约克夏犬

iamk 日本恐怖故事 2024-04-26 15:00:02 63 0

今年春天,影屋一家搬到了埼玉县的一个乡村小镇。

我买的二手新房是一栋建于15年前[文]的两层木屋,占地150坪,还有宽[章]敞的花园。

可能是因为离市中心较远,所以价格[来]相对较低,我能以和我在市中心住过[自]的公寓出售成本差不多的价格购买它[i]

我们一家四口:父亲在东京工作,母[a]亲是家庭主妇,大女儿千花是高中二[m]年级学生,妹妹麻美是初三学生学生[k]。他们的父母想要住在一个被大自然[.]包围的地方。我选择了这个乡村小镇[c]

千歌和麻美当然要转学了,而且距离[n]他们开始上新学校已经有一周左右了[恐],但除了到学校需要更长的时间之外[怖],学校生活似乎到目前为止进展顺利[鬼]

虽然父亲的通勤时间从20分钟增加[故]到了一个半小时,但他似乎并不辛苦[事],因为他在家工作,他和母亲一起打[文]理家务,花园,我别无选择。

此外,兰丸(Ranmaru),一[章]只五岁的约克夏犬,我自从住在公寓[来]以来就一直养着,它在他的新家里表[自]现得很好。

兰丸有着典型的棕黑相间的毛色,性[i]格也很冷静,不过由于我好久没有带[a]他修剪头发了,所以他的头发已经长[m]得很长了,看起来就像会动的拖把一[k]样。是这样的。

不过麻美似乎很喜欢,经常洗头,皮[.]毛光滑,看起来并不脏。

然而,有件事让千歌和麻美感到困扰[c]

这所房子的客厅大约有20张榻榻米[n]大小,兰丸经常礼貌地坐在客厅角落[恐]里的空白墙壁上做一些事情。我正在[怖]看着它。

那堵墙上什么也没有。角落里有一盆[鬼]发财树,这是我从公寓带来的一米高[故]的观赏植物,但我不知道兰丸在看什[事]么。

◇◇◇◇

那天,父母参加亲戚的婚礼很晚才回[文]家,千歌和麻美一起吃完晚饭。

正值高考的麻美说要学习,就去二楼[章]自己的房间住了下来。千歌在客厅看[来]了一会儿电视,但是没有什么有趣的[自]节目,所以她坐在客厅的地板上。里[i]面放了一个大串珠垫子。他正趴在屏[a]幕上玩着他的智能手机。

不知不觉间,我似乎已经睡着了,醒[m]来时,灯已经灭了,房间里一片漆黑[k]

并不是因为外面的光透过窗帘照进来[.]什么都看不见,而是根本没有人影。[c]

不知麻美是否从二楼下来并关了灯。[n]

而那个趴在她背上睡觉的人一定是兰[恐]丸了。

当我这样睡觉时,常常不知不觉就趴[怖]着睡了。

当我伸出手的时候,指尖触到了长发[鬼]

(毕竟是兰丸……很重。)

当我试图将它举起并从肚子上取下来[故]时,我用力对它施加了一点压力双手[事],感觉很奇怪。我就是这么做的。

兰丸的身体在浓密的皮毛下很坚硬。[文]

这不仅仅是困难。奇怪的圆。

我想知道它出了什么问题,所以我把[章]它捡了起来。

千歌双手之间的并不是兰丸。

一时之间,我觉得兰丸的形状有些奇[来]怪,但仔细一看,却发现那是一个长[自]发女人的头。

虽然只是脖子以上,但从长发之间探[i]出的眼睛却睁得大大的,盯着千歌,[a]仿佛在祈求着什么。

“嘎啊!”

我尖叫一声,把它扔到地上,就听到[m]爪子敲击地板的声音,我转头抬头一[k]看。就是平常的兰丸。

他一脸震惊地看着千歌,想知道他突[.]然被扔掉时发生了什么。

嘟嘟嘟!

楼梯处传来可怕的声音,麻美从二楼[c]跑下来,冲进客厅。

“姐姐!怎么了?!”

