“烟草”

iamk 日本恐怖故事 2023-12-21 08:30:01 350 0

人们常说“抽烟害命”,简单地表达了烟草对身体有害的意思。

俗话说“香烟百害无一益”,但只要能从吸烟中获得乐趣,何不说“无益”呢?我认为。

毕竟,“如果你呼吸,你就会被吸”更适合我。

……如果真如俗话所说,香烟真的“[文]熏”了我们的生活。

这可能很有趣。我就是这么想的,我用笔划过我漫无边际的想法。

作为一个重度烟民,我的嘴里一直在吐烟。

有吸烟区的餐厅,烟气被吸入排气口,现在几乎闻所未闻。

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一支抽了一半的香烟,落在与城市喧嚣无关的路边。

吸一支烟会使人的寿命缩短约5分钟。也就是说,简单的想一想,吸入一半的话,2分30秒就接近死亡了。

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然而,在烟草的世界里,时间单位是[章]不同的。其中,人类一分钟相当于一[来]天。

另一方面,体验就像是24小时,即[自]人类在度过1分钟的同时,感受到了[i]1440分钟的密集时间。

而刚被扔掉的香烟,吸取了人类的生[a]命,也被赋予了生命,尽管只有大约[m]两天半的时间。

现在香烟的想法。

“我能怎么办?”

与酒赌一样对待的烟,其实性格严肃[k]

他知道自己生命的尽头,如果知道,[.]他要好好利用。

但无论他怎么想,他都发出一声烟消[c]云散的叹息。

既然他是一根废弃的烟,他就再也不[n]会被抽了。

换句话说,你不能再延长生命了。

既然如此,他认为先向该领域有经验的前辈请教更好的生活方式是明智的。

独立思考并不是唯一的思考方式。等他说到这里,已经是两个抽烟的时间了。

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幸运的是,他身边有一根破烂的香烟[恐]

与香烟交谈时,香烟自我介绍为 A。

今天好像是他出生的第4天,不过印象深刻的是那段时间连自己的名字都定下来了,一瞬间对A产生了信任。

“我的故事有点难。”转向

然后,他用沙哑的声音,像是抽多了[怖]烟似的,开始谈人生。

“与其他香烟相比,我可能已经活了[鬼]很长时间。

但我仍在努力活得更好。”

这四天里,我努力认真地思考这个世[故]界。

无论被踩还是被踢,我都没有放弃.[事]

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但现在,我觉得玩得开心比认真地生[文]活更有意义。

你不会比我活得更久

但你有很大的潜力过短暂而充实的生[章]活。

就像火花。燃烧,燃烧!

即使我们出生了,也不要忘记我们是香烟。”

然后 A 死了。

他有一张平静的死亡脸,我应该说是[来]“筋疲力尽”。

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他深深地鞠了一躬,停下来思考A要[自]说的话。

既然我不能活得比A长,我觉得没必要认真地努力活得更好。

如果是这样,“快乐地生活”意味着什么?

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就在他为这个问题呻吟的时候,一只[i]人类的手指突然抓住了他。

你要吸我吗?当我看到那个大垃圾袋[a]时,我还抱有片刻的期待。

可是他却从人的手指上滑落,从天沟[m]盖板下钻进了下水道。

不知道是不是运气好,但至少看起来[k]逃过了被扔掉的命运。

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落地时他听到了嗖的一声。

人类放他走了,因为他还剩下一点火。

然后,随着他的漂流,他终于来到了一个垃圾池边。

有一个和我年龄相仿的年轻烟草。

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小烟自称B。但是和 A 一样,他不能信任 B。

B在被污水浸湿的身体上撒上沙子,[.]重复着一段奇怪的舞蹈。

显然,B 认为这很酷。

他有话要说。

“嘿,兄弟,怎么了?你脸色这么阴沉,在这个世界上,你要快乐地生活,这是一种损失,人们只是没有意识到这一点。

你和我一样,只有两天的生命,对吧[c]?让我们嗨起来吧!”

