[江户切子的心理图表] 两张脸第 2 部分

iamk 日本恐怖故事 2023-06-25 08:30:02 455 0

患者回到诊所时,已是约定日期的下午。

他很沮丧。

确实如此。一周前位于他的锁骨和左[文]胸之间的下颌骨现在爬到了他的颈背[章]

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shake

“——啊,这样不行,我们马上就做手术,千里君,快点准备。”

桐子命令我这么做,自己则退到里屋。

我把他领进手术室,剥下他的上半身,放在手术台上,固定住他的四肢。

”——等等。p>谁来做手术?麻醉呢?

一般来说,你不能给怪物动手术——[来]

病人抱怨很多。

不过,我不会像他说的那样,松开他[自]的束缚。

与此同时,桐子从里屋出现。

这家诊所的老板,一身白大褂。

女医生江户切子。

她走近病人,轻声说话。

久等了。

其实,我前几天开的药,效果不错吧?”

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“你在说什么!你看这张人脸!你爬的比上次还多。”

>

一定是因为那个假咒语。

“我的话没有错。

我前几天说过,对生者无害。”不,[i]但是

也许你自己没吃过这种药,除了你前[a]几天在这里喝了一口。――喝一口也[m]有效这好像是

证据就是这人间的溃疡已经靠近我的[k]脸了。

是这样吗?

不经意间,他的脸凑近了。

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“Hoshi Akito先生去世了”

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听到这句话,患者的脸绷紧了。

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"从头开始— —它是颠倒的。”

Kiriko 说。

前几天,我让千里去拜访了森野洋子[.]女士。我收到报告说我被告知了一个[c]不同的故事。

在其他

还有一点,关于你自称室井康夫的“[n]脸”。

那张“脸” ”你的那个是掉下悬崖的星明仁的。[恐]

但是你带着室井康夫的健康保险证来[怖]这家诊所,自我介绍是室井康夫。

这是为什么——”

>

看着挂在手术室里的油画——她前几天画的黄昏时分的人影图——白大褂女人吐槽道。

“这不是真的吗?

星明人先生大骂森野洋子,结果,

她心目中的人不是你,而是你的青梅竹马兼闺蜜室井康夫先生——这个长着一张人脸的男人——”

>

这是一段经典的三角恋。迄今为止。

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你邀请亚索君和你们两个一起去爬山[鬼]

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>

不知道他只是想说说,还是另有目的,在攀登的过程中发生了意外。

星明人你掉下悬崖死了。”

我滑倒了。

我伸出手,却来不及。

我的身体跌落到悬崖底部。

那看起来真的很慢。

关注我。

咦?为什么是我什么?

我不敢相信我正在坠落。

我连声音都提高不了。

就这样,漆黑的悬崖下——。

“你刚刚去世了。”

但是,你死去的灵魂是当时就在附近[故]的你的青梅竹马,而我附身于室井康[事]夫,我的情敌。

我不是说——吗?

附体或者诅咒之类的东西——”

p>

接受方不具备接受的条件才行——桐子轻轻抚摸着人脸的脸颊。

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你强烈的执念——不对,是错觉吗?——以及亚索君偷走挚友的耻辱感——内疚感——让拥有。

起初,明人先生,您应该是以人脸的形式出现在亚索的身上才对。

事故发生后,亚索桑曾一脸疲惫地出[文]现在洋子桑面前。

但更奇怪的事情发生了。

主仆——颠倒。”

墙上的画。

桐子在梦中看到的场景。

消失在猩红暮色中的身影。

强调其存在的影子。

桐子的梦想在某处相连。

到这个世界某处的真相。

“你的脸从亚索桑的躯干爬到他的颈[章]背——最终到达他的脸。

最后,亚索桑。

相反,亚索先生的脸是从属的——人[来]。作为一个喜剧,它被贬为身体。”[自]

主仆颠倒——就像那幅画中的人物和[i]阴影。

这具身体是亚索的吗?

“就这样,你成功的变成了一个活人[a]。”

你的情敌亚索同学消失了,你陷入了[m]又爱上洋子了。--.

