【夏日风声】蝉停时

iamk 日本恐怖故事 2024-01-15 18:00:01 137 0

‖突然从通讯器的耳机里响起的声音,紧接着是哥哥的惨叫声。右京同学在我帮忙净化准备的时候告诉我的。

“志古酱,通讯器不知为何掉线了,你正在按着按钮战斗。我敢肯定,这不仅仅是听到那个声音的问题。”

>< p> “那是……我得去帮忙了!咲桑,救救我!”

“等一下,小月酱去是不对的!不然[文]你们这些人,为什么要先告诉小月酱[章]……”

咲君说话的时候他用恼怒的声音对右京同学笑着,双手合十放在脸前。

“对不起!我以为是Tsuyu酱和Shigu酱在紧要关头。你看,Hina酱和Zuna酱不能随意净化......Saki是“着魔了。那样的话,你的潜能就可以发挥到极致了吧?”话是这么说的。我别无选择,只能尽我所能帮助我的兄弟。即便如此,我还是害怕得几乎瘫痪了。

“Tsuyu-chan”

‖身后突然叫我的名字,我回头的时[来]候看到了一个黑发的少女,在铃奈小[自]姐的陪同下,巫女装。是哥哥的亲妹[i]妹雏雏。

“小哥哥好像过得很辛苦,还请多多[a]关照”

“我也希望你能帮上石鼓一臂之力,[m]Tsuyu可以的!”

‹他们两个鼓励我,我内心的恐惧稍[k]微消退了。

“明白了。如果我能帮到你,我会为[.]铃菜同学和小雏努力的!”

当我告诉小雏等人时,右京同学带走[c]了我上了车,Saki-san 指示我去我哥哥所在的地方。

“不好了,就是这个毛茸茸的灵力。[n]简直就像小雏一样。脸他皱着眉头摇[恐]了摇头。

“那是……所以你现在昏迷了?”

“不知道,只要进入他体内,压制他[怖]的力量就行了。”但是,哥哥的力量[鬼]和雏的完全相反……咲希似乎很难进[故]入。

“咲希,就算你用那种战术进去,你也会死。以小露和我的力量阻止志古酱不是很好吗?”

< p>〉右京佐木先生的话,摇了摇头。

“不要小看志咕噜的力量,他就像掌握了半个神的力量!不是从外面……从里面攻击就能搞定的。”

< p>“咲桑……很高兴你担心我的哥哥。但是我不想咲希桑死!所以,就一点点。让我们尽力而为。如果那样的话工作,就交给咲君了。 >“谢谢你,Saki-san!”

“Snake 你是妖怪,但你很有礼貌。”

” 苦笑道:“你这个白痴。

“你是不是想说什么好话?对了,你[事]是不是要带上你的女儿?我在帮忙准[文]备,人偶在岛上设置障碍有优势。”[章]我看到了,但我确信听到了。

“咦,快到了”

‖咲希学姐突然变了脸色说道。向窗[来]外望去,黑色的灵力如同龙卷风般盘[自]旋。

“喂喂,真的不是和雏酱一样吗?”[i]

〇先生,我找到了具酱,有什么事我[a]会再联系你的。 “我有

“哥哥……”

∀下了车,我就被咲希先生附身,将[m]身体的主动权托付给了他。蝉从树上[k]落下,咲希向边跑边映入眼帘的植物[.]发出强烈的指令信号,一株接一株地[c]操纵它们。黑色的龙卷风…… 看到弟弟的时候,已经伴随着大量的[n]植物。

“志古鲁……好粗啊”

〉咲桑在我的声音里低声说着,慢慢[恐]地靠近了哥哥。当我将目光转向一边[怖]时,我看到一个穿着白色和服的人躺[鬼]在那里。

(咲君,那个人……)

“哦,那是妖怪。我了解情况。是这[故]样吗?”

