我做了一个梦。纯白的世界里,一个女人站在我的面前。想起来,是我以前在梦里见过的人。
“嗨,志咕君。已经有3天左右了吧[文]?”
‖女子笑着对我说道。那个笑容有对[章]我来说很重要的人的形象。
“好久不见,嗯,我叫……”
“夏代,我是铃菜的妈妈。”
“啊,它是夏代同学。对不起,我忘记了。”>
〉我一时没来得及回答这句话,纯白的世界一时间静了下来。
“呵呵,有点不好说,上次说到一半[来]就结束了。”我听到了。垂下了悲伤[自]的表情。
“不知铃奈是不是冷静了很多。”嗯[i],我们认识才不到一个月呢。
“没关系,铃奈需要你成长up.还[a]有小雏。还有……”
“夏代同学,非常感谢你的爷爷和雏[m]。剩下的我来处理。”谢谢志古君.[k]嗯,看来是时候了,那么,如果我们[.]能在下一个世界相遇的话……“那就[c]干吧。”
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上午9点,我们聚集在神原侦探社召开了最后的战略会议。雅人先生告诉我们战略的细节后,他递给了我们一个通讯设备。
似乎他们就是这样保持联系的。准备这样的东西会很昂贵。
“如果有什么需要,请随时交换信息[n]”
『正人先生说,我手里拿着一个通讯[恐]器。
“明白了。没想到我会被委以如此重[怖]要的角色。嘿,志古酱。”
葡萄君笑着说道。这个人和小萤会协[鬼]助我救出雏。在我看来,有我信任的[故]右京同学在身边是一件很安心的事情[事]。
“右京同学,多谢了”
“喂!”支长和昴负责守卫阳岛,协助净化,而铃菜和长坂同学则负责执行纯化。
〉市松先生等人已经在岛的四周等候着与异界同盟的妖怪战斗了。
“喂,日菜子同学呢?”
我去那里是因为我有事要去异界。
异界是什么地方?看来我们去之前他们会有所准备。”
< p>〉准备……我对影子的世界,甚至是它的另一面的“光之世界”,都还不是很了解。〉既然说和这个小镇一模一样,那我们是不是也存在?还是只有人不存在的城镇正在蔓延?
如果前者是正确的,那么在世界被创[文]造四年后死去的人类,Hina,后[章]来怎么样了?那么,四年前夏天去世[来]的母亲呢?
“咦,你知道影子世界创建于4年前[自]是几月几日吗?”他在一旁摇了摇头[i]。
“我不知道,我没听会长说太多。”[a]
“原来如此……谢谢。,我还以为希[m]娜会回来呢.我想知道它是否行不通[k]。”
“你认为 Shiguru 桑可以帮助 Hina-chan 吗?”
∀零他直视着我的眼睛问我.就这样[.]决定了。不是帮不帮的问题,而是帮[c]不帮的问题。
“我一定会帮你的”
“那你就没事了!”
说着,零笑了起来。还好是什么意思[n]他知道什么吗它我刚要问,有人拍了[恐]拍我的肩膀。
“志古酱,我们快点走吧”
∀是右京先生。显然是时候离开了。[怖]
“志咕君,求求你了”
正人说着,对着我竖起了大拇指。像[鬼]是报复似的,我也竖起大拇指说:没[故]关系!
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〉右京同学的车是我头上咲希的方向 继续往前走.
〉雏似乎已经来到了这个小镇,我感觉到了她的存在,虽然很轻微。
‖之所以对这种氛围感到怀念,或许是因为对方是雏的偏见,但在这个小镇无缘无故盘旋的恶意中,我感觉她的意志快要被吞噬了。我忍不住了。
“我看见了!快到了!”
』咲希说着从我头上跳了下去。右京[事]先生把车停在一个有海有松林的公园[文]停车场,决定从这里步行前往。
“萤,人偶可以带走吗?”
“可以”
〉贺先生是异能者。以前看过这种技[章]术,看到操纵好几个秘偶降伏邪灵的[来]场面,看得我不知所措。
“志咕噜,我暂时附身在你身上,如[自]果有危险,我会自己逃走,认真点![i]”
〉咲希的尾巴没有尽头然后他拍拍我[a]的头说,今天的第一台手术,我负责[m]。这是一种可能成功也可能不成功的[k]策略,但值得一试。
“明白了,谢谢你,咲希”
“志古酱,这次你会用什么样的战术[.]?”右京同学问道。
“我的力量还没有完全觉醒,所以我[c]想如果我的力量击中狂暴小鸡的力量[n],我的力量也会觉醒。”在那之前,[恐]我打算反击与咲的财产。我希望右京[怖]桑用她的魔法支持我们,希望小萤用[鬼]她的人偶包围我们。
“说真的!这很危险......但[故]仅此而已。好吧!我是二流法师,但[事]支持我!”
右京同学这么说着,把手放在了我的[文]肩膀上。
“右京先生不是二流的!对我来说,[章]他就像教我时雨流星的第二老师。”[来]
“哦不!好吧,努力吧! ”
‖当我们一边走在松林的长廊上,一[自]边这样交谈时,我突然感到一种更强[i]烈的存在感。
“志咕,我们走吧”
咲希话音刚落,就占据了我的身体。
“哦,着魔了……!” 以迎面袭来的风向变化为出发点,我开始朝着无端恶意的方向走去。
“夏日的风声。这种奇怪的风,说不[a]定就是这个名字。”
?)
