“游戏”

iamk 日本恐怖故事 2023-12-23 15:00:02 365 0

【前言】

我收到了一位房地产经纪人的委托。[文]

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“游戏”

“我要你巡逻老宅”

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没什么,只是巡逻工作。在经营杂工[章]时,我尽可能地承担任何事情。这不[来]是一个很难的工作要求,所以我乖乖[自]地接受了。

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‖此外,如果我能得到报酬只是环顾[i]建筑物并检查一下东西,我会尽可能[a]多地做。我什至认为我很幸运。

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‖然而,当我真正到现场时,却对古[m]宅诡异的气氛充满了不安。然后这之[k]后发生了一些不祥的事情,所以我确[.]信了。还是得继续。这是一份光荣的[c]工作,一旦接受,就无法拒绝。

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另外,我已经成为了游戏的主角,心[n]中也诞生了一个使命,要通关这个使[恐]命,获得一个好的结局。

[开始]

∀场景1

我和 Hiroshi 坐在一辆轻型卡车上。在完成一些请[怖]求后,他前往最终站点。

“不是已经6点多了吗?”

〉副驾驶座上的浩志亮了他的手机我[鬼]一边说着一边垂下视线。加入杂工“[故]Valitudo”已经一个月了。[事]裹在我头上的毛巾开始变成这个样子[文]了。

“嗯,对了,之后就是巡逻而已,很[章]快就结束了。”

‖我一边看着导航一边安抚弘。

∀时间差不多了。继续沿着碎石路直[来]行。环顾四周,几乎没有光亮,虽然[自]是在东京近郊,却被比想象中还要多[i]的田园风光所迷惑。

“登先生到了吗?”

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“不,我已经到了,我到了。”

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咦。

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Hiroshi 坦率地看起来很惊讶。当然,我也是[a]

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最后,一座矗立在黑暗中的豪宅出现了。日本典型的所谓“Bukeyashiki”。入口处有一扇华丽的大门,后面是一座两层楼的豪宅。

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“这是死亡旗帜,不是吗?”

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副驾驶座传来颤抖的声音,再看向宏时,他的脸色已经惨白。我想,这对每个人来说都是可怕的。但是,是否死亡取决于玩家的技能。这是一场单打比赛。

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因为我昨晚一直在玩恐怖动作游戏,[m]这种情况和游戏里的差不多,所以我[k]完全变成了游戏里的角色。当然,像[.] Hiroshi 这样的变态人物会死,但这是真实的[c]世界。好吧,我不会死,但平安归来[n]也是我的职责。

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“嗯,你是对的。否则,你不会付钱[恐]给像我们这样的杂工。”

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『说到这里,我把游戏手柄握在了身体里。

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[杂工车内]

【检查】

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―【Hiroshi】

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―左右臂交叉,上臂是擦。一定很吓[怖]人。

--[驾驶座]

--[申请表][检查单]

- 拿到了申请表和检查表.

‖腋下夹着申请表和检查表,我往外[鬼]走。宏也照做,不情愿地跟了上去。[故]

[工具]

--[挂锁钥匙][入口钥匙][切[事]割器][打包带] [头灯 x 2]

-我把头灯拆了。

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我从背在背上的小手提包里拿出两盏[文]头灯,给了弘一盏。

“可能这栋楼看起来很旧,地板可能会掉下来。

“嗯。不,我是真的很害怕。”

‖我已经很紧张了。我大方地笑了笑[章],缓和了气氛。

“没关系,有我在就不怕!

』说着,我轻轻拍了拍浩的背两下。

【工具】

―【圆珠笔】【挂锁钥匙】【前门钥[来]匙】【刀具】 [Writer] [Gummed Tape]

-用过的挂锁钥匙。

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将事先从客户那里借来的钥匙插入门[自]上的挂锁。顺利解锁后,我缓缓推门[i]

一阵吱吱声打破寂静。听起来像是尖[a]叫。

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“不不不,这是标准的鬼屋吧?”

在我身后,弘一躲又藏腰。他害怕得[m]无法保持安静。

我只靠着车头灯的光就往里走。一块[k]大石头嵌在地下,一直延伸到入口处[.]。我仔细地跟着每一个。

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--门在自己相近。

“不!嘿嘿!”

‖弘跳起来。他紧紧抓住我的肩膀,[c]又躲到我的背后。

“不,不,我要回家。”

这气氛,相当的恐怖。你会怎么做?[n] “要不要我让你在车里等?”

