✿春世玲香✿

iamk 日本恐怖故事 2024-01-31 15:00:01 127 0

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"Oh~~!!

好风~~!!"

随着樱花盛开,里约在铺满淡粉色花[文]瓣地毯的人行道上嬉戏,踩着舢板,[章]张开双手,呼吸着春风。

“真的!很高兴你来了♬”翔子说。

“是的,是的。这是一次长途旅行,所以我不确定是否要开车,但我很高兴我来了!”Emi 笑着说。

“等一下!不是只有惠美在开车吧?[来]

我也是接手的吧?

p>

哦~不过感觉真的好棒啊!东京的樱花都已经落了,变成了枝繁叶茂的樱花,很高兴我来了。”吸气。

今天大学同学一行四人来高原兜风。

还没有拿到初级分数线的惠美和已经在高中拿到驾照的由美轮流开车把我带到了这里。

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Rio和Shoko没有驾照,无忧[自]无虑。在停车场喝茶休息兼做早餐后[i],吞噬了很多慵懒的时光人们直到我[a]到达。

所以不像Emi和Yumi长途驾驶很累,他们精神饱满。

里奥向前冲去,仿佛穿梭在赶来赏樱的游客之间,时间有点晚了。

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与此同时,里奥消失了。

“咦?里欧呢?”悠米环顾四周,寻找里欧。

“是真的,里奥不在吗?”

“咦~?这么多人,你怎么不在里约[m]迷路?”

惠美停下来,抓住由美的胳膊。

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“说真的……Rio 太不安分了!”坚持下去,继续前进[k]

“那个……里约……这里。”

> 翔子微笑着用手指轻轻一指。

在一排樱花树停下的地方,一家茶馆[.]开张了,期待着赏花的客人。

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在店门口的大伞下,里欧静静地坐在[c]一张铺着红色地毯的沙发上,由美等[n]人. 我找回脸,大手一挥。

“说花见就是饺子♬

我订位了~♬”

漫不经心的喝着茶。

“那你呢?”

由美轻轻地给了里欧一拳。

“咦!我被饺子的香味给吸引了!你[恐]们要吃什么?

我是饺子!”

>

“嗯嗯.我可以用蜂蜜做吗?”

翔子坐在里约旁边,看着菜单。

“什么?

我们连男朋友都没有,因为贪欲多于性感。

“我是章鱼烧!”

里约有三种饺子。

Shouko 是一种甜豆沙。

Emi 是 Kuzumochi。

由美是章鱼烧。

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我们每个人都点了不同的东西,所以[怖]我们分享了一口。

“啊~。要是我也有章鱼烧就好了。[鬼]

当翔子吃着满满的红糖浆的豆沙时,[故]由美的章鱼烧却一脸怨恨地侧目。

“我也给了翔子一个哈哈”

由美一边说着一边把滚烫的章鱼烧塞[事]进嘴里

“是啊,我想如果最后能有它作为复[文]习就好了。

再给我一个。”

翔子说完之前

“哦!!太疯狂了!!我又吃了一个[章]️”

Rio 把只有烤串的空盘子放在椅子上,然[来]后站了起来。

“喂,有6颗,要是再给里欧他们一[自]颗,我就没有了!”扔了进来。

我们每个人吃完点的东西,喝着茶,[i]看着樱花,看着川流不息的人群。里[a]奥把茶杯放在椅子上

“还没到中午呢,要不先逛一逛再吃[m]饭?”

“探索,你要去哪里探索?”悠米问[k]

“我不知道,所以不是探索!”

翔子和惠美盯着理央看了一眼后,两[.]人像是在问悠米,同时转移了视线。[c]

“嗯,这样不是挺好的吗?

光吃个中饭回家好无聊啊!

和翔子什么的关于惠美?”

“是啊。”

理央笑着对着悠美这么说。

(你不嫌弃这孩子聪明的一面,你可[n]以说是天真。)

Yumi是Rio的幸福脸。带着苦[恐]笑在他的脸上,仿佛他已经成为一名[怖]监护人。

既然来到了一个陌生的地方,四人决[鬼]定将车停在停车场,沿着乡间小路前[故]行。

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稻田四周,罂粟花和荷花盛开,静谧的春日阳光轻轻洒落。

里欧一直在微笑,拉着悠米的手,哼了一声。

对于每天要兼顾学业、打工、弟弟妹妹,又没有妈妈的由美来说,这个假期堪称久违的第一个假期.

