“空” 1

iamk 日本恐怖故事 2023-10-05 08:30:01 430 0

这是一个很长的句子。

对不起。

0

‖天空像一幅油画。

‖灰色、铅色、沉闷的世界。

‖未来是看不见的。

‖未来是一个不可能的世界。

‖当我两周以来第一次离开房间时,[文]我正在抬头仰望天空。

〉一个你找不到生命意义的世界..[章]....我应该在覆盖它的天空中找[来]到什么......?

‹ 每次仰望星空,心情都低落。然而,[自]当我出门在外时,我总是抬头看看天[i]空。我向天空伸出手,好像那里有什[a]么东西。对我来说,这已经成为一种[m]个人仪式。

“……?”

‖我一边走路一边仰望天空,踩到了什么东西。我把目光落到我的脚上。

‖有一具尸体……是一个年轻女孩。[k]

〉少女的尸体腐烂的很厉害,但仍能看出她生前是个美貌的少女。我以为我认出了那个女孩……我脑子里闪过一些东西。不管我的意图如何,它都慢慢开始成形。我注意到躺在我面前的尸体是我在附近的图书馆见过几次的女孩的尸体......

以我前几天出门没看到这里有尸体来看,这丫头肯定是在最近两周内死了。

嗯,没关系...

‖满城尸骸……已经不稀奇了。

‹ 我已经习惯了一个充满尸体和死亡恶臭的世界。不知何时,我一开始感到的厌恶和呕吐已经消失了。

〉这个现在存在的非凡世界就是我的[.]日常生活。

〉正是半年前……从那天开始……我[c]只能看到充满死亡的明天。

1

杀那种? 』

‖大学里有一个人一直这样说。

〉男人的名字是……嗯……没关系……

〉即使我现在记住了那个男人的名字,也不会改变什么。我无法改变任何事。

‖然而,令我惊讶的是,他曾经声称[n]的准确地代表了当前的情况。

“人类将因病毒而灭亡”

‖这是他的论点。

〉他说这种废话的时候,我干脆无视了。在和平时期,如果我一直和那些认真谈论“人类末日”的人交往,那就没完没了。至此,我已经成为了一个危险的人。

不过,现在想想,也许我应该更认真地听他的话……好吧,即使我听了,也没有什么改变。但是。

大学毕业后,我连律师考试的工作都没有找到,开始整天在家啃法律书籍。那是两年前。然后,在我毕业后的第二年,我第一次参加的考试能够保持在前 10%。然而,不出所料,他在被称为“司法考试的天王山”的论文考试中失利,由此确定他将再过一年郁闷的司法失业生活。那是去年十月初。

然而,我今年没有参加律师考试。准确的说,我不能参加……因为考试本身被取消了。取消的原因没有公布。不,它可能已经在某个地方宣布了,我只是不知道,但不管怎样,取消的原因很明确。

‖人类即将灭亡……

2

平时不怎么看电视,做了两年多的司法浪人. 因为我的生活方式,我什至没有读过报纸或杂志。我唯一的信息来源是互联网。我有一个稳定的互联网连接,并将我的电子邮件设置为每分钟检查一次。因此,对于几乎是个宅男的我来说,可以毫不夸张地说,人们只能通过互联网与他人联系。所以,就在两个月前,当停电、网络无法使用时,我才真正意识到人类正在走向灭亡。

‹ 我完全不知道为什么会在这个世界上传播一种危险到要毁灭人类的病毒。然而,有一本科幻小说是这样写的,“乍一看,它像感冒,但一旦发展起来,它具有在三周内杀死 90% 人类的力量。我很久以前就读过它。”巧合的是,小说可以说准确地预测到了现在的情况。但是,如果我问专家只是这么认为,那可能是完全不同的事情......

有一次,我记得在一个新闻网站上读到,这本小说几十年来第一次成为畅销书。但是作者再也不会得到版税了。这样一想,就算是畅销书,也显得有些空洞。

“哎呀……”

‖这一次,我小心脚下,才跳过了向我前进的方向滚来滚去的尸体。虽然见惯了尸体,但还是不习惯踩着尸体。虽然,我不想习惯这样的事情。

好吧,不管怎样,我都会在习惯之前死去,所以没关系……

‖从两周前开始,我就出现了“类似[恐]流感的症状”。

‖3

‖从我家步行三分钟左右,有一个市立图书馆的分馆。从那里再走两分钟,就有一家以业内店铺数量最多的便利店。我今天出来的原因是去便利店补充生活必需品。直到昨天,我还病得发高烧,不能动弹,但今天感觉好多了。他似乎没有多少热度。

‖这是互联网上称为“最后的晚餐的邀请”的平静。收到此邀请函的人将在出现症状约两周后死亡。并且此邀请并未发送给所有人。 “最后一小时”只给幸运者。有可能的。另一方面,那些倒霉的人会死于高烧。躺在路上的尸体,估计就是被赐予‘最后一次’的幸运儿。我不想死在路上,但我宁愿痛苦地死去,直到最后。我要感谢自己是一个幸运的人。

当我站在便利店门口时,我把以前那个带塑料把手的“自动门”拉到一边。

“喂,你好吗?”