・[跟我来]

・[在车里等一下]

>

我选择了【跟我来】。

不,我让你和我一起过来。两个人可[恐]以在遇到事情的时候互相帮助。再说[怖]了,一个人在这么黑的地方等,一定[鬼]很害怕吧。

“喂,加油,一个人在车上等着不行吧?放心,我会陪着你的。”

我是 Hiroshi,我用力回击,被点燃了。

“是”

‖弘一脸没办法的跟在我身后。

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弹出一扇格子门。我试图透过玻璃的[故]缝隙往里看,但它就像毛玻璃一样,[事]看不清楚。

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[工具]

-[入口钥匙][切刀] [胶布]

-用了前门钥匙。

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你推开的是一扇旧门。将钥匙插入中[文]间的槽中,然后慢慢向右转动。咔哒[章]一声,锁被打开了。然后慢慢打开门[来]

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前灯入口。台阶的尽头是一间由障子[自]屏风隔开的房间和一条向右转的走廊[i]。地板上没有任何东西掉下来,因为[a]它已经被打扫过了。甚至没有鞋子、[m]小雕像或垃圾。

我从哪里开始?

・[大殿]

・[深入]

选择【大礼堂】。

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〉让我们从最近的区域一个一个地碾[k]压他们。这是一座大宅邸,所以你可[.]能会迷路。

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‖我们穿着鞋子进到里面,首先打开[c]了眼前的隔扇。

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头灯照亮了远处的墙壁。它很大,里[n]面空荡荡的,什么也没有。这是几张[恐]榻榻米?

“看起来还行”

“是啊,快点啊,快点啊。我不会因[怖]为那个习惯而试图超越自己。好吧,[鬼]她是个可爱的小学生。

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‖由于大厅被隔扇进一步隔开,我们[故]前往下一个房间。

‖类似的房间又出现了。仍然没有。榻榻米就这样铺在你的面前。

“这不是一场轻松的胜利吗?”

“继续前进”

摇晃

——墙上的窗户突然打开。一阵风吹[事]了进来。

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‖Hiroshi 尖叫着蹲在我的背上。我一直在喃喃[文]自语“对不起”。果不其然,我感到[章]心头一缩。

“我刚好打开了,快点。”

∀拿起弘时,我就去了到 直接去隔扇。

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‖类似的房间出现了,打开下一个f[来]usuma,又是一样的。这样重复[自]几次之后,我有一种不协调的感觉。[i]无论如何,这作为布局很有趣。没有[a]限制。无论您打开多少扇门,都没有[m]限制。一扇永恒的门。我迅速做出决[k]定。

“怎么了?”

‖ 被吓得精疲力尽的浩史,已经很虚弱[.]了。他的脸色紧绷,声音缺乏野心。[c]

“这里没有问题,我们上楼吧”

‖我之所以觉得不自在,是因为我把它放下了。因为这似乎会让我感到奇怪的不安。

‖有许多敞开的隔扇推拉门。在那之外是漆黑的黑暗。

前灯闪。

“电池没电了吗?”

‖我用指尖按下电源,反复开关机。[n]然后,似乎是接触不良了,等到没有[恐]任何问题,光芒再次亮起时,它转身[怖]面向前方。

- 光的尽头,出现了一道人影。而且越[鬼]来越近了。人影渐渐浮现。

壁纸:3029

——一个衣衫褴褛的男人。眼睛和嘴[故]巴的部分是空洞的,就好像被挖空了[事]一般。然后,男人发出一声呻吟,朝[文]我们走来。我被说服了他不是人。

‖急忙四处张望。有一扇带把手的木[章]门,有一处与隔扇不同。没有选择。[来]我们逃到那里去吧。

“喂,浩!快跑到那边的门口去!”[自]

“什么……”

〉看到一个陌生人。

尖叫。好像不能动了。他陷入恐慌,[i]说出难以理解的话。

“快点!抓紧!”

我强行让宏站起来,抓住他的胳膊,[a]就往门口跑去。

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陌生人快到了。

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‖还好门没锁。我立即进去并关上了[m]门。用力向内拉旋钮。然而,过了一[k]会儿,没有任何反应。

“啊,那是什么鬼?”

〉弘一头雾水。在我身后喃喃自语。

``这样回去很危险。

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在车头灯的前面,有一段不安的楼梯[.]