就在这时,客厅里亮了起来,麻美跑[n]了进来。谁打开了灯?

客厅里除了和千歌坐在一起的兰丸之[恐]外,没有其他人。

“姐姐?”

看到千歌在垫子上四处张望,看到没[怖]有什么问题,麻美松了口气,但又想[鬼]知道到底出了什么问题。我问千歌。[故]

“啊,不,没关系。我想我睡着了,做了一个奇怪的梦。对不起。”

<当我看了看时钟时,已经是午夜前一点了。看来爸爸妈妈还没有回家。

“别再吓我了。”

麻美叹了口气,回到了二楼。

◇◇◇◇

但是几天后,就轮到麻美了。

那天麻美一直努力学习到很晚,但当[事]午夜来临的时候,她从二楼来到客厅[文],以为是时候刷牙睡觉了。

父母和千歌似乎都已经睡着了,兰丸[章]蜷缩在客厅的沙发上,灯也关了。

平时都是和千歌一起睡的,不过也许[来]是因为那天发生的事情,兰丸好像被[自]留在了客厅里,只抬起头从二楼下来[i]。我看着玉见。

“哦,兰丸,今天你姐姐又抛弃你了[a]吗?”

麻美嘴里叼着牙刷走到沙发前,在蜷[m]缩着的兰丸身边坐下。我把它放下了[k]

客厅的灯没有开,唯一的光来自开着[.]门的浴室。

当我给兰丸揉背、刷牙时,我突然感[c]觉兰丸卷曲的背脊变得僵硬了。

“?”

当麻美低头看着兰丸,想知道发生了[n]什么事时,她抚摸的人不是兰丸。

一个长发女人的头侧躺在垫子上,麻[恐]美抚摸着它。

然后,从长发之间探出的眼睛转向麻[怖]美。

“啊!”

麻美尖叫一声从沙发上摔下来,牙膏[鬼]泡沫从她嘴里喷出来。

然后,他盯着地板上的断头,脸抽搐[故]起来,僵住了。

然后,几秒钟后,我听到有人跑下楼[事]梯的声音。

“怎么了?”

听到爸爸洪亮的声音,客厅里顿时明[文]亮起来。

兰丸蜷缩在坐在沙发前的麻美面前,[章]抬起头一脸困惑地看着父亲。接下来[来],妈妈和千歌也下了楼梯。

“我的脖子……兰丸变成了女人的头[自]!他在瞪着我!”

父亲闻言坐到了沙发上。我看着上面[i]的兰丸,却看不到任何变成兰丸的东[a]西。

他仍然一脸茫然地看着我,想知道发[m]生了什么。

“兰丸并不奇怪,可能是半睡半醒吧[k]。”

父亲说着,把兰丸抱了起来,但还是[.]一如既往的兰丸。

麻美一定是对自己所看到的失去了信[c]心,看上去快要哭了,然后就沉默了[n]

“麻美没有半睡半醒!我也看到了![恐]当时我还以为是在做梦呢。”

Chika前几天对她的父亲这样说[怖].我谈到了我看到的被砍下的头颅。[鬼]

“不,别说吓人的话。”

母亲脸色抽搐,后退了几步,远离三[故]人。

“兰丸以前从来没有遇到过这样的事[事]情,对吧?”

Chika 对于父亲的问题摇了摇头。

从兰丸只有几周大的时候起,千花就[文]和兰丸一起睡了五年了。

“自从我们搬进这所房子以来,兰丸[章]就一直坐在那堵墙前,盯着它看。”[来]

千花的话她母亲也点了点头。

“我也很好奇,不知道兰丸在看什么[自]。”

父亲起身走到墙边,并没有什么特别[i]不同的地方。

“反正兰丸要和我一起睡,所以今晚[a]你就睡在自己的房间吧。”

根据家人的说法,这个房间似乎客厅[m]里的东西很可疑。它靠近墙壁,他父[k]亲可能认为最好不要把兰丸放在那里[.]

