“宗介系列第 3 部分”

iamk 日本恐怖故事 2023-12-26 15:00:01 348 0

宗介系列①《足折川》

‖第1话某件轶事

‖第2话一个叫宗介的男人

‖▷第二话3善行< /p>

第四集女房东与监狱

第五集夜幕降临时

终章归来

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上一页内容提要

这个故事的主人公松永宗介住在足折[文]川下游的伊东城镇。我去了那是一次[章]带薪假期的旅行,他对民间传说的好[来]奇心和对“不完美”事物的品味吸引[自]了他对阿什折河的轶事。在距离轶事[i]中心最近的车站下车后,他为了暂时[a]寄存行李,来到了今晚要欠债的旅馆[m]“滩总庄”。

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分隔符

建筑,如果我不得不用一个词来形容的话,那就是“奇怪”。

虽然被称为旅馆,但它不是旅馆,而是相当大的旅馆,在法律上被归类为旅馆。

这座建筑不是典型的方形房子,而是像圆柱体一样圆润,灰泥墙让我想起西方旅游景点常见的现代酒店。

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不过,好像不是这样的,还有一种民[k]宿的温馨气息,时不时的就摆脱不掉[.]“它像某物”的不适感。

宗介用手帕擦了擦额头的汗水,走进[c]了自动门。

一进去,刚才那种不自在的感觉一下子爆发了出来。

如果外观偏洋气,本以为内饰也一样,结果完全被出卖了。

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有榻榻米、屏风和壁炉。

前台既然是这样,我敢肯定每个房间也设计成日式房间。

本能地,宗介想起了家乡的家人。

这是客栈我觉得这不是旅馆。

没有隔断,感觉像一家人。

然而,我无法把握我在建筑物中感受到的不协调感的真实身份。

“很高兴认识你”

“你好”

他向来接他的房东太太打招呼,我躲开了时代的几句话。

她也是一位美丽的日本女性,穿着日式服装,在日式风格的室内装饰中看起来很不错。反观他那清澈的眼眸和鼻梁,端庄得让人以为他的和服没有一丝皱纹。

她带着宗介去了后厅。

大堂位于院子中间,因为它位于前台旁边的走廊上。

对于热爱旅游的他来说,还是第一次[n]体验到这样的日式旅馆布置。

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透过窗玻璃,我们可以看到各种日本[恐]和西方的植物。

好奇心像茂密的草木一样在他的脑海[怖]中生长。

被邀请到大厅的一角,宗介在指定的[鬼]椅子上坐下。然后,我被告知要填写[故]递给我的表格上的字段,我照做了。[事]

但是当我移动我的笔时,我的思绪却[文]转移到了别处。

而当我试图以问题的形式向她发泄时[章],内心滋生的不协调感也快要出来了[来]。是吗?”

她接过带头。

从这些话中,宗介感受到了他从她精心打扮的容貌中感受到的同样高贵的风度。

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她身上似乎隐藏着一种难以言喻的“[自]力量”。

另外,我还有一个问题需要澄清。

“是的,我一个人。”

我没有再说什么,再次陷入沉寂。

一时之间,两人之间响起了笔落在纸[i]上的声音。.

但是她克服了。

而当老板娘看到宗介的名字栏时,她笑了。

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他不可能因此而生气。

她的笑容让我想起了田野里盛开的大花。

宗介觉得,那株在院子里支配植物的花,绝对是她。

他面露尴尬之余,还以为自己又被人笑话了。

顺便说一句,宗介的性格,他一生都习惯了被人嘲笑。

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他最著名的名言之一是,“当你第一次见到某人时,你会笑两次。”

当被问及在他的记忆中有没有一次不被人嘲笑的时候,他不得不歪着头。

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首先被嘲笑的是他独特幽默的外表。[a]尤其是他鼻梁下的胡子,本来是他自[m]己准备修剪的,怎么看都像是喜剧之[k]王的滑稽,不戴面具的时候,第一个[.]被人笑话的就是他。

还有,那些嘲笑他脸的人,当他们“看到”他的名字时,仔细看他的脸,点点滴滴,他笑得好像一个人蝌蚪。

果然,“宗介”这个词与十年前的日本有关,笑声很可能是与他的脸联系在一起的结果。难怪有人说他的脸很像明治时期的政治家。

不过,他比较喜欢大家的笑声。

尤其是被美女嘲笑,虽然尴尬,但也是一种享受。

然后,宗介美丽的笑容淹没了他想问的话,然后兴高采烈地跟着她回到了自己的房间……

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几十分钟后,他又站在客栈门前。伊[c]东城町和足折川观光的兴趣让他心潮[n]澎湃。我大声喊道。