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Scene2

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这可能不是上班的地方。”

‖我一边爬楼梯一边说。

“是啊。或者说,如果你报告有问题[c],它就会成立。”

〉似乎事情总算有了冷静。 Hiroshi 说话合情合理。

“我没有勇气回到刚才的地方了,我[n]们从二楼逃出去吧。”

“对了”我们到了二楼。左右还有数[恐]扇隔扇推拉门。

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现在,我该从哪里开始呢?

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∀毫不犹豫,我决定从左侧的正面隔[怖]扇进行调查。此外,怪物可能会出现[鬼]。以防万一,我们还是带点东西来代[故]替武器吧。

[工具]

[切割器][打包带]

p> >

- 配备切纸器。

“我可以打开”

‖宏默默点头。

〉与一楼不同的是,这是一个大约6[事]张榻榻米的房间,里面什么都散落着[文]。而且没有可疑人物。

“这个房间很乱,有什么不对的吗?[章]

‖没错。气氛和一楼明显不同。我快速看了看掉落的东西。

‖沾满泥巴的衣服,湿漉漉的书本,破烂的餐具……看这情况,也算是打过之后的痕迹了。

“等一下,升先生!”

“怎么了?”立马冲向弘。

“这……”

〉弘慢慢指着地板。

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在它的后面,有一个榻榻米垫子大小[来]的液体湿点。当我弯下腰时,我看到[自]它是一种暗黑色。

“也许这是……血?”

〉弘在背后说道。考虑到这大概的情[i]况,我觉得不排除有流血的可能。如[a]果那个奇怪的人是鬼,这就是他的血[m]吗?

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“够了,再深入这里也没用了,一开始晚上来这里是个错误

『一明白这里不正常,我就这么想了。他的嘴巴在动。恐惧会导致恐慌和受伤。作为现场的负责人,我应该做出正确的决定。

“总之,我们先找到窗户吧”

‖我和弘志检查了房间的墙壁。如果[k]你开着头灯沿着墙走,你会发现一个[.]地方从天花板到地板都被一块布覆盖[c]着。随即,我把布翻过来,里面是一[n]块玻璃。我说,“Hiroshi![恐]它从这里连接到外面。”

“说真的!”

〉这布好像是帘子。我找到离别,用力拉开窗帘。月光照进房间。它变得更亮了一点。

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〉本以为还不错,但立马无语了。

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前面是一个小阳台,一个女人正看着[怖]我。透过齐腰长发可以看到的脸有着[鬼]三个空洞,看着我们。她身上的裙子[故]破烂不堪,胸口和腿上全是血迹。很[事]像刚才那个男人的灵魂。

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宏再次尖叫。女人缓缓打开窗户。

“我们逃吧!”

我是和之前一样,我让弘志站起来逃[文]跑。但是当我转身走到门口的时候

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我看到了刚才站在那里的那个人的灵[章]魂。夹击。我失去了逃避。

现在,我们该怎么办?

・[用刀打架]

・[扔东西]

[与刀具战斗]被选中。

〉我将手中的刀刃全部展开,分别对[来]准了男灵和女灵。但这两种精神还是[自]靠得更近了。

‖我已经被激怒了。我扑向男人的灵[i]魂。

∀可能是真的,不过我还是从男人的[a]身体里钻过去了,

一晃

我就往前冲了冲.

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‖我立马起身回头一看,意想不到的一幕在眼前展开。

〉男魂女魂相拥而战。我立刻看到了机会。

“嘿 Hiroshi!时间到了!” Hiroshi 就在那里。我硬着头皮把宏抱起来,[m]半背着他逃跑了。

‖跳出前门。我不能再回头看。甩开[k]门,用身体猛撞撬开,然后直奔汽车[.]。这只是一个火场的愚蠢力量。

“喂!弘!”叫了他出去,他还是很[c]害怕,所以我打开副驾驶座,抱起宏[n],强行让他进去。

‖我急忙钻进驾驶座,一把抓住了方[恐]向盘。一座不祥的古宅矗立在你的面[怖]前。

我们快点离开这里吧。我启动了汽车[鬼]引擎。

【尾声】

‖我最初的目标是繁华的小镇。我想[故]在家庭餐馆或其他地方安顿下来。想[事]起来,我好像忘记了申请表和检查表[文]

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还有,明天白天来的话,应该没问题。让我们不要再带上 Hiroshi 了。

