5-05《荒田倩女幽魂》

iamk 日本恐怖故事 2024-02-08 21:00:02 265 0

难以入睡

虽然已经是十月了,但热带的夜晚还[文]在继续,我有点睡不着。

撕下裹在身上的毛巾毯,扇动一圈。

我是高中二年级的优。

我有点出汗,不舒服。

我起床去了厨房。我口干舌燥,想喝点东西。

当我从冰箱里拿出大麦茶,灌到喉咙里的时候,身体一点点凉了下来。

“呼!”

我喘口气,看了看时钟。我没有时间[章]睡觉。

“早点走,在车站前的Mac吃早餐[来]……”

~~~~~~~

我想换个地方我转身向车站走去。

然后我闻到了一股奇怪的味道。

有气味吗?

它闻起来像乙烯基和橡胶。夹杂着雨季特有的潮湿气味。

现在可以看到气味的来源,发黑的木头、玻璃和屋顶瓦片都被烟灰覆盖,和其他我不知道是什么的东西一起散落在泥泞的地面上。墙壁摇摇欲坠,布局不明。那一定是一座二层楼的建筑,现在只剩下一部分楼梯了。当然是一片漆黑。

在浴缸已经变形的地方,本该是马桶的地方,一个被烟灰覆盖的马桶横在四周。

“火……”

我正要改变主意,却大失所望。

当我飞快地过去,直奔车站而去时,我感到脊背发凉,转身。

被烧毁的房子看起来像另一个世界。[自]那是突然出现在平常平静的日常生活[i]中的异次元,噩梦。

~~~~~~

一边吃着早饭,一边想着刚才发生火灾的情景。

仍然湿透的景象表明大火刚刚被扑灭。大概是昨天,前天。如果火势那么大,你在家里应该能听到警报声。如果是这样,它发生在我在学校的白天。安娜消防活动是否延迟到火被完全烧毁?或者火势正在快速移动......

你紧紧地闭上眼睛,带着一个不好的[a]念头摇摇头。然后我有点头晕。 (我摇头太多了。。。) 在我缓缓睁开眼睛的那一刻,那股烧[m]焦的味道扑鼻而来。

当我惊讶地睁开眼睛时,它们是红色的。

熟悉的店内装潢被扭曲成红色和橙色,偶尔还能听到啪嗒啪嗒的声音。远处传来警笛声和许多说话声。一个女人的嚎叫声像尖叫一样在她的脑海里盘旋。

耳边响起了警报声。熟悉的闹钟声。[k]哦我的闹钟响了我必须停下来。向看[.]不见的闹钟伸出手。而且还是那家熟[c]悉的店。

我环顾四周,闻不到那种味道了。幻觉?是不是最近睡眠不足?

我深吸一口气让自己冷静下来,并说服自己这可能是我之前看到的那场可怕的大火的影响。我在视线的一角看到了一个时钟(咦,已经八点了!),然后匆匆赶往学校,完全忘记了刚刚发生的事情。

~~~~~~

中午,我和瑞穗、亚希照例在屋顶吃[n]午饭。刚吃完,瑞穗就拿出一张纸看[恐]了看。

“御子柴新使用说明书?这是什么?[怖]

“呵呵,做的不错吧?”

瑞穗得意地哼哼一笑。论文内容如下[鬼]

神子柴新使用说明书

・虽然表情变化不大,但并非故障。[故]

・如果想确认是否还有效,请观察眉[事]毛的动作。

・平时是无害的,但也有意外喷出毒[文]液的时候,所以和它说话时要格外小[章]心。

・问的时候要简明扼要,要用字典([来]Takahiro),因为有很多难[自]回答的词。

・如果有人不知不觉地站在你身后,[i]请不要感到惊讶。它非常脆弱,容易[a]损坏。

・平时温文尔雅,但当悠或与悠相关[m]的人遇到危机时,他会突然改变,以[k]出人意料的动作和速度戏弄敌人。

・她生性害羞害羞,逗逗她也挺好玩[.]的。那个时候,做好面对反击的准备[c]

如遇不可预见的情况,请向余询问任[n]何其他问题或确认。

“不行啊,瑞穗​​,要是新太看见[恐]你怎么办?”

“没事没事。

“我觉得你该打住了。是一张已经开[怖]始思考的脸。我一边喝着咖啡牛奶,[鬼]一边想他们可能会发现。