他之所以几十分钟才到这里,是因为[恐]他经常兴高采烈地丢东西,而且每次[怖]都仔细检查过门是否锁好。

其实,在他带来的行李箱里,那张装在管子里的感谢信被偷偷藏了起来。

因为不实传言,收到感谢信当然有遗憾之感,但对于在教室角落里熬过学生时代的他来说,这份感谢——你来信我太高兴了,我想把它带在身边而不把它从我的肩膀上取下来。

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锁紧,感谢卡安全,他出发进城。

当我再次走过这个小镇时,才想起小[鬼]镇的中心有一条河流。

而河流一直延伸到一望无际的大海。[故]

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这片区域可以说是海与河的分界线。

海风中夹杂着恶臭,似乎预示着这座小镇的历史并不光彩。

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此外,街道上空无一人,一排排黑房[事]子是临海小镇特有的。

在那座小镇上,时间似乎过得更慢了[文],仿佛海风把钟表的指针生锈了。

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流量低得令人失望。这让他想起了这次旅行是带薪假期旅行。

话说回来,刚才在客栈也没看到其他客人。

这或许就是工作日的喧嚣吧。

终于,我们来到了“他”被吊死的地方。

首先,宗介对这条河的美丽感到惊讶。

不知为什么,刚才从车站到客栈的路上看到河流时没有的那种激动,在这个地方溢出来了。

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他认为原因就是这里。

先入为主的观念认为它是该死的过去的遗址是一条非常泥泞的河流的形象。与它相比,真正的河流显得非常美丽。

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另一方面,我也能感觉到这里不一样[章]

毕竟,他觉得时间在这个镇上过得很慢。

江水的流淌就是时间的流淌,在它缓缓的流淌中,背负着无辜罪孽包袱的“他”的怨恨还在颤抖。

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当我降落在河边时,它的美丽更加引人注目。

而这种美貌实际上让关于他困境的轶事变得更糟。

神秘潜伏在平凡的日常生活中。他盯[来]着河面看了一会儿,不知道为什么,[自]这里的宁静,让他有些害怕。

而当我转身离开这个地方时,突然发现一个塑料袋被石头卡住了。

宗介捡起垃圾,心想这不适合这么美丽的河流。

他的善举得到了意想不到的惊喜。

泡在水里的袋子里装着一条小香鱼。不自觉地,他把脸弄破了。

从小鱼身上,我已经能闻到和成鱼一样的甜甜的西瓜味了。

当我充分享受了这股香味后,我坐下来轻轻放开,小香鱼像跳舞一样精力充沛地游走了。

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双重的,他觉得自己做得很好。

而他脚步稍轻,也跟着舞动离开了原地。

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然后他去了镇郊的一个博物馆。博物馆根据现有资料讲述了这个小镇的历史和轶事。

特别感兴趣的是这条河的旧名。

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在“他”被绞死之前,这条河还没有被称为“阿希垂河”。仔细想想,这是理所当然的,但“亚述河”已经是那么远了,以至于没有想到这个问题。成立。

而之前我很好奇的名字,是写在写小镇位置的面板上的。

-Ajitsuri河,即Ajitsuri川。

据说竹荚鱼在过去可以在河流中捕获,即使它们是小个体。

另外,经过两次油炸的炸竹荚鱼可以作为孩子们的零食食用,作为清酒的零食也是极好的。

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因此,“味折川”这个角色似乎也被猜到了,但总之,重点只是文字游戏。

原本以为所有的记录都吓人的宗介,不怀好意地笑了起来。

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这片土地也有恶作剧的一面。他对这个小镇的感情越来越深。

然而,当我看到“他”被吊死的情景模型时,我的欣喜之情很快就烟消云散了。

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回过头来看,太可惜了。

他的模型被颠倒过来,头上套着一个黄麻袋,就像运动会“行李赛跑”中使用的那个。

更何况,只露出了脚踝,“他”必须[i]先破开厚厚的袋子才能解开绳子。当[a]然,袋口也系着一根结实的绳子。

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它长得像一条蜾蠃,除了倒吊的痛和溺水的恐惧外,还要忍受看到它丑陋模样的屈辱在你身边。没有成为。

宗介无意间想到自己也会遭遇同样的命运,吓得不寒而栗。

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然后,我带着那种战栗,迫不及待地离开了博物馆。他想知道的一切,似乎都是从模特身上学来的。