副驾驶席上的 Hiro 在存储过程完成后从存储系统中提取了固件。听到这个消息我很难过。

‍‍‍‍

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‍目前的情况是我收集到的so far 是充分利用工具和积淀的思想去开拓的结果。

这么想的话,人生就是一场游戏,你既是主角又是玩家。

‖但是,如果你的编程功底松懈,就会出现这样的bug。

〉不知道这是不是我的天真。


作者:細井ゲゲ
原文:『GAME』

【Prologue】

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とある不動産業者から依頼があった。

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「古屋敷の見回りをしてほしい」

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何てことはないただの巡回作業。便利屋を営むうえでは、極力何でも引き受ける。難しい仕事依頼ではなかったので、俺は素直に引き受けた。

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 それに、ただ建物内を見回って確認するだけで金がもらえるならいくらでもやる。ラッキーだな、とさえ思った。

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 だが、実際に現場についてみると、その異様な雰囲気を放つ古屋敷に不安が全身から込み上げる。そして、この後に不吉なことが起こる、そう俺は確信した。それでも進まなければならない。これは立派な仕事であり、引き受けた以上断れないからだ。

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 それに、俺は既にゲームの主人公になりきり、このミッションをクリアして、グッドエンディングを迎える、という使命が俺の中で生まれていた。

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【Start】

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 Scene1

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 ボロの軽トラックには、俺とヒロシが乗車していた。何件もの依頼業務を終えると、最後の現場に向かう。

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「もう六時超えてるじゃないすか」

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 助手席に座っているヒロシは携帯電話に視線を落としながらそう言った。便利屋「バーリトゥード」に入社してまだ一カ月のアルバイトだ。頭に巻いているタオルが様になってきている。

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「まあ、そういうな。後は、ただの見回りだからすぐに終わるさ」

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 俺は、ナビを見ながらヒロシを宥める。

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 そろそろなんだけどなあ。砂利道をひたすら直進する。周りを見渡すと、ほとんど明かりがなく、東京郊外とは言え、想像以上の田舎風景に俺は戸惑っていた。

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「ノボルさんまだつかないんすか? もう二時間近く乗ってる気がするんすけど」

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「いや、もうつくよ。てかもうついた」

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 えっ。

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ヒロシはあからさまに驚いてみせた。もちろん、俺も同様だった。

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突き当りにぶつかった先には、暗闇に佇む屋敷が現れた。日本らしい所謂「武家屋敷」。入口には立派な門が待ちかまえ、その奥に二階立ての屋敷が聳える。

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「これって死亡フラグっすよね」

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 助手席から震える声がするので、ヒロシを見てみると、既に顔が青ざめている。これは誰でも怖いな、と俺は思った。だが、死亡するしないはプレイヤーの腕にかかっている。これは一発勝負だな。

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 俺は昨晩までにホラーアクションゲームをやっていたこともあり、この状況がゲームに似ていることから完全にゲームの登場人物になりきっていた。ヒロシのようなビビりキャラは当然死んでしまうが、これは現実世界だ。まあ、死ぬことはないだろうが、無事に帰すのも俺の立派な役目だな。

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「まあ、確かにそうか。でなきゃ俺たちみたいな便利屋にわざわざ金かけて依頼する筈がないからね」

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 そう言うと、俺は俺の中でゲームコントローラーを握った。

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[便利屋車内]

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【調べる】

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―【ヒロシ】

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―左右の腕を交差させ、二の腕を摩っている。よほど怖いのだろう。

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―【運転席】

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―【依頼書】【チェックシート】

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―依頼書とチェックシートを手に入[章]れた。

 

 依頼書とチェックシートを小脇に抱え、俺は外に出る。ヒロシも後に続いて、嫌々ついてきた。

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【道具】

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―【南京錠の鍵】【玄関の鍵】【カッター】【ガムテープ】【ヘッドライト×2】

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―ヘッドライトを取り出した。

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背中に巻いているポシェットからヘッドライトを二つだし、一つをヒロシに渡した。

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「多分見た感じ相当建物が古い。もしかしたら床が抜ける可能性があるから慎重に行こう。慌てず、ゆっくりな」

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「はあ。いや、めっちゃこわいっす[来]

 既に腰が引けている。俺は雰囲気を和まそうとあからさまに笑って見せた。

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「大丈夫だって。一緒にいれば怖く[自]ないって! 残業代も出すし、何ならこの後飯も[i]奢るよ。だからちゃっちゃっと終わ[a]らせよう」