‖有点不情愿读我的诗的咲希, 引起人们的注意,就好像它是一面死亡旗帜一样。
“别死,我的使命不只是救小鸡而已。”,很快就逼近了那里。
“我会全力出击”
〉说着,我飞到黑色龙卷风上方,看[m]看有没有突破口。但是应该怎么表达[k]呢?如果我用一个普通的比喻,我大[.]概应该说没有机会。也就是说,打技[c]没有空隙,但那漩涡中的恶意却浓重[n]无比,或者说是威慑感之类的。
‖但我忍不住对它退缩了。我先是对着黑色龙卷风一气功。
“Hina!你在里面!如果你在里面,回答我!”毕竟,这并不容易。想到这里,我一落地,就拼命冲进了龙卷风中。
(喂!不管你有多莽撞!)
‖咲希的声音在脑海中回荡,但是对不起,我也顾不上了。我知道这里面有小鸡。冷静思考我想行动得更快。
「Uoooooooo!!」
〉我用尽全身力气冲进去,结果被撞[恐]倒了,后背撞到了一棵松树上。天哪[怖],因为咲树设置的结界我得救了,但[鬼]我还是呼吸困难。
(可恶,你这个笨蛋!就这么冲进去[故]太危险了!仔细看看周围,我会和右[事]京等人一起去的!)
“咦? ”
』听到咲的话,右京同学正在树顶准备魔法阵,小萤则用秘偶包围着龙卷风,想要削弱它的力量。
“我能再做一次吗?Shigu-c[文]han”
“我能做到!”我的意思是,我也很笨。我不能对我的同学山冈和远藤说我笨。
“谜底:流星毛毛雨!”我再次使出浑身解数向前推进。
“驱魔对决!”
(那个名字是什么……)
〉听到咲希气急败坏的声音,右京的技能直接命中了龙卷风,我也冲了进去。不知不觉中,我身处黑色龙卷风之中,向一个站着不省人事的女孩伸出手。一点一点,我们在前进。我一定会伸出这只手!
“没关系的……!雏!”不知不觉间,我的身体里再也听不到咲希的声音了,奇怪的是,我的身体变得轻盈了。
〉我伸出的手牢牢抓住了女孩的手,将她抵在了恶意的漩涡中。那一刻,我感觉就像是前段时间看过的那朵花,被夏日的微风吹拂着,在心里绽放。
“雏,你一直在告诉我。”
‖我的意识渐渐远去,下一个醒来的地方是熟悉的无人车站站台了。某天梦里看到的那个风景……我上了驶近的火车,在合适的座位上坐下。火车在途中没有停靠任何一站,不知不觉,终点站就近了。
到了站下车,我就开始走路了。不,不是没有。我记住了路。这个地方就是那个梦里看到的海边小镇。
〉沿着海岸边的岸边走时,看到沙滩上站着一个女孩,蹲着一个女人。我马上就知道那个女孩是谁了,尽管我的脚被沙子卡住了,我还是冲了过去。
“古孙……我不想再毁灭什么了……[章]我为什么要诅咒这个世界?我是个白[来]痴……”
“那不是真的!Ayumi san 不坏...我说过多少次了?我们会[自]帮助...我们现在就结束吧。说服[i]她说完转向我。她和三年前一样在那[a]里。
“雏……!”
“我一直在等你,哥哥”
我跑到雏身边,轻轻地抱住了她.她[m]的身体冰冷,但她的心却像在呼吸一[k]样。
“我一直在寻找……很久了。自从你[.]死后,我一直缺少一些东西。我什至[c]有很多支持我的朋友。在拥抱Hin[n]a时,他说着像是在倾诉心底的情绪[恐],眼泪一直在流,也没有擦去。
“哥哥,有点疼啊”
〉雏苦笑着说道。我发现自己的牵制[怖]力越来越大,连忙从她身边挪开。
“对不起……我有很多话要说,但我[鬼]必须做我现在必须做的事。”
“是啊……但是谢谢你。请来吧。”[故]
』雏这样说着,露出了三年前的笑容[事]。这种时候还能笑,雏很坚强。
“哦,对了,大哥,我继承了姐姐的[文]力量暴走,我得赶紧帮帮她!”