∀咲女士叹了口气说着,将目光移到另一个方向,将力气放到了拳头上。

“可恶,那个混蛋竟然有异能……小月,你别小看他了。志古鲁的父亲已经死了,应该是被那个蛇纹妖怪杀死的吧。看在眼前我,时咕噜暴走,现在的情况就是这样,映在我视线边缘的猩红景象,一定是我父亲的血。直到不久之前一直存在于我内心的恐惧又重新燃起。

“Tsuyu酱,我现在必须帮助Shiguru。我们走吧!” 第一次看到他这样死去,真的很可怕,但是……我有重要的作用玩。

“抱歉,时间不早了”

〉赶上来的右京同学,看到映入视野[事]的世界,脸色一变,捂住了嘴巴手。[文]

“右京,你能压制住志咕的气息吗?[章]那我就用这些家伙一下子压制住他们[来],还是按照那个攻略吧。”

〉右京先生面色阴沉。听到咲同学的[自]提议,我点了点头,一瞬间歪了歪脑[i]袋,苦笑了一下。

“声音是小Tsuyu,让我一时间有些害怕。是咲吗?”

人在他们面前死去的时候,这些人在说什么。 ..右京同学双手捧着纸人偶说了声“凉快”,摆出一副凌厉的姿态,将它们扔向了空中。

「龙舞!」

〉原本围着右京同学狂舞的纸人一下[a]子跳了出来,瞄准了黑色的龙卷风。[m]一时间看似攻击命中,纸人却被龙卷[k]之灵斩成碎片。紧接着,我发现龙卷[.]风产生了数道灵力弹,朝着我袭来。[c]

“不行,坏人来了!”

一边惊叫,咲希一边跳到他操纵的树[n]根处,躲开了射来的无数子弹。右京[恐]同学像是躲过了一劫,刚一着地落地[怖],就擦了擦冷汗。

“哇,不好了……用这个净化盐!”[鬼]我一把抓起手中的盐,朝着龙卷风扔[故]了过去。盐分自然被龙卷风吞噬。

“从刚才开始,你就觉得自己像个混[事]蛋。”

〉咲希同学惊讶地说道,右京同学挠[文]着头反驳道。

“你是真正的人类!我是在努力不伤[章]害你。”

“没用的!那个黑只要你不阻止漩涡[来],Shiguru的精神力会继续失[自]控。”

《咒/影束缚阵》

〉一道影子从右京同学的脚下伸了出[i]来,快速爬行在地面上,包围了龙卷[a]风。这次它似乎是稳稳地到了,没有[m]挡在我的面前。

“这家伙的脸色异常严肃,好!就让[k]它吸干你的灵力吧!”

正当咲希同学再次向植物发出指令信[.]号时,树根和藤蔓在龙卷风周围盘旋[c]

“石鼓酱的精神力太强了,我快撑不[n]住影结了……求求你快点”

“明白了!”

‖Saki 在女士的命令下,纠结的植物围绕着龙卷风。兄弟,请醒醒!

“我做不到!”

〉右京同学声音一响,影子的束缚就[恐]被解除了,笼罩在龙卷风上的植物全[怖]都散落开来,带着一股巨大的冲击力[鬼]。咆哮。我被撕裂了。

“别说谎了……我该怎么办?”

“所以我说芋头!外面的攻击根本无济于事!

』咲希这么说着从我身边溜了出去。身体刚一变轻,我就被一阵飘飘然的感觉袭来。

“喂咲桑!你在干什么!”

“右京,把你的身体借给我!我有个[故]主意”

马上结束,咲希-桑毫无疑问地附身在右京桑身上。

“影结!”

“这个功法可以吸收灵气,如果我将消耗殆尽的灵力原封不动,以影子为媒介,放到志古茹体内,说不定就能很好的压制住它!”

“是这样吗……!但是如果你那样做的话,咲桑!”

``我才不管呢!就算我只是一个角色我也会帮助你的你的!”厉害,那是我那个时代无法比拟的力量。

“我会最大限度地发挥你的潜力!”进入。就在这时,一道散发着强大力量的光之箭矢洞穿了龙卷风的上方,瞬间抹去了那团黑色虚灵漩涡。光原封不动地进入哥哥的体内,刚才的爆破让这里安静得像个谎言。

“咦,你是认真的……你一瞬间压制[事]了影子的力量?”

〉咲君从右京同学的身体里出来,突然这么说,然后倒在地上地面。下车。

“发生了什么……?”