~~~~~~

“优,最近有什么变化吗?”新田开[故]口。

“嗯,没什么……晚上睡不好觉,因为太热了。” “可是。”说完就沉默了。

虽然平时我说话的时候新田能听到我说话,但今天他更安静了。

我做了什么...?正想着呢,那天[事]晚上播出的《我们回家吧》来了。

我忘了!我五点钟在超市接我姐姐。“是的,”新田一边说一边挥手开始跑步。在永远右转的十字路口,他转了离开,赶往姐姐等候的超市。

我答应今天的晚饭一起做晚饭,因为我不想让我从来没有做过任何东西的姐姐在学校练习烹饪时感到尴尬。

就在我气喘吁吁准备进超市的一刹那,一股香味又扑鼻而来。

超市内再次摇曳着红色和橙色。

当我再次听到警笛声和嚎叫声时,我[文]站在原地不动,肩膀被拍了一下。

“小优,你来晚了。”

回头一看,妹妹枫正鼓着腮帮子站在[章]那里。

“哦,对不起。”

我深吸一口气,努力平复狂跳的心。[来]

“看来你跑的太急了,我原谅你了。[自]

枫似乎没有发现我的不对劲。我不想担心,装作若无其事的样子,买完东西就回家了。

晚餐菜单是蛋包饭和蔬菜通心粉。非常好吃,但是枫树煎蛋卷饭就像上面有玉米烧的鸡肉饭。也许煎蛋饭会持续好几天。

~~~~~~

夜深了,今天又睡不着了。

我对热很敏感,但每天睡眠不足的时候很难受。今天我调动了电风扇,一阵微风吹拂着我的全身。

但不知为何,我的身体核心在燃烧。

我在翻来覆去翻来覆去的地方翻身寻找蒲团。我被眼前的困倦所吸引,倒下了。

不知道睡了多久。我可能还在做梦。[i]神志不清。

就是那个味道。

(又...)

睁开眼,我在一个陌生的地方。

稍大一点的电视,一张长长的玻璃桌,一张沙发,书架上摆满了杂志、相册、裁缝刺绣、家庭医学和字典。

回头一看,是一个吧台厨房,整齐地[a]摆放着许多香料和调味料。以后我结[m]婚的时候,我梦想每天在这样的厨房[k]里为我丈夫做饭。

忽然,我有所感应,四下张望。

书架旁边有一个宠物笼。

一只比格犬蜷缩在笼子里睡觉。当我[.]向前一步靠近时,它突然开始变幻出[c]红色和橙色。

一时间,房间里充满了热气。

看不见的火焰在你的皮肤上爬行。皮[n]肤被撕裂,脂肪在慢慢燃烧时冒泡。[恐]

令人发狂的热度灼伤了我的喉咙,我什至发不出声音。

不知不觉,黑烟弥漫,什么也看不见。

我无法呼吸,我什么也看不见,我全[怖]身都痛,有人帮帮我……

我感觉脚下有个洞,我'我突然坠落。当我身体一跳,反射性地睁开眼睛时,我已经在自己的房间里了。

汗水从全身涌出,床单湿漉漉的。

我看了看表,五点五分,我要去洗个[鬼]澡去上学了。

嘴巴很干。

~~~~~~

由于睡眠不足,我的身体很沉,腿也[故]不太容易前行。在上学的路上慢慢走[事]着的时候,我的后背被人用力地撞了[文]一下。.

“早上好,怎么了?身体不舒服!是[章]不是天文社又搞事情了?”我站在那[来]里,一脸激动。

“可惜,没什么。”

叹息着回答。

你看起来不像什么都没有。

“我看起来很糟糕吗?”