我一进店就叫道。

‖但是一点反应都没有。

两周前来到这家店的时候,还有一个大学生兼职店长。一看就知道他喜欢重金属摇滚!

‖他说,这附近似乎几乎没有人活着了。当我问他为什么知道这样的事情时,他说他在附近转了一圈,采购了罐头食品和其他可以长期存放的食品以及生活用品,并把它们摆在商店的货架上。发现。

我告诉他,“这不是盗窃吗?”他含糊不清地回答。

……当然,这是合理的。如果属于无人居住的房屋,或者里面只有一具尸体,那么在这种不能考虑继承的情况下,认定为‘继承财产’也无妨。

‖我决定支持他的解释。

即便如此,我也不认为我能和他这样的人谈论法律。也许他在大学学习法律,他似乎是一个相当认真的学生。

后来和他闲聊了大概30分钟(主要[怖]是最近看的一本书),我查看了购物[鬼]车里的东西,决定清空。

“我不要钱,这里什么都免费。”

“真的吗?”

“是啊,我只是觉得这样会更方便收[故]集整理。再说了,现在有钱也没意思[事]吧?”

‖原来如此,他是个“好人”。

但现在那个“好人”已经不在店里了[文]。收银台前那张原本是他预定的椅子[章],也躺在地上。

“喂”

‖我又叫了一声。然而,此时却一点反应都没有。也许他是出去采购货物的。

那么,现在,让我们完成我们来到这里的目的吧。

‖我在店里转了一圈,将罐头、水、营养饮料、巧克力等陆续放入购物车。当我把它们装满购物篮时,我突然有一种想小便的冲动,所以我把购物篮放在地上,决定去店里的洗手间。我记得他笑着说厕所不再排水,所以现在更像是一个粪坑而不是厕所。

‖我打开了厕所的门。

‖这位“好人”头卡在马桶里死了。[来]

「……呃」

‖我用手捂住嘴。

‹ 这么久以来,我第一次感受到了死亡的恶臭。

立即关上门。

‖然后,我飞快地将购物篮里的东西[自]搬进了一个印有便利店标志的袋子里[i],逃也似的离开了便利店。

〉4

…… 不知不觉,我就到了市立图书馆附楼[a]前。从离开便利店到现在,我什么都[m]不记得了。

〉纯白的。

〉我脑子里一片空白。

‖我变得有些不安了。

‖不过,步行也就两分钟,不用担心。这不应该与我有关。

‖我深吸一口气。

‖一次,

‖然后两次。

然后,我就可以轻而易举地恢复平静了。

没什么大不了的……真的没什么大不了的……

“我们借一本书吧”

〉我喃喃自语了这么一句,转身就进了图书馆。

“空” 1

‖我曾经是一个经常使用图书馆的人。虽然性格比较孤僻,但我还是毫不犹豫地出门去便利店买食物和日用品,去图书馆借书。但是,有很多次我借的书没有归还,每次都接到图书馆工作人员的电话提醒我还书。 “有人预定了,请早点归还”这句话,我听过不止一两次了。当我有一段时间没有接听这样的电话时,我最后来我家接他们。

‖我一边走在昏暗的图书馆里,一边想起这样的事情。有一个书架,里面什么也没有。尤其是医学书架上的书籍几乎所剩无几。也许他借用它是为了缓解他的焦虑。不知何故,我笑了。

看完所有的书架后,我拿起了我看中的书,然后前往靠近入口处的借阅柜台。

‖这个图书馆大约三个月前关闭了(工作人员消失了)。所以,目前借书无人照管。然而,虽然我是个惯犯,但默默地把书从图书馆里拿出来,我心里还是很不自在。

现在,当我正在考虑该怎么做时,我注意到贷款柜台上有一张纸条。

``……我明白了''

‖用卷曲字母写的备忘录是自制的``租赁程序''。大概是一个小学女生写的吧。以那个备忘录为参考,我也完成了“租赁手续”。

离开图书馆,我又抬头看了看天空,伸出了手……这是我的仪式……我停不下来。

‖天空染上了一层红色。在蓝色画布[k]上混合灰色和红色,营造出一个缺乏[.]真实感的世界。这对目前的情况来说[c]是非常合适的。

〉开始走之前,我垂下了目光。一直[n]仰望天空的话,说不定会踩到刚才的[恐]少女。

〉我一直在走路,同时注意我的脚。[怖]然后,当我路过女孩的尸体时,看到[鬼]女孩手里拿着什么东西。不知道为什[故]么,总觉得女生背的东西好可怕出于[事]好奇,我把它从他的胳膊上拿了下来[文]

这是一本书...