“你是认真的!会长……?”会长仙道先生就是那个人。法师工会的会长……可是,他为什么要加入我哥?

“仙道那家伙,我要成为志咕噜的一[文]部分,调和影子的力量,你来试试吧[章]。”

‖咲希同学说道就这样,我一边爬到哥哥的住处,一边靠近倒下的和服妖怪进入了里面。一个穿着和服的幽灵升起并摇摆,一个奇怪的声音我在抬起躯干的同时晃了晃身体,又跌倒了。

“Saki-san……你在做什么?”我开始了。

“我已经让这家伙的身体完全属于我[来]了,嗯,果然和这种行为有关,他有[自]着惊人的魔力。”

“你……不要做下流的事。不过那家[i]伙要是醒了,咲不是会输吗?你没事[a]吧?”

‖ 面对右京的问题,咲一边用我的脑袋[m]敲着一边回答。食指。

“我完全摧毁了他的思想。无论是人[k]类还是妖怪,在失去知觉的时候都是[.]最脆弱的。这家伙现在是我的了!”[c]

咲希说完这句话,就回过头来通过缩[n]小她的身体,她原来的蛇形。

“哦,我可以回去了。”

“因为是妖怪,虽然有实体,但不是生物,所以可以变异多少次如你所愿。我恢复了力量。

‖咲希想起他的哥哥,用细长的舌头舔了舔他的脸颊。之后,我和右京同学跑到还在地板上的他身边,继续和他说话,直到他醒来。

〉〇

〉被完全染红的意识,变得明亮而清[恐]澈。我不知道发生了什么事。但是我[怖]面前有人。那是一个熟悉的中年男人[鬼]

“Shiguru,醒醒吧”

“Sendo-san,你怎么会在[故]这里?”

“这是你的精神世界,你是影子。 “我被神的力量压倒了,狂奔。我现在正在压制它。你感觉如何?”。我还记得失控前的情景,我几乎没有意识到自己被力量吞噬了。是啊,我父亲是被他害死的,而我……

“咕...!”不。现在听着,我将成为你思想的一部分,将阴影的力量与我自己的力量协调起来,不会再有暴行。你和我真的是一.成为

听到仙道先生的声音,我不知为何感到平静。站在我面前的他的身影渐渐淡去,我感觉到自己的黑色力量正在被净化。

“可以,交给我吧,虽然暗影之力已[事]经融和,但也没什么好担心的,拥有[文]如此强大的力量,你就进入了暗影界[章]的境界。”有可能。如果是你,绝对[来]可以阻止污染。我相信你,雨宫志古[自]。”

“啊,兄弟!你没事吧?我真的很高[i]兴你平安无事……”

说着说着,一大滴眼泪落在了我的脸[a]上脸颊。稻田。

“Ryu……你怎么在这里?”

我抬起上半身环顾四周。奇诺不见了[m],只有他父亲血淋淋的尸体。当咲希[k]和右京同学告诉我发生的事情时,我[.]把发生在我身上的一切都告诉了他们[c]

“志古酱……真的是关于你父亲的…[n]…”

〉右京先生低着头说道。我摸了摸还是止不住哭泣的Tsuyu的头,然后站起来看着父亲。

``我的家人现在都死了。至少睡个安稳觉。

“咲希,是你阻止了奇诺。谢谢你。[恐]”我的魔力有所恢复。 .

“等等,我现在看到那个身影,除了[怖]杀机之外,什么都没有。”

“啊,抱歉……”

∀急忙回过神来田崎躲在露水后面,[鬼]瞥了我一眼。他异常诚实。你在乎我[故]吗?变得如此奇怪,我不由自主地爆[事]发了出来。

“开玩笑的,他不在了,那是咲希的[文]新造型。”跳上了

“他有点……这个身材我比较舒服,[章]再小的话,我也可以骑到小Tsuy[来]u的头上。”

“咲桑,说实话,骑到那里很难保持[自]平衡,所以请不要这样做。” 半夜的Tsuyu说着抓住了头顶的[i]咲,戴上了双手。回到Tsuyu他[a]们身边时,我向右京同学鞠了一躬。[m]