〉我在雏的身后。我看着蹲下的女人。她还在哭。
“希娜,谢谢你的帮助,嗯,我想帮你,求求你了。”说完,伸出了手。当然,雏是因为强大而死,这是事实。但我知道她也是受害者。现在,如果我们不帮助他们两个,那是没有意义的。
“我……诅咒这个世界,我被父母虐待,在学校被欺负。但是有一个人帮助了我。他说他很好。但事实证明那是谎言。他只是想要一个玩具。我只是一个方便的娃娃。这就是为什么……我杀了他,然后我自己也死了。”
‖这是一个可怕的故事。被这个世界单方面欺负后,他自杀了。这是不合理的,真的。
“第一次杀人的感觉,死了之后还是很害怕,而且那种恐惧只会越来越强烈……不知不觉,欺负我的父母和孩子们。 .. 所有人都把她们骂死了。之后不知道为什么,不知不觉间,雏酱就在我旁边了……”
∀女人说完,开始了又哭了阳菜见状,轻轻抚摸着女人的脑袋。
“步美同学,我在这里不是步美同学的错。那个时候步美同学的力量刚刚好,所以我被自己的能力所吸引。”打了,我没事,你别难过。”这小子一向自由奔放,但为人和善,比谁都踏实,我很佩服。
"Hina-chan...thank you!!Uwaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaansrsrssssssssss. >
"Eh, no, I still have nothing... but I will definitely help! Hina, can we go?"< /p>
〉雏笑着对我的问题点了点头。
“是啊,当然!我一直在等待这一刻[章]。”
‖雏菜这样说着,向我伸出了左手。我用右手握住她的左手,我们两人将另一只手举到夏空面前。
“让我们停止暴行吧”
在雏之力肆虐的现状下,我可以停止暴行,因为我拥有与她相反的力量。我现在在这里,在 Hina 的帮助下。
“步美同学,现在没事了。我们走吧!
“哦,我们走吧!”
“住手……”
‖短暂的沉默后,女人这般喃喃道。[来]果然,刚才感觉到的那种异样的能量[自]流动已经完全消失了,雏也露出了幸[i]福的表情。
“啊,你挡的还挺轻松的。”
“如果你和我哥联手,你就是最强的!耶!”
< p>〉Hina 和我给了高五分。我已经很久没有高五了。“谢谢……谢谢……!”虽然泪流满面,但她笑得很开心。
“谢谢,谢谢……!很抱歉打扰你这[a]么久。小雏和这个世界……”
“我很好“从现在开始,至少请你睡[m]个安稳觉。”
〉等我说完,她已经消失了。微笑着挥手。
〉那座海滨小镇,在她的心目中,一定是一道风景。随着她从这个世界的束缚中解脱出来,那景色也随之消失。
“谢谢你和我说话,Ayumi-san”
〇刚听到雏的声音,我就感到头晕目眩,失去了知觉。小萤看着我的愁眉苦脸。
“啊,你注意到了吗!好东西……我还以为我在龙卷风里呢,没想到过了一会突然安静了,我才担心呢,结果竟然成功了! “小雏,你在啊。”
“诶,啊,谢谢你。雏!?”
〉雏在呢! ?这是什么意思!我的血压一定是低[k]了,但当我醒来的时候,我的身体异[.]常轻盈,在刚才黑色龙卷风盘旋的地[c]方,雏奈睡眼惺忪地揉着通红的眼睛[n],旁边的咲希正看着她。。
“Hina!我觉得我有麻烦了~”[恐]
∀像这样和鬼对话的我还是第一次…[怖]…Hina的本事能留住她能有这样[鬼]的身材,是因为她的能力。我想知道[故]
“哦,早上好。啊,是的!Hina,你可能想去天堂,但我有最后一个请求!你能听到我......吗?”
>“嗯?那好吧!我的意思是……我死了,所以我必须去天堂。这是一场灾难……好吧,不。你想要什么?”
〉我想知道如果 Hina 如此乐观,因为她已经去世三年了。我曾经自称是怪物,但我应该说我已经长大了吗……?
“现在这个小镇因为巨大的诅咒即将变成人界,需要你的力量来阻止诅咒。羊岛的城崎铃。”有一个叫娜的女人是灵媒,所以我想让她占有我,拯救小镇。
‖此时,我想知道,“幽灵可以骑车吗?”