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在安静的乡间小路上走了一段路,突[事]然走到了死胡同。

虽然是死胡同,但路还在继续

有牌子上写着【非当事人不得入内】[文]它挂在一个老式的木栅栏上,你不能[章]再往前走了。

“啊……抱歉,这是一条死胡同……[来]

翔子喃喃道。

“嗯。这不是私有财产吗?我们回去吃过午饭再回家吧?”

也许原本是室内妹子的惠美看累了,脚趾在地上蹭来蹭去问大家脸色。

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但是力拓没有放弃。

“你已经走到这一步了吧?

世界上没有这样的栅栏♬”

当我这么说的时候,我松开悠米的手[自],想解开缠在栅栏上的铁丝,可是旧[i]铁丝有些地方生锈了,我没法轻易解[a]开。

那时,围栏和围栏所附的树之间只长[m]着草。

「诶嘿♬」

里欧一脸得意地向栅栏对面的悠米她[k]们招手。

“他们要是找到你不是很糟糕吗?”[.]翔子对着另一边的里欧喊道,但是

“嗯。p>

他们要是没发现就好♬」

说着,我掉头往前走,把悠米她们丢[c]在了后面。

悠米虽然愣住了,但从某种意义上说[n],她也能理解理央的行为模式

(我相信她会的)。里欧的举动没有[恐]让人失望,他下定了决心。

“里欧?”说完,他又转过身来,微[怖]笑着冲悠米点了点头。

“我跟里约走得更远了,你打算怎么[鬼]办?你在这休息吗?”,翔子说

我会和 Yuumi 一起去的。”

Emi 也是

“如果其他人都去,我会去,但是......我有点累。”

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然后,他们一个接一个地溜过围栏到[故]了另一边。

里欧正等着大家沿着路往前走一点,看到悠米就跑了过来,拉住悠米的手,两人就手拉手的走了。

这条路一开始是2米左右的宽度,后来变成1米左右,然后就变成了像兽道一样,到处都是草。

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Rio? > 沿着兽道前行了一会儿,悠米催促Rio回头。

但是里约是

“是的,再多一点!

也许我们会找到一些很棒的宝藏♬”[事]

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不要停止前进。

“什么宝物?”

翔子虽然累了,但还是和惠美一起走[文]到了队伍的最后。

“嗯……我的直觉是,未来一定有什[章]么东西!”我还在努力的往前走。

“里奥!你不是答应过我的吗?

我饿了,我们回去吧!”

由美语气强硬的骂了理央,理欧低着头抬头看着由美。 /p>

说完就甩开悠米的手,小跑着顺着兽道跑了下去。

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惠美叹了口气,环顾四周。

“是啊。连坐的地方都没有。”

翔子和惠美苦笑了一下。

“这样啊……你们先回去吧?”

我……我担心里欧,我会带他回来的! /p>

>

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<告诉翔子和惠美后,由美跟在理央身后。

~希望不要出事...~

春天也是野生动物繁殖的季节。

如果遇到一只从冬眠中苏醒的熊……[来]怎么办?

万一被大野猪撞了怎么办?

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平时照顾弟妹的由美,离不开最小的[自]莉欧。

一边冲过狭窄的兽道

“由美~!等等~”

“不要离开我~”

>

结果翔子和惠美都跟了过来。

“Rio!”

Yumi提高了声音,但Rio没有[i]回答。

Yumi终于着急了

“抱歉!待会儿跟我来!

我是来找Rio的!”

>< p> 走在动作缓慢的翔子等人的前面。

然后...

穿过兽道发现了一个熟悉的背影

“里约!!

< p>已经...你在做什么..."

当我如释重负的时候,我流下了如释[a]重负的泪水。

里欧转过身,转身面对悠米……

他的脸上露出灿烂的笑容……

“由美!

是啊!!”说完,他一脸开心的不得了,回到了由美的身边,抓住她的胳膊就拉了起来。

Yumi 像被 Rio 拖着一样被迫走路。

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“嘿!看看我?

是不是很神奇?”

从兽道突然开阔的地方……

就像绘本里的一页,广阔的平原上开满了春暖花开。

在草原中央,有一棵似乎有数百年树龄的紫藤大树,正开着淡紫色的花朵,十分美丽。

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“好厉害……”

Yumi被这绝妙的景色惊呆了。

Rio 兴高采烈

“你想在那些紫藤花下拍照吗?”

