◇寂寞◇

iamk 日本恐怖故事 2024-01-23 06:00:01 321 0

在从宿舍到大学的路上,我发现了一只被蜘蛛网困住的大蝴蝶。

当蝴蝶挣扎着从线中逃脱时,它那彩[文]色玻璃般闪闪发光的翅膀反射着阳光[章],让这片区域充满了五颜六色的光芒[来]

出于某种原因,我救了这只蝴蝶,即[自]使它通常会经过。这只蝴蝶不是普通[i]的蝴蝶。实际上,如果发现一个新物[a]种,那将是一件大惊小怪的事情。这[m]就是所谓的鬼。

当蝴蝶从我手中飞走时,它振翅的美妙声音,犹如树铃一般,在我的身边响起,令人心旷神怡。你感谢我的帮助吗?

现在巢主不在了,等他回到家发现我的所作所为,一定会很生气的。如果我堕入地狱,天上就不会有蜘蛛网垂下来。

我从小就可以这样看鬼怪和妖怪。自从我知道除了我以外没有人能看到它,我就一直对自己保密。我敢肯定,如果你与人交谈,他们会认为你疯了。我不喜欢那样...

如何解释我能看到看不见的东西?就[k]这样在去大学的路上,各种稀奇古怪[.]的事情来来去去,仿佛是理所当然的[c]事情。有些人,不仅来来去去,还留[n]下来。

例如,当我在车站月台等车时,总能[恐]看到长椅周围长着奇异的长而苍白的[怖]手臂。办公室女郎一坐下,双臂就开[鬼]始在她身上抚摸,好像在说:“我一[故]直在等你。”为了你看不见的好东西[事],你想做的一切。多么可怕的事情…[文]

就这样,我每天都被迫看到极其不愉快的景象。

想起来,去年在别的地方看到过这么扁的胳膊。

高中的最后一个暑假。一个朋友想和[章]大家一起留下回忆,所以他决定和一[来]群好朋友出去玩。这是我特意去参观[自]的某个游乐园。

我不喜欢这些度假村。这是因为人们[i]聚集的地方往往会吸引怪物。已经热[a]得无法忍受了,但在我看来,呼吸困[m]难的程度要高出一倍有余。您所要做[k]的就是在墓地举行运动会。

我之所以千里迢迢来到这个地方,是因为这个设施里有一个巨大的鬼屋。一个朋友建议我去那里。不过,对于一向只看真品的我来说,居然特地去看假货,未免有些可笑。如果不是相识,我是绝对不会去的。

果然,那些用各种手段威胁他的贱招,细节之多,连小猫的萌猫拳都比不上。只是对我来说便宜而已,并不是说这间鬼屋便宜。不错。

我们走了多远?当漫长的鬼屋终于接[.]近尾声时,每个人都尖叫着“Kya[c]a!”

“Kyaa”

我拼命尖叫。在这种时候,我尽量保持一致。我从长期的经验中知道,一个人冷,那个地方就冷,所以这是我自己的顾虑。我认为这是非常真实的。

就在这时,地上突然窜出几条苍白修长的手臂,开始在少女们惊恐的大腿和臀部上摸索起来。

我立马站起来,向后退去。

变态庸俗的助平妖怪,趁着看不见的时候为所欲为。卑鄙武器的卑鄙行为使我在这个设施中感到最震惊。

我做到了。

我们在舒适的火车摇摆中到达了目的[n]地车站。当我离开车站,在去大学的[恐]路上时,我听到一群女孩走在我前面[怖]的谈话声。

“我姑姑很通灵,有人找我看她。”[鬼]我觉得“某某”是小数。最重要的是[故],我在电视上看到了被称为通灵者的[事]人,但我在现实生活中从未见过他们[文]。到头来,都是自吹自擂,全凭口说[章]

“姑姑告诉我,我有祖宗的守护神,[来]一直在背后保护我不被邪灵附身,不[自]知道是不是效果,我看得出来虚弱的[i]灵魂。”

她这么说,但背后什么也没有。它是全新的。对于那些自称通灵的人你究竟看到了什么?