“好吧,这很难说……但是我明白了[事]!只要我能做到,我就必须去做!”[文]
“谢谢!还有,Hina ”
“嗯?”我抱住了你。时间不早了,不过siscon在这里极为罕见。
“哥哥……希望有一天能再见到你”[章]
“啊,总有一天”虽然是重逢,但兄[来]妹俩太撩了~!好吃,Tsuyu酱[自]吃醋了?”我想骑
“啊!当时的蛇先生!还活着啊~”[i]
〈话说回来,雏也认识咲吗?她死前[a]最后一次说话的人是咲希。
“好久不见!你现在意识到了吗!多[m]亏了Shiguru,我才活着?”[k]还有,谢谢你试图帮助我!”我不能[.]更快乐。但是从现在开始,我不能只[c]是快乐。必须不惜一切代价阻止对这[n]个城镇的威胁。
“咲希、右京同学、小萤、雏,请。[恐]”
“诶……志古酱,你现在打算怎么办?” > I用通讯器让他们知道拯救小鸡的任务已经结束,我告诉他们我会执行下一个任务。
“喂喂,让小铃菜她们稍微露一下脸[怖]。还有,你一个人还好吗?有什么我[鬼]能做的,我会帮你的吗?” ”
“咲希,我的力量已经完全觉醒了。你不能再附身我了。所以我要你过去保护Tsuyu。而且……”
现在拯救这个小镇很重要。因此,我必须尽快前往敌区。如果要进行净化仪式,那当然有异界联邦的人在进行污染仪式。只有拥有影之力的我,才能毫无抵抗的进入影之力盛行的领域。也就是说……
“我现在进不了净化后的羊岛了”
说着,我拼命地笑了笑。不要让任何人知道你其实是孤独和心碎的。耳机里传来了昴说净化的准备工作已经完成的话。
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作者:mahiro
原文:【夏風ノイズ】感傷ナイトメア
夢を見た。真っ白な世界で、俺の前には1人の女性が立っている。そういえば、この前も夢の中で会ったことのある人だ。
「やぁ、しぐるくん。3日ぶりぐら[故]いかな?」
女性は俺にそう言って微笑んだ。そ[事]の笑顔には、俺の大切な人の面影が[文]ある。
「お久しぶりですね。えっと、名前[章]は・・・」
「夏陽(なつよ)、鈴那のママです[来]」
「ああ、夏陽さんでしたね。すみま[自]せん、忘れてしまって」
「いいのいいの、この前は少ししか[i]話せなかったからね。今回も、あん[a]まり時間は無さそうだけど」
俺はその言葉へ直ぐに返事をするこ[m]とができず、少しのあいだ真っ白な[k]世界に沈黙が流れた。
「へへ、ちょっと話しにくいかな。[.]前回も中途半端なところで終わっち[c]ゃったし」
「え、いや、そんな・・・大丈夫で[n]す。全て千堂さんから聞きました」[恐]
俺が言ったことに「うんうん」と頷[怖]いた彼女は、少し切なげな表情で目[鬼]線を下へと向けた。
「鈴那は・・・だいぶ落ち着いたか[故]な」
「はい、最初会った頃は不思議な子[事]だな~なんて思ってましたけど、今[文]では本当に頼りにしてます。まぁ、[章]出会って1か月も経ってないですけ[来]ど」
「いいんだよ、鈴那が成長するには[自]君が必要だったんだ。それに、ひな[i]ちゃんも・・・」
「夏陽さん、祖父やひなのために色[a]々ありがとうございます。あとは俺[m]が何とかします」
「そう言ってもらえると心強いな~。ありがとうね、しぐるくん。さて、そろそろ時間みたいだよ。それじゃあ、次の世界で出会えたら・・・」
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「また、話をしようか」
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午前9時、神原探偵事務所に集まっ[k]た俺達は、最後の作戦会議を開いた[.]。雅人さんは俺達に作戦内容を伝え[c]ると、通信機を手渡してきた。
どうやら、これで連絡を取り合うら[n]しい。わざわざこんな物まで用意し[恐]て・・・高かっただろうに。
「必要なことがあれば、いつでも情[怖]報交換をしてほしい」
雅人さんはそう言って、自分用の通[鬼]信機を手に持ってみせた。
「了解っす。まさか俺がこんな大役[故]を任されるとは。なぁ、しぐちゃん[事]」
右京さんがヘラヘラと笑いながら言[文]った。この人と蛍ちゃんは、俺がひ[章]なを救出する際の補助をしてくれる[来]のだ。俺からしても、信頼している[自]右京さんがいてくれるのは心強い。[i]
「右京さん、よろしくお願いします[a]」
「おうよ!」
そして、ゼロと春原は楊島周辺の護[m]衛、各支部の支部長と昴は楊島の護[k]衛と浄化の補助、鈴那と長坂さんは[.]浄化を行う。
市松さん達は、既に異界連盟の妖怪[c]共と戦うため、島を中心に待機して[n]いるらしい。
「なぁ、日向子さんは?」
俺は日向子さんの姿が見えないこと[恐]に気付き、隣にいたゼロへと訊いて[怖]みた。
「向こうの世界でやることがあるの[鬼]で、行きました」
「向こうの世界って?」
「浄化で融合させる世界です。僕ら[故]が行く前に準備をするらしくて」
準備・・・俺はまだ、影世界どころ[事]か、その反対側である『光の世界』[文]のことすらも詳しく知らない。
この町と瓜二つと言うからには、別[章]の俺達も存在しているのだろうか。[来]それとも、人のみが存在しない町が[自]広がっているのだろうか。
もし前者が正しいのならば、世界が[i]造られた4年前から後に死んだ人間[a]、ひなはどうなっているのか。それ[m]なら、4年前の夏に死んだ母さんは[k]・・・?