“优,我不会说坏话的,所以我觉得[自]你应该和新田君谈谈。”但我不太愿[i]意说实话。

真是烦人,不能每次都烦。

那天我在课堂上没有听到任何消息,因为我正在与困倦作斗争。

为了尽可能不让大家担心,我觉得我[a]玩得比必要的多。

~~~~~~

宇很奇怪。

从前天开始,我就一直在专注于宇身后的事情。

我不确定它是什么,它可能并不总是[m]被附身。我仔细地寻找余香之类的东[k]西,还是想不通。昨天在回家的路上[.]问过于,他没有告诉我。我猜他在乎[c]我。

何时、何地、什么触发它?

老实说,我一刻都不想离开于,但我做不到,很沮丧。

我找借口放学后和他一起去书店。

小宇一如既往地笑着开朗地说:“我很好。”

宇,你别担心我。

我是个笨蛋...

~~~~~~

和新太一起去书店回来的路上,新太给了我果汁。对待我。

我们坐在公园的长椅上,边休息边聊着买的书。

Arata 的故事很有趣,他的解释方式也很独特,听起来也很有趣。也有这样一种想法,那只是为了它。

时间过得很快【我们回家吧】U] 播出。

“我们快点回家吧,今天又是煎蛋饭[n],你喜欢煎蛋饭吗?”不过我喜欢。[恐]

“什么意思?你的意思是我老土了?[怖]又是那种味道。

刹那间,新田的脸色变了。被发现了[鬼]。而就在我这么想的同时,昨晚梦境[故]的重演开始了。

热和痛让我晕倒。

对不起,新田,又给你添麻烦了。

~~~~~~

宇晕倒了。你一定是在做噩梦。我必[事]须尽快完成它。

我终于看清了现实。一只死于火灾的[文]狗。一定很辛苦吧。拼命寻求帮助。[章]我想在远方聆听他心爱的主人的声音[来]时多陪在他身边。

“别担心了,别受苦了。”

狗的意识涌了进来。我确定 Yuu 也是。

泪水从优不自觉闭上的眼睛里涌了出来。

“Eito Kagami, Beto Kagami, Yatsugiri Tsurugi, Ikutama, Death Ball, Ashidama, Dogaetama, Snake Hire, Bee Hire, Goods Hire, Furube, Yurayuratome, Furube...”

p>

随着我小声念诵,狗的意识渐渐淡去。

宇和狗现在应该没事了。还有最后一[自]件事要做。

~~~~~~

为什么热得喘不过气来?这是怎么回[i]

那只比格犬一直在伤心地叫,一定是[a]有话要说。

可是我不知道该怎么办,对不起,对[m]不起……

醒来的时候,泪流满面,微微有些不[k]适我的脸颊。我靠在坐在我身边的新[.]田身上。

“起来了吗?感觉怎么样?”

新太看起来有些生气。

“对不起……”

想都没想就道歉了。

“你能走路吗?我们走吧?”

? ? ?

我听不懂,默默地跟在新太后面。我[c]走一点就有一种不好的预感。还有那[n]个……

毕竟是火灾现场。

“宇,你不说也明白吧?”开口。

“你知道那个倒塌的书架吗?那条狗[恐]已经死在书架下面了,主人急着要救[怖]她,但是当消防员找到她的时候,已[鬼]经来不及了。宇,你还记得什么时候[故]总是发生了什么事?”你知道吗?