正如他父亲所料,那天晚上没有发生[c]任何其他事情。

◇◇◇◇

第二天,父亲给中介房子的房产公司[n]打电话询问,他坚称没有这所房子里[恐]没有这样的故事。

当然,仅仅因为房地产经纪人不知道[怖],并不意味着什么都没有发生。

不过,原房主建好这栋房子后,就移[鬼]居海外工作,并将房子卖掉,所以似[故]乎并没有什么特别可疑的地方。

但是,只出现脖子。

房地产经纪人说他没有任何问题,但[事]我不认为他死的方式不寻常。

父亲又仔细检查了墙壁周围的区域,[文]但由于是原木搭建的木屋,他想不出[章]墙壁上嵌有什么东西,也没有任何奇[来]怪的污渍。

我也检查过地板下面,但没发现什么[自]特别奇怪的地方。

一定有什么东西......

当父亲站在墙前思考时,他看到了发[i]财树,一种种在大花盆里的室内植物[a]。它抓住了我的眼睛。眼睛。

自从我住在以前的公寓以来,这个锅[m]就一直在那里,所以我不认为这是原[k]因。

然而,父亲感觉树根有些奇怪。

这是砾石。

上面覆盖着直径约1厘米至2厘米的[.]鹅卵石。

我对它没有清晰的记忆,但我确信当[c]我把它留在公寓客厅时它不在那里。[n]

父亲蹲下来,看着碗里。

“嗯?”

父亲从石头里拿起一块扁平的白色小[恐]块,每边约两厘米,厚五毫米。

“嘿,你从哪里弄来这个碗里的鹅卵[怖]石?”

当她父亲喊她时,她母亲从厨房里出[鬼]来擦手。 .他走近我,看着碗里。

“哎哟,这颗小石子,是我刚搬到这里,去那边小溪散步时,在河边捡到的……有什么问题吗?”

< p>“看看这个。它可能是头骨的一部分。”

当被问及时,这块碎片稍微呈圆形。[故]

当她母亲听到“头骨”这个词时,她[事]的表情变得严肃起来。

如果你看一下罐子里面,你会发现其[文]他一些类似的碎片混在一起。

如果不是女儿被斩首的事件,我还不[章]会意识到这一点。

父亲立即联系了警方。

◇◇◇◇

据警方透露,大约三年前,在距这里[来]上游约1公里处发现了河床,显然是[自]被肢解的尸体。草丛中发现一具女性[i]尸体。

然而,只有头部没有找到,调查现已[a]停止。

受害者和凶手的身份仍然未知。

我们必须将它与花盆里的骨头碎片进[m]行比较,但它是否仍然是一个头。警[k]察说,如果是头骨,很可能是死者的[.]头,他们仔细观察了母亲捡起石子的[c]地方。

结果...

头骨的许多部分在河岸附近被发现,[n]DNA与之前发现的身体其他部分相[恐]匹配。

一般来说,很难想象一个头骨能在几[怖]年之内被打碎成这么小的碎片,而且[鬼]凶手很可能是压碎了头颅,但目前还[故]不清楚这是否是由于是否有严重的恩[事]怨。目前还不清楚他们是否试图避免[文]这种情况。

从只有头部被压碎的情况来看,很可[章]能是前者。

◇◇◇◇

花盆里的头骨碎片全部被警方找回,[来]但父亲将所有的鹅卵石归还给了父亲[自]。河岸边,我打电话给神社的住持,[i]让他给客厅驱魔,之后就没有发生什[a]么奇怪的事情了。

不知道那位头颅一直没有找到的女受[m]害人是否是来抱怨头颅被斩首的呢?[k]

目前尚不清楚这一发现是否会导致案[.]件的解决。

不过,影屋一家还是松了一口气,因[c]为他们不必搬出他们喜欢并购买的房[n]子。

但是……

千歌和麻美从那时起的恐惧依然存在[恐],他们无法触及兰丸。

兰丸的长发恐怕不会让他忘记当时的[怖]恐惧。

我感觉那双眼睛正透过兰丸的毛皮盯[鬼]着我。

为了减轻这种恐惧,兰丸的母亲把他[故]身上的头发剪短了。

结果,兰丸看起来就像一只腿短的雪[事]纳瑞。

不过,多亏了这一点,千歌和麻美才[文]能够像以前一样带着微笑和兰丸一起[章]玩耍。

即使天气有点冷,被两人回避了一段[来]时间的兰丸想必也很高兴吧。

本来,兰丸本人就不想留长发。

“万”

