[夏日风声] Shiguru and Dew (Part 1)

iamk 日本恐怖故事 2023-07-23 08:30:01 603 0

‖我醒了。这是我的房间。

“师姑,早上好”

‖听到旁边有个声音。这是一个熟悉[文]的,令人安心的声音。

“早上好,铃奈”

“今天天气真好”

铃奈说着下了床,就闻到一股淡淡的[章]甜香.底部。

“我明白了”

我坐起来看了看表。

“8点钟”

‖确定了时间后,他大声说了出来。[来]

“今天,你让我帮你从头开始,但你[自]的手势呢?”我今天什么都不想做。[i]或许是猜到了,铃菜也这样问道。

“我想休息一下”

“好吧,我跟零说”

〉铃菜打开手机,给零发了一条信息[a]

“诗谷,你没事吧?”

〉铃菜担心的说道。

“以防万一。谢谢你,铃奈。”

『说到这里,铃奈轻轻地笑了笑。

“我们去吃早饭吧”

“嗯”

∀走到客厅的时候,一条黑色的蛇蜷缩在桌子上,我看到这。

“早上好,咲希”

‖咲希对我的话只是“哦”了一声。看起来你从昨天开始就不太舒服,但是你还好吗?

“啊,早上好,早餐一会儿就做好了[m]

〉小雨从厨房里望了出来说道。最近铃菜好像也来帮忙了,不过今天我醒来之前,她一直都在照顾我,一直陪在我身边。

‖早餐准备好后,我们一边看电视新闻一边吃东西。

“今天我要帮助零”

』铃菜说着,喝了一口大麦茶。

“对不起,请代我向零问好”

‖当我抱歉地说,她用温柔的语气说[k]“没关系”。

“这次好像没什么大不了的,志古在家好好休息吧。啊,铁羽酱酱,天天都来逗留真是抱歉!”< /p>

>“不,和铃菜学姐在一起更有趣!不是吗,兄弟?”

“是啊是啊。很好玩。”

这是什么感觉?铃菜今后要帮助零。[.]有点寂寞。没有铃菜在身边,我感到[c]很不安。这是我第一次有这样的感觉[n]

“师兄,你没事吧?”

〉小雨焦急的问道。应该没事。就算[恐]铃菜出去了,也有露在家里。你并不[怖]孤单。

“嗯”

我说完就把杯子里的大麦茶一饮而尽[鬼]

“你没有胃口吗?”

〉听到这话,我只吃了一口Tsuy[故]u给我做的三明治。

我开始吃我的三明治。我觉得我没有胃口。我只是不想吃太多。

“Tsuyu酱,今天请多多关照Shigu”

面对铃菜这么说,Tsuyu“嗯”[事]了一声,笑了笑。我应该如何度过今[文]天的时间?

‖○

‖铃菜去打工没多久,我躺在客厅的[章]沙发上发呆。抱着咲希进了房间头。[来]

“大哥,有什么想说的,我随时都乐[自]意听。”

〉冬雨蹲在我的面前说道。

“谢谢……我去散散步”

说着从沙发上站了起来。

“……是这样吗,祝你有愉快的一天”

∀虽然刚才很寂寞,但不知为什么现在想一个人待着。准备好后,我说了句“我走了”就离开了家。哦,今天还是很热。

‖○

‖我弟弟身体不舒服。甚至当我和他[i]说话时,就好像他在天上一样。我在[a]弟弟刚才躺着的沙发上坐下,拿起头[m]上的黑蛇放在身边。

“Tsuyu酱,你有点暴力……”[k]

〉黑蛇妖怪咲树小姐用略显悲伤的声[.]音对我说道。

“我不知道我是不是做不到……”

‖这是我第一次有这种感觉。刚来这家的时候,弟弟肯定身体不舒服。仍然,我的声音传达到你它从未发生过。但是不是现在。我哥哥没有看着我

“Shiguru一定是在和自己的过去作斗争。

』咲希在我旁边蜷缩着说道。我知道。但为什么?为什么我会有这种感觉?