然而,你的真身在深崖下。

你的财产——包括你的保险卡,身份[k]证——那一定是一起掉下了悬崖——[.]”。

我没有注意到变化,因为它没有面部[c]照片。

直到我在大学看到那张照片。

“你最喜欢的男人是谁?”

“当然是室井康夫先生,把这条毛巾[n]围在了他的头上。”我是这么想的—[恐]—我指着一个人脸的男人作证说那是[怖]亚索。

然后魔法就破了。

太老套了。

“虽然你能暂时控制自己的身体,但[鬼]你在这个世界上本来就是一个没有肉[故]体的存在。”

每一天,亚索桑的脸一定是在努力变[事]回脸吧。

意识也——它回来了。”

——嗯嗯< p> /p>

那不是明人为了误导我们而说的“不要带情人”的意思。

亚索的意识在召唤着明仁的附体“还身”。

“所以,你们来找我,欺骗附身的受[文]害者,密谋让我摘掉亚索先生的脸。[章]

是“Akito 和 Yoko 坠入爱河”的解释反映了你内心的渴望,或者它很容易理解——或者两者兼而有之?

I已经为你的欲望开了长期药物,最[来]好直接消除。

但是,,我开的药对没有肉体的你起[自]到了毒药的作用,成为了原本是活人[i]的亚索桑真正的牵挂。

主仆要回去了。”

明人脸色扭曲。

眼睛和鼻子开始从面部轮廓开始奇怪[a]地移动。

很痛苦。

“可是,你的执念太强了。”

想不到那张牌也不会轻易掉下来,已[m]经不在了

咒语的强度就是这么强。

此时已经不是直接的消除手段了。

p>

如你所愿,但接手的是明人,而不是亚索。”

桐子的手背上闪着锋利的手术刀。

shake

“——不,我还是——。”——这是一把由Shintesu Hihiirokane制作的特殊刀片。

p>

Akito 先生,我是专家。我以排除障碍为生。

-让我告诉你一些关于我的事情。< /p>

这家江户诊所 江户先生家族世世代代都是灵异人物。

我没有亲人,却在机缘巧合下被上一代人收养了。

我也是,我生来就有业力。

我的隐藏名字是——江户切子。

剪裁拉长是不得已的办法.

但是——”

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对我来说,这是我的职责——棱角分[k]明的眼睛。变瘦。

捕食者注视猎物时的闪光。

被固定在手术台上的明人剧烈颤抖着[.]

那张脸已经从脸上掉下来了,变成了[c]一张男人的脸。

她泪流满面。

磨背牙。

发出呜咽声。

但是桐子...

“好吧,我会消除你的遗憾。

从这个世界,永远——”

整个房间回荡着来自另一个世界的死亡尖叫声。

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「――切子先生,我煮了些咖啡。”[n]

午后黑暗的医生办公室。

白衣大师正对着画布。

“哦,谢谢千里君。”

剪的刚刚好,我要了。

说罢,接过他手中的茶杯。

白皙纤细的手指。

拿刷子,拿刀片,那只手。

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对了,关于最近的人类疟疾,桐子同[恐]学一开始没有意识到明人的精神附身[怖]了吗?

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p>

你说你要变成​​怨灵了。

“是的。当我切开它的时候,我发现[鬼]明人和亚索的灵魂已经深深地融合在[故]一起了。”

为了将他们分开,花了

明人的错觉和亚索的负罪感——他们[事]作为青梅竹马的羁绊一定比这更深。[文]

>这就是为什么,乍一看,我误会谁是主仆了。”

我和我的前任还有很大的差距——桐[章]子苦笑道。

此后,亚索与明仁的魂体分离后,脸色恢复正常,平安出院。

明仁天皇的尸体在他们攀登的那座山的幽深、漆黑的悬崖下被发现。

掉下来的时候,大概是撞到了一块石[来]头上。

据说,那张脸被粉化得跟真人分不清[自]了。

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我在心里为他的灵魂祈祷。

我和桐子不同,什么都做不了,所以至少我想祈祷。

“对了,你最近在画一幅新画。

你确定这是梦里的画吗?”