然后B招呼他和他一起跳舞,但是他礼貌地拒绝了邀请。

无视一脸枯槁的B,又掉进了下水道,被卷走了。

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随着他随波逐流,他重新考虑了自己[n]的生活方式。

他觉得B的生活方式一点都不酷。

在我看来,这是自私的,只有我才能[恐]享受的东西。

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自从B又跳舞又说话,我就反复往他[怖]身上撒沙子,他好像一点都不在乎。[鬼]

乙我什至认为这很糟糕。

他被卷走了相当远的距离,再次发出呻吟,无法理解“幸福地生活”的真谛。

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等我发现自己身处一片空地时,一天[故]已经过去了。

几个人在那儿努力工作。他们可能是[事]污水处理工人。

他受不了越来越大的水流,被冲出下[文]水道,摔在地上。

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“烟草” 日本恐怖故事

过了一会儿,他发现有什么东西从上[章]面掉了下来。

那东西刚落在他身上,就没有太大声[来]响地滚到地板上。

这对他来说是新的。

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然而,出于某种原因,我感受到了一[自]种友情。

没错,从上面掉下来的,是从裤兜里[i]溜出来的电子烟。

该男子自我介绍为C,并礼貌地向他道歉。

“作为感谢,我会告诉你一件我知道的关于这个世界的事情。”

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电子烟似乎能持续很长时间比普通香烟更长。

他认为C的彬彬有礼也是来自于他长[a]久以来的尊严。

“我这辈子得到的只有认命,世界已[m]经腐烂了。”

他语气一如既往的客气,但他的语气[k]中有一些强大的东西。

他继续说道。

“这个世界充满了偏见,人们相信自己愿意相信的,而对自己不愿意相信的视而不见。”

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烟草烟雾也对人体有害。

但真正糟糕的是烟雾本身。没有想着[.]烟不就是一个没事找事的人吗?

不介意将点燃的香烟扔在路边的人。[c]在他们知道不吸烟的地方吸烟的人。[n]那些对走路的香烟无动于衷的人。

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我这个电子烟,就是在这种人性的自私中诞生的。下一刻。

他闻着C的余香,只剩下他一个人,他再也不知道自己要活了。

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在这个荒谬的世界里,认真地活着是[恐]愚蠢的,我什至不知道快乐地活着是[怖]什么意思。

不忠,长叹一口气

喃喃道:“我做不到”

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然后,他看到旁边放着一支全新的香烟,本能地吸了一口。

新的香烟越来越短,快到一半的时候,小我就诞生了。

谢谢你给了我生命。

尚无名的香烟对他说着,匆匆离去。[鬼]说着。

当他想到自己或许可以那样生活的时候,他觉得自己内心的光完全熄灭了。注意到了。

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最后,他低声说了句“非常感谢”,[故]没有对任何人说。

而他的生命在一个没人会注意到的房[事]间角落里结束了。

・・・・・・

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我编了一个有趣的故事。

不知不觉,餐厅里挤满了家人,感觉自己被挤到了吸烟区的角落里。

另一方面,我的心似乎也很开阔。

你可以看到眼前的一家人用不同以往[文]的眼神享受着他们的用餐。我感到恶[章]心。

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我编造的这个故事什么也没有得到。[来]

但是,我觉得我能够意识到我失去了一些东西。

就像被柏油沾上的墙壁原本是纯白的,我长大了变脏了。

然后我打开新盒子,比平时更仔细地[自]抽了一口。

那缕缕烟雾很快就消失了。

吃起来比平时更苦。

一样甜蜜。


作者:退会会員
原文:「タバコ」

「タバコを吸えば寿命が吸われる」とはよく言ったもので、タバコが体に有害であることを端的に伝えている。

「タバコは百害あって一利なし」と[i]いう言葉も有名ではあるが、それを[a]吸うことで快楽を得ている以上、「[m]一利なし」と言ってしまうのはどう[k]かと思ってしまう。

やはり私には、「吸えば吸われる」の方がしっくりとくる。

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…もし、その言葉の通り、本当にタ[.]バコが私たちの寿命を「吸っている[c]」としたら。

面白いかもしれない。そう思って、[n]とりとめもない思考にペンを走らせ[恐]た。

ヘビースモーカーの私の口からは、[怖]ゆらゆらと煙が吐き出されていた。[鬼]

その煙は、いまではほとんど見かけなくなった、喫煙席のあるレストランの排気口へと吸い込まれていった。

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都会の雑踏に無関係な道の端に、体[故]の半分を吸われた一本のタバコが落[事]ちていた。

人間はタバコを1本吸うと、約5分ほど寿命が縮むらしい。つまり、単純に考えると、その半分を吸えば2分30秒、人は死に近づく。

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しかし、タバコの世界では時間の単[文]位が違っていた。彼らの中では、人[章]間にとっての1分は1日に相当した[来]

一方で、その体感はまるで24時間、つまり人間が1分を過ごす間に、彼らは1440分もの密度の時間を感じているのである。

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そして、先程捨てられたタバコは、[自]約2日半の制限付きではあるが、人[i]間から吸い取った分の生をうけた。[a]

さて、そのタバコは考えた。

「自分には、何ができるのだろうか[m]

酒やギャンブルと同等に扱われるタバコは、実は真面目な性格なのであった。

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彼は自分の生の終わりを知っていて[k]、そうであるならばその使い方を、[.]少しでもよいものにしたいと考えて[c]いた。