“既然铃菜是你哥哥的女朋友,我知[c]道你对他来说是一个特别的人。但是[n]我一直和我哥哥一起生活到现在。我[恐]说我想成为特别的人是不是很自私?[怖]对我的兄弟?”

“Tsuyu-chan……你是在[鬼]嫉妒 Suzuna-chan 吗?”不是的!

‖为了掩饰我的尴尬,我小声喊道。[故]

“哦,不,我真的很抱歉。”

“对不起,我不是故意冲你吼的。但你对我来说很特别。”

〉小时候父亲离家,母亲得病去世。之后由祖母抚养长大,祖母过世后,他在亲戚间流传,最后被送往收容所。

〉我和外祖母的力量略有不同,这也是我们亲戚讨厌我们的原因。这就是为什么除了我的祖母之外,我从来没有人真正倾听过我不得不说的话。

然而,有一天他被这所房子霸占了。一开始我觉得他有点可怕,但和他交谈后,我发现他是一个非常温柔善良的人。我爸在外地工作,我只见过他一面,不知道他是个什么样的人。尽管如此,他还是个好人,听了我的话。

从前,哥哥有一个和我同岁的妹妹,名叫雏酱,但她在我来的前一年就去世了。小雏似乎拥有强大的超能力,除了我之外还有拥有特殊能力的人,让我稍微安心了。

不过,那时候我哥有灵通却没有灵通[事],所以我决定这样做。我隐藏了力量[文]

“所以,我哥对我来说就像我奶奶一样特别。我觉得他有点奇怪,但他对我很好。所以……我有点寂寞。”< /p>

“Tsuyu酱,你有过这样的过去吗?”

“请不要同情我,擅自说话然后同情[章]……很烦人。”

“不,我没有同情你的意思,但是.[来].....柔酱,你有没有告诉Sh[自]iguru这一切?”

“我有。我前几天我也知道了这件事[i]。我已经没有什么可隐瞒的了。”我[a]看着咲希的眼睛。咲希也在看着我。[m]

“那我到底在隐瞒什么?咲君你知道[k]是什么吗?”

“好吧,冷静点,我觉得我很高兴有一个孩子。但是,柔酱,你真的不想再被宠坏吗?不知道是义务还是什么,但你是我的妹妹,所以我也希望志咕也这样做,对吧?”

我被吓了一跳。当然,我被哥哥宠坏的次数可能不多。真想宠坏我善良的弟弟。我要你多抚摸我。尽管如此,在与哥哥互动时,我还是把自己的感受保密了。

“如果小月一直隐藏自己的感情,就[.]算是志古也不会告诉她她的真实想法[c]。嗯,老实说,我不知道如果我现在[n]只依赖志古会发生什么…… ”

“那我该怎么办呢!”

‖我打断了咲希同学的话。我的胸口[恐]感觉很热。这是我第一次有这样的感[怖]觉。

“我该怎么办?现在,告诉我你的感[鬼]受”

“如果你能如此轻松地表达你的感受,你就不会有困难了”< /p>

〉说完就从沙发上站起来,把包背在肩上,往门口走去。

“Tsuyu酱,你要去哪里?”

“我去散步。p>

我头也不回地关上了门。现在我想要时间独自思考。

‖○

‖坐在小神社角落的石凳上看海。我[故]在这是要干嘛?

‖我不经意地用手指划过天与海的分界线。蓝,蓝到足以吞噬你。

“雏……你在哪?”话虽如此,说出口的话,一定是心里某个地方想再见面的预兆吧。

忽然,感觉到有人的目光,转身。

「雨宫同学,你在做什么?」

〉看着我的人摆摆手笑道。

“阳原……!?”看到过魔法师联合[事]会T支部灭亡的时候,砂之原用超能[文]力和零战斗过,但是他的实力是非常[章]强的。如果我没记错的话,他是零的[来]对手,是魔法师联合会本部的一员。[自]

“嗯,你别那么谨慎,我又不是想对[i]你做什么,我只是碰巧看到了你。”[a]我在自己坐着的长凳上坐下。

“真的……你什么都不做”

“你别做!快点,你也坐下吧”

〉砂原坐在长椅上 他敦促我坐下,用空的空间作为绒球[m]

“啊……是啊”

[夏日风声] Shiguru and Dew (Part 1) 日本恐怖故事

‖我还是有些小心翼翼,不过暂时还[k]是坐在了阳原身边。

“你没事吧?你看起来好像不太舒服。”我也很难受,因为会长很麻烦,你毁了T支部? ”

“董事长到底是个什么样的人?召集有影响力的人为什么那么重要?”