“说真的,打扰了,我走了。”,石鼓酱,你来拼命吧。“大师,你可以的!我已经照顾你三年,我保证!”说着,我大声的咀嚼着每一个字。等蝉声停息,我开始向大恶漩涡走去。


作者:mahiro
原文:【夏風ノイズ】蝉騒の止む頃に

 唐突に通信機のイヤホンから鳴り響いた爆音の次に聞こえてきたのは、兄さんの叫び声だったらしい。浄化の準備を手伝っていた私に、右京さんがそう教えてくれた。

「しぐちゃん、何らかの拍子に通信[k]機落っことして、ボタン押されたま[.]ま戦ってんだな。あの声を聞く限り[c]ただ事じゃないってのは確かだ」

「そんな・・・助けに行かなきゃ![n]サキさん手伝って!」

 私が言うと、サキさんは声を荒げて[恐]それを制止してきた。

「ちょっと待てよ、流石に露ちゃん[怖]が行っちゃまずいだろ!ってかお前[鬼]さんよぉ、なんで真っ先に露ちゃん[故]に言っちまうかなぁ・・・」

 サキさんが呆れた声で右京さんに言[事]うと、彼はヘラヘラ笑いながら顔の[文]前で両手を合わせた。

「すまん!だって、しぐちゃんのピ[章]ンチには露ちゃんかなぁと思ってさ[来]。ほら、ひなちゃんもずなちゃんも[自]浄化で手が空いてないし・・・サキ[i]が憑依すれば、露ちゃんの潜在能力[a]は最大まで引き出せるだろ?」

「んなこと言ったって・・・はぁ、[m]手が足りないのは確かだ。俺様がい[k]るからってお前らが安全とも限らな[.]いし、しぐるがどんな状態なのかも[c]分からん。それでも行くか?」

「行きます。兄さんを助けなきゃ」[n]

 私はサキさんの言葉に頷いてそう言[恐]った。兄さんを助けるには、私がや[怖]るしかないんだ。そうは言っても、[鬼]怖くて足が竦みそうになる。

「露ちゃん」

 ふと背後から名前を呼ばれたので振[故]り向くと、巫女姿の鈴那さんに連れ[事]られた黒髪の女の子が私を見ていた[文]。兄さんの実の妹、ひなちゃんだっ[章]た。

「お兄ちゃんが大変みたいだけど、[来]よろしくね」

「あたしからも・・・しぐを助けて[自]あげてほしいな。露ちゃんならでき[i]るよ!」

 二人から励まされ、私の中の恐怖心[a]も少し薄らいだ。

「わかりました。私が兄さんの助け[m]になれるなら・・・鈴那さんやひな[k]ちゃんの分まで頑張ります!」

 ひなちゃん達にそう告げると、私は[.]右京さんに連れられて車に乗り込み[c]、サキさんの指示で兄さんがいる場[n]所へと向かい始めた。

「まずいな、こりゃしぐるの霊力だ[恐]。ひなちゃんの時みたいにビンビン[怖]伝わってきやがる。あいつ、暴走し[鬼]てんな」

 サキさんはそう言って顔をしかめ、[故]下をチロチロさせた。

「そんな・・・じゃあ、今の兄さん[事]は意識が無いってことですか?」

「分からねぇ。けどな、勝算ならあ[文]るぜ。俺様がヤツの中に入って力を[章]抑えればいいだけの話だ」

 確かに、今までずっと兄さんの中に[来]いたサキさんならそれができるかも[自]しれない。けど、兄さんの力はひな[i]ちゃんの真逆・・・サキさんが中に[a]入ることは難しそうだ。

「サキ、その作戦じゃ仮に入れたと[m]してもお前が死ぬだろ。露ちゃんと[k]俺の力でしぐちゃんを止めりゃいい[.]話じゃねーのか?」

 右京さんの言葉に、サキさんは首を[c]横に振る。

「しぐるの力を甘く見るな。あいつ[n]は神の力の半分を宿してるようなも[恐]んなんだぜ!外側から攻撃してどう[怖]にかなるようなもんじゃねえ・・・[鬼]内側から抑え込むしかないんだよ」[故]

「サキさん・・・兄さんのことを心[事]配してくれるのは嬉しいです。でも[文]、サキさんが死んじゃうのは嫌です[章]!だから、少しだけ私達に頑張らせ[来]てください。それでもダメだったら[自]、サキさんにお任せします」

「別に心配してるわけじゃ・・・い[i]や、俺様もしぐるにゃ助けられたか[a]らな。義理は果たさなきゃならねえ[m]。わかった露ちゃん、そこまで言う[k]なら俺様も全力で手助けしてやる」[.]