< p>我指着桐子身后的画布问道。

“哦,我昨晚又做了一个梦。”

白大褂女医生笑道。

我叹了口气。

刚刚...

卡兰——。

听到诊所门口的门铃响了。

你看,又来了一个病人?

桐子眯起眼睛。

[结束]


作者:綿貫一
原文:【穢土切子の心霊カルテ】ふたつの顔 後編

患者が診療所を再び訪れたのは、約束されていた日の午後のことだった。

彼は狼狽していた。

それはそうだろう。一週間前には鎖骨と左胸の間に位置していた人面疽は、今や彼の首筋に上ってきていた。

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shake

「――ああ、これはいけません。す[i]ぐに手術をいたします。千里君、急[a]いで支度をして」

桐子はそう僕に命じ、自身は奥の間[m]に引っ込んだ。

僕は、彼を施術の間へと案内し、上半身の衣服を脱がせると、手術台の上に身体を横たわらせ、その四肢を固定した。

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shake

「――ちょ、ちょっと。大丈夫なん[k]ですか?こんな、町医者の一室で手[.]術なんて。

誰が執刀するんです?麻酔は?

だいたい、化物相手に手術なんて―[c]―」

患者がしきりに文句を口にする。

しかし、僕は言いつけ通り、彼の拘束を緩めたりしない。

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そうこうしているうちに、奥の間か[n]ら桐子が姿を現す。

白衣に身を包んだ、この医院の主。[恐]

女医、江戸桐子。

彼女は患者に近づき、優しく語りかける。

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「お待たせいたしました。これから[怖]この私が、手術を行います。

ご安心ください。私は専門家です。[鬼]

現に、先日処方したお薬も、よく効[故]いたでしょう?」

患者は目を剥いて反論する。

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shake

「何言ってんだ!見ろ、この人面疽[事]!こないだよりも、上ってきている[文]じゃあないか。

あのインチキな呪符のせいだろう。[章]あれのどこが薬だと云うんだ!」

その言葉に、桐子は平然とした様子で応える。

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「私の言葉に何一つ誤ったところは[来]ございませんよ。

先日申し上げた通り、あれは生ける[自]者にはなんの害もありませんが、こ[i]の世に肉を持たぬモノにとっては毒[a]となる薬。

おそらく、先日ここで飲んだ一口以[m]外、貴方がご自分であの薬を飲まれ[k]ることはなかったでしょうが――一[.]口でも効果はてきめんだったようで[c]すね。

こちらの人面疽が、顔面に近づいて[n]来たのがその証拠。

そうですね――?」

つい、と顔を寄せる。

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「亡くなった――星明人さん」

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その言葉に、患者の顔が引きつった。

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「初めから――あべこべだったので[恐]す」

桐子は云う。

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「この千里君に先日、森野陽子さん[怖]を訪ねてもらいました。

その際に、彼女の口から貴方の証言[鬼]とは異なる事実を聞かされた、と報[故]告を受けています。

すなわち――陽子さんは明人さんか[事]らの告白を受け入れていなかったこ[文]と。

そしてもうひとつ、室井康雄と名乗っていた貴方の『顔』についてです。

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貴方のその『顔』は、崖から落ちた[章]星明人さんのものでした。

しかし貴方はこの医院に、室井康雄[来]さんの健康保険証を持ち、自ら室井[自]康雄を名乗った。

これは何故か――」

手術室に掛けた油絵――先日描いていた夕暮れの人物と影の絵――を見ながら、白衣の女は言葉を紡ぐ。

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「真相はこう云うことではないです[i]か?