“数码?什么都没注意到,非常遗憾[事]地被抓住了。

我早该告诉新田的。迫不及待的想求[文]助,但又犹豫了一下,装作很酷,因[章]为我只想着自己的方便……真的很抱[来]歉……

新田默默地抚摸着我的头。是的,直[自]到我的眼泪停止……我感到有什么东[i]西轻轻地舔着我泪流满面的脸颊。

~~~~~~

几天后,我听邻居说一对夫妇失火了[a]。由于狗的死亡震惊,他的妻子住院[m]了。

我决定去医院,在那里我被告知 Arata 要来看我并传达我的狗的感受。

那天,夫妻俩出去吃饭庆祝。他的妻子怀孕了。我们结了婚,搬进了新房子,和邻居相处融洽,新婚生活很幸福。

但随后噩梦发生了。这是纵火。

夫妻俩举杯敬酒,妻子笑说这是最后一口酒,痛快地回家了。

这是一个令人难以置信的景象。我幸福的家着火了,我心爱的狗还在里面。

尽管妻子拼命恳求,消防员还是找不到狗。洒在火上的煤油很快就着火了,除此之外,还被掩埋在倒塌的书架下,再也听不到任何呼救声。

Arata 不相信我,但狗祝这对夫妇幸福。据[k]说他是佛。

先生

~~~~~~

“抓到纵火犯,结案了。”

“还没有。”

是的,我还有一篇布道。稍微耸耸肩,做好随时过来的准备。

但是,新太却红着脸说出了意想不到[.]的话。

“宇,你不用担心我,我要你永远依[c]赖我。”

“嗯。”

听到我强忍着爆发的回答,新田开心地笑了。

而第二天,【御子柴新的使用说明书】被新轻而易举的找到了,瑞穗被新说教了。


作者:伽羅
原文:五時五分 『アラタ怪奇譚』

寝苦しい

もう十月だというのに熱帯夜が続き[n]少し寝不足だった。

身体に包まってるタオルケットを剥[恐]ぎ取りバタバタと扇ぐ。

私はユウ、高校二年生、少し特異体[怖]質なこと意外は普通な女子高生。

うっすらと身体が汗ばんで不愉快だ[鬼]った。

たまらずベッドから出てキッチンに[故]向かう。口がカラカラだ、何か飲み[事]たい。

冷蔵庫から麦茶を出して勢い良くノ[文]ドに流し込むと少しだけど身体がク[章]ールダウンした。

「ふぅっ!」

一息ついて時計を見ると五時五分、[来]もうこんな時間、すぐにいつも起き[自]る時間になってしまう。もう寝る時[i]間はなかった。

「早めに出て駅前のマックでモーニ[a]ングでもするか...」

~~~~~~

気分転換がしたくて遠回りして駅に[m]向かった。

すると何か変な臭いがしてきた。

「臭い?なんだろう?」

湿っているような、砂っぽいような[k]、これは焦げた臭い?

ビニールとかゴムとか色んな臭いが[.]した。梅雨時の様な湿った独特の臭[c]いにまじって。

臭いの元が見えてきた、真っ黒に煤[n]けむき出しになった木材、ガラスや[恐]瓦は煤にまみれ、ビチャビチャの地[怖]面に何かわからなくなってしまった[鬼]物体と共に散乱している。壁は崩れ[故]間取りがわからない。二階建てだっ[事]たのだろう、かろうじて階段の一部[文]が残っている。もちろん真っ黒だっ[章]た。

ぐにゃりと歪な形になってしまった[来]浴槽、トイレがあったであろう場所[自]に、これも煤だらけの便器が転がっ[i]ていた。

「火事か...」

気分転換のつもりがヘコむ場面に出[a]会ってしまった。

足早に通り過ぎまっすぐ駅に向かう[m]、なんだか背筋が寒い気がして思わ[k]ず振り向いてしまった。

全焼してしまった家は、そこだけ別[.]世界に見えた。いつもと変わらない[c]平穏な日常に突然あらわれた異次元[n]、悪夢だった。

~~~~~~

モーニングを食べながらさっきの火[恐]事現場の事を考えていた。

まだびっしょりと濡れた現場は消火[怖]したばかりだとわかる。おそらく昨[鬼]日、一昨日だろう。あれほどの火事[故]なら家に居ればサイレンの音ぐらい[事]聞こえてくるはず。だとしたら私が[文]学校にいる日中の出来事だ。あんな[章]に全焼するまで消火活動が遅れたの[来]か?それとも火の回りが速かった.[自]..