大学正门前穿着浴衣的猴子和穿着锦杯的青蛙正在聊天,她却从他们身边擦肩而过。

我好像什么都看不到。

以前电视节目中经常出现自封的通灵者,但一般都是江湖骗子。

到了吃晚饭的时间,我下楼发现妈妈[a]正在看特别的通灵节目。我妈根本不[m]相信这种事,所以我担心是不是变心[k]了。

“嗯?我平时看的综艺是棒球,所以[.]没做什么其他有趣的事。我在做动漫[c],不过梨优已经是初中生了,所以她[n]不看那个,对吗?

没有改变主意。

这个节目是关于一个自称通灵的人调查一所当时发生谋杀案的房子。

“那边有个被害女人的鬼魂。”

“鬼魂怨气太重,招来恶灵。”

“这里我必须尽快驱除它……”

在任何一种意义上,这位自称为通灵[恐]者的人都在空荡荡的房子里捣乱,无[怖]所不谈。

最后,他终于在最后念了一句不太明[鬼]白的念佛,一脸满足的说道:“我被[故]驱魔了。”在空无一物的地方念念佛[事]似乎毫无意义。这就像在没有蜜蜂的[文]蜂巢上喷洒杀虫剂。

通灵专项计划另有计划。

这是一道简单的二选题,召集了将近三十位自称通灵的人。

工作室准备了两个娃娃A和B。其中[章]一个被一个生前珍爱这个人偶的男孩[来]的灵魂附身,聚集在一起的自称通灵[自]者能够猜出它是哪一个。总之,让他[i]们挑剔的眼光,检验一下是真是假。[a]

版主说:“打开答案!”他们就分裂[m]了。

“感觉A的人偶有种阴森森的感觉”[k]

“不对,A什么都没有,B身上散发[.]出来的诡异气息,你看不出来,有没[c]有?” ?”

“B是一个普通的娃娃。成了。

“正确答案是B!”回答正确的自称通灵者脸上带着假笑说:“看着我。”

顺便说一句,B的人偶并没有附身男孩的精神。两个都是普通娃娃。

遗憾的是,这里好像没有真品。

当我去馆内的休息区时,座位周围有[n]陌生人在吵闹。他们拍着手,对有趣[恐]的事情放声大笑。就这样,期待已久[怖]的休息时间就这么泡汤了。

“你带来的海星还不错,我和那个男[鬼]人笑得停不下来。”

“那个女人值得,眼睛是我用墨画的[故]女人”

“那个女人,我想给你看看她当时的[事]表情。”

“现在,接下来我该怎么办?我的意[文]思是,那颗海星是这些人的杰作吗?[章]

“看”自然就是“听”。笑声、嚎叫声、嚎叫声、尖叫声无情地侵入你的耳朵。

有一天,当一只蚂蚁走过时,它会像蒸汽机车经过一样响起。。多亏了那个,我完全没有听懂讲座的内容。

和那个时候一样,夜香也在休息空间的角落里闹腾。

修学旅行的晚上,说到熄灯后的事情[来],是大家偷偷谈恋爱的标准。和往常[自]一样,我们的房间现在正悄悄地为这[i]样的故事而兴奋。

不知谈恋爱有什么好玩的。嗯,在一[a]个名人仅仅因为与某人单独相处就会[m]被丑闻的世界里,初中生对爱情故事[k]感到兴奋是很自然的。

快到我以为资料已经穷尽,故事即将[.]结束的时候。

“嘿,要不我们来个鬼故事比赛吧?[c]让我们来决定谁的故事最恐怖。”这[n]是我第一次修学旅行,所以我不知道[恐]该做什么。

“呃,别这么说了。她说她要过来…[怖]…”

她就是这么说的,害羞地站在我旁边[鬼]

没错。我不知道为什么,但当我说出那样的话时,他们就来了。我不知道它是从哪里来的,但它会穿过墙壁、窗户、地板和天花板。

最后,当第一个提出来的她开始讲鬼故事的时候,所有的妖怪都聚集在我们的房间里,一个个都因为鬼故事而兴奋起来。

说完一个故事,站在窗边的妖怪就问旁边的妖怪:“刚才的故事怎么样?”妖怪们被问及“我的故事很有趣”的回答,妖怪之间恶作剧的吹牛大战就这样开始了。终于吵起来了

我真想闭上耳朵,右耳听鬼故事,左耳恶作剧,但我做不到,只好强忍着僵硬的肩膀。

“我的故事真的很危险,是关于我哥[故]哥在学校和他的学长们一起去通灵的[事]……”