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“哦,那很重要,哦,会长不是人,你不是人吗?既然如此,他讨厌零也就说得通了。

“我明白了,那你为什么要破坏树枝?你为什么不正常收集它们?”这样说是最好的方法,因为这是不可能的。真的很烦人。”

〉砂原一边打哈欠一边说道。

“嗯,我不知道是否可以问,但这与[.]这个镇上发生的事情有关系吗?”

当我问他时,他说,“有。”我一边[c]伸懒腰一边回答。

“所以零应该在总部活动,但他很固执。好吧,不管怎样,传递给他父亲的信息肯定是通过琴叶传进来的。”

”是琴叶的能力吗?我了解的不多。“好像可以通过发送信息来交换记忆,心理测量师是一门艺术大师~,我觉得很神奇。”

‖春之原笑道.甚至可以交换记忆吗[n]?不愧是神原家的人。

“不过零的父亲既然在本部,那他就[恐]在东京吧?即便如此,也不知道光波[怖]能不能传到他身上。”

“对方的脸,名字和灵气 你说过知道的话就可以做到 所以你才能做到

``不是很近吗?太阳原怎么千里迢迢跑到这里来的?火车吗?''开玩笑!!如果你坐火车到这个站,然后用你的念力高速移动,不用公交车也能轻松探索这个小镇! do it''

∀这有可能吗……是的,Sunoh[鬼]ara 是一个了不起的通灵者。万一动能推[故]进的高速运动,说不定他就是用它来[事]移动的。

“不过,移动的速度再快,也不会脱[文]颖而出。时间对于普通人来说是看不[章]见的。”

“识别障碍,是个有用的能力。”

〉这就是我当时能够像鬼一样消失的原因。我同意。

突然,阳原裤兜里的电话响了起来。他接了电话,就开始和对方说话,一副不耐烦的样子。

“喂……啊?我现在不在那边,好的,我马上回来。ui”

‍砂原挂断电话给我苦笑.

“我是总部叫来的,再见~”

“啊,哦。又来了”

∀为了回应我的回复,他挥了挥手手消失了。你打算从这里飞回家吗?阳原,除了有点失礼外,倒是个正常的好人。我的第一印象与我第一次见到他时完全不同。

当我打开智能手机的屏幕时,我发现时间已经过去了相当长的时间。在遇到砂原之前,我一直在这里发呆吗?我到底在做什么不早点回家的话,小雨可能会担心。这么想着,我走下神社的阶梯,开始沿着海边通往岸边的道路前行。


作者:mahiro
原文:【夏風ノイズ】しぐると露(前編)

 目が覚めた。ここは、俺の部屋だ。

「しぐ、おはよ」

 隣から声がした。聞き慣れた、安心[来]できる声だ。

「おはよう、鈴那」

「今日もいいお天気だよ」

 鈴那がそう言ってベッドから降りる[自]と仄かに甘い香りがした。

「そっか」

 俺は怠い身体を起こして時計を見た[i]