因为“他”试图改正的坏毛病,可靠的资料来源屈指可数,但即便如此,我也觉得光靠那一个模型就可以说出全部轶事了。。

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回来的路上,这条河让他觉得很可怕。

这时,我突然想起来,我当垃圾捡的塑料袋里,有一条香鱼幼鱼。

-我想知道这是否也是一个“袋子”[m],那意味着我钓到了一条鱼。

不过,不管我多么担心,过了一会儿[k]颤抖就平息了。

时间的流逝还是很大的。

一看手表,已经过了中午。

想到这里,我肚子里的虫子咯咯地叫[.]了起来。

然后好好笑了笑,然后原路返回,不[c]知道去哪里吃午饭。

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飞鸟川第 3 话「善行」完结


作者:退会会員
原文:「惣右介シリーズ その三」

惣右介シリーズ①「足吊川」

  第一話 とある逸話

  第二話 惣右介という男

  ▷第三話 善行

  第四話 女将と監獄

  第五話 夜の帳が上がれば

  最終話 帰路

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前回のあらすじ

この物語の主人公、松永惣右介は、[n]足吊川の下流に位置する糸丈町へと[恐]赴いた。それは有給休暇中の旅行で[怖]あり、民俗的な興味と「不完全」な[鬼]ものが好きという嗜好から、彼は足[故]吊川の逸話に惹かれた。逸話の中心[事]地からの最寄駅に降り立った彼は、[文]ひとまずは荷物を預けるため、今晩[章]お世話になる宿「涙そう荘」へとた[来]どり着いた。

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その建物は、ひと言で表すなら「異[自]様」であった。

宿といいつつもそれは民宿ではなく[i]、法律的には旅館に分類されるほど[a]の、それなりの大きさがあった。

一般的な四角い家屋ではなく、その建物は円筒のように丸みを帯びていて、漆喰の壁は西洋の観光地によくみる近代的なホテルを思わせた。

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しかし、そんな外観に似合わず、民宿の携えるアットホームな雰囲気がどことなく漂っていて、また、予約をするためにホームページでその外観を見たときから、「何かに似ている」という違和感が拭いきれなかった。

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惣右介は額に浮かんだ汗をハンカチ[m]で拭き、自動ドアをくぐった。

中に入ってみると、さっきの違和感[k]ははち切れんばかりに膨らんだ。

その外観がいわば洋風に偏っているならば、内装もまたそうであると勝手に思っていたが、見事に裏切られたのだ。

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そこには、畳もあれば、障子や囲炉[.]裏なんかも目に入った。

フロントの時点でそうなのだから、[c]きっと各部屋も和室に仕立てられて[n]いるのだろう。

惣右介は思わず、故郷の家族のこと[恐]を思い出していた。

ここは旅館であり、旅館ではないような気がした。

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仕切りのない、あっぴろげな、どこ[怖]となく家族のような感じ…。

しかし、建物に抱いた違和感の本当[鬼]の正体は、ついに掴むことができな[故]かった。

「よくいらっしゃいました」

「こちらこそ」

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彼は出迎えてくれた女将に挨拶をし[事]て、時勢の言葉を二、三かわした。[文]

彼女もまた、和風な内装によく似合う、和服に身を包んだ日本の美人であった。一方で、目鼻のくっきりとした顔立ちは、それによって和服に一切のしわをつけていないのだと思わせるほど、凛としていた。

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彼女に連れられて、惣右介は奥のロ[章]ビーへと歩いた。

そのロビーはフロント横の渡り廊下[来]を進んだところにあって、いわば中[自]庭の中央に位置していた。

そんな配置の旅館は、旅好きの彼にも初めての体験であった。

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窓ガラスからは、和洋入り混じった[i]さまざまな草木を見ることができた[a]

その生い茂る草木のように、彼の心の内で好奇心が成長する。

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ロビーの一画に招待され、惣右介は[m]指し示された椅子に腰掛けた。そし[k]て、渡された用紙の記入欄を埋める[.]ように言われ、その通りにした。

しかしペンを動かしながらも、頭は[c]別の場所で働いていた。

そして内に募った違和感が、彼女への質問という形で外に出ようととした時、

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「きょうはおひとりですか?」

と彼女に先手を打たれた。

そのひと言から、惣右介は彼女の整った顔立ちに感じたのと同じ、凛とした態度を感じた。

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彼女は、簡単には言葉にできない「[n]強さ」のようなものをその内に隠し[恐]ているように思えた。

また、明かしたい疑問がひとつ増え[怖]た。

「ええ、ひとりです」

それ以上言うこともなく、再び沈黙が訪れた。

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しばらくはペンが紙を叩く音が二人[鬼]の間に響いて、ようやく記入欄を埋[故]めた時、惣右介は再度質問しようと[事]した。