“我的故事也很有趣,这是一个故事大约一个月前,我在引道前与酒类商店的老板约好了……”

“我的故事更可怕。……”

“什么是打破一瓶清酒的意义?我什[文]至与这无关。那天晚上我在街上和一[章]个女孩聊天......“

“那个故事超级恐怖。想起来了,前[来]几天电视里放了一张鬼照,不过是酒[自]会上的消遣罢了。”但是,我没有同[i]时听多人讲话的特殊能力,所以我快[a]达到极限了。

“Riyu-chan,你知道什么[m]可怕的故事吗?”

终于到了和我说话的时候了。

“笑话你也行!既然如此,我就把这[k]里的人都吓着!”

“……那是什么声音?”

“这才刚刚开始!”什么??

“那个呢?我比你强。”

——Paline!

“日光灯坏了!骗人的,这里真的有[.]事!”

“老师!你是鬼!!”荒唐的规矩立定了那个鬼旅行目的地的客栈和酒店禁止报道。

第一次修学旅行以失望告终。

当我在休息空间埋头看书时,小伙伴[c]们过来了,我们和女生亲切交谈。

“昨天的剧你看了吗?太精彩了,下[n]周我真的很好奇。”

“我看到了。p>

”我在看当时很惊喜,里面有我最喜欢的喜剧演员。”

“你没看吗?

“我……”

当时昨天的时候,我正试图摆脱粘在[恐]我房间窗户上的八眼蜥蜴。我不禁有[怖]些恼火,因为我肚子上那双圆溜溜的[鬼]眼睛一直盯着我看。当我把智能手机[故]的灯对准他的眼睛并击退他时,这出[事]戏已经结束了。

我昨天有事要办,所以我当时不在。[文]对不起。到达。

“嗯,我录下来了,下次给大家看,[章]哦,想起来了,明天见……”

我曾经有一个好朋友。即使是现在,[来]我也有一个朋友可以和他谈论这种琐[自]碎的事情。但这是什么感觉?这种压[i]在心里的沉重、痛苦、神秘的感觉是[a]什么?麻烦。

我记得这种感觉。当我年轻的时候,[m]即使我并不孤单,我也会有这种孤独[k]的感觉。我以为我已经痊愈了,但它[.]似乎又回来了。

最近心情不好。

虽然我本来就不是那种会笑的类型,但我觉得最近我一直都没有笑到极致。毕竟不知道是不是有各种不可理喻的东西独自承载着这个秘密。祖母去世后,我决定一个人也要坚强地活下去,但这可能是我的极限。

那天我离开大学的时候,云层是火红的,远处的天空是橙色的。今天想起一件不寻常的事,心里就觉得怪怪的孤独。忧郁的傍晚天空在上面鞭策着我,使我更加凄凉。

这种时候,如果身边有一个可以毫不犹豫地倾诉陌生事物的朋友,是不是会让你心情好一点?

嘲笑被海星附身的黑前辈,阻止达摩和妖精的恶作剧,找到美丽的阿玛托拉说起我的记忆,偷东西。我抱怨鬼鬼祟祟的泥巴妖怪...

就一个人,就一个人,多希望身边有那样的闺蜜。如果这样的人出现在自己面前,那又是什么时候?也许我会孤独地死去,而这样的愿望得不到实现……

怀着郁闷的心情,在天色未蓝之前,我踏上了回家的路。


作者:一日一日一ヨ羊羽子
原文:◇孤独◇

下宿を出て大学へ向かう道中、蜘蛛の巣に捕らわれた大きな蝶を見つけた。

蝶が糸から逃れようと暴れるとステ[c]ンドグラスのような煌びやかな羽が[n]陽の光を跳ね返し、色とりどりの光[恐]彩を辺りに鏤めた。

普段なら素通りするのに、なぜだか[怖]私はその蝶を助けてやった。因みに[鬼]この蝶は普通の蝶ではない。現実に[故]いれば新種発見の大騒ぎだろう。こ[事]れは所謂、妖である。