「8時か」

 時刻を確認すると、それを声に出し[a]て言った。

「今日、ゼロからお仕事の手伝いし[m]てほしいって声掛かってるけど、し[k]ぐはどうする?」

 仕事か、いつもなら行くところだが[.]・・・今日は何もしたくない気分だ[c]。それを察してか、鈴那もそのよう[n]な訊ね方をしてきてくれた。

「ちょっと、休みたい」

「わかった、ゼロに言っとくね」

 鈴那はスマホを開きゼロにメッセー[恐]ジを送った。

「しぐ、大丈夫?」

 鈴那が心配そうに言った。

「一応。鈴那、ありがとう」

 俺がそう言うと鈴那は優しく微笑ん[怖]だ。

「朝ごはん、食べに行こ」

「うん」

 居間へ行くと、一匹の黒い蛇がテー[鬼]ブルの上で丸まっているのが目に入[故]った。

「おはよう、サキ」

 俺の言葉にサキは「おう」とだけ返[事]した。昨日に引き続き元気が無いよ[文]うに見えるが、大丈夫だろうか。

「あ、おはようございます。朝ごは[章]んもうちょっとで出来ますー」

 露が台所から顔を出して言った。最[来]近は鈴那も手伝っていることもある[自]らしいが、今日は俺に気を使って起[i]きるまで傍に居てくれたようだ。

 朝食の準備が出来ると、俺達はテレ[a]ビのニュースを観ながら食べ始めた[m]

「今日、あたしはゼロのお手伝い行[k]ってくるね」

 鈴那はそう言って麦茶を一口飲んだ[.]

「ごめんな、ゼロによろしく」

 俺が申し訳なさそうに言うと彼女は[c]優しい口調で「大丈夫だよ」と言っ[n]た。

「今回は大したのじゃ無さそうだし[恐]、しぐは家でゆっくり休んでてね。[怖]あ、てゆーか露ちゃん毎日のように[鬼]泊まっちゃってごめんね!」

「いえ、鈴那さんが居たほうが楽し[故]いです!ね、兄さん」

「え、うん。楽しいよ」

 この感覚は何なのだろう。鈴那はこ[事]れからゼロの手伝いに行ってしまう[文]。それが少し寂しい。鈴那が傍に居[章]ないのが不安に感じてしまう。こん[来]なふうに思ったのは初めてだ。

「兄さん、大丈夫ですか?」

 露が不安そうに訊いてきた。大丈夫[自]なはずだ。鈴那は出掛けても家には[i]露がいる。一人では無いのだ。

「うん」

 俺はそう言うとコップの麦茶を飲み[a]干した。

「食欲、無いのですか?」

 そう言われてみると、露の作ってく[m]れたサンドイッチは一口ぐらいしか[k]食べていなかった。

「だ、大丈夫。ごめん」

 俺はサンドイッチを食べ始めた。食[.]欲が無いわけではない気がする。た[c]だ、あまり食べる元気が無い。

「露ちゃん、今日はしぐのことよろ[n]しくね」

 鈴那がそう言うと露は「はい」と言[恐]って微笑んだ。俺は・・・今日、ど[怖]う過ごせばいいのだろうか?

   ○

 鈴那がバイトに行ってから少し経っ[鬼]た頃、俺が居間のソファで横になり[故]ボーっとしていると、朝の家事を終[事]えた露がサキを頭に乗せて部屋へ入[文]って来た。

「兄さん、もしお話したいことがあ[章]ったら、私でよければいつでもお聞[来]きしますよ。いつでもいいので」

 露は俺の顔の前にしゃがんで言った[自]

「ありがとう・・・ちょっと散歩し[i]てくる」

 俺はそう言ってソファから立ち上が[a]った。

「・・・そうですか、いってらっし[m]ゃい」

 先程まで一人が寂しかったのに、今[k]はなぜか一人になりたい。俺は準備[.]を済ませると、一言「行ってきます[c]」とだけ言い、家を出た。ああ、今[n]日も相変わらず暑い。

   ○

 兄さんの元気が無い。私が話しかけ[恐]ても、まるで上の空だった。私は先[怖]程まで兄さんが寝そべっていたソフ[鬼]ァに腰を下ろし、頭の上の黒い蛇を[故]摘まんで横に置いた。

「露ちゃん、今のちょっと乱暴じゃ[事]・・・」

 黒い蛇の妖怪、サキさんは少し悲し[文]そうな声で私に言った。

「私じゃ駄目なのかな・・・」

 こんな気持ちになったのは初めてだ[章]。私がこの家に来て間もない頃の兄[来]さんは確かに元気が無かった。それ[自]でも、私の声が届かないなんてこと[i]は一度も無かった。しかし今は違う[a]。兄さんが、私のことを見ていない[m]