,拉着悠米的胳膊。

翔子和惠美也到了那里,被美丽的景[m]色迷住了。

“好漂亮的紫藤花啊!

不过……花开还早了一点吧?”

p>

惠美嘀咕道。

“很漂亮不是吗?♬

更重要的是,我们去那边拍照吧!快[k]点!”

Rio抓住了Yuumi的胳膊我一边拉着翔子和惠美一边催促。

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浅朱红罂粟花。

蓟的紫色。

Kotemari 的小白色。

水仙花明亮的白色和黄色。

蒲公英的黄色。

黄芪呈浅暗红色。

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五颜六色的春花,没有张扬的张扬,而是轻轻地为绿色的大地添上了色彩。

在它的中央,一棵大树,树干粗壮,枝条向旁边伸展开来,树枝上开着大片的下垂花朵。

“那是亮点……”

随着树越来越近,我注意到树的粗细[.],树枝的张力,还有花的数量。事实[c]上,就连悠米也很紧张。

力拓总是面带微笑。

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沐浴在春暖花开的阳光下。

他们四个

(真高兴我来了♬)

...

我是这么想的。

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但是……

当由美走近紫藤树时,她有一种奇怪的感觉。

还未热的春风里,有一种我曾闻过的香味。

我闻到了什么...

花香与花香完全不同,是一种锁在记忆深处的味道。

离紫藤树越近,它越强壮。

就连我看着理央,看着跟在我身后的[n]翔子和惠美的时候,我的脸也是满满[恐]的。笑了笑,似乎没什么感觉。

(是我的幻觉吗?)

我觉得只有悠米一个人闻到了这种味道,所以我认为这只是我的幻觉。

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当你走过一大片草地,靠近一棵树时[怖],惠美用手捂住鼻子。

翔子用双手捂住脸。

唯有里奥兴致勃勃。

(好笑....毕竟大家都闻到了![鬼]

由美前往惠美和翔子

"它很臭,对吗?”

当被问到

“是的......它闻起来像什么[故]?”

“我想吐...... "

由美、惠美和翔子受不了了,抬头看着紫藤树。

“咦?你们这是怎么了?”

太厉害了!

樱花开得这么美连眼睛都没有。

然后,当我轻快地走到一棵枝头垂下许多花朵的树下时,我开始爬树。

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“嘿!Rio!

不要爬!”

“力拓!把你的脚抬起来。

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悠米、惠美和翔子匆匆忙忙地冲到里[事]央正在爬的树下。

虽然粗壮,但树本身并没有那么高。[文]

里欧在一根粗大的树枝上坐下,抬头[章]看着花朵,然后慢慢将目光转向悠米[来]、翔子和惠美,露出灿烂的笑容,用[自]一只手说着[bye-bye]。挥[i]了挥手,他抓住了悬垂的藤蔓,将其[a]套在了自己的脖子上。

“里奥!我用力跳了下去。

就在我以为藤蔓要伸长的时候,砰的一声…… 里奥的脖子断了。

一眨眼的功夫。

所有人都站在那里,无法理解发生了[m]什么,无助。

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在他们目瞪口呆的情况下,悠米最先[k]动了。

“里欧……?为什么……?”

我走到里欧身边的时候,试图将缠绕[.]在他脖子上、从上方垂下来的藤蔓摘[c]下来。

但是,里奥身体的重量,以及比他想象中还要坚固的藤蔓,都不会轻易脱落,更不会被撕裂。

然后,在里欧的身体深处,他看到了某种不是花的东西。

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那是……

花丛中藏着许多花。

是脖子。

没有身体。

只有人的脖子,动物的脖子……像鲜花一样绽放。

然后,几个脑袋齐齐看向悠米,眯起[n]眼睛,笑了。

“嗨……!!!”

由美发出局促的声音,想起了这是什么味道。。

我生病的母亲散发出的气味......

Yumi在寻找失踪的母亲时,发现了她死去的祖父母的尸体,她闻到了……

依然是炎热的季节...

一座古老的日本木屋。

在昏暗的日式房间百叶窗紧闭的门楣上,挂在门楣上的妈妈身上飘来一股香味……

我想抹去悲伤的回忆。

我想忘记……我心爱的母亲腐烂肉体的气味。

那棵树的味道和妈妈当时的味道一样[恐]

ーーーー

扑通

ーー

突然有什么东西掉落的声音把我拉回[怖]了原处感悟 由美一抬头,就看到翔子吊在树枝上[鬼],双手在一根藤蔓上挣扎。

“翔子!”