蝶が私の手元から飛び去るとき、ツ[文]リーチャイムのような美しい羽音が[章]辺りに心地良く響いた。助けてくれ[来]た私への感謝の気持ちだろうか。

巣の主は今留守だけど、帰宅して私[自]の所業を知ったらさぞご立腹になる[i]であろう。私が地獄に落ちたら天か[a]ら蜘蛛の糸は垂れてこないだろうな[m]

私は幼い頃からこんな風に幽霊や妖[k]怪が見えてしまう。それが私以外に[.]は見えていないと知ってから、この[c]事は自分だけの秘密にしている。き[n]っと人に話せば頭のおかしい奴だと[恐]思われてしまう。それが嫌だったか[怖]ら…。

私のように「見えないモノが見える[鬼]」というのはどう説明すれば理解し[故]てもらえるのだろうか。こうして大[事]学へ向かう道すがら、さも当然のよ[文]うに奇々怪々、魑魅魍魎、有象無象[章]、様々な怪異が行き交っている。行[来]き交うだけではなく留まってる奴も[自]居る。

例えば駅のホームで電車を待ってい[i]ると、ベンチの周りから何本も生え[a]る異様に長く蒼白い腕がいつも目に[m]入る。そこにOLさんがちょこんと[k]座ると「待ってました」と言わんば[.]かりに腕達が彼女の体を弄り始める[c]。見えていないのを良い事にやりた[n]い放題だ。なんと悍しいものか…。[恐]

このように私は不愉快極まりない光[怖]景を毎日見させられている。

そういえば去年、あんな助平な腕を[鬼]別の場所で見た事がある。

高校最後の夏休み。友人がどうして[故]もみんなと想い出を作りたいと、仲[事]良しグループ数人で遊びに行くこと[文]になった。わざわざ遠出してやって[章]来たのは某アミューズメントパーク[来]だ。

私はこういった行楽地が苦手である[自]。なぜなら人が集まる場所には往々[i]にして怪異も集まるからだ。ただで[a]さえ暑苦しくて堪らないのに見える[m]私からすれば倍以上に息苦しい。お[k]前達は墓場で運動会でもしてればい[.]いのだ。

遠出してこんな所まで来た理由はこ[c]の施設にある超大型お化け屋敷に行[n]ってみたいと、友人から提案があっ[恐]たからだ。しかしながら四六時中本[怖]物を見ている私がわざわざ偽物を見[鬼]にいくのは些か滑稽である。付き合[故]いでなければ決して訪れることはな[事]かっただろう。

案の定、様々な手法で脅かしに掛か[文]るチープな仕掛けの数々は、子猫の[章]愛らしい猫パンチにも及ばない程に[来]細やかなものだった。あくまで私に[自]とってはチープなだけであって、決[i]してこのお化け屋敷がチープと言っ[a]ているわけではない。悪しからず。[m]

どれくらい進んだのだろうか。長か[k]ったお化け屋敷もいよいよ終盤に差[.]し迫った頃、これでもかと大袈裟な[c]仕掛けが襲い掛かってくると、「キ[n]ャー!」と皆が悲鳴を上げてその場[恐]にしゃがみ込んでしまった。

「きゃー」

私も精一杯の悲鳴を上げてみた。こ[怖]ういうときはなるべく同調するよう[鬼]に心掛けている。一人だけ冷めてる[故]と場がしらけるのは昔からの経験で[事]理解しているので、これは私なりの[文]気遣いである。なかなか迫真だった[章]と思う。

そのとき、突然床から細長く蒼白い[来]腕が何本も生えてきて、それらが恐[自]怖で怯える彼女達の太腿やお尻を厭[i]らしく弄り始めたのだ。

私はすぐに立ち上がってその場から[a]後退った。

変態下劣な助平妖怪は見えていない[m]のをいいことに好き放題である。私[k]は下劣な腕の下劣な行為にこの施設[.]で一番戦慄していた。

ていうか引いた。

ガタゴトと電車の心地の良い揺れに[c]身を任せていると目的の駅に到着し[n]た。駅から出て大学へ向かっている[恐]と、ちょうど前を歩く女子グループ[怖]の会話が聞こえてきた。