而且,看着眼熟。

〉这是我逾期三个月的书。我记得很清楚。这是关于一个女孩的日常生活,她期待着命名她度过的一天,比如“今天是……的日子”。每一章都以主角的话结束,“明天又是一个特别的日子。”

〈现在想起来,我不太记得为什么要借那本书了。小时候看的,所以不知道是不是因为怀旧才借来的。 “从我不记得的情况来看,可能没有太多原因。”

〉突然,脑海里闪过“有人有预约,[章]请尽快归还”这句话。

〉我的脑袋里闪闪发亮。

‖我慌张地左右摇头。

‖用力摇晃。

〉我这样猛烈地摇头。

不要让昙花一现的东西成型。

然而,不管我的意图如何,闪烁的东西开始成形。

〉前面《借贷手续》的备忘录里写的书名……和这本书一样。这个女孩子……“预约的人”……然后就是这个女孩子写了那个备忘录……还有这个女孩子死在这里的事实……

「……!」

‖我把女孩拿着的书扔了出去。然后[来],向后踉跄,击打臀部。突然,“尸[自]体”的超凡本质在我心中苏醒。死亡[i]的恶臭也随之而来。呕吐的感觉让我[a]的胃很痛。泪流满面。我的身体在颤[m]抖。直到现在所有分离的事物都即将[k]开始连接……

朝比奈绫香。

〉那是少女的名字。

5

之所以到现在为止变得平凡的不平凡[.],又恢复了原来的样子,我马上就知[c]道了。

‖我已经连接了...

一个人在城里生活在日本的人很少知道住在他们周围的人的名字。还有那些你不知道名字的人被埋在了背景中。换句话说,“未连接”。

∀我目前看到的尸体都没有名字。对我来说,它们只是背景,没有一个与我有“联系”。这就是为什么我能够轻松且非常轻松地将它变成日常活动的原因......但我最终知道了这个女孩的名字......我最终与那个女孩建立了联系......

‖女孩在从图书馆回家的路上死亡。[n]

〉因为我迟到了,女孩没法看书。

〉这丫头因为我,快要烂在这里了。

〉女孩的样子,看起来非常的凄惨。[恐]不仅如此,我感到很痛苦。

《Last Hour》里的女孩为什么要看这本书?那是你想读的吗?可惜这本书已经绝版,普通书店买不到。

∀我能看到那个女孩问图书馆工作人员预订的书是否到了。

‖女孩和我有缘。

‖而且我让这个女孩很痛苦。

〉女孩的尸体惨遭露在街头。

如果是真的,我或许就能像书中的女[怖]孩一样躺在床上沉沉睡去,等待“特[鬼]别的一天”的到来。

“……对了”

〉我站起来。

〉 哆哆嗦嗦的身体被骂了。

“我们带绫香回家吧……”

∀6

p>〉回到图书馆后,我拿起借出柜台上的纸条,匆匆赶回了绫香酱身边。纸条上有她的名字和书名,还有她的地址和电话号码。

〉绫香的家离我的公寓不远,所以我很快就找到了。那是一栋带花园的独立屋,很容易想象中产家庭的生活。

『绫香酱站在我身后,站在入口前。她的身体腐烂了我小心翼翼地处理它,因为叛乱正在取得相当大的进展。只要一瞬间放松警惕,身体的一部分就会脱落。

幸运的是前门没有锁。

∀我毫不犹豫地进了屋。我一边敲响地板一边寻找绫香的房间。差点忘记的‘别人家的味道’,挤在胸口。这里是井然有序的“别人的生活”。这是理所当然的事情,而且是我至今为止分离的事情。它也与我有关。

〉绫香的房间在二楼。

当我看到这个房间时,我觉得它不是很少女。不知道是不是因为我有两个漂亮的书架才这么觉得呢……不,我觉得不止这些……好吧,不管怎样,对我的这种印象充满了偏见,小绫香是什么人她自己?没关系。

〉我把绫香放到床上,双手放在胸前。把那本书放在她的脸边。

∀然后,在暂停之后

我叫道,“Ayaka-chan…[故]…”