「サキさん、ありがとうございます[c]!」

「蛇の恩返しかよ。妖怪のくせに律[n]儀だなぁ」

 右京さんがそう言うと、サキさんは[恐]苦笑しながら「バカ野郎」と言った[怖]

「上手いこと言ったつもりかよ。と[鬼]ころで、娘ちゃんは連れてこなくて[故]も良かったのか?いつもはお前さん[事]のほうがベッタリだろ」

「蛍は浄化の準備を手伝ってる。島[文]に結界を張るには、人形術が有利だ[章]からな」

 そういえば、島を離れる前に蛍ちゃ[来]んが人形たちを使って力を集中させ[自]ているのを見たけれど、それを聞い[i]て納得した。

「おい、近いぞ」

 不意にサキさんが表情を変えて言っ[a]た。窓から外を見ると、黒い霊力が[m]竜巻のように渦を巻いているのが見[k]える。

「おいおい、本当にひなちゃんと同[.]じじゃねーかよ」

 右京さんはそう言って適当なところ[c]に車を停め、通信機のイヤホンのボ[n]タンを押してから「しぐちゃん見つ[恐]けた。何かあったらまた連絡する」[怖]とだけ伝えた。

「兄さん・・・」

 私は車を降りるとサキさんに憑いて[鬼]もらい、身体の主導権を委ねた。木[故]々の上から蝉時雨の降り注ぐ中、サ[事]キさんは走りながら視界に入った植[文]物達へ強い命令信号を送り、それら[章]を次々に操ってゆく。黒い竜巻・・[来]・兄さんを目前にした頃には、大量[自]の植物を従えていた。

「しぐる・・・荒れてんなぁ」

 サキさんは私の声でそう呟き、少し[i]ずつ兄さんの元へと近付いていった[a]。ふと横に目を移すと、白い和服を[m]着た人がボロボロで倒れているのが[k]見えた。

(サキさん、あの人・・・)

「おう、ありゃ妖怪だな。状況は大[.]体わかった。そういうことか」

 サキさんはため息交じりに言うと、[c]別のほうに目を移して拳に力を込め[n]た。

「クソ、あの野郎やっぱり霊能力を[恐]・・・露ちゃん、あんまり見るなよ[怖]。しぐるの親父が死んでんだ。おそ[鬼]らくあの蛇柄着た妖怪にやられたん[故]だな。それを目の前で見たしぐるは[事]暴走して、今の状況ってとこだろ。[文]まさかこんな事態になるとは」

「そんな・・・」

 視界の端に映る真っ赤な光景は、お[章]父様の血がそう見えているんだろう[来]。さっきまで私の中にあった恐怖心[自]が、再び蘇ってきた。

「露ちゃん、今はしぐるを助けなき[i]ゃどうにもなんねぇ。いくぞ!」

 そうだ、今はそうするしか無いんだ[a]・・・人があんなに残酷な死に方を[m]しているのを見たのが初めてで、す[k]ごく怖いけど・・・私には大事な役[.]目があるんだ。

「悪い、遅くなった」

 追い付いた右京さんは、視界に映っ[c]た世界を見て表情を変ると、手で口[n]元を押さえた。

「右京、しぐるの霊気抑えられるか[恐]?そしたら俺様がこいつらで一斉に[怖]取り押さえる。その作戦でいくぞ」[鬼]

