葉が不思議そ[.]うに首を傾げた。
「岩田?何で岩田なんだ?」
すると猛はニヤッと笑った。
「今回は女性客だから気を遣って乙[c]葉さんに来て貰ったんですけど、裏[n]目に出ちゃいましたね。女なら誰で[恐]もいい変態幽霊が相手なら、男ふた[怖]りで仕事しますよ。」
「”女なら誰でも”ってのがちょっ[鬼]と引っ掛かるが、まあいい。岩田と[故]ふたりで大丈夫なのか?」
乙葉は心底心配しているようで、彼[事]女にしては珍しく不安げな表情で猛[文]を見つめた。
「まあ、一旦受けた仕事は必ずやり[章]遂げるってのが社長の方針ですから[来]ね。あの変態幽霊がバイセクシュア[自]ルじゃないことを祈りますよ。」
nextpage
◇◇◇◇
結果から言うと、マンションからの[i]荷出しは猛と岩田で無事に完了した[a]。
猛と岩田は残っていた塩を小袋に分[m]け、ポケットというポケットに押し[k]込むと、恐る恐る部屋へと入って行[.]った。
部屋の中は時折唸り声やラップ音が[c]するが、特に物理的な攻撃を受ける[n]こともなく、猛と岩田はそそくさと[恐]部屋の中の物を荷造りして運び出し[怖]たのだった。
岩田はそのまま事務所へと戻り、猛[鬼]は乙葉と共に厚木の引っ越し先へと[故]向かった。
「あの幽霊は憑いて来たりしないで[事]すよね?」
トラックを運転しながら猛が少し不[文]安げに乙葉に問いかけた。
「大丈夫じゃないか。猛と岩田が荷[章]出しをしている間も声や音が聞こえ[来]ていたっていうことは、まだあの部[自]屋に居たって事だろ?」
「まあ、そうですね。でもそうする[i]と次に入居する人はきっと同じ目に[a]遭うんですよね。」
「そういうことだな。」
助手席に座って両足をインストの上[m]に乗せ、乙葉は何か考えているよう[k]に目の前の夕陽を見つめている。
「さあ、そろそろ目的地だ。日没前[.]には終わりそうだな。さっさと荷下[c]ろしして運び込んだら晩飯を奢れよ[n]。」
「へ?なんで?」
「おっぱい見せてやっただろ?この[恐]乙葉さまのカッコいいおっぱいを。[怖]」
「いや、カッコいいのは認めますけ[鬼]ど、”見せてやった”って言うんで[故]すか?結果として、"見[事]えちゃった"だけじゃな[文]いですか。」
「うるせえな。それでも得した気分[章]だろ?」
「ええ、まあ。じゃあ・・・行きま[来]すか。」
「おう。じゃあ頑張るぞ。」
まだ陽は沈み切っていないが、トラ[自]ックを停めた辺りは建物の陰になり[i]、かなり薄暗くなっている。
トラックから乙葉と猛が降りると、[a]先に新居に到着していた神武比奈子[m]が笑顔で駆け寄ってきた。
あのマンションを出られて心の底か[k]ら安堵している笑顔だ。
nextpage
しかし・・・
乙葉の目には、彼女の背後にうっす[.]らと黒い人影が立っているのが見え[c]ていた。
(ちっ!しかし荷物を運び込んだら[n]、そこから先はうちらの仕事じゃな[恐]いよな・・・
只の引越し業者なんだから。)
乙葉はそっと苦笑いをすると、猛と[怖]共にトラックの荷台を開いた。
…
◇◇◇◇ FIN
声明
部分内容涉及暴力、血腥、犯罪等,来自网络,请勿模仿
版权:内容只是个人喜好搜集,如有侵权请联系处理。
发表评论