「私の叔母さんってめちゃめちゃ霊[鬼]感強いの。結構霊視してほしいって[故]尋ねてくる人がいるんだって」

皆さんの身近にも「霊感がある人」[事]というのは少数であれいると思う。[文]なかでも霊能者なんて呼ばれる人間[章]をテレビなどで見たりするけど、私[来]は未だかつて本物に会ったことがな[自]い。結局はみんな自称で、口から出[i]任せだ。

「叔母さんが言うには、私には先祖[a]の守護霊がいるんだって。いつも私[m]の後ろで悪いのが憑かないように守[k]ってくれてるの。その影響か分かん[.]ないけど、私って弱い霊とかだった[c]ら見えるんだよね」

彼女はそう言ってるが、彼女の背中[n]には何も居ない。まっさらである。[恐]霊感があると自称している人達には[怖]一体何が見えているのだろうか。

ちょうど大学の正門前でぺちゃくち[鬼]ゃ喋っている浴衣を着た猿と甚平を[故]着た蛙の妖が居るのだけど、彼女は[事]それを素通りしてしまった。

やはり何も見えていないらしい。

昔はよく自称霊能者がテレビ番組に[文]出ていたけど、総じて皆ペテン師で[章]あった。

夕食の時間になって一階に降りると[来]、母が珍しく心霊特番を見ていた。[自]母はこういう類を全く信じていない[i]ので、何か心境の変化があったのだ[a]ろうかと不安になる。

「ん?いつも見てるバラエティが野[m]球でお休みで他に面白いのやってな[k]いのよ。アニメやってるけど莉柚([.]りゆ)ももう中学生だからそんなの[c]見ないでしょ?」

なんの心境の変化もなかった。

番組は自称霊能者が当時殺人事件が[n]あった一軒家を霊視するといった内[恐]容だったのだが、まあ、なんと言っ[怖]たらいいのやら。

「あそこに殺された女性の霊がいま[鬼]す」

「霊の怨みが強くてよろしくないも[故]のを呼び寄せています」

「ここはすぐにでもお祓いをしない[事]と…」

どちらの意味でも無人の一軒家で自称霊能者は、有る事無い事好き放題喋り散らかしていた。

◇寂寞◇ 日本恐怖故事

挙句、最後はよく分からない念仏を[文]唱えて「祓えました」と満足気な表[章]情をしていた。何もないところに念[来]仏を唱えたところで意味はないと思[自]われる。蜂のいない巣に殺虫剤を撒[i]くようなものだろう。

その心霊特番ではもう一つ企画があ[a]った。

総勢三十名近くの自称霊能者を集め[m]て行われたのは簡単な二択問題であ[k]った。

スタジオに用意されたAとBの二体[.]の人形。内一体には生前、この人形[c]を大事にしていた男の子の霊が憑い[n]ていて、集められた自称霊能者はそ[恐]れがどちらかを当てるといった内容[怖]だった。要するに目利きをさせて彼[鬼]らが本物か偽物かを試すわけである[故]

「解答をオープン!」と司会者が言[事]うと彼らの意見は二分した。

「Aの人形には禍々しいものを感じ[文]ます」

「いや、Aには何も憑いてないよ。[章]Bから出てる異様なオーラをあなた[来]分かんないの?」

「Bは普通の人形ね。Aの人形はす[自]ぐにでもお焚き上げしないと大変よ[i]

やいのやいのと行き交う討論の末、[a]結果発表の時間になった。

「正解はBでしたあ!」

司会者が声高らかに叫ぶと、不正解[m]だった自称霊能者は「いやいや」と[k]食い下がった。そして正解した自称[.]霊能者は「ほれ見ろ」としたり顔で[c]あった。

因みにBの人形に男の子の霊は憑い[n]ていない。どちらも普通の人形であ[恐]る。

残念ながらこの中に本物はいないよ[怖]うだ。

構内の休憩スペースに行くと席を囲[鬼]んで馬鹿騒ぎする奇々怪々な連中が[故]居た。何が面白いのか手を叩いて大[事]笑いしている。これではせっかくの[文]休憩時間が台無しである。