 そう言って、俺はヒロシの背中を軽くポンポンっと二回叩いた。

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【道具】

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―【ボールペン】【南京錠の鍵】【玄関の鍵】【カッター】【ライター】【ガムテープ】

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―南京錠の鍵を使った。

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門についている南京錠に、予め依頼主から拝借した鍵を差し込む。難なく開錠すると、ゆっくりと扉を押した。

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軋む音が静寂を突き破る。まるで悲鳴にも聞こえた。

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「いやいやいやもうこれド定番のお[m]化け屋敷じゃないすか」

俺の後ろに隠れ、へっぴり腰のヒロ[k]シ。恐怖のあまり黙っていられない[.]様子だった。

ヘッドライトの明かりだけを頼りに中に進んだ。地面に大きめの石が埋め込まれ、玄関まで続いている。その一つひとつを慎重に辿った。

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――途端に門が勝手に閉まる。

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「いやあ! ちょっと!」

 飛び跳ねるヒロシ。俺の肩を強く握[c]り、背中にまた隠れた。

「いやだもういやだ。もう帰りたい」

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この雰囲気に相当怖がっている。どうする? やっぱり車で待ってもらおうか?

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・【一緒に来てもらう】

・【車で待機してもらう】

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【一緒に来てもらう】を選択した。

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いや、ここは一緒に来てもらおう。二人いた方が何かあった時に互いに助け合える。それに、こんな暗い中で一人だけで待っているのも怖いだろう。

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「ほら頑張れ。車で一人で待ってる[n]のも心細いだろ? 俺がついてるから安心しろって」

俺は、ヒロシの背中を強めに叩き、[恐]気合を入れた。

「は、はい」

 仕方ない、といった様子でヒロシは[怖]俺の後をついてきた。

 

wallpaper:177

格子状になった扉がぽっと現れる。隙間にある硝子から中を覗こうとしたが、曇硝子のようでよく見えなかった。

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wallpaper:1

【道具】

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―【玄関の鍵】【カッター】【ガムテープ】

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―玄関の鍵を使った。

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スライドして開ける古いタイプの扉だった。中央にある差し込み口に鍵を入れ、ゆっくり右に回す。カチリ、と音が鳴り開錠された。そして、ゆっくりと扉を開ける。

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ヘッドライトに浮かび上がる玄関。段差の先には障子で仕切られた部屋が一つと右に曲がる廊下が続いている。既に清掃されているのか床には何も落ちていない。靴や置物、ゴミでさえもなかった。

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さあ、どこから調べる?

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・【大広間】

・【さらに奥に行く】

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【大広間】を選択した。

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 近場から一つひとつ潰していこう。広い屋敷だから迷う可能性もある。

wallpaper:157

 俺たちは土足で中に入り、先ずは手[鬼]前にある襖を開けた。

 

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ヘッドライトが向こう側の壁まで照らす。結構な広さで、そこも何も置いてなくがらんとしていた。一体これは畳いくつ分なのだろうか。

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「大丈夫そうだな」

「そうですね。早く次行きましょう[故]

 ヒロシは早くこの仕事を終えたいようで俺を急かす。その癖に俺より先に行こうとはしない。まあ、可愛い後輩だ。

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 大広間は更に襖で仕切られいたので[事]、そのまま次の部屋に進んだ。

 同じような部屋がまた現れた。そし[文]て、やはり何もない。畳がただ目の[章]前に広がっている。

「あれ、一階楽勝なんじゃないすか[来]?」と急に強気になるヒロシ。

「この調子で進めばな」

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shake

――壁際にあるいくつもの窓が急に開く。突風が舞い込んだ。

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 ヒロシは絶叫して俺の背中で蹲った。しきりに「ごめんなさい」と呟いている。さすがに俺も心臓が縮みあがる思いだった。

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「たまたま開いただけだ。先を急ごう」

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 ヒロシを抱え上げると、そのまま次の襖に直進する。

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 また同じような部屋が現れ、次の襖を開けると、また同じ。何度か繰り返しているうちに俺は違和感を抱く。いくらなんでもこれは間取りとしておかしい。キリがないのだ。いくら襖を開けようが限界がこない。永遠に続く襖。俺は咄嗟の判断で踵を返す。