当我把头转向声音的方向时,惠美泪流满面,苦笑一声,将藤蔓缠在脖子上跳了起来就像力拓一样离开分支机构。

一条细长的藤蔓挂在惠美纤细的脖子[故]上,惠美在空中扑腾着,之前还没有[事]着地的双腿……

它不动了。

紫藤树上,理央……翔子……惠美…[文]

三人的身体仿佛被紫红色的花朵包围[章]一般垂下了身子,由美一言不发地坐[来]在那里。我会把它收起来。

“为什么...

为什么...

为什么...”

Yumi 会哭我忘记了,抬头看着我刚才玩得[自]开心的朋友们。

“我要打电话求救……”

夕阳西下,悠米回过神来,从原地站[i]了起来坐着..

然后,里欧悬空的身体

—————————— p>

轰然倒下。

“!?”

一看,地上只有里欧的无头尸体。

ーーーー

ーー

ーー

p>

ーーーー

然后声音……

翔子的……

惠美的……

一具无头的尸体倒在地上。

由美慢慢抬头看那里可能有什么。

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Rio...

Shoko...

Emi.. .

三个人的脸浮在花丛中,静静睁开眼[a]

然后,他眯起眼睛,大大地笑了笑。[m]

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就连那些陌生的面孔,也只是盯着悠[k]米微笑。

看到这一幕,悠米满心欢喜。

心里很平静,很开心,很开心。

然后...

Yumi和Rio一样,抓着树干爬[.]上了树...

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~~~~~

树终年开花。

……

…………

无数花颈。


作者:鏡水花
原文:✿春陽麗和✿

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「あぁ~ー ~っ!!

気持ち良い風ぇ~~!!」

リオは、桜も満開を過ぎ、花弁が薄[c]桃色のカーペットを敷き詰めた様な[n]歩道をはしゃぎ、スキップを踏み、[恐]両手を広げて大きく春風を吸い込む[怖]

「本当!来て良かったね♬」ショウ[鬼]コが言う。

「うんうん。ちょっと遠出だったから、運転に自信がなかったけど、来て良かった!」エミが笑う。

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「ちょっとちょっと!運転はエミだ[故]けじゃないでしょww

私も交代したじゃないww

あ~!でも、本当に気持ち良いねぇ[事]!もう東京の桜はすっかり散っちゃ[文]って葉桜になっちゃったもんね。来[章]て良かったよ♬」

ユウミもリオと同じく、両手を広げて大きく息を吸い込む。

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今日は大学の仲良し4人組で、高原[来]にドライブに来ていた。

未だ初心者マークの取れていないエミと、高校の時に既に免許を取得しているユウミと2人交代で運転をし、連れて来てくれたのだ。

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リオとショウコは免許もなくお気楽[自]なもので、朝早くに待ち合わせ場所[i]に集合すると、車の後部シートにさ[a]っさと乗り込み、お菓子を食べたり[m]お茶を飲んだり、パーキングで朝食[k]を兼ねた休憩をしてから到着するま[.]で、ガッツリ惰民を貪っていた。

だから長距離運転で疲れているエミ[c]とユウミと違い、元気満々。

少し遅れた花見に駆け付けた観光客の合間を縫う様に、リオはとっとと先に進んでしまう。

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そのうち、リオの姿が見えなくなっ[n]てしまった。

「あれっ?リオは?」ユウミはキョ[恐]ロキョロしがらリオの姿を探す。

「本当だわ。リオが居ない?」ショ[怖]ウコがおっとりと言う。

「え~?こんなに人が居るのに、リ[鬼]オってば迷子?」

エミが立ち止り、ユウミの腕を掴む。

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「まったく…。リオってば、落ち着[故]きないんだから!」

ユウミはエミに腕を掴まれたまま、[事]人混みをかき分けてズンズン進んで[文]行く。

「アレ…。リオ…いた。」

ショウコが笑いながらそっと指を指[章]した先。

桜並木が途絶えたその場所に、花見の客を見込んでの茶店が開いていた。

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その店先の大きな蛇の目傘の下の紅[来]い敷物を敷いた長椅子の上に、ちょ[自]こんとリオが座り、ユウミ達の顔を[i]見付けて大きく片手を振る。

「花見って言ったらお団子でしょ♬[a]

席取っておいたよぅ~♬」

呑気にお茶を啜る。

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「あんたって子は!」

ユウミはリオに軽くゲンコツを下ろ[m]す。

「えへっ!だって、お団子の匂いに[k]惹き付けられちゃったんだもん!皆[.]、なに食べる?