 右京さんは険しい顔をしながらもサ[故]キさんの提案に頷くと、一瞬だけ首[事]を傾げて苦笑した。

「声が露ちゃんだから、一瞬ビビっ[文]た。お前サキだったか」

「・・・いや、どうでもいいことに[章]触れてんじゃねーよ!とにかくやる[来]ぞ!」

 人が目の前で死んでいるのに、この[自]人達は何を話しているんだろう・・[i]・。右京さんは「りょうかい」と言[a]いながら両手に紙人形を持ち、キレ[m]よく構えをとってそれらを宙に舞い[k]放った。

「龍の舞!」

 右京さんの周囲を取り囲むように乱[.]舞していた紙人形は、一斉に黒い竜[c]巻目掛けて飛び出した。一瞬は攻撃[n]が当たったように見えたけれど、紙[恐]人形たちは竜巻の放つ霊気で細かく[怖]切り刻まれてしまった。その直後、[鬼]竜巻は幾つもの霊力の弾丸を生成し[故]、こちらに殺気を向けたのがわかっ[事]た。

「まずい、やべーのがくるぞ!」

【夏日风声】蝉停时 日本恐怖故事

 サキさんは叫びながら自分の操る木[文]の根に飛び移り、放たれた無数の弾[章]丸を避けた。右京さんも何とか避け[来]きれたようで、地面に手をついて着[自]地すると冷や汗を拭った。

「うおぉ、やべぇなこれ・・・斯く[i]なる上はこの清め塩で!」

 右京さんはそう言うと、ウエストポ[a]ーチから取り出した袋入りの塩を手[m]で鷲掴み、竜巻へと向かって投げた[k]。塩は当然のように、ただただ竜巻[.]に呑み込まれてしまった。

「お前さん、さっきからクソザコ感[c]がすげぇぞ」

 サキさんが呆れた様子で言うと、右[n]京さんは頭を掻きながらそれに反論[恐]した。

「うるせぇ相手は生身の人間だぞ![怖]なんとか傷付けないようにって試し[鬼]てんだよ」

「んなことしたって無駄だぞ!あの[故]黒い渦を止めねえ限りしぐるの霊力[事]は暴走したままだ」

 その言葉を聞いた右京さんは、ため[文]息を吐いてからまた別の体勢に構え[章]た。

「呪撃・影縛りの陣」

 右京さんの足元から伸びた影が、素[来]早く地を這い竜巻を取り囲む。今度[自]は手前で防がれることなく、しっか[i]り届いたらしい。

「あの野郎、いつになく真面目な顔[a]してんな。いいぞ!そのまましぐる[m]の霊力を消耗させといてくれ!」

 サキさんがそう言いながら植物に再[k]び命令信号を送り、木々の根や蔓な[.]どが竜巻を覆うように渦を巻いた。[c]

「しぐちゃんの霊力が強すぎて、影[n]縛りが持たねえ・・・早めに頼む」[恐]

「わかった!」

 サキさんの命令で、何重にも絡まり[怖]あった植物達が竜巻を囲い込む。お[鬼]願い兄さん、目を覚まして・・・![故]

「いけねぇ!」

 右京さんが声を上げたその瞬間に影[事]縛りが解かれ、竜巻を覆っていた植[文]物も凄まじい轟音と一緒に全て散り[章]散りに切り裂かれてしまった。

「うそだろ・・・どうすりゃいいん[来]だこれ」

「だから言ったろ!外側から攻撃し[自]てどうにかなるもんじゃねぇって![i]

 サキさんはそう言って私の中から抜[a]け出した。途端に私の身体は軽くな[m]り、一瞬だけ浮遊感に襲われる。

「ちょっとサキさん!なにしてるん[k]ですか!」

「右京、ちょい身体貸せ!俺様に考[.]えがある」

 そう言い終えるや否や、サキさんは[c]問答無用で右京さんに憑依した。

「影縛りッ!」

 右京さん・・・いや、サキさんは影[n]縛りで再び竜巻を取り囲み、兄さん[恐]の霊力を抑え始めた。

「この術、霊気を吸い取ることがで[怖]きる。消耗させた霊力をこのまま俺[鬼]様のもんにして、影を媒体にしてし[故]ぐるの中に入れりゃ上手く抑えられ[事]るかもしれねぇ!」