〉。

〉当然没有回答。

“绫香酱……”

〉我又叫了一声。

〉当然……没有回答。

“绫香酱……”

〉我又叫了一声。

〉当然…………没有答案。

内疚。

自我意识。

‖自欺欺人。

‖这只是自我满足而已。

‖即使你这样做了,也不会改变什么[事]

‖即使这样做,也改变不了过去。

‖即使你这样做了,也改变不了未来。

即使你这样做......你也无法赋予明天意义。我知道……我知道。但即便如此,我还有一个“仪式”是我必须要做的。

内疚。

自我意识。

‖自欺欺人。

〉离开绫香酱的时候,我打开了窗户[文]

〉抬头仰望天空。

“明天可能是个特别的日子”

〉说出了心愿的话。

恐怖故事发布:恐怖恐怖F先生


作者:怖話
原文:「空」 1

 

長文です。

すいません。

 

 まるで油絵のような空だった。

 

 灰色、鉛色、くすんだ世界。

 未来が、見えない世界。

 未来は、ありえない世界。

 

 二週間ぶりに部屋から出た僕は、そ[章]んな空を見上げていた。

 

 生きている意味が見出せない世界…[来]…それを覆う空に、僕は、何を見出[自]せばいい……?

 空を見る度に憂鬱になる。しかし、[i]どうしても、外に出ると必ず空を見[a]上げてしまう。そして、僕は、まる[m]でそこに何かがあるかのように、空[k]に向かって手を伸ばす。それは、も[.]はや僕の個人的な儀式のようなもの[c]となっていた。

 

「……っ?」

 

 突然、足の裏に異物感を覚えた。

 空を見上げながら歩いていた僕は、[n]何かを踏んでしまったらしい。僕は[恐]、自分の足下に視線を落とした。

 

 死体があった……幼い少女の……も[怖]の。

 

 その少女の死体は、ひどく腐乱が進[鬼]んでいたが、それでも生前は、美し[故]い少女だったことがうかがえた。僕[事]は、その少女に見覚えがあるような[文]気がした……自分の頭の中にチカチ[章]カするものがある。それは、僕の意[来]思とは関係なく、徐々に形を取り始[自]めた。僕は気づいた。目の前に転が[i]っている死体は、近くの図書館で何[a]度か見かけたことのある少女だとい[m]うことに……。

 この前、外へ出たときには、ここに[k]死体なんか見かけなかったことから[.]すると、この少女は、この二週間の[c]内に死んでしまったのだろう。

 

 ま、どうでもいい……。

 

 死体なんか街中に溢れている……も[n]う……珍しいものではない。

 僕は、既に死体と死臭で満たされた[恐]世界に慣れていた。もう、当初感じ[怖]ていたような嫌悪感や嘔吐感はどこ[鬼]かへ消え去っている。

 今あるこの非日常の世界が、僕の日[故]常なのだ。

 

 ちょうど半年前……あの日から……[事]僕は、死に満ちた明日しか見えなく[文]なってしまった。

 

   1

 

『何が、人類を死滅させるのか?』[章]

 

 大学時代の友人に、こんなことばか[来]り口にする男がいた。

 その男の名前は……まぁ……どうで[自]もいい……。

 今さらその男の名前なんて思い出し[i]たところで何も変わらない。何も変[a]えられない。

 ただ、かつてあいつが主張していた[m]ことが、今のこの現状を的確に表し[k]ていていることには驚かされる。

 

『人類は、ウイルスによって死滅す[.]る』

 

 これがあいつの主張だった。 

 あいつが、こんな戯言を口走ってい[c]るとき、僕は、ただただそれを聞き[n]流していた。平和な時代に、『人類[恐]滅亡』について、本気で語るヤツに[怖]いちいち付き合っていたらきりがな[鬼]い。こっちまで危ない人間になって[故]しまう。

 しかし、今になって思えば、もう少[事]し真面目にあいつの話を聞いてやれ[文]ば良かったのかもしれない……ま、[章]たとえ聞いていたとしても、何も変[来]わらなかっただろうが。

 大学を卒業した僕は、司法試験を受[自]けるため就職もせず、自宅で法律書[i]に噛りつく毎日を送り始めた。それ[a]が、二年前のことだ。そして、卒業[m]した翌年に初めて受けた試験で上位[k]十パーセント台にまで残ることがで[.]きた。しかし、さすがに『司法試験[c]の天王山』と呼ばれている論文試験[n]には落ちてしまい、また一年、鬱々[恐]とした司法浪人生活が続くことが確[怖]定した。それが、昨年の十月の上旬[鬼]のことだ。