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「どうしたんですか?」

 恐怖にくたびれた様子のヒロシは、[自]既にだいぶ弱っていた。顔が引きつ[i]り、声に覇気がない。

「この辺は問題ない。上の階に行こ[a]う」

 俺はあえて違和感を覚える原因は伏[m]せておいた。変に不安を煽ることに[k]なりそうだったから。

 元来た先には、いくつもの開き放たれた襖が続く。その先は、漆黒の暗闇だ。

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shake

ヘッドライトが点滅する。

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「もう電池切れか」

 俺は、指先で電源を押し、オンとオフを繰り返した。そして、接触が悪かったようで、問題なくまた明かりを照らし始めると正面に向き直った。

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――明かりの先に、人影があった。しかもそれは少しずつこっちに近づいてくる。徐々に姿が浮かび上がる。

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――ボロボロになった衣服を纏った男。目と口がある部分は、ぽっかりとくり抜かれたように空洞があった。そして、その男はうめき声を漏らしながら、俺たちの方に歩み寄って来る。俺は確信した。こいつは人間じゃない、と。

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 慌てて周りを見渡す。一カ所襖とは違う、ノブのついた木製の扉があった。選択肢はない。そこに逃げよう。

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「おいヒロシ! あそこの扉に走れ!」

「え、なにが……」

 ヒロシも奇妙な男の姿を見てしまう[.]

 絶叫。腰を抜かし、動けないようだ[c]。パニックに陥り、訳のわからない[n]言葉を連発する。

「ほら早く! しっかりしろ!」

 俺は無理にヒロシを立たせ、腕を取[恐]り、扉まで走った。

 

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奇妙な男はもうすぐそこだった。

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 扉には幸い鍵はかかっていなかった。すぐに中に入り扉を閉めた。力づくでノブを内側に引っ張る。だが、しばらくしても何の反応がない。

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「あ、あ、あれはなんだ、幽霊か」[怖]

 混乱しているヒロシ。俺の後ろでぶ[鬼]つぶつ呟いている。

「このまままた戻るのは危険だ。こ[故]こから先に進もう」

 ノブから手を離すと、後ろに振り返[事]った。

 

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ヘッドライトが照らした先に、不穏に佇む階段がそこにはあった。

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Scene2

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「もうこれは仕事どころじゃないか[文]もな」

 階段を上りながら俺は言った。

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「そうですよ。というか問題があっ[章]たって報告すればそれで成立ですよ[来]

 ようやく落ち着いたようだ。ヒロシ[自]がまともなことを喋っている。

「さっきのところに戻る勇気はさす[i]がに俺でもない。二階から逃げよう[a]

「そうですね」

 会話を終えたちょうどの頃合いで、二階についた。左右にまたいくつかの襖が連なっている。

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 さあ、どこから調べる?

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 俺は、迷わず左にある手前の襖から調べることにした。また、化け物が出てくる可能性がある。念のため武器に代わるものを持っておこう。

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【道具】

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【カッター】【ガムテープ】

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―カッターを装備した。

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「開けるぞ」

 ヒロシはこくり、と黙って頷いた。[m]

 そこは、一階とは異なり、あらゆるもので散乱した六畳程の部屋だった。そして、怪しい人影はいなかった。

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「この部屋荒れてますね。なんかあ[k]ったのかな?」

 確かにそうだ。あきらかに一階とは[.]雰囲気が違う。俺は、落ちているも[c]のをざっと眺めてみた。

 泥を被った衣服、湿った書籍、割れた食器……。この状況を見るからに、争った後の形跡だ。

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「ちょ、ちょっとノボルさん!」

「どうした?」

 ヒロシの驚いた呼びかけに、俺はす[n]ぐにヒロシの元に駆け寄った。

「これ……」

 ゆっくり床を指さすヒロシ。

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その先には、畳一枚分液体で湿った[恐]跡があった。屈んでみると、どす黒[怖]い色をしていることがわかった。

「もしかしてこれって……血ですか[鬼]ね」

 後ろからヒロシが言った。この荒れた状況を考えれば、血液の可能性はなくもない、と思った。そして、あの奇妙な男を霊と考えるのなら、これはあいつの血なのだろうか。

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「もういい。これ以上ここのことを調べても仕方ない。そもそも夜に来たことが間違いだった。日を改めてまた調べればいい。とにかくここを出よう」

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 俺は、ここが異常な場所だと理解できた途端、勝手にそう口が動いていた。恐怖からパニックが起こり、そして怪我をすることだってありえる。現場の責任者として俺は、正しい判断を下すべきだ。