◇◇◇◇ FIN


作者:天虚空蔵
原文:ヨークシャテリア

影谷一家は、この春に埼玉県の田舎町に引っ越してきた。

中古で購入した新しい家は築十五年[自]ほどの二階建てログハウスで、百五[i]十坪の土地があり、広い庭もそれな[a]りに整備されている。

都心から離れているせいか、価格も[m]比較的安く、これまで住んでいた都[k]心のマンションを売却した費用とほ[.]ぼ同価格で購入できた。

都内へ勤める父親と、専業主婦の母[c]親、高校二年生になる長女知佳と中[n]学三年生の妹麻実の四人家族であり[恐]、自然の豊かなところで暮らしたい[怖]という両親の希望でこの田舎町を選[鬼]んだのだ。

もちろん知佳と麻美は転校すること[故]になり、新しい学校に通い始めて一[事]週間ほど過ぎたが、通学に多少時間[文]が掛かることを除けば、学校生活は[章]今のところ順調のようだ。

父親も通勤時間がこれまでの二十分[来]から一時間半と長くなったが、在宅[自]勤務も多くそれほど苦になっていな[i]い様子であり、母親と共に家や庭の[a]手入れに余念がない。

そして、マンションにいた頃から飼[m]っていた五歳になるヨークシャテリ[k]アの蘭丸も新しい家で機嫌良く過ご[.]している。

蘭丸は一般的な茶色に黒の混ざった[c]毛色で、非常に大人しい性格だが、[n]しばらくトリミングに連れて行って[恐]いなかったこともあり、かなり毛が[怖]伸びていて、まるで動くモップのよ[鬼]うな状態だ。

しかし麻美は逆にそれが気に入って[故]いるようで、こまめにシャンプーし[事]ており毛並みはサラサラで不潔感は[文]ない。

しかし、知佳と麻美にはちょっと気[章]になることがあった。

この家のリビングは、二十畳ほどの[来]広さがあるのだが、蘭丸は頻繁にそ[自]のリビングの角になる何もない壁に[i]向かって行儀良くお座りして何かを[a]見つめているのだ。

その壁に何があるわけではない。角[m]にはマンションから持ってきた高さ[k]一メートルほどの観葉植物のパキラ[.]の鉢が置いてあるだけなのだが、蘭[c]丸はいったい何を見ているのだろう[n]

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◇◇◇◇

その日、両親は親戚の結婚式で帰宅[恐]が遅く、知佳と麻美はふたりで夕食[怖]を済ませた。

受験の年である麻美は勉強すると言[鬼]ってそのまま二階の部屋に籠ってし[故]まい、知佳はリビングでしばらくテ[事]レビを見ていたがこれといって面白[文]い番組もなく、リビングの床に置い[章]てある大型のビーズクッションの上[来]に寝転がってスマホを弄っていた。[自]

そしていつの間にか眠ってしまった[i]ようで、ふと気がつくと部屋の中は[a]電気が消えて真っ暗になっていた。[m]

カーテン越しに入ってくる外の灯り[k]で、何も見えないと言う訳ではない[.]が、まったく人の気配はない。

麻実が二階から降りてきて電気を消[c]したのだろうか。

そして仰向けで寝ているお腹の上に[n]ずっしりと乗っているのは蘭丸に違[恐]いない。

こうやって寝ているといつの間にか[怖]お腹の上に乗って寝ていることがよ[鬼]くあるのだ。

手を伸ばすと指先が長い毛に触れた[故]

(やっぱり、蘭丸か・・・重いな。[事]