「お前さんの持ってきた海星は上手[章]くいった。あの男ときたら笑いが止[来]まらん」

「それとあの女は遣り甲斐が有った[自]。目に墨を塗ってやったあの女さ」[i]

「あの女か。あの時の表情ときたら[a]、お前さんにも見せてやりたかった[m]よ」

「さて、お次はどうしてやろうか。[k]誑かす道具は幾つも有るぞ」

どうやら悪戯の謀議をしているらし[.]い。ていうかあの海星はこいつらの[c]仕業だったのか。

「見える」ということは当然「聞こ[n]える」わけだ。笑い声、喚き声、鳴[恐]き声、金切り声が容赦なく耳へ侵入[怖]してくる。

先日も蟻が歩けば蒸気機関車が通り[鬼]過ぎるかの如く轟音が響くであろう[故]、しんと静まり返った講義の最中、[事]私の席の後ろでゲラゲラと大騒ぎす[文]るヤカラが居た。おかげで、講義の[章]内容は一切頭に入らなかった。

あの時と同じように、ヤカラは休憩[来]スペースの隅でげらげらと馬鹿騒ぎ[自]していた。

修学旅行の夜、消灯後に行われる事[i]と言えば皆でひそひそと恋話をする[a]のが定番であろうか。例に漏れず私[m]達の部屋ではたった今、そんな話で[k]静かに盛り上がっている。

人の恋路のあれこれを話して何が楽[.]しいのだろう。まあ、芸能人が誰か[c]と二人きりでいるだけでスキャンダ[n]ルになる世の中なのだから、中学生[恐]が恋話で盛り上がるのは至極当然の[怖]事なのか。

そろそろ情報が出尽くして話が終わ[鬼]ろうかと思ったときだった。

「ねえ、怪談大会しない?誰の話が[故]一番怖いかみんなで決めようよ」

こちらも修学旅行の夜としては定番[事]なのだろうか。なにせ初めての修学[文]旅行なので勝手が分からない。

「えっ、やめようよ。そういう話す[章]ると寄って来るって言うし…」

私の隣にいる怖がりの彼女がそう言[来]う。

確かにそうだ。なぜだか知らないけ[自]どそういう話をすると奴らがやって[i]来る。どこから聞きつけたのか、壁[a]から窓から床から天井から、ありと[m]あらゆるところをすり抜けてやって[k]来る。

結局言い出しっぺの彼女から怪談が[.]スタートすると、その内妖怪共が私[c]達の部屋に集まって、各々怪談を肴[n]に盛り上がっていた。

一つ話が終わると窓際に居た妖怪が[恐]「今の話はどうだった」と隣の妖怪[怖]に訊いた。訊かれた妖怪は「俺の話[鬼]のが面白いぞ」と答えると、それを[故]皮切りに妖怪同士の悪戯自慢大会が[事]始まってしまった。いよいよ以って[文]騒々しい。

私は右耳で怪談、左耳で悪戯自慢の[章]板挟み状態で正直耳を塞ぎたかった[来]けど、それもできずに肩が凝るよう[自]な状況をひたすら耐えていた。

「あたしの話マジでやばいよ。お兄[i]ちゃんが学校の先輩達と心霊スポッ[a]ト行ったときの話なんだけどね…」[m]

「俺の話も面白いぞ。一月程前に参[k]道前の酒屋の店主に仕掛けてやった[.]話なんだがな…」

「ウチの話の方が怖いよ。友達の友[c]達から聞いた話なんだけどさ…」

「酒瓶を割ったくらいで何だ。儂に[n]だってそれくらいは造作もないぞ。[恐]儂なんざ先刻の夜、道行く女子に…[怖]

「その話超怖いじゃん。そういえば[鬼]、こないだテレビでやってた心霊写[故]真って、おばあちゃんが住んでると[事]この近くでさ、あそこってね…」

「戯けが、人の子を誑かすのがやっ[文]との奴が何を謂うか。そんなもの酒[章]の席の余興程度にしかならん」

聖徳太子だったらこの程度屁でもな[来]いだろう。しかし私には複数人の話[自]を同時に聞く特技はないので、そろ[i]そろ限界である。

「莉柚ちゃん何か怖い話知ってる?[a]

いよいよ私に話が振られたそのとき[m]だった。

「貴様馬鹿にするのも大概にせえ![k]だったら此処に居るもん皆恐怖させ[.]てやる!」

———どんっ!