嫌な考えに取り付かれ固く目を閉じ[i]ブンブンと首を振る。と、軽く眩暈[a]が起きた。(首ふりすぎた...)[m]ゆっくり目を開こうとした瞬間、あ[k]の焦げ臭いにおいがイキナリ鼻を襲[.]う。

ハッと驚いて目を開くと、赤だった[c]

見慣れた店内は赤やオレンジにユラ[n]ユラと歪み、時折パチンパチンと何[恐]かが弾ける音がする。遠くでサイレ[怖]ンの音とたくさんの声。悲鳴に似た[鬼]女性のわめく声が頭の中で渦をまく[故]

耳の奥でアラームが鳴った。聞きな[事]れた目覚ましの音。ああ、私の目覚[文]まし時計が鳴っている。止めなきゃ[章]。見えない目覚ましにむかって手を[来]伸ばす。と、いつもの見慣れた店内[自]だった。

辺りを見回す、もうあの臭いはしな[i]い。幻覚?最近寝不足だから?

さっき見た凄まじい火事現場の影響[a]かも、と自分を納得させ気持ちを落[m]ち着かせようと深く深呼吸。視界の[k]端に時計を捕らえる(えっ、もう八[.]時!)さっきの出来事はすっかり忘[c]れ大急ぎで学校に向かった。

~~~~~~

お昼、屋上でいつものようにミズホ[n]、アキとお弁当を食べた。食べ終わ[恐]るなりミズホが見て見てと一枚の紙[怖]をだしてきた。

「御子柴 新 取り扱い説明書?何これ?」

「えへへ、よく出来てるでしょ?」[鬼]

自慢げにエヘンと笑うミズホ。紙に[故]はこう書かれている。

御子柴 新 取扱説明書

・表情はあまり変化しないが故障で[事]はない。

・それでも機能しているか確認した[文]い時は眉の動きを観察して下さい。[章]

・普段は無害ですが予期せず毒を吐[来]くときがあるので話をするときは細[自]心の注意が必要。

・質問をするときは簡潔に、解答は[i]難解な言葉が多いので辞書(タカヒ[a]ロ)が必要。

・気づかぬうちに背後に立っている[m]ことがあるので驚かないこと。意外[k]と繊細なので傷つくことがあります[.]

・通常は温厚だがユウもしくはユウ[c]の関係者に危機が及ぶと豹変し、思[n]わぬ行動やスピードで敵を翻弄する[恐]

・内気でシャイなので、からかうと[怖]面白い。その際、逆襲にあうことを[鬼]覚悟して行うこと。

その他の質問や予期せぬ事態にあわ[故]せた確認などはユウに聞く。

「まずいよミズホ、アラタに見られ[事]たらどうするの?」

「だいじょぶ、だいじょぶ、気をつ[文]けるからさ。今度はタカヒロバージ[章]ョンも作るから出来たら見せるよ。[来]

「やめたほうがいいと思うよ。」

ミズホは聞く耳もたないといった風[自]でニヤニヤしてる。もう考え始めて[i]いる顔だ。きっとばれる事になるん[a]だろうな...と思いながらコーヒ[m]ー牛乳をすすった。

~~~~~~

「ユウ、最近なにか変わったことな[k]いか?」

放課後、アラタとの帰り道、思い切[.]った感じでアラタが口を開く。

「えっ、別に何も...夜、暑くて[c]よく眠れないくらいだけど。」

アラタは何か考えこんでいたが、す[n]ぐに「それならいいんだけど。」と[恐]言って黙ってしまった。

普段から私がしゃべっているのを聞[怖]いていることが多いアラタだけど、[鬼]今日は一段と無口だった。

何かしたかなぁ...?なんて思っ[故]ていると夕方のあの〔帰りましょう[事]〕の放送が流れた。

「ヤバッ、忘れてた!妹と五時にス[文]ーパーで待ち合わせしてたんだった[章]。アラタごめん、私こっちだから、[来]また明日ね~!」

少し戸惑いながら「うん。」と言う[自]アラタに手を振りながら走り出し、[i]いつも右にまがる十字路を反対の左[a]にまがり妹が待つスーパーに急ぐ。[m]