「そういうことですか・・・!でも[文]、それをやったらサキさんが!」

「構わん!しぐるが助かるなら俺様[章]がしぐるの一部になってでも助けて[来]やる!」

 サキさんの霊力が途端に強くなった[自]のが感じ取れた。すごい、私の時と[i]は比べものにならない力だ。

「お前さんの潜在能力、最大まで引[a]き出させてもらうぜ!」

 強い念動力でサキさんの立っている[m]地面が窪み、より一層術にも力が入[k]る。その時、強い力を放つ光の矢が[.]竜巻の頂点を突き刺し、黒い霊気の[c]渦を一瞬にして消し去った。光はそ[n]のまま兄さんの中へと入り込み、先[恐]程までの爆風が嘘のようにこの場を[怖]静まらせてしまった。

「おいマジかよ・・・影の力を一瞬[鬼]で抑え込みやがった」

 サキさんは右京さんの中から出ると[故]、そう言ってひょいと地面に降りた[事]

「何が、起こったんですか・・・?[文]

 私の問いに、サキさんが「ありゃ千[章]堂だよ」とだけ答えた。

「マジかよ!会長が・・・?」

 右京さんも驚いているようで、尻餅[来]をつきながら口を開きっぱなしにし[自]ている。会長、千堂さんってあの人[i]だ。呪術師連盟の会長・・・でも、[a]どうしてあの人が兄さんに入ったの[m]だろう?

「千堂のやつ、しぐるの一部になっ[k]て影の力を調和させるつもりだ。思[.]い切った真似しやがって」

 サキさんはそう言いながら兄さんの[c]ところへ這っていくついでに、倒れ[n]ている和服の妖怪へと近付いてその[恐]中に入り込んだ。和服の妖怪はゆら[怖]ゆらと立ち上がり、奇声を上げなが[鬼]ら身体を振るわせて再び倒れ込んだ[故]

「サキさん・・・なにしてるんです[事]?」

 私が訊くと、またもや和服の妖怪が[文]立ち上がって、今度はサキさんの声[章]で普通に話し始めた。

「こいつの身体、丸ごと俺様のもん[来]にしてやったぜ。いやぁ流石はしぐ[自]るをこんなまでにするだけのことは[i]あるな。すげぇ妖力を持ってやがる[a]

「お前・・・えげつないことするな[m]。でも、そいつの意識が目覚めたら[k]サキ負けるんじゃね?大丈夫なのか[.]?」

 右京さんの問いに、サキさんは人差[c]し指で自分の頭をトントンとしなが[n]ら答えた。

「完全に精神を破壊してやった。人[恐]間も妖怪も、気を失ってるときが一[怖]番無防備になんだよ。こいつはもう[鬼]俺様のもんだ!」

 サキさんはそう言うと、身体を縮め[故]るように元の蛇の姿へと戻った。

「あ、戻れるんですね」

「妖怪だからなぁ。実体があるとは[事]いえ、生物じゃねぇ以上はいくらで[文]も姿を変異させられる。力を取り戻[章]した俺様の手にかかればな。さてと[来]、おーいしぐる大丈夫かー?」

 サキさんは思い出したように兄さん[自]の元へ行くと、細長い舌で頬をチロ[i]チロと舐めた。その後、私と右京さ[a]んも倒れたままの兄さんに駆け寄り[m]、目が覚めるまで声をかけ続けた。[k]

   〇

 赤く染まりきっていた俺の意識は、[.]気付けば明るく晴れ渡っていた。何[c]が起こったのか、全く分からない。[n]だが、目の前には誰かがいる。見覚[恐]えのある、あの中年男性だった。

「しぐるよ、目を覚ませ」

「千堂さん、どうしてここに」

「ここは君の精神世界だ。君は影の[怖]力に呑まれ、暴走していた。今は私[鬼]がそれを抑えている。気分はどうだ[故]?」

 千堂さんの言っていることを理解す[事]るまでに少し時間がかかる。俺には[文]暴走する寸前までの記憶が残ってお[章]り、自分が力に呑まれたという自覚[来]は辛うじてある。そうだ、親父がや[自]つに殺されて俺は・・・。