貴方、星明人さんは森野陽子さんに[a]思いのたけをぶつけ、結果、断られ[m]た。

彼女の意中の相手は、貴方ではなく[k]貴方の幼馴染にして親友である、室[.]井康雄さん――この人面疽の人物―[c]―だったのです」

よくある三角関係だ。ここまでは。

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「思いの報われなかった貴方は、康[n]雄さんをふたりだけの登山に誘った[恐]

話がしたかっただけなのか、他に目[怖]的があったかは知りようもありませ[鬼]んが、その登山の途中、事故が起こ[故]った。

貴方――星明人さんは、崖から転落して亡くなった」

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足を滑らせたんです。

手を伸ばしたんですけど、間に合わ[事]なくて。

身体が、崖の下に堕ちていきました[文]

それが、いやにゆっくり思えたんで[章]す。

ずっと目があったままで。

え?なんで俺が?って。

堕ちていくのが信じられなくて。

声も上げられなかった。

そのまま、昏い崖の下に――。

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「貴方はそのまま亡くなった。

しかし、貴方の亡魂(ぼうこん)は[来]、その際近くにいた幼馴染みの親友[自]、そして恋敵である室井康雄さんの[i]身体に憑依した。

私、申しましたでしょう――?

憑依や呪いの類いと云うモノは――」

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それを受ける側に、受け入れるだけの条件が整っていなければ成立しないのです――桐子は人面疽の頬を優しく撫でる。

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貴方の強い執念――いや、妄念でし[a]ょうか――と、康雄さんの中の、親[m]友の思い人を奪ってしまったという[k]引け目――罪悪感――が、憑依を許[.]してしまった。

はじめは明人さん、貴方が康雄さん[c]の身体に人面疽という形で現れたは[n]ずです。

康雄さんは事故後、一度憔悴した様[恐]子で曜子さんの前に姿を見せていま[怖]すからね。

しかしその後、さらに特異なことが[鬼]起きた。

主従が――逆転した」

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壁に掛けられた絵画。

桐子が夢に視た光景。

夕暮れの緋色の中、輪郭を失った人[故]物。

存在感を際立たせる影。

桐子の夢はどこかに繋がっている。[事]

この世界の、どこかにある真実に。

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「貴方の顔は康雄さんの胴体から首[文]筋を上り――やがて顔面へとたどり[章]着いた。

最終的に、康雄さんは顔面を奪われ[来]、貴方の顔が主としてその場に収ま[自]った。

逆に康雄さんの顔は従――人面疽として、身体に追いやられてしまったのです」

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逆転した主従――あの絵の人物と影[i]のように。

この身体は康雄のものだったのか。

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「こうして貴方は生者に成り代わる[a]ことに成功した。

恋敵の康雄さんは消え、自身は再び[m]曜子さんの恋を手に入れるチャンス[k]を得た――。

しかし、貴方の本来の身体は深い崖[.]の下です。

貴方の持ち物――保険証をはじめとする、身分証明書の類い――は、一緒に崖下に落下したのでしょう――」

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診察の際に提示された、康雄の保険[c]証。

顔写真のないものだったので、入れ[n]替わりに気が付かなかった。

大学で、あの写真を見るまで。

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『貴女の好きな男性はどちらですか[恐]?』

『もちろん、このタオルを頭に巻いた――室井康雄さんです』

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曜子は――僕らが明人だと思ってい[怖]た――人面疽の顔の男性を指差して[鬼]、それを康雄だと証言した。

それであっさり魔法が解けた。

あまりにも――陳腐な魔法が。

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「一時身体を支配できたとはいえ、[故]貴方は本来この世に肉を持たぬ存在[事]

日に日に康雄さんの顔は、顔面へ戻[文]ろうとしたのでしょう。

意識も――戻りかけてきた」

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[江户切子的心理图表] 两张脸第 2 部分

――か、え、せ

あれは明人が僕らをミスリードすべ[章]く語った「恋人ををとるな」、とい[来]う意味ではなかったのだ。

康雄の意識が、明人の憑依霊に対して「身体をかえせ」と訴えていたのだ。

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「そこで貴方は私のもとを訪れ、憑[自]依の被害者を騙(かた)り、康雄さ[i]んの顔を私に排除させようと企んだ[a]

『明人と曜子が恋仲になった』という説明は、貴方の中の願望を反映したものか、つじつまが合わせやすかったのか――その、両方でしょうか。

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できれば直接的な排除を、と云う貴[m]方の望みに対して、私は長期的な薬[k]を処方しました。

ですが、私が処方した薬は、肉を持[.]たぬ貴方には毒に働き、本来の生者[c]である康雄さんには気付けになった[n]