わたしはお団子っ!!」

「う~ん。私は餡蜜にしようかな?[c]

ショウコはリオの隣に並び座り、お品書きを眺めている。

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「何々?何があるの?」

エミもショウコの横に腰掛け、ショ[n]ウコの持つお品書きを眺める。

「色気より食い気だから、私達には[恐]彼氏もいないんだよねww花より団[怖]子なんだもんww」

ユウミもエミの横に座り

「私はタコ焼きー!!」と店内と外を隔てる立て簾に貼り付けた【タコ焼き】の文字をチラ見して、速攻決めた。

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リオはお団子三種。

ショウコは餡蜜。

エミは葛餅。

ユウミはタコ焼き。

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それぞれが違う物を注文したので、[鬼]一口ずつ分け合って食べた。

「あ~。私もタコ焼きにすれば良か[故]ったぁ」

ショウコが黒蜜をたっぷりかけた餡蜜を食べながら、ユウミのタコ焼きを恨めしそうに横目で見る。

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「ショウコにも一個あげたじゃんw[事]w」

ユウミが熱々のタコ焼きを頬張りな[文]がら言うと

「うん。お口直しに最後に貰えば良[章]かったなぁって思ったの。

もう一個ちょーだい️」

ショウコが言い終わる前に

「あーっ!!ズルーい!!私ももう一個食べたぁ~い️」

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リオは空っぽになって串だけ残った[来]お皿を椅子に置くと、すっくと立ち[自]上がる。

「やーよ。6個入りなのに、リオ達[i]にもう一個あげたら私の分が無くな[a]る!」

そう言うと、最後の一個を急いで口に放り込んだ。

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それぞれが注文した物を食べ終わり[m]、お茶を啜り、桜の花を眺め、いつ[k]までも絶え間無く湧く様な人混みを[.]眺め、暫くボーッとしていたが、又[c]してもリオが湯呑みを椅子に置くと[n]

「未だお昼前だし、ご飯食べるまで[恐]探検しない?」と。

「探検って何処を探検するのよ?」[怖]ユウミが聞くと

「分からないから探検なんじゃない[鬼]!」

ショウコとエミは、リオを見詰めた後、2人で同時にユウミに伺う様に視線をズラす。

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「ま、良いんじゃない?

このままお昼ご飯食べて帰るだけじ[故]ゃつまらないもんね!

ショウコとエミは?」

「うん。わたしはどっちでも。」

「私は皆に付いて行く。」

「じゃ、決まり!」

リオは嬉しそうに言うと、ユウミに向かってニカっと笑う。

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(この子のこんな無邪気と言うか明[事]るい所、嫌いじゃないんだよね。)[文]

ユウミはリオの嬉しそうな顔を、保[章]護者になった気分で苦笑いを浮かべ[来]て見ていた。

折角知らない地へ来たのだからと、車は駐車場に置いたまま4人は人の居ない田舎道を行く事にした。

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田圃の周りには、ひなげしや蓮華の[自]花が咲き、長閑な春の日差しが柔ら[i]かく降り注いでいる。

リオはずっとニコニコしながら、ユ[a]ウミの手を引っ張り、フンフンと鼻[m]唄を歌う。

毎日、学校とバイトと弟と妹の面倒を見なくてはいけない、母親の居ないユウミにとって、久しぶりの休日と呼べる休日だった。

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暫く長閑な田舎道を歩いていると、[k]不意に行き止まりになっている。

行き止まりと言っても、道は続いて[.]いるのだが

【関係者以外・立ち入り禁止】の看板が古めかしい木で出来た柵に掛かり、そこから先には進めなくなっているのだ。

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「あ~…。残念ねぇ。行き止まりじ[c]ゃ…。」

ショウコが呟く様に言う。

「だね。私有地なんじゃない?引き[n]返してお昼食べたら帰ろうか?」

ユウミも少しがっかりしたが、先に[恐]行けないものは仕方ない。

元々インドア派のエミは疲れたのか、その場で爪先をクリクリと地面に擦る様にしながら、皆の顔色を伺っている。

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だが、そんな事で諦めるリオではな[怖]かった。

「ここまで来たんだよ?