しかし、いくら考えても埒があかず[n]、彼は煙混じりのため息をついた。[恐]

彼は一度捨てられたタバコだから、再び人間に吸われることはないだろう。

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つまり、もうこれ以上寿命は伸びな[怖]いのだ。

それならば、まずは経験を積んだそ[鬼]の道の先輩から、よりよい生き方を[故]訊くのが賢いだろうと彼は考えた。[事]

自分で考えることだけが思索ではない。彼がこれにたどり着いた時、すでにタバコ時間で2時間が経過していた。

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運のいいことに、彼の近くにはぼろ[文]ぼろのタバコが落ちていた。

話しかけると、そのタバコはAと名[章]乗った。

なんでも生を受けてから今日で4日目らしいが、その間に自らの名前まで決めていることに感銘を受け、彼は一瞬にしてAのことを信頼した。

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「儂の話は、ちと難しいぞう」

Aはぱっと見タバコなのかわからな[来]いくらいの、短い体をくねらせて彼[自]の方に向いた。

そして、まるでタバコの吸いすぎかというくらいの、しゃがれた声で命の如何やについて語りはじめた。

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「儂は他のタバコどもに比べれば、[i]随分と長く生きた方だろう。

しかしそれでも、よりよく生きよう[a]とするには短すぎた。

儂はこの4日間、努めて真面目にこ[m]の世界について考えた。

踏まれても、蹴られても、めげなかった。

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でも今となっては、真面目に生きる[k]よりも、もっと楽しんで生きた方が[.]有意義だったと思うのだ。

お前さんは儂よりも、長くは生きら[c]れないだろう。

しかしそれだけ、短くも激しい生を[n]全うできる可能性に満ちている。

まるで火花のように。燃えろ、燃えろ!

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儂らはたとえ生を受けたところで、[恐]いつまでも"タバコ&q[怖]uot;であることを忘れるな」

そしてAは息絶えた。

「燃え尽きた」と言った方がいいような、安らかな死に顔だった。

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彼は深くお辞儀をして、Aの話を間[鬼]に受けて考えた。

自分はAよりも長く生きられないの[故]だから、真面目によりよく生きよう[事]とする必要なんてないと思ってしま[文]った。

そうであれば、「楽しく生きる」とはどういうことなのか。

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そんな疑問にうんうんと唸っている[章]と、突然、人間の指が彼の体を掴ん[来]だ。

もしや吸われるのか?一瞬抱いた期[自]待は、大きなゴミ袋を見てすぐにひ[i]っこんだ。

しかし彼は人間の指から滑り落ちて[a]、側溝の蓋をかいくぐって下水へと[m]落ちた。

それは幸運といえようか定かではないが、少なくとも捨てられる運命は免れたようだ。

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彼は着水と同時に「じゅっ」という[k]音を聞いた。

人間が彼を離したのも、彼には少し[.]だけ火が残っていたからであった。[c]

それから彼はゆらゆらと流されてい[n]ると、やがてゴミの溜まった淵のよ[恐]うな場所にたどり着いた。

そこには、自分と同じくらいの若いタバコがいた。

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その若いタバコはBと名乗った。し[怖]かし、Aの時みたいに、彼はBのこ[鬼]とを信頼することができなかった。[故]

Bは下水で濡れた体に砂をまぶして[事]、奇妙な踊りを繰り返していた。

どうやら、Bはそれをカッコいいと思っているらしかった。

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彼の言い分はこうであった。

「よお、兄さん。どした?そんな暗[文]い顔して。この世の中、生を受けた[章]からには楽しく生きなきゃ損、損。[来]

楽しいことは、身の回りにいっぱいあるぜ。みんな、それに気づいていないだけ。

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どうせ兄さんも俺と同じ、2日くら[自]いの命だろ?それなら、ひたすらに[i]楽しんで、燃え尽きて、ハイになろ[a]うぜ!」

そしてBは一緒に踊るよう彼に手招[m]きをしたが、彼はその誘いを丁重に[k]断った。

萎えた表情をするBを尻目に、彼は再び下水へと落ちて流された。

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流されながら、彼は生き方について[.]考え直した。

彼は、Bのような生き方を決してカ[c]ッコいいとは思えなかった。

それは、自分だけが楽しめばいいような、自分勝手なものであるように思えたからだった。

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Bは踊りながら喋るので、体につい[n]た砂を幾度となく彼に飛ばしてきた[恐]が、全然気に留める様子はなかった[怖]