「なぁ、影世界とかが出来たのって[.]、4年前の何月何日か分かるか?」[c]
俺の問いに、ゼロは少し考えてから[n]首を横に振った。
「ちょっと分かりませんね。会長か[恐]らも、その辺は詳しく聞かされてな[怖]いので」
「そうか・・・ありがとう。もしか[鬼]したら世界を浄化すれば、ひなが戻[故]ってくるんじゃないかと思ったんだ[事]けど。だめかな」
「しぐるさんは、ひなちゃんを助け[文]られると思いますか?」
ゼロは、俺の目を真っ直ぐ見てそう[章]訊ねてきた。そんなのは決まってい[来]る。助けられるかどうかではなく、[自]助けてみせるのだ。
「助けるさ、必ず」
「なら、大丈夫ですよ!」
そう言ってゼロは笑った。大丈夫と[i]は、どういう意味なのだろうか。彼[a]は何かを知っているのか?それを訊[m]こうとした直後、誰かが俺の肩をポ[k]ンと叩いた。
「しぐちゃん、そろそろ行くぜ」
右京さんだった。どうやら、俺達は[.]もう出発する時間のようだ。
「しぐるくん、頼んだぞ」
雅人さんはそう言うと、俺に向けて親指を立てた。それに返すように、俺も親指を立て「大丈夫です!」と言った。
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右京さんの車は、俺の頭に乗ってい[c]るサキの指示通りに進んでゆく。
ひなは既にこの町へ来ているようで[n]、俺も僅かながらその気配を感じ取[恐]っていた。
この気配を懐かしいと感じるのは、[怖]相手がひなであるという先入観なの[鬼]かもしれないが、この町に渦巻く理[故]由のない悪意の中で、呑み込まれそ[事]うな彼女の意思を感じずにはいられ[文]なかった。
「見えた!近いぞしぐる!」
サキがそう言って、俺の頭から飛び[章]降りた。右京さんは海と松林のある[来]公園の駐車場に車を停め、ここから[自]は徒歩で行くことになった。
「蛍、人形そのまま連れていけるか[i]?」
「うん」
右京さんの娘さんである藤堂蛍ちゃ[a]んは、人形術という一風変わった能[m]力の使い手である。以前、その術を[k]見せてもらったことがあるのだが、[.]数体のマリオネットを操作して悪霊[c]を制圧するその光景には圧倒された[n]ものだ。
「しぐる、俺様はとりあえずお前さ[恐]んに憑依しとくぜ。危なくなったら[怖]自分で抜け出すから、本気で行けよ[鬼]!」
サキは先の無い尻尾で、俺の頭をポ[故]ンと叩いて言った。本日1回目の作[事]戦、その担当が俺だ。成功するか分[文]からない作戦だが、試してみる価値[章]は十分にある。
「わかった。サキ、ありがとうな」[来]
「しぐちゃん、今回どんな作戦でい[自]くの?」
俺とサキの会話が気になったようで[i]、右京さんがそう訊ねてきた。
「俺の力は、まだ完全に目覚めてな[a]い。だから、暴走しているひなの力[m]に俺の力をぶつければ、俺の力も上[k]手く覚醒してくれるんじゃないかと[.]思って。それまでは、サキの憑依で[c]応戦するつもりです。右京さんは術[n]でサポートを、蛍ちゃんは人形で俺[恐]達を包囲してほしいんです」
「まじかよ!けっこう危ないなぁ・[怖]・・でもそれしか無いもんな。よし[鬼]!二流呪術師だが、サポートは任せ[故]とけ!」
右京さんがそう言って俺の肩に手を[事]置いた。
「右京さんは二流じゃないですよ![文]俺にとっては、流星時雨を伝授して[章]くれた第二の師匠みたいな人なんで[来]すから」
「やだなぁ、照れるじゃん!まぁ、[自]頑張れよ!」
そんな会話をしながら松林の遊歩道[i]を進んでいると、不意に例の気配が[a]強くなるのを感じた。
「しぐる、行くぞ」
サキがそう言い終えるや否や、俺の[m]身体に憑依した。
「ああ、憑依・・・!」
某ヒーローの「変身!」と似た、申[k]し訳程度の決め台詞を言った俺は、[.]通信機のイヤホンへ当たる風が変わ[c]ったのを皮切りに、理由のない悪意[n]が漂う方向へと歩み始めた。
「夏風ノイズ。こんな変わり者の風[恐]は、そういう名前がお似合いかもな[怖]」
(どうしたよ、お前らしくもねぇこ[鬼]と言っちまって・・・死ぬなよ?)[故]
俺の言ったポエム擬きに若干引き気[事]味のサキは、それが死亡フラグとで[文]も言いたいかのように注意を促して[章]きた。
「死なねーよ。俺の任務は、ひなを[来]助けることだけじゃないからな」
俺の・・・俺達の前には、黒い悪意[自]の竜巻が、もうすぐそこまで迫って[i]きていた。
「最大出力で行くぞ」
俺はそう言うと、黒い竜巻の上まで[a]飛んで突破口が無いかを確認した。[m]が、どう表現すればいいものか。普[k]通に例えるならば、隙が無いと言う[.]べきなのだろう。技を打ち込む隙間[c]が無いという意味でもあるが、渦巻[n]く悪意の分厚さというか、威圧感の[恐]ようなものが凄まじいのだ。
だが、それに怯んでもいられない。[怖]俺は手始めに、黒い竜巻へ向けて気[鬼]功を撃ちこんだ。
「ひな!その中にいるんだろ!いた[故]ら返事してくれ!」
気功と俺の言葉は、竜巻の轟音と共[事]に掻き消された。やはり一筋縄では[文]いかないだろう。そう思い、一旦地[章]上へ降りた俺は、身体全体に念を込[来]めて竜巻に突進した。
(おい!いくら何でも無謀すぎんぞ[自]!)