 しかし、今年僕は、司法試験を受け[故]てはいない。正確に言えば受けるこ[事]とができなかった……試験自体が中[文]止されてしまったからだ。中止の理[章]由は、発表されてはいない。いや、[来]もしかしたらどこかで発表されてい[自]て、僕が知らないだけなのかもしれ[i]ないが……どちらにしろ中止の理由[a]なんて明らかだった。

 

 今、人類は、死滅しようとしている[m]のだから……。

 

   2

 

 僕は、普段からあまりテレビを見な[k]い上に、二年以上にも及ぶ司法浪人[.]生活のせいで、新聞や雑誌さえも読[c]んでいなかった。そんな僕の唯一の[n]情報源は、インターネットだった。[恐]僕は、インターネットを常時接続状[怖]態にしており、メールも一分毎にチ[鬼]ェックを入れるように設定していた[故]。したがって、ほとんどひきこもり[事]状態である僕にとっては、インター[文]ネットのみで他者とつながっている[章]と言っても過言ではなかった。だか[来]ら、そんな僕が、人類が死滅してい[自]ることを本当の意味で実感すること[i]ができたのは、電気が止まってイン[a]ターネットが使えなくなった二か月[m]前のことだ。

 どうして、この世界に人類を死滅さ[k]せるほど危険なウイルスが広まった[.]のかについては、僕は何も知らない[c]。ただ、『一見すれば“風邪のよう[n]な症状”だが、一度発症すれば、そ[恐]の九割を、三週間以内に死亡させる[怖]威力を持つウイルスによって、人類[鬼]が死滅しそうになる』といった内容[故]のSF小説を昔読んだことがある。[事]その小説は、偶然にも今のこの現状[文]を的確に予言していたといえるだろ[章]う。もっとも、僕がそう思うだけで[来]専門家に言わせれば、まったく別モ[自]ノなのかもしれないが……。

 一時期、その小説が何十年かぶりに[i]ベストセラー入りをしたということ[a]をニュースサイトで読んだことを覚[m]えている。しかし、もうその作家が[k]印税を手にすることはないだろう。[.]そう考えると、ベストセラーといっ[c]ても何だか虚しく思えてくる。

「おっと……」

 今度は、足下に注意をしていたので[n]、進行方向に転がっていた死体を飛[恐]び越えることができた。死体がある[怖]のには慣れたとはいえ、死体を踏む[鬼]ことにはまだ慣れてはいない。もっ[故]とも、そんなものに慣れたくはない[事]が。

 ま、どちらにせよ、慣れる前に死ぬ[文]からいいか……。

 

 僕は、二週間前から『風邪のような[章]症状』が続いていた。

 

   3

 

 僕のアパートから歩いて三分ぐらい[来]のところに区立図書館の分館がある[自]。そして、そこからもう二分ぐらい[i]歩くと業界トップの店舗数を誇るコ[a]ンビニがあった。今日、僕が外に出[m]てきたのは、そのコンビニで生活物[k]資を補給するためだ。昨日まではか[.]なりの高熱でにうなされていたので[c]身動きがとれなかったのだが、今日[n]はかなり身体が楽だった。熱もあま[恐]りないみたいだ。

 これは、ネット上で『最後の晩餐へ[怖]の招待状』と呼ばれていた小康状態[鬼]である。発症後、二週間ぐらいで送[故]られてくるこの招待状を受け取った[事]者は、逆算的に一週間の内に死んで[文]しまうことになる。そして、この招[章]待状は、全ての人間に送られるわけ[来]ではなかった。『最後の時間』は、[自]運の良い者だけに与えられるのだ。[i]一方、運の悪い者は、高熱にうなさ[a]れたまま死んでしまう。道路に転が[m]っている死体は、おそらく『最後の[k]時間』を与えられた運の良い者達の[.]方だろう。僕は、道路の上なんかで[c]死にたくはないが、最後まで苦しん[n]で死ぬのはもっと嫌だ。自分が運の[恐]良い人間であったことに感謝しなけ[怖]ればならないだろう。

 僕は、コンビニの入口に立つと、プ[鬼]ラスチックの取っ手が付けられてい[故]る元『自動ドア』を横に引いた。

「おーい、元気かい?」

 僕は、店内に入るとそう呼びかけた[事]

 しかし、全く反応がない。

 二週間前に、この店に来たときには[文]、まだアルバイト店長の大学生がい[章]た。彼は、一見して「ヘビーメタル[来]ロックが大好きです!」と分かる格[自]好をしていたが、話してみるとなか[i]なか気さくないい奴だった。