こんな柵、ど~って事ないでしょ♬[鬼]

そう言うと、ユウミの手を離し、柵にぐるぐる巻きにしてある針金を解こうとするのだが、古くなった針金は所々錆び、そう易々と解けず、フゥ~と溜息を吐きつつも、柵の横の隙間に身体を滑らせる。

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すると、柵と柵を取り付けてある木[故]の間は草が茂っているだけで、少し[事]ポッチャリのリオでもスルリと柵の[文]向こう側に行けてしまった。

「えへっ♬」

ドヤ顔をしながらリオがユウミ達を柵の向こう側から手招きする。

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「見付かったら大変よ?」ショウコ[章]は向こう側のリオに声をかけるが

「うん。見付かったら…ね?

見付からなかったら良いんだよね♬[来]

そう言うと、ユウミ達を残したままくるりと向きを変えると道の先を行ってしまう。

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ユウミは呆れながらも、リオの行動[自]パターンも把握している事もあり

(きっとやるだろうな)と、ある意[i]味予想を裏切らないリオの行動で腹[a]を決め

「リオ~?もう少しだけ行くけど、[m]途中でちゃんと引き返して帰るんだ[k]よ?」

少し大き目の声で言うと、又してもくるりと向きを変え、ニッコリ微笑んでユウミに向かって頷いた。

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「私はリオともうちょっとだけ先に[.]行くけど、どうする?ここで休んで[c]る?」

2人に声をかけると、ショウコは

「私もユウミともう少しだけ行く。[n]

エミも

「皆が行くなら行くけど…。ちょっ[恐]と疲れちゃった。」

本当は引き返したかったのだろうが、一人で此処に残るの嫌だったらしく、仕方なく頷く。

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そして、一人ずつ柵の横を擦り抜け[怖]て向こう側に行った。

リオは少し先の道で皆が来るのを待[鬼]っていたが、ユウミの姿を見ると走[故]り寄り、又、ユウミの手を掴むと手[事]を繋いで歩き出す。

最初は2メートルほど有った道幅が、やがて1メートルほどになり、そして、獣道の様になり、辺りは草で覆われた道になってしまった。

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「リオ?そろそろ戻らない?

この先行っても、山の中に入っちゃ[文]いそうだし。」

獣道を暫く進み、ユウミはリオに引[章]き返すよう促す。

だがリオは

「うん。もうちょいだけ!

もしかしたら、すっごいお宝が見付かるかもよ♬」

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進む足を止めない。

「お宝って、何があるのよぅ」

ショウコも疲れたのか、エミと手を[来]繋ぎ、最後尾からやっと着いて来る[自]

「う~ん…私の勘では、この先にき[i]っと何かある!」

よく言えば、とってもポジティブなリオは、理由のない自信に満ち溢れ、未だ先に進もうとしている。

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「リオ!約束したでしょ?

お腹も空いて来ちゃったし、戻ろう[a]!」

ユウミが強い口調でリオを叱ると、[m]リオは俯き、上目遣いでユウミを見[k]詰めると

「わかった。

それじゃ、皆、ここで休んでて?」[.]

言うが早いか、ユウミの手を振り解くと小走りで獣道を行ってしまった。

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「休んでてって言われても…。」

エミが溜息を吐きながら辺りを見回[c]す。

「うん。座るところすらないよねぇ[n]

ショウコはエミと苦笑いを交わす。[恐]

「だよね…。2人は先に戻ってても[怖]良いよ?

私は…リオも心配だから、連れ戻して来る!」

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ショウコとエミに言うと、ユウミは[鬼]リオの後を追った。

~何もなければ良いんだけど…~

春は野生の動物も繁殖の季節になる[故]

冬眠から目覚めたクマに出会ってし[事]まったら…?

大きなイノシシに体当たりされていたら…?

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末っ子気質のリオを、普段から弟妹[文]の面倒をみているユウミは、放って[章]はおけなかった。

細い獣道を急いで進んでいると

「ユウミ~!待ってぇ~」

「置いてかないでぇ~」

結局、ショウコもエミも付いて来ていた。

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「リオーっ!」

ユウミは声を張り上げるが、リオの[来]返事は返って来ない。

いよいよ心配になったユウミは

「ごめん!後から付いて来て!