いつも料理なんかしたことがない妹[k]が学校の調理実習で恥をかきたくな[.]いからと、今日の夕食は予習を兼ね[c]て一緒に作る約束だった。

息を切らしスーパーに入ろうとした[n]瞬間、またあの臭いが鼻をつく。

スーパーの中はまたしても赤やオレ[恐]ンジに揺らいでいた。

またあのサイレンやわめき声を聞い[怖]てボーゼンと立ち尽くしているとポ[鬼]ンと肩を叩かれた。

「ユウちゃん遅いよ~。」

振り向くと妹のカエデが頬っぺたを[故]プゥ~と膨らませ立っていた。

「あぁ、ごめんね。」

ドキドキと鳴る心臓を静めようと深[事]呼吸した。

「急いで走ってきたみたいだから許[文]してあげる。」

カエデは私の異変に気づいていない[章]みたいだった。心配かけるのが嫌で[来]何もない振りをして買い物を済ませ[自]家に帰った。

夕食の献立はオムライスとミネスト[i]ローネ。とても美味しく出来たがカ[a]エデのオムライスはチキンライスに[m]卵焼きが乗ってるみたいだった。お[k]そらく数日間、オムライスが続くと[.]こだろう。

~~~~~~

深夜、また今日も寝苦しい。

けっこう暑がりな方だけど、こう毎[c]日寝不足が続くと辛い。今日は扇風[n]機を動員させ心地よい風が全身をな[恐]でる。

しかし何故か身体の芯が火照る。

何度も寝返りを打ってヒンヤリした[怖]場所の布団を求めてゴロゴロと転が[鬼]る。いつしか訪れた睡魔に招かれる[故]がままに落ちていった。

どれくらい寝たのか解らなかった。[事]まだ夢の中なのかもしれない。意識[文]はハッキリしない。

ただ、あの臭いがしていた。

(まただ...)

目を開けると見知らぬ場所だった。[章]

少し大きめなテレビ、背の低いガラ[来]スの長テーブル、ソファー、本棚に[自]は雑誌や写真集、趣味の洋裁や刺繍[i]の本、家庭の医学や辞書が並んでい[a]る。

後ろを振り返ると綺麗に整理された[m]数々のスパイスや調味料が並ぶカウ[k]ンターキッチン。将来、結婚したら[.]こんなキッチンで毎日だんな様のた[c]めに料理をしたいと夢見るようなダ[n]イニングだった。

ふと、何かの気配を感じ見回して気[恐]づく。

本棚の隣にペット用のゲージがあっ[怖]た。

ゲージの中にはビーグル犬が丸くな[鬼]って眠っている。近くに行こうとし[故]て足を一歩前に出すと急に赤、オレ[事]ンジに揺らぎだした。

部屋中があっという間に熱気に包ま[文]れる。

肌を見えない炎が這ってくる。じり[章]じりと焦がされ皮膚が裂け脂肪が泡[来]立つ。

気が狂いそうな熱気がノドを焼き声もだせない。

5-05《荒田倩女幽魂》 日本恐怖故事

いつしか真っ黒な煙が充満して何も[自]見えなくなってしまう。

息ができない、何も見えない、身体[i]中が痛い、誰か助けて...

足元に穴が開いたような感覚、急に[a]落ちていく。身体がビクンと跳ね反[m]射的に目を開けると自分の部屋に居[k]た。

身体中から汗が噴出しシーツまでぐ[.]っしょりと湿っている。

時計を見ると五時五分、シャワーを[c]浴びて学校に行こう。

また口はカラカラだった。