「…今の音なに?」

「隣の部屋で誰か暴れただけじゃな[c]い?」

「誰も怯えとらんぞ」

「今のは序の口だ!」

———ガタガタガタ

「…窓めっちゃ揺れてんだけど」

「えっ、何?マジでなんか寄って来[n]たの?」

「それがどうした。儂の方が凄いぞ[恐]

———パリーン!

「蛍光灯割れたよ!嘘でしょ、マジ[怖]でなんかいるよ!」

「先生!お化け!!」

それから私の中学校では修学旅行先[鬼]の旅館やホテルでの怪談が禁止とい[故]う滑稽な決まりができた。

初めての修学旅行は散々な結果で終[事]わってしまった。

休憩スペースで読書に耽っていると[文]友人達がやって来て、私達は和気藹[章]々と女子トークに花を咲かせていた[来]

「昨日のドラマ観た?展開すごすぎ[自]て来週めっちゃ気になるよねえ」

「みたみた。超気になる。あんたも[i]観た?」

「あたしはその時間ドッキリのやつ[a]観てた。好きな芸人さん出てたから[m]さあ」

「観てないのかよお。莉柚は?どっ[k]ち観た?」

「私は…」

昨日のその時間、私は部屋の窓に張[.]りついた八つ目の蜥蜴を追っ払おう[c]と試行錯誤していた。腹にある丸い[n]目がずっとこちらを睨むので、鬱陶[恐]しくて仕方がなかった。その目に向[怖]けてスマホのライトを浴びせて撃退[鬼]した頃には、そのドラマはすっかり[故]終わっていた。

「昨日は用事があって、その時間は[事]出掛けてたんだ。ごめん」

けれど正直に言っても仕方がないの[文]で、私はいつもこうして小さな嘘を[章]つく。

「そっかあ。じゃあ、録画してある[来]から今度観せたげるね。あっ、そう[自]いえば明日さあ…」

昔から仲の良い友人はいた。今だっ[i]てこうして他愛もない話ができる友[a]人がいる。なのにこの気持ちは一体[m]なんなのだろう。心の奥につっかえ[k]た重くて、苦しくて、得体のしれな[.]いこの感情はなんだろう。煩わしい[c]

この感情には覚えがある。幼い頃に[n]感じた、独りじゃないのに独りぼっ[恐]ちのこの気持ち。治まったと思った[怖]けど、どうやらぶり返したらしい。[鬼]

最近憂鬱だ。

元々笑う方ではなかったけど、この[故]ところ極端に笑ってない気がする。[事]やはり独りでこの秘密を背負うのは[文]色々と無理があるのだろうか。祖母[章]が亡くなってから独りでも強く生き[来]ようと決心したけど、それも限界な[自]のかもしれない。

その日、大学を出る頃には雲が燃え[i]るように赤く、空の向こうは橙色に[a]染まっていた。今日はらしくない事[m]を考えてなんだか妙に心が寂しい。[k]哀愁漂う夕空がそれに拍車をかけて[.]尚の事心細い。

こんなとき、怪異の事について気兼[c]ねなく話せる友人が隣にいたとした[n]ら、いくらか気が楽になるのだろう[恐]か。

海星に憑かれた真っ黒な先輩を見て[怖]笑ったり、達磨と小鬼の悪戯を未然[鬼]に防いでみたり、綺麗な雨虎を見つ[故]けて私の想い出を話したり、物を盗[事]むコソ泥妖怪の事を愚痴ってみたり[文]…。

たった一人だけ、一人だけでいいか[章]らそんな親友が側にいてくれたらと[来]思う。そんな人が私の前に現れると[自]したら、それはいつだろう。もしか[i]したらそんな願いも叶わぬまま、私[a]は独り寂しく死んでいくのだろうか[m]…。

鬱々とした気持ちを抱えたまま、空が藍色に染まる前に私は帰路についたのだった。

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