 彼が言うには、この辺りで生きてい[a]る人間は、もうほとんどいないらし[m]いということだった。どうして、そ[k]んなことを知っているかについて彼[.]に尋ねてみると、彼は、近所の家を[c]回って缶詰等の保存が効きそうな食[n]料品や日用品を調達して、店の棚に[恐]並べているらしいことが分かった。[怖]

「それって、窃盗じゃないか?」と[鬼]、僕が彼に言ったら「『無主物』を[故]占有しただけっすから、窃盗罪の構[事]成要件に該当しないっすよ」と彼は[文]、スラスラと答えを返してきた。

 ……確かに、もっともだった。もう[章]人が住んでいない、もしくは、死体[来]があるだけの家の物なら、相続も観[自]念できないこの状況の下では『無主[i]物』と認定してもいいだろう。

 僕は、彼の解釈を支持することにし[a]た。

 それにしても、彼のようなスタイル[m]の人間と法律の話ができるなんて思[k]わなかった。おそらく、彼は、大学[.]で法律を学んでいるのだろう、しか[c]も、わりと真面目な学生のようだ。[n] 

 その後、僕は、彼と取りとめもない[恐]話(それは、僕が最近読んだ本の話[怖]が中心だったが)を三十分ほどする[鬼]と、買い物カゴに入れた商品をレジ[故]で清算してもらうことにした。

「お金なんかいらないっす。ここに[事]あるものは全部タダっすから」

「本当に?」

「そっす。ここに物を集めてきて並[文]べているのも、そうした方が便利と[章]思っただけっすから。それに、今さ[来]らお金なんてあっても仕方がないで[自]しょ?」

 なるほど、彼は、”いいヤツ”だっ[i]た。

 しかし、今はその“いいヤツ”の彼[a]の姿は、店内になかった。彼の指定[m]席だったレジ前の椅子も、床に横倒[k]しになっている。

「おーい」

 僕は、もう一度呼びかけてみた。し[.]かし、今度も全く反応がない。もし[c]かしたら、彼は、商品を調達するた[n]めに出掛けているのかもしれない。[恐]

 ま、取り敢えずここにきた目的を果[怖]たすことにするか。

 僕は、店内を回って缶詰や水、そし[鬼]て栄養ドリンク剤、チョコレート等[故]を次々と買い物カゴの中へ入れてい[事]った。そして、それらで買い物カゴ[文]を一杯にしたとき、急に尿意をもよ[章]おしたので、買い物カゴを床に置き[来]、店内にあるトイレを借りることに[自]した。そのトイレは、もう水は流れ[i]ないので、今ではトイレというより[a]肥溜めに近い存在になっていると、[m]彼が笑いながら言っていたことを、[k]フト思い出した。

 僕は、トイレの扉を開けた。

 

 ”いいヤツ”の彼が、便器に頭から[.]突っ込んで死んでいた。

 

「……ううっ」

 僕は、口に手をあてた。

 久しぶりに死臭を感じたのだ。

 直ぐに、扉を閉める。

 そして、急いで買い物カゴから品物[c]をコンビニのロゴが入った袋に移し[n]変え、逃げるようにしてコンビニか[恐]ら立ち去った。

 

   4

 

 ……気がついたら、区立図書館分館[怖]の前にいた。コンビニを出てからこ[鬼]こまでの記憶が全くない。

 真っ白だ。

 頭の中に空白ができていた。

 僕は、少し不安になった。

 しかし、歩いて二分ぐらいの時間の[故]ことなので大して気にする必要はな[事]いだろう……気にしては駄目だ……[文]絶対に。これは、僕が気にすること[章]ではないはずだ。

 僕は、大きく深呼吸をする。

 一回、

 そして、二回。

 すると、難なく落ち着きを取り戻す[来]ことができた。

 たいしたことではない……本当にた[自]いしたことではない……。

「本でも借りてみるか」

 僕は、なんとなく……本当になんと[i]なくそう呟くと、図書館の中へ足を[a]向けた。

 元々僕は、結構図書館を利用する人[m]間だった。ほとんどひきこもり状態[k]だったとはいえ、食料・日用品の買[.]い出しのためのコンビニと本を借り[c]るための図書館への外出には、躊躇[n]することはなかった。ただ、本を借[恐]りたまま返さないことが度々あり、[怖]その都度、図書館の職員さんから返[鬼]却の催促の電話を頂いた。『予約し[故]ている方がいるので、早めに返却し[事]て下さい』というフレーズを聞いた[文]のは、一度や二度のことではない。[章]しばらくそんな電話にも居留守を使[来]って出ないでいると、ついには、自[自]宅にまで取りにこられたこともある[i]