「しぐるは今、自分の過去と戦って[k]る真っ最中なんだろうな。まぁ、俺[.]様の知ったことじゃねーけど・・・[c]露ちゃんだって、しぐるの心の支え[n]になってると思うぜ」

 サキさんは私の横で丸まったまま言[恐]った。そんなことは分かっている。[怖]でもどうしてなのだろう。どうして[鬼]私は、こんな気持ちになってしまっ[故]ているのだろうか。

「鈴那さんは兄さんの彼女さんです[事]から、兄さんにとって特別な存在な[文]のは分かってます。でも、私だって[章]今まで兄さんと一緒に暮らしてきた[来]んです。悔しいわけじゃないですけ[自]ど・・・私が兄さんにとっての特別[i]になりたいなんて言うのは、ワガマ[a]マでしょうか」

「露ちゃん・・・鈴那ちゃんに嫉妬[m]してる?」

「嫉妬じゃありません!」

 恥ずかしさを隠すためか、少し怒鳴[k]ってしまった。

「あ、だよね。いや、ごめんマジで[.]

「すみません、怒鳴るつもりは無か[c]ったんです。ただ、私にとって兄さ[n]んは特別なんです」

 私が幼い頃にお父さんは家を出て行[恐]ってしまい、お母さんは病気で死ん[怖]でしまった。それからはずっとおば[鬼]あちゃんに育てられたが、おばあち[故]ゃんもこの世を去ってしまうと、そ[事]の後は親戚中をたらい回しにされ、[文]挙句の果てに施設へ入所させられた[章]

 私とおばあちゃんは少し変わった力[来]を持っており、そのせいで親戚から[自]は嫌われていたのだ。だから私の話[i]をちゃんと聞いてくれる人なんて、[a]今までおばあちゃん以外に居なかっ[m]た。

 しかしある時、この家に引き取られ[k]たのだ。最初は兄さんを少し怖そう[.]な人だと思ったけれど、話をしてい[c]るうちにとても穏やかで優しい人だ[n]と気付いた。お父様は海外で仕事を[恐]しており、顔も一度しか見たことは[怖]無いのでどんな人なのかはよく知ら[鬼]ない。それでも、兄さんはいい人で[故]、私の話もちゃんと聞いてくれた。[事]

兄さんには元々、ひなちゃんという[文]私と同じ歳の妹さんが居たらしいけ[章]れど、私が来る一年ほど前に亡くな[来]られたそうだ。ひなちゃんは強い霊[自]能力を持っていたらしく、私は自分[i]以外にも特殊な力を持った人が居る[a]ということに少しだけ安心した。

それでも、当時の兄さんには霊感が[m]あっても霊能力は無かったので、私[k]はこの力については隠していたのだ[.]

「なので、兄さんは私にとっておば[c]あちゃんと同じくらい特別な人なん[n]です。ちょっと変わってる人だとは[恐]思ったけど、私のことを大切にして[怖]くれました。だから・・・ちょっと[鬼]寂しいんですよ」

「露ちゃん、そんな過去があったの[故]か」

「同情とかはやめてください。私、[事]そういうことされるの苦手なんです[文]。ごめんなさい、勝手に話しておい[章]て同情するなだなんて・・・迷惑で[来]すよね」

 私がそう言うとサキさんは少し動揺[自]しながらこちらを見た。

「い、いやぁ、同情するつもりはね[i]ーけど・・・露ちゃん、しぐるには[a]そのこと全部話したのか?」

「一応話しましたよ、能力のことも[m]この前知られましたし。もう隠して[k]ることはありません」

「いや、あるだろうよ露ちゃん」

 その言葉を聞いて、私はサキさんの[.]目を見た。サキさんも私を見ている[c]

「じゃあ私が何を隠してるっていう[n]んですか?サキさんは何か分かるん[恐]ですか?」

「まぁ落ち着け。確かにしぐるは露[怖]ちゃんみたいなしっかり者の子がい[鬼]て嬉しいと思う。でもなぁ露ちゃん[故]、本当はもっと甘えたいんじゃねー[事]のか?義理だか何だか知らねーけど[文]妹なんだから、しぐるもそうして欲[章]しいと思うぜ?」