お腹の上から降ろすために抱き上げ[文]ようと、両手を添えて少し力を入れ[章]たところで奇妙な感じがした。

ふさふさの毛の下の蘭丸の体が硬い[来]のだ。

硬いだけではない。妙に丸い。

どうしたのだろうと思い、そのまま[自]持ち上げてみた。

知佳の両手の間にあったのは蘭丸で[i]はなかった。

一瞬、蘭丸の形がなんか変だと思っ[a]たのだが、よく見るとそれは髪の毛[m]の長い女の頭部だった。

首から上だけなのだが、長い毛の間[k]から覗く目は大きく見開き、そして[.]何かを訴えるように知佳をじっと見[c]つめている。

「ぎゃ~っ!」

悲鳴と共にそれを床に放り投げると、チャチャッと爪が床に当たる音がして、向きを変えこちらを見上げたのはいつもの蘭丸だった。

约克夏犬 日本恐怖故事

いきなり放り投げられて何が起こっ[n]たのかとキョトンとした表情で知佳[恐]の事を見ている。

ド・ド・ド・ド!

階段から物凄い音が聞こえ、二階か[怖]ら駆け下りてきた麻美がリビングへ[鬼]飛び込んできた。

「お姉ちゃん!どうしたの⁈」

たった今、麻美が駆け込んでくる前[故]にリビングは明るくなった。照明を[事]点けたのは誰なのだろうか。

リビングには知佳とお座りしている[文]蘭丸以外は誰もいなかったのだ。

「お姉ちゃん?」

クッションの上でキョロキョロと辺[章]りを見回している知佳を見て、麻美[来]は何事もない様子にほっとしながら[自]も、どうしたのかと知佳に問い掛け[i]た。

「あ、いや、大丈夫。うたた寝して[a]変な夢を見ちゃったみたい。ごめん[m]ね。」

時計を見ると零時少し前。両親はま[k]だ帰ってきていないようだ。

「もう、驚かさないでよ。」

麻美はため息を吐くと、二階へと戻[.]って行った。

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◇◇◇◇

しかしその数日後、今度は麻美の番[c]だった。

麻美はこの日も遅くまで熱心に勉強[n]していたが、零時を回り、そろそろ[恐]歯を磨いて寝ようかと二階からリビ[怖]ングへと降りて来た。

両親も知佳も既に寝ているようであ[鬼]り、電気の消えたリビングのソファ[故]で蘭丸が丸くなって寝ている。

普段は知佳と一緒に寝ているのだが[事]、先日の出来事の所為だろうか、蘭[文]丸はリビングに置いて行かれたよう[章]であり、首だけを持ち上げて二階か[来]ら降りて来た麻美のことを見ていた[自]

「あら、蘭丸、今日もお姉ちゃんに[i]見捨てられたの?」

麻美は歯ブラシを咥えてソファに行[a]くと、丸くなっている蘭丸の横に腰[m]を下ろした。

リビングの照明は点いておらず、ド[k]アの開いた洗面所から漏れてくる灯[.]りだけだ。

蘭丸の背中を撫でながら、しゃこし[c]ゃこと歯を磨いていると、ふと丸く[n]なっている蘭丸の背中が硬くなった[恐]ような気がした。

「?」

どうしたんだろうと麻美が蘭丸へ目[怖]を落とすと、自分が撫でていたのは[鬼]蘭丸ではなかった。

クッションの上には髪の毛の長い女[故]の頭部が横を向いて転がっており、[事]麻美はその頭を撫でていたのだ。

そして長い毛の間から覗く目がぎょ[文]ろっと麻美の方を向いた。

「ぎゃー!」

口から歯磨き粉の泡を噴き出し、凄[章]まじい悲鳴を上げて、麻美はソファ[来]から転がり落ちた。

そして床の上でその生首を見つめた[自]まま、顔を引き攣らせて固まってし[i]まった。

すると数秒の間を置いて、どどどっ[a]と階段を駆け下りてくる音が響いた[m]

「どうした!」

父親の大きな声が聞こえ、リビング[k]が明るくなった。

ソファの前に座り込んだ麻実の目の[.]前には丸くなった蘭丸が、何事かと[c]首を持ち上げキョトンとした表情で[n]父親の方を見ている。続いて母親と[恐]知佳も階段を降りて来た。