私はリオを探して来る!」

と、ゆっくり進むショウコ達より先に進んで行った。

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そして…

獣道の向こうに見慣れた背中を見付[自]

「リオ!!

もう……何やってんのよ…」

と、ホッとすると共に安心から涙ぐ[i]んでしまう。

リオはくるりと向きを変え、ユウミ[a]に顔を向けると…

そこには、満面の笑みが…。

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「ユウミ!

有った!!有ったよ?お宝!有った[m]よ!」

何やら興奮し、嬉しくて堪らないと[k]言う表情でユウミの元へ戻って来る[.]と腕を掴み、ぐいぐいと引っ張る。[c]

ユウミはリオに引き摺られる様強引に歩かされる。

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「ほら!見て?

凄い景色じゃない?」

獣道からいきなりの開けた場所は…[n]

広い平野に沢山の春の花が咲き、絵[恐]本の1ページのようだった。

その草原の丁度真ん中辺りに、樹齢何百年も経っていそうな大きな藤の木が薄紫色の花を見事に咲かせていた。

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「すごい…。」

ユウミはその素晴らしい景色に言葉[怖]を失くす。

リオは嬉しそうに

「あの藤の花の下で写真撮らない?[鬼]

と、ユウミの腕をぐいぐいと引っ張る。

✿春世玲香✿ 日本恐怖故事

そこへショウコとエミも到着し、その景色の素晴らしさにうっとり。

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「見事な藤の花だね!

でも…花が咲くのもう少し先だよね[故]?」

エミが呟く。

「綺麗なんだから良いじゃない♬

それより、あそこで写真撮ろうよ![事]早く早く!!」

リオはユウミの腕を引っ張りつつ、ショウコとエミを急かす。

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ヒナゲシの薄い朱色。

アザミの紫色。

小手鞠の小さな白い色。

水仙の鮮やかな白と黄色。

タンポポの黄色。

レンゲの薄いえんじ色。

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色とりどりの春の花はそれぞれが強[文]く主張する訳ではなく、優しく緑色[章]の大地に色を添えている。

その中央には、太く立派な幹を持つ大樹がこれでもかと言うほど横に枝を伸ばし、その枝には大きくしな垂れる花を咲かせていた。

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「圧巻だね…。」

木が近付くにつれ、その木の太さに[来]、枝の張り具合に、花の多さに、ユ[自]ウミまで浮足立ってしまう。

リオはずっとニコニコ笑顔でいる。

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暖かな春の日差しを受け、ふんわり[i]とした雲を浮かべた空の下。

4人は

(来て良かった♬)

……

そう思っていた。

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だが…

藤の木に近付くにつれ、何とも言え[a]ない違和感を感じるユウミ。

未だ暑いまではいかない春の風の中[m]に、フッと漂ういつか嗅いだ事のあ[k]る臭い。

何処かで嗅いだ臭い…。

花の香りとは全く別物の、記憶の奥底に閉じ込めて置いた臭い…。

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藤の木に近付くにつれ、それが益々[.]強くなる。

リオを見ても、後ろを付いて来るシ[c]ョウコもエミを見ても、満面の笑み[n]を浮かべ、何も感じていないようだ[恐]

(私の気のせい?)

この臭いを感じているのがユウミだけなのだと、ただの気のせいだと思う事にした。

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広い草原を歩き、木のすぐ側に来た[怖]時、エミが鼻を手で覆う。

ショウコが両手で顔を覆う。

リオだけがはしゃいでいる。

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(おかしい…。やっぱり、皆、この[鬼]臭いを感じていたんだ!)

ユウミはエミとショウコに向かい

「臭うよね?」

聞くと

「うん…。何の臭い?」

「吐きそう…。」

ユウミもエミもショウコも堪えられないと言う顔をすると、藤の木を見上げた。

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「ん?どしたの皆?

やっぱり凄いね!

桜なんて目じゃないくらい、立派な[故]木だよ!」

リオは何も感じないのか、絶えず笑[事]みを崩さない。

そして、枝に沢山の花を枝垂れさせた木の下に1人でスタスタ歩くと、その木に登り始めた。

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「ちょっと!リオ!