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「とにかく窓を探そう」

 俺とヒロシはその部屋の壁際を調べた。ヘッドライトを当てながら壁際に沿って歩くと、天井から床まで一枚布で覆われている個所を見つける。咄嗟に、布を捲るとガラスが一枚があった。しめた、と俺は「ヒロシ! ここから先外に繋がっているぞ」と声をかけた。

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「マジっすか!」と違う個所を調べ[故]ていたヒロシが俺の元へすっ飛んで[事]くる。

 布はカーテンだったようだ。分け目を見つけ、勢いよくカーテンを開けた。室内に月光が差し込む。僅かながらも明るくなった。

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 よかったと思ったが、すぐにして俺は言葉を失った。

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その先はちょっとしたベランダになっているのだが、そこには一人の女性がこちらを覗いていたのだ。腰まで伸びた髪の毛の間から見える顔は三つの空洞があり俺たちの方を見据える。纏っているワンピースはボロボロで、胸元から足にかけての至る部分に血痕が付着している。さっきの男の霊と特徴が似ていた。

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ヒロシはまたここ一番の悲鳴を上げ[文]た。女はゆっくりと窓を開ける。

「逃げるぞ!」

 俺はまたさっきと同じく、腰を抜かしているヒロシを立たせ、逃げようとした。だが、出入り口に振り返ると、

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そこにはさっきの男の霊が立っていた。挟み撃ち。逃げるところを失った。

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 さあ、どうする?

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・【カッターで戦う】

・【モノを投げつける】

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【カッターで戦う】を選んだ。

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 俺は握っていたカッターの刃を全て[章]伸ばし、男と女の霊に向けた。だが[来]、二人の霊は依然に近づいてくる。[自]

 もうやぶかぶれだった。俺は男の霊の方に突っかかる。

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 当然といえばそうなのかもしれないが、見事に男の身体をすり抜け、

shake

俺は勢いのまま前に転んでしまった。

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 すぐに起き上がり、後ろを振り返る[i]と、意外な光景が目の前で繰り広げ[a]られていた。

 男と女の霊がお互いに掴みかかって争っている。俺は、瞬時にチャンスだと思った。

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「おいヒロシ! 今のうちだぞ!」

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 近くでしゃがみ込んで耳を押えているヒロシ。俺は無理やりヒロシを抱え起こし、半ば背負う感じでその場から逃げ去った。

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 玄関から飛び出る。もう後ろを振り返る余裕はない。門を捨て身で体当たりをしてこじ開けると、そのまま車まで突っ走る。まさに火事場の馬鹿力だ。

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「おい! ヒロシ!」

 車の前まで来ると、ヒロシを一旦降ろす。呼びかけても未だに怯えているので、俺は助手席を開けて、ヒロシを持ち上げて無理やり押し込んだ。

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 俺は慌てて運転席に乗り込みハンド[m]ルを握る。目の前には、やはり不気[k]味な古屋敷が佇む。

早くこの場から離れよう。俺は車のエンジンをかけた。

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 【Epilogue】

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 俺は先ず、栄えた町を目指した。ファミレスでも何でもいいので、そこで落ち着きたい。そういえば、依頼書とチェックシートを忘れてきてしまったようだ。

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また、明日にでも日中に来れば問題[.]ないだろう。ヒロシはもう連れてく[c]るのはやめとこう。

 助手席にいるヒロ縺ゅ>縺�∴縺� �撰シ托シ抵シ���スゑス� �ク�ケ�コ�ア�イ�ウ�エ�オ �ァ�ィ�ゥ�ェ繧ゥ譁�ュ怜喧縺代ヱ繧ソ繝シ繝ウ讖溯�繝サ遐皮ゥカ�樞€包シ搾シ�ソ��。繹ア竭�竇���スゑス� �ク�ケ�コ�ア�イ�ウ�エ�オ �ァ�ィ�ゥ�ェ繧ゥ……。

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 今ある状況は、今まで集めてきた道[n]具や蓄積した思考を駆使して切り開[恐]いてきた結果だ。

 そう考えれば、人生だってゲームであるし、自分が主人公でプレイヤーでもあるのだ。

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 だが、プログラミングの技術が甘い[怖]とこうしてバグが起こってしまう。[鬼]

 これが、俺の詰めの甘さなのだろうか。

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