頭の中にサキの声が響いたが、悪い[i]けど構っていられない。この中にひ[a]ながいることは分かっているのだ。[m]冷静に考えているより早く行動を起[k]こしたい。
「うおおおおおおおおっ!!」
全力で叫びながら突っ込んだ俺は、[.]呆気なく突き飛ばされて松の木に背[c]中を強打した。やばい、サキがバリ[n]アを張ってくれていたから助かった[恐]が、それでも息が苦しい。
(ったく、お前バカか!そのまま突[怖]っ込むとか危険すぎる!周りよく見[鬼]ろ、右京達とタイミング合わせて行[故]くぞ!)
「え?」
サキの言葉で周囲を見渡すと、木の[事]上では右京さんが術の陣を準備して[文]おり、蛍ちゃんはマリオネットで竜[章]巻を包囲し、力を弱める術を試みて[来]いる。
「もう一回いけるか?しぐちゃん」[自]
「いけます!」
全く、自分で立てた作戦を忘れて勝[i]手に突っ走るとは、俺もなかなかの[a]馬鹿である。クラスメイトの山岡や[m]遠藤に馬鹿だなんて言えないな。
「奥義・流星時雨!」
右京さんが竜巻へ向けて術を撃った[k]直後、蛍ちゃんのマリオネットはそ[.]の場を退き、俺は最大限の力を込め[c]て再突進した。
「除霊タックル!」
と、今考えた技名を必死に叫びなが[n]ら。
(なんじゃその名前・・・)
サキの呆れた声が聞こえ、右京さん[恐]の術が竜巻へと直撃し、そこへ俺が[怖]突っ込んだ。気が付くと、俺は黒い[鬼]竜巻の中で、無意識のまま立ち尽く[故]す少女へ手を差し伸べていた。少し[事]ずつだが、前に向かっている。この[文]手は必ず届かせる!
「大丈夫・・・!ひなッ!」
無機質な悪意の中に響いた俺の声は[章]、彼女に届いただろうか。気付けば[来]俺の中でサキの声は聞こえなくなり[自]、不思議と身体が軽く感じるように[i]なっていた。
伸ばした俺の手は少女の手をしっか[a]りと握りしめ、悪意の渦に抗って抱[m]き寄せた。その瞬間、いつか見た夏[k]風に吹かれる花が、心の中に咲いた[.]気がした。
「ひな、ずっと伝えてくれていたん[c]だな」
次第に俺の意識は遠退き、次に目を[n]覚ました場所は、見覚えのある無人[恐]駅のホームだった。いつかの夢で見[怖]た、あの風景・・・俺は近付いてき[鬼]た電車へ乗り込むと、適当な席に座[故]った。電車は途中の駅で止まること[事]なく、気付けば終点が近くなってい[文]た。
俺はその駅で降りると、何となく歩[章]き始めた。違う、何となくではない[来]。道を覚えていたのだ。この場所は[自]、あの時みた夢と同じ海辺の町だ。[i]
海岸沿いの土手を歩いていると、砂[a]浜で立つ一人の少女と、蹲る一人の[m]女性が見えた。俺は少女が誰なのか[k]直ぐに分かり、砂に足を取られなが[.]らも急いで駆け寄った。
「ぐすん・・・もう、これ以上なに[c]も壊したくない・・・どうして世界[n]を呪ったりしちゃったんだろう。あ[恐]たし、馬鹿だ・・・」
「そんなことないよ!あゆみさんは[怖]悪くないって・・・もう何回言った[鬼]んだろう。私達が助けるから・・・[故]もう、終わりにしよ」
嘆く女性に向けて言い聞かせていた[事]少女は、そう言ってから俺の方を振[文]り向いた。彼女は、三年前の姿のま[章]までそこに居た。
「ひな・・・!」
「待ってたよ、お兄ちゃん」
俺はひなの元へ駆け寄ると、そのま[来]ま優しく抱きしめた。彼女の身体は[自]冷たかったが、心は確かに息をして[i]いるように感じた。
「ずっと・・・ずっと探してたんだ[a]。お前が死んでから、俺に欠けた何[m]かを。けど全然見付からなくて、気[k]付いたら自分が自分じゃなくなって[.]いるような気までしてて・・・支え[c]てくれる仲間は沢山いた。みんなに[n]迷惑かけっぱなしで生きてきた。け[恐]ど、やっぱりお前のいない人生なん[怖]て、俺にとっては価値なんて無かっ[鬼]た」
ひなを抱きしめたまま、心の底から[故]溢れだした感情をぶつけるように話[事]し、涙を拭うこともしないでひたす[文]ら流し続けていた。
「お兄ちゃん、ちょっと苦しいって[章]ば」
ひなが苦笑しながら言った。俺は抱[来]く力が強くなっていたことに気が付[自]き、慌てて彼女から少し離れる。
「あ、ごめん・・・い、色々話した[i]いことあるけど、今はやるべきこと[a]やんなきゃな」
「うん・・・でも、ありがとね。助[m]けに来てくれて」
ひなはそう言って、3年前と同じ笑[k]顔を俺に見せてくれた。こんな時で[.]も笑顔になれるなんて、やっぱりひ[c]なは強いな。
「あ、そうだお兄ちゃん、このお姉[n]さんの力を私が取り込んで暴れちゃ[恐]ってるの。早く助けてあげないと![怖]」
俺はひなの後ろで蹲っている女性の[鬼]ほうを見た。彼女は、まだ泣いてい[故]た。