 ハッとした。確かに、私から兄さん[来]に甘えたことは少ないかもしれない[自]。本当は優しい兄さんに甘えたい。[i]もっと沢山撫でてもらいたい。それ[a]なのに私は、その気持ちを隠したま[m]ま兄さんと接していた。

「露ちゃんが気持ちを隠したままな[k]ら、しぐるだって本音は言ってくれ[.]ないぜ。まぁ、ぶっちゃけ今のしぐ[c]るに甘えたところでどうなるかは知[n]らんが・・・」

「じゃあどうすればいいんですか![恐]

 私はサキさんの言葉を遮るように言[怖]った。胸の辺りが熱い。こんな気持[鬼]ちになったのは初めてだ。

「ど・・・どうすればって、とりあ[故]えず気持ちだけでも伝えりゃ」

「そんな簡単に気持ちを伝えられた[事]ら、苦労しませんよ」

 私はそう言ってソファから立ち上が[文]り、バッグを肩に掛けて玄関へと向[章]かった。

「露ちゃん、どっか行くのか?」

「散歩です。サキさんは来ないでく[来]ださい」

「・・・おう」

 私は振り返らずに戸を閉めた。今は[自]、一人で考える時間が欲しい。

   ○

 小さな神社の隅、石のベンチに座り[i]ながら海を眺めている。俺は、こん[a]なところで何をしているのだろう。[m]

 何気なく、空と海の境界線を指でな[k]ぞってみた。青い、呑まれてしまい[.]そうなほど青い。

「ひな・・・どこにいるんだ」

 どこにいるかなんて、死んでしまっ[c]た人間の居場所が分かるはずもない[n]。それでも零れてしまった言葉は、[恐]きっと心のどこかでまた会いたいと[怖]思ってしまっていることの表れなの[鬼]だろう。

 ふと、誰かの視線を感じて振り返っ[故]た。

「雨宮じゃーん、何してんの?」

 視線の相手はそう言うと手を振って[事]笑った。

「春原・・・っ!?」

 俺は思わず身構えた。春原は以前、[文]呪術師連盟T支部を潰された時にゼ[章]ロと超能力で戦っていたところを見[来]たことあるが途轍もなく強い。確か[自]、ゼロとはライバル同士的な関係で[i]、呪術師連盟本部の人間だ。

「まぁまぁ、そんな警戒すんなって[a]。別にお前に何かしようってんじゃ[m]ねーよ。偶然見かけただけ」

 春原はヘラヘラと笑いながら先程ま[k]で俺が座っていたベンチに腰を下ろ[.]した。

「本当に・・・何もしないんだな」[c]

「しねーって!ほら、お前も座れば[n]

 春原はベンチの空いているスペース[恐]をポンポンとして俺に座るよう促し[怖]た。

「あ・・・うん」

 俺はまだ少し警戒していたが、とり[鬼]あえず春原の隣に座った。

「大丈夫かぁ?元気無いように見え[故]たけど」

「う・・・い、色々あって」

「色々なぁ・・・大変だもんなぁ。[事]俺んちも会長がめんどくさくてさぁ[文]、特に今は本部に人が増えたから俺[章]もだりぃ・・・人多いの苦手だから[来]さ~」

「なぁ、なんでT支部を潰したんだ[自]?」

「お?消したのは全支部だぜ。そん[i]で各支部の長は全員本部に連れてっ[a]た。ぶっちゃけゼロの手も借りたい[m]んだけどさぁ、アイツめっちゃピリ[k]ピリしてんじゃん。なんか、会長の[.]ことが気に喰わないらしくて、本部[c]を毛嫌いしてんだよなぁ」