「ぐっ・・・!」

「落ち着けしぐるよ、あの妖はもう[i]倒された。君は苦しいだろうが、今[a]は浄化を成功させねばなるまい。よ[m]く聞け、私が君の心の一部となり、[k]影の力を私自身の力と調和させる。[.]さすれば、もう暴走することもない[c]だろう。君と私は、文字通りの一心[n]同体となるのだ」

 千堂さんの声を聞いていると、なぜ[恐]か気持ちが落ち着いてくる。目の前[怖]に立っている彼の姿が徐々に薄くな[鬼]りはじめ、俺の黒い力が浄化されて[故]いくのが分かった。

「そうだ、このまま私に身を委ねよ[事]。影の力が調和されたとはいえ、案[文]ずることはない。これだけの強い力[章]を持ってすれば、影世界の領域に足[来]を踏み入れることは可能だ。君なら[自]ば、必ず汚染を阻止することができ[i]る。信じておるぞ、雨宮しぐる」

 次第に俺の意識は遠退き、次に目が[a]覚めた時には目の前で露や右京さん[m]達が俺の名前を呼んでいた。

「あ、兄さん!大丈夫?本当に、本[k]当に無事でよかった・・・」

 露はそう言いながら大粒の涙を流し[.]、その雫は俺の頬に落ちた。

「露・・・なんでここに?」

 俺は上半身だけを起こし、周囲を見[c]回す。キノの姿はなく、血塗れにな[n]った親父の亡骸だけがあった。サキ[恐]と右京さんから事の顛末を聞かされ[怖]た俺は、自分の身に起こったことも[鬼]全て話した。

「しぐちゃん・・・親父さんのこと[故]は、本当に・・・」

 右京さんは俯きながらそう言った。[事]俺はまだ泣き止まない露の頭を撫で[文]ると、その場に立ち上がり親父のほ[章]うを見た。

「もう、家族がみんな死んじゃった[来]なぁ。仕方ないけど」

 俺は親父に歩み寄り、手を合わせた[自]。せめて、安らかに眠れるように。[i]

「サキ、お前がキノに止め刺してく[a]れたんだよな。ありがとう」

「まぁ、しぐるが倒してくれたから[m]呑み込めたんだけどな。おかげさん[k]でそこそこ妖力も戻ったぜ」

 サキがそう言いながら姿を変え、人[.]型を形成し始めた。

「待て、今その姿を見ると殺意しか[c]湧かない」

「あ、悪い・・・」

 慌てて姿を元に戻したサキは、露の[n]後ろに隠れてチラリと俺を見た。珍[恐]しく素直だ。俺に気を遣っているの[怖]だろうか?それが無性におかしくな[鬼]り、思わず吹き出してしまった。

「冗談だよ、もうヤツはいない。そ[故]れがサキの新しい姿ってことでいい[事]だろ」

 サキは俺の言葉に苦笑しつつ、露の[文]頭の上に飛び乗った。

「そいつはちょっとなぁ・・・俺様[章]もこっちの姿のほうが落ち着くし、[来]小さけりゃ露ちゃんの頭にも乗れる[自]からな」

「サキさん、正直そこに乗られると[i]バランスとるの大変なんですから、[a]なるべく控えてくださいね」

「うぇ、すんません・・・」

 いつの間にか泣き止んでいた露は、[m]そう言って頭上のサキを掴んで両手[k]に乗せた。俺は露たちのところへ戻[.]ると、右京さんに頭を下げた。

「本当に、お騒がせしてすみません[c]でした。俺、行ってきます」

「いや、謝ることなんて何にもない[n]さ。あとは俺達に任せて、しぐちゃ[恐]んは思いっきり戦ってきてくれ」

「兄さん、気を付けて・・・全部終[怖]わったら、また一緒にお出掛けしよ[鬼]うね!」

「しぐる、お前ならできる!3年間[故]世話になってた俺様が保証するぜ![事]

 2人と1匹から激励を受けた俺は、目頭が熱くなりながらも「ありがとう」と、一言ずつ噛みしめるよう声に出す。蝉騒の止む頃に、巨大な悪意の渦巻くほうへと向けて歩き出した。

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