そんなBは、むしろカッコ悪いとさ[鬼]え思ってしまった。

彼は、「楽しく生きる」ことの本当の意味がわからずに再び唸りながら、かなりの距離を流された。

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いつのまにか開けた場所に出た時に[故]は、すでに1日が経っていた。

そこでは、何人かの人間たちがせっ[事]せと働いていた。おそらく、下水の[文]処理をしている者たちなのだろう。[章]

彼は水の勢いが増すカーブに耐えきれず、下水から弾き飛ばされて床に落ちた。

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彼は人間に踏まれまいかドキドキし[来]ながら過ごしていると、しばらくし[自]て、上から何かが降ってくるのに気[i]づいた。

その物体はちょうど彼の上に落ちて[a]、大した音もせずに床に転がった。[m]

それは、彼にとって見慣れないものであった。

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それにもかかわらず、なぜか同類の[k]ような仲間意識を感じとってもいた[.]

それもそう、上から落ちてきたのは[c]、ズボンのポケットから滑り落ちた[n]電子タバコなのであった。

そいつはCと名乗ると、助けてもらったことを丁寧に詫びた。

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「お礼と言ってはなんですが、ここ[恐]でひとつ、私がこの世界について知[怖]っていることを、あなたに教えて差[鬼]し上げます」

なんでも電子タバコは、普通のタバ[故]コに比べれば極端に長く生きられる[事]らしい。

Cの丁寧な態度も、長く生きた貫禄からきているのだと彼は思った。

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「私がこれまで生きてきた中で得た[文]ものは、この世の中は腐っていると[章]いう諦めだけでした」

彼の口調は相変わらず丁寧だが、そ[来]の語気には力強い何かが含まれてい[自]た。

彼は続けた。

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「この世の中は、偏見で満ち溢れて[i]います。人々は、信じたいものを信[a]じて、信じたくないものには目をつ[m]ぶります。

タバコの煙ひとつとってもそうです。たしかに、タバコの煙は人間にとっては有害です。

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しかし、本当に悪いのは、煙そのも[k]のではなく、その煙をなんとも思わ[.]ずに平気で人に迷惑をかける人間な[c]のではないでしょうか。

火のついたタバコを平気で路端に捨てる人。禁煙とわかっている場所で吸ってしまう人。歩きタバコをなんとも思わない人。

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かくいう私、電子タバコは、そんな[n]人間の身勝手さから生まれました」[恐]

そこまで言った時、上の方から「あ[怖]った」という声が聞こえると、次の[鬼]瞬間にCは人間に連れ去られてしま[故]った。

かすかに漂うCの残り香を嗅ぎながら、一人残された彼は、いよいよ生きるということがわからなくなった。

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この不条理な世の中で、真面目に生[事]きるのも馬鹿らしく、楽しく生きる[文]とはどういうことなのかもわからな[章]い。

不貞腐れた彼は、大きなため息をつ[来]いて、

「やってらんねえなあ」

とつぶやいた。

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そして、近くに落ちていた新品同然[自]のタバコを見つけると、彼はまるで[i]本能が求めるようにそれを吸った。[a]

新品のタバコはだんだんと短くなり、半分くらいまでなった時、自我が生まれた。

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「私に命を与えてくれて、ありがと[m]う」

まだ名前のないそのタバコは、彼に[k]そう言うと駆け足で去っていった。[.]

その様子がなんだかとても楽しそうで、彼ももしかしたらそのように生きられるかもしれないと思った時、彼は自分の中の灯火が、すっかり消えてしまっていることに気づいた。

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彼は最期に、誰かにではなく、「こ[c]ちらこそありがとう」とつぶやいた[n]

そして彼の一生は、誰にも気づかれ[恐]ない部屋の隅で、終わりを告げた。[怖]

・・・・・・

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我ながらに、おかしな話が出来てし[鬼]まった。

レストランはいつの間にか家族連れ[故]で混んでいて、喫煙席の自分はなん[事]だか隅に追いやられているような気[文]持ちになった。

一方で、私の心は随分と開けている[章]ようにも思えた。

目の前の家族が食事を楽しんでいるのを、さっきとは違う目で見ることができるような気がした。

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私は自分で作ったこの話から、決し[来]て何かを得たわけではなかった。

しかし、何かを失ってしまったとい[自]うことに、気づくことはできた気が[i]した。

ヤニに汚れた壁も、もとは真っ白で[a]あるように、私は大人になって汚れ[m]てしまったのだ。

そして私は新しい箱を開けると、そのうちの一本をいつもよりも丁寧に吸った。

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ぷかぷかと浮かぶ煙は、どれもはか[k]なく消えていった。

その味は、いつもよりも苦い気がし[.]た。

それと同じくらい、甘い気もした。

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