 僕は、そんなことを思い出しながら[a]薄暗い図書館の中を歩いていた。結[m]構、何も入っていない本棚があった[k]。特に、医療関係の棚にはもうほと[.]んど本が残っていない。おそらく不[c]安を解消するために借りていったの[n]だろう。なんとなく、笑ってしまっ[恐]た。

 僕は、全ての棚を見終えると、目を[怖]付けていた本を一冊手にとって、入[鬼]口近くの貸出カウンターへ向かった[故]

 この図書館が閉鎖された(職員の人[事]達がいなくなった)のは、三ヶ月ぐ[文]らい前のことだ。したがって、現在[章]本の貸出の手続をしてくれる人はい[来]ない。しかし、いくら延滞常習犯の[自]僕でも、図書館から黙って本を持ち[i]出すのはさすがに気が引けた。

 さて、どうしようかと考えていると[a]、貸出カウンターの上に一枚のメモ[m]が置かれていることに気付いた。

「……なるほどね」

 その丸っこい字で書かれているメモ[k]は、自作の『貸出手続』だった。お[.]そらく小学生ぐらいの女の子が書い[c]たものだろう。そのメモを参考にし[n]て、僕も『貸出手続』を済ませた。[恐]

 僕は、図書館を出ると、また空を見[怖]上げ、そして、手を伸ばした……こ[鬼]れは僕の儀式だ……止めるわけには[故]いかない。

 空は、赤色を帯びつつあった。青色[事]のキャンバスに灰色と赤色が混ざる[文]と、とても現実感が乏しい世界を現[章]出させる。それは、今のこの状況に[来]恐ろしいほどに合っていた。

 僕は、歩き出す前に目線を下ろした[自]。空を見上げたまま歩いていたら、[i]また、さっきの少女を踏みつけてし[a]まうかもしれない。

 僕は、足下に注意しながら歩き続け[m]る。すると、あの少女の死体の横を[k]通りかかったとき、少女が何かを抱[.]えてこんでいるのが見えた。僕は、[c]何故か、少女が抱え込んでいるモノ[n]がひどく気になり、その腕の中から[恐]それを取り出した。

 

 本……だった。

 

 しかも、見覚えがあった。

 僕が三か月も延滞していた本だ。内[怖]容も、よく覚えている。『今日は~[鬼]の日』というように、自分が過ごし[故]た一日に名前を付けることを楽しみ[事]にしている少女の日常を書いたもの[文]だった。必ず章の最後は、「あした[章]も、特別な一日になりますように」[来]という主人公の少女の言葉で締めら[自]れていた。

 今になって思えば、どうしてその本[i]を借りたのか、その理由はよく思い[a]出せない。小さい頃に読んだことが[m]あったので懐かしかったから借りた[k]のだろうか? 思い出せないことからして大した理[.]由はなかったのだろう。

 ふと、僕の頭の中に、『予約してい[c]る方がいるので、早めに返却して下[n]さい』というフレーズがよぎった。[恐]

 

 頭の中が、チカチカした。

 

 僕は、慌てて首を左右に振る。

 激しく振る。

 頭がもげそうになるほど激しく振る[怖]

 チカチカしたモノが形にならないよ[鬼]うにする。

 しかし、チカチカしたモノは、僕の[故]意思とは関係なく、形を取り始める[事]

 さっきの『貸出手続』のメモに書い[文]てあった本のタイトル……それは、[章]この本と同じだ。この少女が……『[来]予約している方』……すると、あの[自]メモを書いたのは、この少女で……[i]そして、この少女が、ここで死んで[a]いるということは……

 

「……っ!」

 

 僕は、少女が抱え込んでいた本を投[m]げ出した。そして、後ろによろめい[k]て尻餅をつく。突然、僕の中に『死[.]体』が持つ非日常性が蘇ってきたの[c]だ。死臭も纏わりついてくる。嘔吐[n]感が胃をキリキリと苛む。涙が溢れ[恐]零れる。身体が震える。今まで切り[怖]離していたモノが全てつながり始め[鬼]ようとする……。

 

 朝比奈彩夏。

 それが、この少女の名前だった。

 

   5

 

 今まで日常と化していた非日常が、[故]その本来の姿を取り戻した理由は、[事]すぐに分かった。

 

 つながってしまったのだ……。

 

 都会で一人暮らしをしている人間に[文]とって、自分の周囲に住んでいる人[章]間の名前を知っている方が珍しい。[来]そして、名前を知らない人間は、背[自]景に埋没する。つまり、”つながっ[i]ていない”。