~~~~~~

寝不足の身体は重く足もなかなか前[n]に出ない。のろのろ学校への道を歩[恐]いてると後ろから勢い良く背中を叩[怖]かれる。

「おはよー、どうしたの?元気ない[鬼]じゃん!また何かやったのかい天文[故]部。」

三面鏡事件の時のアッコが面白いに[事]おいを嗅ぎつけたみたいなワクワク[文]とした表情で立っていた。

「残念だけど何もないよ。」

ため息まじりにそう返す。

「何もないって顔じゃないね。」

私の顔を覗き込み興味津々だった顔[章]から一転して心配そうに言った。

「私、ひどい顔してる?」

顔色が変わったアッコに驚き思わず[来]聞いてしまった。

「ユウ、悪いこと言わないからアラ[自]タ君に相談したほうがいいと思うよ[i]。」

心配してくれているアッコには一応[a]「うん。」と返事をしたが正直気が[m]進まなかった。

毎回、面倒ばかりかけられない迷惑[k]だよね。

その日の授業は睡魔との闘いで何も[.]耳に入ってこなかった。

なるべくみんなに心配をかけないよ[c]うに必要以上にはしゃいでいたと思[n]う。

~~~~~~

ユウが変だ。

俺は一昨日からユウの背後にいる何[恐]かに気を集中していた。

なかなか正体がわからない、たぶん[怖]常に憑いているわけじゃないみたい[鬼]だ。残り香のようなモノを注意深く[故]探るが、やはり解らない。昨日の帰[事]り道ユウに聞いてみたが話してくれ[文]なかった。俺に気を使っているのだ[章]ろう。

いつ、どこで、なにがきっかけでヤ[来]ツは発動するのか?

ホントならユウから片時も離れてい[自]たくなかったが、そんなわけにもい[i]かずもどかしい思いでいた。

放課後、一緒に本屋に行って欲しい[a]と口実を作った。

いつもの笑顔で元気に「いいよ。」[m]と言ったユウは、やはりカラ元気に[k]みえた。

ユウ、俺に気を使うな、いつでも頼[.]って欲しい...そんなセリフ恥ず[c]かしくて言えるか!

馬鹿みたいだ、俺は...

~~~~~~

アラタに付き合って本屋に行ったそ[n]の帰りアラタがジュースをおごって[恐]くれた。

公園のベンチに座って休憩がてら買[怖]った本の話で盛り上がった。

アラタの話は面白い、解釈の仕方が[鬼]独特で聞いてると楽しい。こんな考[故]え方もあるんだ、と為になる事ばか[事]りだった。

あっという間に時間は過ぎ〔帰りま[文]しょう〕の放送が流れた。

「そろそろ帰ろうか、また今日もオ[章]ムライスだなぁ。アラタはオムライ[来]ス好き?」

「好きだけど、あの半熟の卵は嫌だ[自]な。昔ながらのオムライスの方が俺[i]は好き。」

「やっぱり!アラタは絶対そうだと[a]思ったよ。」

「どうゆう意味?俺が古臭いって言[m]いたい?」

「ちがうよ~。」

なんて言って笑っていると、またあ[k]の臭いに包まれる。

瞬間、アラタの顔つきが変わった。[.]しまったバレた。と、思うのと同時[c]に昨夜の夢の再現が始まる。

熱気と激痛で気が遠くなる。

ごめんねアラタ、また迷惑かけちゃ[n]う。

~~~~~~

ユウは気を失ってしまった。きっと[恐]悪夢を見ているだろう。早く終わら[怖]せなければ。

やっと実態が見えていた。火事で死[鬼]んでしまった犬だった。よほど辛か[故]ったのだろう。必死に助けを求めて[事]いる。遠くで大好きな飼い主の声を[文]聞きながら、もっと一緒にいたかっ[章]た、飼い主の新婚生活を見ていたか[来]った、飼い主の作る美味しいご飯を[自]笑顔で食べるだんな様を見ていたか[i]った。

「もう心配いらない、苦しまなくて[a]いいんだ。」

犬の意識が流れ込んでくる。きっと[m]ユウにも。

気を失っているユウの閉じられた目[k]から涙があふれ出ていた。

「瀛都鏡 邊都鏡 八握劔 生玉 死返玉 足玉 道返玉 蛇比禮 蜂比禮 品物比禮 布瑠部 由良由良止 布瑠部...」

静かに唱えると犬の意識は段々と薄[.]れて行った。

これでユウと犬は大丈夫だろう。最[c]後にやらなければならない事がひと[n]つ残っている。

~~~~~~

焼ける熱気に息が出来ない、どうし[恐]て?何が起こってるの?