主従は――戻ろうとしている」

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明人の顔が歪む。

顔面の輪郭から、目鼻が奇妙にずれ[恐]始める。

苦しげだ。

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「ですが、貴方の妄念はあまりに強[怖]力です。

まさか、あの札でもすんなり落ちな[鬼]いとは――もはや怨霊の域に足を踏[故]み入れている。

それだけ強い呪符だったのです。

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事ここに至っては、もはや直接的な[事]排除の手段を講じるしかない。

貴方のお望み通りに。もっとも、そ[文]れを受けるのは康雄さんではなく明[章]人さん、貴方の方ですが」

桐子の手に鋭利なメスが煌めく。

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shake

「――や、やめろ、俺はまだ――。[来]やめてクレ、オレハアイツニ――」[自]

「――これは、神鉄ヒヒイロカネか[i]ら造られた特別な刃です。

明人さん、私は専門家です。表向きはしがない町医者ですが、この世ならぬモノに通じ、障りを除くことを裏の生業にしている。

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――少し、私のことを語りましょう[a]

この江戸医院の一族、穢土(えど)[m]氏は代々異能者でした。

身寄りのなかった私は、縁あって先[k]代に養子に迎えられた。

私もまた、生まれながらに業を背負った存在だったのです。

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私の隠し名は――穢土切子(えどき[.]りこ)。

切った張ったは最後の手段。

ですが――」

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私にとっては本分なのです――切子[c]の瞳がすっと細くなる。

獲物を見つめる、捕食者の眼光。

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手術台に身体を固定された明人はガ[n]タガタと震えている。

すでにその顔は顔面からずれ落ち、[恐]人面疽になっている。

涙を流している。

奥歯を鳴らしている。

嗚咽を漏らしている。

それでも切子は――。

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「さあ――貴方の未練、私が裁ち切[怖]って差し上げます。

この現世(うつしよ)から、永遠に――」

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この世ならぬモノの断末魔の絶叫が、部屋中に響き渡った。

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「――桐子さん、珈琲を淹れました[鬼]よ」

薄暗い、午後の診療室。

白衣の主はキャンバスに向かっていた。

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「――ああ、ありがとう千里君。

ちょうど切りが良い。いただくよ」[故]

そう云って僕の手からカップを受け[事]とる。

白く、細い指。

筆を取り、刃を取る、その手。

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「そういえば――この間の人面疽の[文]件ですが、桐子さんは初め、明人の[章]霊の憑依には気付いていなかったん[来]ですか?

怨霊に成りかかっていたって云って[自]いましたよね。それだけ強い霊なら[i]、すぐにわかったんじゃないですか[a]?」

疑問に思っていたことを口にする。

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「うん。切ってみてわかったんだが[m]、明人と康雄の魂はかなり根深く融[k]合していたよ。

切り分けるのに、予想以上に骨が折[.]れた。

明人の妄念と、康雄の罪悪感――そ[c]れ以上に彼らの幼馴染みとしての絆[n]が、深かったんだろうね。

だから、初見ではどちらが主従か、[恐]見誤ってしまった」

私もまだまだ、先代には遠く及ばないな――そう云って桐子は苦笑した。

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あの後、明人の霊を切り離された康[怖]雄の顔面は元に戻り、無事退院して[鬼]いった。

ふたりが登った山の、深く昏い崖下[故]からは、明人の遺体が見つかった。[事]

墜ちた際に、岩にでも激突したので[文]あろう。

顔面は、本人とすぐには見分けがつかないほど、粉砕されていたという。

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僕は胸の中でそっと、彼の冥福を祈[章]った。

桐子と違い、何もできない自分だから、せめて祈るくらいはしたいと思う。

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「ところで、また新しい絵を描いて[来]いたんですね。

もしかして――夢の絵ですか?」

桐子の背後のキャンバスを指して問う。

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「ああ、昨夜また、夢を視てね」

白衣の女医は笑う。

僕はため息をつく。

ちょうどその時――。

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カラン――。

医院の入り口のドアベルが鳴る音がした。

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「ほら、また新たな患者が来たよう[自]だよ?」

切子は目を細めてそう云った。

【了】

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