しかし、それも彼女に制されてしま[文]った。

それも女将は、惣右介の書いた名前の欄を見て、笑ったのである。

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彼はそれを、不快に思うはずもなか[章]った。

むしろ彼女の笑顔は、まるで野原に[来]咲いた大輪を思わせた。

あの中庭の草木を統べる花は、間違いなく彼女自身なのだと惣右介は思った。

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そんな彼はあからさまに照れながら[自]も、また笑われた、などと考えてい[i]た。

惣右介の人柄についての余談になるが、彼はその生涯を通じて、人から笑われることに慣れていた。

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彼の至言の中に、「初対面の人は二[a]度笑う」というものがあった。

出会いの記憶を遡ってみて自分が笑われなかったことがあったかと聞かれれば、彼は思わず首を傾げなければならなかった。

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彼はまず、独特なひょうきんさを醸し出す容姿で笑われた。特に、本人は整えているつもりの鼻の下の髭も、見ようによってはかの喜劇王さながらの滑稽なものに見えなくもなく、マスクをしていない時にはまず笑われた。

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また、彼の顔に笑う者は、彼の名を[m]「見た」時にはまじまじと顔を観察[k]した挙句、何かの点と点がつながっ[.]たかのように笑うのであった。

きっと、「惣右介」という字面にひと昔前の日本を連想し、彼の顔とつなげた結果の笑いなのだろう。彼の顔はたしかに、明治あたりの政治家にいそうだと言われても仕方がなかった。

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しかし、彼はそんなみんなの笑いを[c]、むしろ好んで受け止めていた。

特に、美人に笑われるのは恥ずかし[n]い反面、嬉しくもある。

そして、美しい笑顔によって何を質問したかったのかもかき消されてしまった惣右介は、その後嬉々として彼女の後ろに従って、自分の泊まる部屋へと連れられていった…。

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それから数十分後、彼は再び旅館の[恐]前に立っていた。かねてから興味を[怖]持っていた糸丈町、そして足吊川の[鬼]観光に、彼の胸はいよいよ高鳴った[故]

彼がここまでに数十分かかったのも、浮かれた気分からか何度も忘れ物をしたことと、そのたびに入念な施錠の確認をしていたからであった。

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実は彼の持ってきた旅行鞄の中には[事]、筒に入れられた例の礼状がこっそ[文]りと忍ばせてあった。

嘘の噂によって、図らずも礼状を受け取ってしまったことを後悔する気持ちも当然あったが、学生時代を教室の隅で耐え忍んできたような彼にとって、その礼状は肩身離さず持ち歩きたいくらいに、嬉しいものであった。

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そして施錠をしっかりとして、礼状[章]の安全を確認したところで、彼は町[来]へと繰り出した。

改めてこの町を歩いてみると、やは[自]りその中心には川があることを思い[i]知らされた。

そしてその川は、果てしない海へと続いていた。

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いわばこの地域は海と川の境目であ[a]り、そのため塩の香りに混ざって、[m]汽水域特有の泥の悪臭がきた。

潮風に混ざるその悪臭は、この町の歴史が決して明るいものだけではないことを予感しているように思えた。

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また、その町並みは、海に近い町な[k]らではの黒い家屋が立ち並ぶさびれ[.]たものであった。

まるで潮風によって時計の針が錆びてしまったように、その町の時間は他よりもゆっくりと流れているような気がした。

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人通りは、拍子抜けするほど少なか[c]った。そのことは今回の旅路が、有[n]給休暇による旅であることを彼に思[恐]い出させた。

そういえば、先程の旅館でも他の宿[怖]泊客は見当たらなかった。

平日の賑わいは、こんなものなのかもしれない。

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やがて、「彼」が吊るされたという[鬼]例の場所へ行き着いた。

惣右介は、まずはその川の綺麗さに[故]驚いた。

先程、駅から宿までの道程で川を見た時には感じられなかった感動が、なぜかこの場所では溢れるように湧いてきた。

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彼はその理由を、ここが例の場所で[事]あるからだと思った。

忌々しい過去の現場だという先入観が、ひどく濁った川のイメージを作り上げていた分、実際の川はそれに比べて、とても綺麗に思えたのだった。

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一方で、この場所が他とは違うとい[文]うことも十分に感じとれた。

やはり、この町の時間はゆっくりと[章]流れているのだと彼は思った。

川の流れは時間の流れであり、その緩やかな流れの中で、無実の罪を背負って吊るされた「彼」の怨念は、今でも揺蕩っている。

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川辺に降り立ってみると、その綺麗[来]さはより際立った。

そしてその綺麗さは、かえって逸話[自]で聞いた彼の惨状を酷いものにして[i]いた。

なんでもない日常にほど、怪奇は潜む。彼はしばらくは川面を見つめていたが、曰く付きの場所での長閑な今の状況が、なぜかとても恐ろしく感じた。

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そしてこの場所から立ち去ろうと振[a]り返った時、ふと、石に引っかかる[m]ビニール袋を見つけた。

こんな綺麗な川にゴミは似合わない[k]と思い、惣右介はそれを拾い上げた[.]