「ひなが、お世話になりました。あ[事]の、あなたを助けたいんです。協力[文]させてください」
俺は女性と同じ目線まで屈むと、そ[章]う言って手を差し伸べた。無論、彼[来]女の力によってひなが死んだのは事[自]実だ。だが、彼女もまた被害者だと[i]いうことも分かっている。今は、二[a]人とも助けなければ意味がない。
「あたし・・・世界を呪っちゃった[m]んだ。親から虐待されて、学校でも[k]いじめられて、何度も何度も自殺し[.]ようって考えたけど、やっぱり死に[c]きれなくて。でも、助けてくれた人[n]がいたの。もう大丈夫って。でも、[恐]それも結局は嘘だった・・・あの人[怖]はただオモチャが欲しかっただけ。[鬼]あたしは都合のいい人形でしかなか[故]ったの。だから・・・あたし、彼を[事]殺して、自分も死んだんだ」
ひどい話だ。この世界から一方的に[文]虐められた挙句、自ら命を絶つだな[章]んて。理不尽だ、本当に。
「初めて人を殺した感覚が、自分が[来]死んでからも怖くて、その怖さだけ[自]がどんどん強くなっていって・・・[i]気付いたら親も、あたしを虐めた子[a]たちもみんな呪い殺してた。それか[m]らワケが分からなくなって、気付い[k]たら隣にひなちゃんがいて・・・」[.]
女性は話し終えると、再び泣き出し[c]てしまった。その様子を見たひなは[n]、女性の頭を優しく撫でている。
「あゆみさん、私がここにいるのは[恐]、あゆみさんのせいじゃないんだよ[怖]。あのときは、ただあゆみさんの力[鬼]が暴れちゃってて、だから私の能力[故]に引き寄せられちゃったんだよ。私[事]は大丈夫だから、もう悲しまないで[文]」
ひならしい言い方だ。この子は昔か[章]ら自由気ままだが、人に優しくて誰[来]よりもしっかり者で、俺の・・・憧[自]れだ。
「ひなちゃん・・・ありがとおおお[i]お!!うわあああん!!おっ、おに[a]いさんも・・・助けにきてくれてあ[m]りがとうございますうううあああん[k]!!」
「え、いやぁ、俺はまだ何も・・・[.]でも、必ず助けます!ひな、行けそ[c]うか?」
俺の問いかけに、ひなは笑顔で頷い[n]た。
「うん、もちろんだよ!ずっとこの[恐]時を待ってたんだ」
ひなはそう言って、俺に左手を差し[怖]出してきた。俺は彼女の左手を右手[鬼]で握り返し、二人でもう片方の手を[故]夏空に翳した。
「止めよう、この暴走を」
ひなの力が暴走している今の状況な[事]らば、彼女と対の力を持つ俺が暴走[文]を止められる。今ここにいる、ひな[章]の力を借りて。
「あゆみさん、もう大丈夫。お兄ち[来]ゃん、頑張ろうね!」
「ああ、いこう!」
俺達が力を解き放った瞬間、海辺の[自]風景は一瞬にして何もない真っ白な[i]風景へと移り変わった。
「止まった・・・」
僅かな沈黙の後、女性がそう呟いた[a]。確かに、先程まで感じていた妙な[m]気の流れは完全に消え去り、ひなも[k]嬉しそうな顔をしている。
「あ、結構あっさり止められたな」[.]
「私とお兄ちゃんが力を合わせれば[c]最強ってことだね!やったー!」
俺とひなはハイタッチをした。何年[n]ぶりかのハイタッチだ。
「ありが・・・とう・・・!」
先程まで蹲っていた女性が、気付け[恐]ば立ち上がっていた。彼女は涙を流[怖]しながらも、嬉しそうに笑っていた[鬼]。
「ありがとう、ありがとう・・・![故]ごめんね、こんなに長い間迷惑かけ[事]て。ひなちゃん達にも、この世界に[文]も・・・」
「もう、大丈夫です。これからは、[章]せめて・・・安らかにお眠りくださ[来]い」
俺がそう言い終えた頃は、もう既に[自]彼女の姿が消えかかっていた。笑顔[i]で、手を振りながら。
あの海辺の町は、彼女の中にあった[a]心象風景のようなものだったのだろ[m]う。彼女が現世の束縛から解放され[k]ることで、その風景も消えたのだ。[.]
「お話してくれてありがとう、あゆ[c]みさん」
ひなの声を聞いた直後、俺は凄まじ[n]い立ち眩みに襲われて意識を失い、[恐]気付けば右京さんと蛍ちゃんが俺の[怖]顔を心配そうに覗き込んでいた。
「あっ、気が付いたか!よかったぁ[鬼]・・・竜巻の中に入ってったと思っ[故]たら、暫くして急に静かになったか[事]ら心配してたんだが、成功したんだ[文]な!立てるか?ひなちゃん、そこに[章]いるぜ」
「え、あ、どうも。ひな!?」
ひなが、いるだと!?どういうこと[来]だ!低血圧だったはずだが、妙に軽[自]い身体を起こしてみると、先程まで[i]黒い竜巻が渦巻いていた場所では、[a]赤い目を眠たそうに擦るひなと、そ[m]の横で彼女を見つめるサキの姿があ[k]った。
「ひな!お前、その姿は・・・?」[.]