「会長って、どんな人なんだ?なん[n]で、有力者達を招集するほど大事な[恐]ことがあるのか?」

「おう、大事なことだな。あ、会長[怖]は人じゃねーぜ。なんだったかなぁ[鬼]、妖怪だか・・・なんかそれっぽい[故]こと言ってたけど」

 人ではないのか。それならゼロが嫌[事]うのも頷ける。

「なるほど。じゃあ、なんで支部を[文]潰すなんてことしたんだ?普通に集[章]めればいいのに」

「会長の指示だよ・・・外部に洩ら[来]したくないことだからこういう手が[自]一番だとか言ってさ。ほんとめんど[i]くせーことするよなぁ」

 春原は欠伸をしながら言った。

「あのさ、訊いていいことなのか分[a]かんないけど、それってこの町で起[m]きてる現象と関係あるのか?」

俺の問いに彼は「あるぜ~」と伸び[k]をしながら答えた。

「だからゼロも本部で活動すりゃい[.]いのに、アイツ頑固だからな。まぁ[c]、どうせ親父さんに伝わった情報が[n]琴羽経由で入ってきてるだろうけど[恐]よ」

「琴羽ちゃんの能力か。俺、よく知[怖]らないんだけど」

「ああー、なんかぁ予知とかしたり[鬼]、残留思念を読み取ったり、あと自[故]分から相手に念波を発信することで[事]記憶のやり取りができるらしいぜ。[文]サイコメトラーにしちゃ芸が達者だ[章]よな~、すげーと思うぜ」

 春原はそう言って笑った。記憶のや[来]り取りまで出来るのか。流石は神原[自]家の人間である。

「でも、ゼロの親父さんって本部だ[i]から東京とかに居るんだろ?それで[a]も念波って届くのかな」

「相手の顔と名前とオーラが分かれ[m]ば出来るとか言ってたなぁ。だから[k]出来てるんじゃね?あ、呪術師連盟[.]の本部は東京じゃなくて神奈川だぜ[c]。温泉で有名なとこのすぐ近くだよ[n]ぉ。だから俺もこっちの方にはよく[恐]遊びに来るんだよな~」

「そんな近かったのか・・・まぁ、[怖]T支部も森の中にあったし、本部も[鬼]そういう場所にひっそりとある感じ[故]なのかな。え、春原ってここまで何[事]で来たの?電車?」

「いや、超能力」

「・・・うん?」

「冗談だってー!!電車でこっちの[文]駅まで来て、あとは念動力で高速移[章]動すればバスなんか使わなくったっ[来]て余裕でこの町観光できるぜ!」

「だよな・・・いくら超能力があっ[自]ても県境一つ跨いで移動するのは無[i]理があるよ」

「一応できるぜ」

 できるのか・・・確かに春原はすご[a]い超能力者だ。念動推進力の高速移[m]動、おそらく彼はそれを使って移動[k]しているのだろう。

「でも、いくら速く移動してても目[.]立たないか?」

「あぁ、俺って普段は使ってないけ[c]ど認識阻害の能力もあるから、そう[n]いう時は一般人には見えないように[恐]してるぜ」

「認識阻害か、便利な能力だな」

 だからあの時、幽霊のように消える[怖]ことが出来たのか。俺は納得した。[鬼]

不意に春原のズボンのポケットから[故]携帯の着信音が鳴りだした。彼はそ[事]の電話に出ると、面倒くさそうに相[文]手と話し始めた。

「もしもーし・・・あ?今そっちに[章]居ねーんだけど。わかったよ、すぐ[来]戻りまーす。うい」

 春原は電話を切ると俺を見て苦笑し[自]た。

「わりぃ、本部から呼び出されちま[i]ったわ。またな~」

「あ、おう。また」

 俺の返事に彼は手を振りながら姿を[a]消した。ここから飛んで帰るつもり[m]なのだろうか。春原、少し不良っぽ[k]いところ以外は普通にいいヤツそう[.]だ。初めて会ったときとは一気に印[c]象が変わった。

 スマホの画面を開くと、そこそこの時間が経過していることに気付いた。春原と会う前まで、ずっとここでボーっとしていたのか。本当に俺は何をしているのだろう。そろそろ家に帰らないと露も心配するかもしれない。そう思い、神社の階段を下りて海沿いの土手へ続く道を歩き出した。

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