そんな彼の善行は、思わぬサプライズによって祝福された。

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水に浸っていたその袋には一尾の小[c]鮎が入っていた。彼は思わず、顔を[n]綻ばせた。

まだ幼いその魚体からは、すでに成[恐]魚と同じ甘いスイカの匂いを嗅ぐこ[怖]とができた。

その香りを十分に楽しんだところで、腰を下ろして優しく逃してやると、小鮎は踊るように、元気に泳いでいった。

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彼は二重に、いいことをした気分に[鬼]なった。

そして幾分か軽くなった足取りで、彼もまた踊るように、その場所をあとにした。

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それから彼は、町の外れにある資料[故]館へと赴いた。その資料館では、現[事]存する資料をもとに、この町の歴史[文]や逸話について教えていた。

特に興味深かったのは、この川の以前の名称であった。

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「彼」が吊るされるまで、その川は[章]「足吊川」とは呼ばれていなかった[来]。考えてみれば当然ではあったが、[自]その疑問が思い浮かばないくらいに[i]、すでに「足吊川」は定着していた[a]

そして、気になる以前の名称であるが、それは町の土地柄について書かれたパネルに記されていた。

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“宗介系列第 3 部分”

- 「鯵釣川」つまり、(あじつりかわ[m])である。

なんでも、小さい個体ではあるが、[k]昔は鯵が川でも釣れたのだという。[.]

また、その鯵を二度揚げにした素揚げは、子どものおやつ感覚で食べられる一方、酒のつまみとしても抜群であった。

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そのために、「味釣川」なんて字も[c]当てられたらしかったが、いずれに[n]せよ、要は単なる言葉遊びである。[恐]

おどろおどろしい記録ばかりだと思っていた惣右介は、拍子抜けしつつも思わず笑ってしまった。

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この土地には、こんなお茶目な一面[怖]もあったのだ。ますます、この町に[鬼]対する彼の好意は膨らんでいった。[故]

しかし、そんな朗らかな気持ちも、「彼」の吊るされた状況を復元した模型を目の前にすると、たちまちに萎んでしまった。

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改めて見ると、それはあまりにも酷[事]いものであった。

模型の彼は、運動会の「ミノムシ競[文]走」で使うような麻袋を、頭から被[章]せられたうえで逆さにされていた。[来]

しかも、足首だけは袋から出ていて、「彼」はその縄を解こうにも、まずは分厚い袋を突破しなければならなかった。もちろんその袋の口も、頑丈な縄で縛られていた。

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その見た目はまさに「ミノムシ」で[自]、逆さ吊りの苦痛や溺死の恐怖に加[i]え、その無様な姿を周りに見られる[a]屈辱にも耐えなければならなかった[m]

惣右介は図らずも自分が同じ目にあうことを想像してしまい、その恐怖に身震いした。

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それから、その身震いをそのままに[k]、いそいそと資料館を退出した。彼[.]の知りたいことは、あの模型によっ[c]てすべて知り得たように思えた。

「彼」が正そうとした悪習ゆえに、情報として確実な資料は数えるほどしかなかったが、それでもあの模型ひとつで、逸話のすべてを語ってしまえるような気がした。

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帰り道、彼にはさっきまでの川がま[n]るで恐ろしいものに見えた。

そして、ふと、ゴミとして拾ったビニール袋の中に、鮎の稚魚が入っていたことを思い出した。

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- あれも、「袋状」のもので、魚を獲[恐]ったことになるのだろうか。

しかし、いくら気に病んでも仕方な[怖]く、しばらくすると震えも落ち着い[鬼]た。

時間の流れは、やはり偉大だ。

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おもむろに腕時計を確認すると、と[故]っくに正午を過ぎていた。

それを知って、腹の虫は盛大に鳴い[事]た。

そして彼は大いに笑った後、昼食は[文]どこで摂ろうかと考えながら、もと[章]来た道を歩いていった。

・・・・・・

足吊川 第三話「善行」了

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