あのビーグル犬がずっと悲しげに鳴[怖]いていた、伝えたい事がきっとある[鬼]んだ。

でもどうすればいいかわからない、[故]ごめんね、ごめんね…

頬を濡らす涙に軽い違和感を感じ目[事]が覚めた。隣に座っているアラタに[文]もたれかかって。

「起きた?気分はどう?」

アラタは少し怒っている様にみえた[章]

「ごめんなさい...」

おもわず謝ってしまった、また迷惑[来]かけたんだ怒ってて当然だよね。

「歩ける?じゃ、行こっか。」

???

訳がわからなかったけど黙ってアラ[自]タについていく。少し歩いていくと[i]嫌な予感。そっちの方にはあの..[a].

やっぱりだった、そう火事の現場。[m]

「ユウ、何も言わなくても解ってる[k]よね?」

こういう言い方の時のアラタは少し[.]怖い、黙ってうなずくとアラタは短[c]いため息のあとゆっくり口を開く。[n]

「あの崩れた本棚わかるだろ?あの[恐]下敷きになって犬は死んでたんだよ[怖]。飼い主は必死にあの子を助けてと[鬼]訴えていた、でも消防隊員が発見し[故]たときは手遅れだった。ユウ、いつ[事]も異変が起きたとき何時だったか覚[文]えてる?」

「たしか五時過ぎ...」

「五時五分、デジタル表示だとわか[章]るかな?」

「デジタル?...あっ!」

「そう、SOSになるだろ?」

愕然とした、私は何も気づかなかっ[来]た、そして物凄い後悔に襲われる。[自]

早くアラタに打ち明けるべきだった[i]。あんなに必死に助けを求めていた[a]のに、私は自分の都合ばかり考えて[m]躊躇してカッコつけて...ほんと[k]にごめんね...

アラタは黙って私の頭を撫でてくれ[.]ていた、私の涙が止まるまで...[c]そして私は涙がつたう頬をそっと舐[n]める何かを感じていた。

~~~~~~

後日、近所の方から火事にあったご[恐]夫婦の話を聞けた。あの犬の死がシ[怖]ョックで奥さんは入院していた。

アラタと教えてもらった病院にお見[鬼]舞いと犬の気持ちを伝えに行くこと[故]にした。

あの日、夫妻はお祝いのため外食に[事]出かけていた。奥様は妊娠をしてい[文]たのだった。結婚してあの新居に移[章]り住み、ご近所ともうまく付き合っ[来]ていて幸せな新婚生活だった。

しかし、あの悪夢が起こった。放火[自]だった。

夫妻はワインで乾杯して奥様は最後[i]の飲酒だと笑って幸せな時間をすご[a]し帰宅した。

信じられない光景だった。幸せだっ[m]たマイホームが燃えている、最愛の[k]愛犬がまだ中にいる。

奥様は必死に訴えるが消防隊員は犬[.]を見つける事ができない。撒かれた[c]灯油で火の手は早く、そのうえ崩れ[n]た本棚に埋もれ助けを求める鳴き声[恐]は聞こえなかった。

アラタは信じてもらえないと思った[怖]が犬は夫妻の幸せを願いながら成仏[鬼]したと伝えた。

奥様は泣きながら消え入りそうな声[故]で言った、「ありがとう。」と。

~~~~~~

「放火犯は捕まったし一件落着だね[事]。」

「いや、まだだよ。」

そうでした、まだお説教が残ってた[文]。少し肩をすぼめ、いつでもどうぞ[章]と覚悟する。

しかし、アラタは真っ赤な顔で意外[来]な事を言った。

「ユウ、俺に気を使うなよ、いつで[自]も頼って欲しい。」と。

「うん。」

吹き出すのをこらえながら返事をし[i]たらアラタは嬉しそうに笑った。

そして次の日、〔御子柴新 取扱説明書〕は、あっさりアラタに見つかりミズホはアラタに説教された。

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