登っちゃダメだよ!」

「リオ!やめなよ!」

皆が口々に言うが、リオはスカートだと言うのに、太い幹にしがみ付き、枝を掴み、幹に出来たコブに足をかけ、登って行く。

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慌ててユウミもエミもショウコも、[文]リオの登る木の下へ駆け寄った。

太さは有るが、木自体はそれ程高く[章]はない。

リオはその中でも太目の枝に腰掛けると、上を見上げ、花を眺め、そしてゆっくりと視線をユウミ、ショウコ、エミにやると、ニッコリと微笑み、片手で[バイバイ]と手を振りながら、上から垂れ下がった蔓を掴み、それを引っ張ると自分の首に掛けた。

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「リオ!ふざけないで!」

ユウミは怒った声でリオを叱るが、[来]リオは静かに両眼を瞑ると勢い良く[自]下に飛び降りた。

蔓がピーンと張ったかと思ったら、[i]グキッと…リオの首が折れる音が響[a]く。

アッと言う間の出来事だった。

皆、何が起こったのか理解も出来ず、為す術もないままその場に立ち尽くす。

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呆然と立ち尽くしていた中、一番最[m]初に動いたのはユウミだった。

「リオ…?何で…?」

リオの側に歩み寄ると、上から吊る[k]されたリオの首に巻き付いた蔓を外[.]そうとする。

だが、リオの体の重みと、思ったよ[c]りも頑丈な蔓は、簡単には外れず、[n]千切る事も出来ない。

そして、リオの体の奥に、花ではない何かが見えた。

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それは…

花に隠れる様に沢山咲いていた。

首だった。

体はない。

人の首、動物の首…だけが、花の様[恐]に咲いていた。

そして、その首はユウミを一斉に見ると、目を細め、微笑んだ。

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「ヒッ…!!!」

引き攣る様な声を漏らしたユウミは[怖]、この臭いが何の臭いかを思い出し[鬼]た。

心を病んだ母が発していた臭い…。[故]

今は亡き無人の祖父母の家に、居なくなった母を探しに行った時、遺体を見付けたユウミが嗅いだ臭い…。

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未だ暑さの残る季節…。

古い木造の日本家屋。

雨戸の閉まった薄暗い和室の鴨居か[事]らぶら下がった母から漂っていた臭[文]い…。

消してしまいたい悲しい思い出。

忘れてしまいたかった…大好きだっ[章]た母の肉が腐り果てた臭い。

この木からは、あの時の母と同じ臭いがしていたのだ。

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ドサッ

ーーーー

何かが落ちる音に、ふと我に返ったユウミが見上げた先には、ショウコか枝からぶら下がり、両手で蔓を掴んでもがいている姿だった。

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「ショウコっ!!!」

ユウミが叫ぶと

「ユウミ…バイバイ…」

声のする方へ顔を向けると、エミが涙を湛え、悲しそうな笑みを浮かべ、リオと同じく蔓を自らの首に回し、枝から飛び降りる瞬間だった。

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ビーンと張った蔓は、エミの細い首[来]をぶら下げ、エミは地面に付かない[自]足を空中でジタバタとしながら、や[i]がて…

動かなくなった。

藤の木には、リオ…ショウコ…エミ[a]

3人の身体が藤色の花に囲まれる様に枝垂れ、ユウミは言葉もないままその場で座り込んでしまう。

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「何で…

何で…

何でよ…」

ユウミは泣く事も忘れ、少し前まで共にはしゃいでいた友人達の姿を見上げる。

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「助けを呼ばなくちゃ…」

日が傾く頃になって、ユウミは正気を取り戻し、座り込んでいた場所から立ち上がる。

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すると、ぶら下がっていたリオの体[m]

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ドサリッ

ーーーー

音を立てて落ちた。

「!?」

見ると、首のないリオの体だけが地面に落ちている。

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ーーーー

ドサリッ

ーーーー

ーーーー

ドサリッ

ーーーー

続けて音が…。

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ショウコの…

エミの…

首のない体が地面に崩れ落ちていた[k]

ユウミは、そこに有るであろうモノを、ゆっくりと見上げる。

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リオ…

ショウコ…

エミ…

3人の顔が花の中に浮かび、静かに[.]その目を開く。

そして、目を細め、満面の笑みを浮かべた。

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見知らぬ顔達も、ただ、ユウミを見[c]詰めて微笑んでいる。

それを見ていたユウミは、この上な[n]い幸福感に包まれた。

心穏やかに、幸せで、とても嬉しく[恐]なった。

そして…

ユウミはリオと同じ様に、幹に掴まると、木に登って行く…

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その木は、一年を通して花を咲かせ[怖]る。

………

数え切れない程の花と首を咲かせる…。

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