「ん、お兄ちゃんおはよ~。私?い[c]ま幽霊になってるから、身体がふわ[n]ふわしてる感じだよ~」
初めてだ、幽霊とこんなふうに会話[恐]をしたのは・・・ひながこうして実[怖]体を保っていられるのも、彼女の能[鬼]力なのだろうか。
「お、おはよう。あ、そうだ!ひな[故]、たぶんもう成仏したいかもしれな[事]いけど、最後に一つだけお願いがあ[文]るんだ!聞いてくれるか・・・?」[章]
「ん?いいよ!っていうか、そっか[来]~・・・死んでるから成仏しないと[自]いけないんだね。散々だなぁ・・・[i]ま、いいや。お願いってなに?」
ひながここまで楽観的なのは、死ん[a]でから3年も経ってしまっているか[m]らなのだろうか。昔は自分のことを[k]バケモノだなんて呼んでいたのに、[.]成長したな・・・と言うべきなのか[c]?
「今この町はな、巨大な呪詛で人の[n]世界じゃ無くなろうとしてるんだ。[恐]その呪詛を止めるには、お前の力が[怖]必要なんだ。楊島に城崎鈴那ってい[鬼]う霊媒の女の人がいるから、彼女に[故]憑依して町を救ってほしい。詳しい[事]話は向こうで教えてもらえると思う[文]。まずは右京さんの車で楊島に向か[章]おう」
ここで俺は「幽霊も車に乗れるのか[来]」という疑問を覚えたが、心霊スポ[自]ットの怪談でそんな話をよく聞くの[i]で、まあ大丈夫だろう。
「う~ん、話が難しいね・・・でも[a]わかった!私にしかできないことな[m]ら、私がやるしかないよね!」
「ありがとう!それと、ひな」
「うん?」
「大好きだよ。どんなに離れていて[k]も」
俺の言葉を聞いたひなは、嬉しそう[.]に抱きついてきた。今更だが、シス[c]コンここに極まれりだな。
「お兄ちゃん・・・またいつか、会[n]えたらいいね」
「ああ、またいつかな」
「ちょいちょいちょいちょい、いく[恐]ら3年ぶりの再会とはいえ兄妹でイ[怖]チャイチャしすぎだろ~!おいしぐ[鬼]る、露ちゃんが妬いちまうぜ?」
兄妹水入らずの時間に突如として乱[故]入してきたサキは、そう言って俺の[事]頭に乗っかった。
「あ!あの時のヘビさん!生きてた[文]んだ~」
そう言えば、ひなはサキとも知り合[章]いだったか。彼女が死ぬ直前、最後[来]に言葉を交わした相手はサキだ。
「久しぶりだなぁ~!って今頃気付[自]いたのかよ!生きてたぜ、しぐるの[i]おかげでなぁ」
「よかった~、あのときは巻き込ん[a]でごめんね。あと、助けようとして[m]くれてありがとう!」
「な、なんだよぉ照れ臭いじゃねー[k]か」
ひなが楽しそうに話しているのを見[.]て、俺はこの上ないほど嬉しくなっ[c]た。だが、これから喜んでばかりも[n]いられない。この町の脅威を、何と[恐]してでも阻止しなければならないの[怖]だ。
「サキ、右京さん、蛍ちゃん、ひな[鬼]をお願いします」
「え・・・しぐちゃん、これからど[故]うすんの?」
俺は通信機を使い、ひな救出の任務[事]が終わったことを知らせると、その[文]まま次の任務を遂行すると告げた。[章]
「おいおい、少しは鈴那ちゃん達に[来]顔見せてけよぉ。それにお前さん一[自]人で大丈夫か?俺様にできることが[i]ありゃ力を貸すぜ?」
「サキ、俺の力は完全に目覚めた。[a]お前はもう俺に憑依できないだろ。[m]だから、お前は向こうに行って露を[k]守ってやって欲しい。それに・・・[.]」
今はこの町を救うことが大切だ。そ[c]のために、俺は早く敵地へ赴かなけ[n]ればならない。浄化の儀を行うので[恐]あれば、当然ながら汚染の儀を行っ[怖]ている異界連盟の者が存在する。影[鬼]の力が蔓延る領域に抵抗なく乗り込[故]めるのは、影の力のみを持つ俺だけ[事]だ。つまり・・・
「今の俺は、浄化された楊島に入れ[文]ないからさ」
俺はそう言って精一杯の笑顔を作っ[章]た。本当は寂しさで胸が張り裂けそ[来]うなのを、誰にも悟られないように[自]。イヤホンからは、浄化の準備が整[i]ったという昴の言葉が聞こえてくる[a]。
さぁ、ここからは俺一人の作戦だ。
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