 僕が今まで見てきた死体には、名前[a]なんてなかった。僕にとってそれら[m]は背景にすぎず、どれも僕とは”つ[k]ながっていない”ものだったのだ。[.]だから、容易く、本当に安易に日常[c]化させることができた……でも、僕[n]は、この少女の名前を知ってしまっ[恐]た……僕と少女とつながってしまっ[怖]た……。

 

 少女は、図書館の帰り道に死んだ。[鬼]

 少女は、僕が延滞したために、本を[故]読むことができなかった。

 少女は、僕のせいでここで腐り果て[事]ようとしている。

 

 ひどく少女が惨めに思えた。そして[文]、それ以上に自分自身が惨めに思え[章]た。

 何故、少女は『最後の時間』に、こ[来]の本を読もうと思ったのだろう。そ[自]こまでして読みたいものだったのだ[i]ろうか……。確かに、この本はもう[a]既に絶版されていて、一般の書店で[m]は手に入らない。

 僕の目に、少女が図書館の職員に、[k]予約している本が届いているか尋ね[.]ている姿が浮かんだ。

 

 僕と少女は、つながっていた。

 

 そして、僕が、少女を、惨めにした[c]

 少女の身体を、惨めに路上に晒させ[n]た。

 本当なら、本の中の少女のようにベ[恐]ッドの中で『特別な一日』が来るの[怖]待ちながら眠りにつくこともできた[鬼]かもしれないのに。

「……そうだ」

 僕は、立ち上がる。

 震える身体を叱咤する。

 

「彩夏ちゃんを家へ帰してあげよう[故]……」

 

   6

 

 図書館に戻った僕は、あの貸出カウ[事]ンターの上のメモを手に取ると、急[文]いで彩夏ちゃんのもとに戻った。そ[章]のメモには、彼女の名前と本のタイ[来]トルの他に、住所と電話番号が書か[自]れてあった。

 彩夏ちゃんの家は、僕のアパートか[i]らそれほど離れておらず、すぐに見[a]つけることができた。庭付き一戸建[m]てという中流上の家庭生活を容易に[k]想像できる家だった。

 玄関の前に立っている僕の背中には[.]、彩夏ちゃんがいる。彼女の身体は[c]、腐乱がかなり進行しているので慎[n]重に扱った。少しでも油断すると身[恐]体の一部がもげてしまいそうになる[怖]のだ。 

 幸運にも玄関の扉には、カギがかか[鬼]っていなかった。

 僕は、躊躇うことなく家の中へ入っ[故]ていく。キュッキュッと床を鳴らし[事]ながら彩夏ちゃんの部屋を探す。忘[文]れかけていた『他人の家の匂い』が[章]、僕の胸を絞めつける。ここには、[来]整然と秩序だった『他人の生活』が[自]ある。それは、当たり前のことであ[i]り、今まで僕が切り離していたこと[a]だ。そして、また、僕とつながって[m]しまったことでもある。

 彩夏ちゃんの部屋は、二階にあった[k]

 僕は、この部屋を見たとき、あまり[.]女の子らしくない部屋だと思った。[c]立派な本棚が二つもあるからそう感[n]じるのだろうか……いや、それだけ[恐]ではないような……ま、どちらにし[怖]ろ、こんな僕の印象は、偏見に満ち[鬼]たもので、彩夏ちゃん自身とは何の[故]関わりもない。

 僕は、彩夏ちゃんをベットの上に横[事]たわらせると胸の上で手を組ませた[文]。そして、彼女の顔の横に、あの本[章]を置く。

 そして、一呼吸を置いて、

「彩夏ちゃん……」

 と、僕は、呼びかけた。

 もちろん、応えはない。

「彩夏ちゃん……」

 僕は、もう一度呼びかけた。

 もちろん……応えはない。

「彩夏ちゃん……」

 僕は、さらに呼びかけた。

 もちろん…………応えはない。

 

 罪悪感。

 自意識。

 自己欺瞞。

 

 こんなことは、ただの自己満足だ。[来]

 こんなことをしても、何も変らない[自]

 こんなことをしても、過去は変えら[i]れない。

 こんなことをしても、未来も変えら[a]れない。

 こんなことをしても……明日に意味[m]を持たせることはできない。そんな[k]ことはわかっている……わかってい[.]るんだ。しかし、それでも僕には、[c]まだやらなければならない『儀式』[n]が残っている。

 

 罪悪感。

 自意識。

 自己欺瞞。

 

 僕は、彩夏ちゃんから離れると窓を[恐]開けた。

 そして、空を見上げる。

  

「あしたも特別な一日になりますよ[怖]うに」

 僕は、願いの言葉を口にした。

怖い話投稿:ホラーテラー Fさん  

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