「く、首が・・・蘭丸が女の首にな[怖]ったの!私のこと、睨んでた!」

それを聞いた父親はソファの上の蘭[鬼]丸に目をやったが、蘭丸に変わった[故]ところは見受けられない。

何があったのかと、相変わらずキョ[事]トンとした表情でこちらを見ている[文]

「蘭丸はおかしくないぞ。寝ぼけた[章]んじゃないか?」

そう言って父親は蘭丸を抱き上げた[来]がやはりいつもの蘭丸だ。

麻美も自分が見たことに自信がなく[自]なったのか、泣きそうな顔をしたま[i]ま黙ってしまった。

「麻美は寝ぼけたんじゃないわ!私[a]も見たの!あの時は夢だと思ってい[m]たけど。」

知佳がそう言って、父親に先日見た[k]生首の話をした。

「やだ、怖いこと言わないでよ。」[.]

母親が顔を引き攣らせて三人から離[c]れるように数歩後ろへ下がった。

「今まで、蘭丸にそんなことはなか[n]ったよな?」

父親の問い掛けに知佳は首を横に振[恐]った。

生まれて数週間の子犬の時から五年[怖]間も、知佳はずっと蘭丸と一緒に寝[鬼]ているのだ。

「それにね、この家に引っ越してか[故]ら、蘭丸はしょっちゅうあの壁の前[事]でお座りしてじっと壁を見ているの[文]よ。」

知佳の言葉に母親も頷いた。

「それは私も気になってたわ。蘭丸[章]は何を見てるんだろうって。」

父親は立ち上がってその壁の近くへ[来]行ってみたが、特に変わったところ[自]はない。

「とにかく、蘭丸は俺と一緒に寝る[i]から、今夜はもう自分の部屋で寝な[a]さい。」

家族の話を総合すると、怪しいのは[m]リビングのこの壁の辺りであり、父[k]親は蘭丸もここに置かない方がいい[.]と思ったのだろう。

そして父親の思惑通り、その夜はそ[c]れ以上何も起きなかった。

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◇◇◇◇

翌日父親は、この家を仲介してくれ[n]た不動産会社に電話をして問い質し[恐]たが、この家にそのような話はない[怖]との一点張りだった。

もちろん不動産屋が知らないから確[鬼]実に何も起きていないと言う訳では[故]ない。

しかし、前のオーナーはこの家を建[事]てた後、仕事の都合で海外へ引っ越[文]すことになりこの家を売却したとい[章]うことで、特に怪しいところはなさ[来]そうなのだ。

しかし現れるのは首だけなのだ。

不動産屋は何もないと言うが、普通[自]に考えて尋常な亡くなり方をしたと[i]は思えない。

父親は、もう一度壁の周りをじっく[a]り調べてみたが、そもそも丸太を組[m]んだログハウスであり、壁に何か埋[k]め込むということは考えられず、特[.]におかしなシミのようなものもない[c]

床下も調べてみたが、特におかしな[n]ところは見受けられなかった。

何かあるはずだ・・・

壁の前に立ち思案している父親の目[恐]に、置いてある大きな鉢に植えられ[怖]た観葉植物のパキラが目に留まった[鬼]

この鉢は前のマンションに住んでい[故]た時からある物で、これが原因とは[事]考えられない。

しかし父親はその木の根元に違和感[文]を覚えた。

砂利だ。

直径一センチから二センチ程度の小[章]石が敷き詰めてある。

はっきりとした記憶はないが、マン[来]ションのリビングに置いてあった時[自]にはなかったはずだ。

父親はしゃがんで鉢の中を覗き込ん[i]だ。

「ん?」

父親は石の中から一辺が二センチ程[a]度、厚さが五ミリ程の小さく平らな[m]白い欠片をつまみ上げた。

「おい、この鉢の中の小石は何処か[k]ら持ってきた?」

父親に声を掛けられた母親は、何事[.]かとキッチンから出て手を拭きなが[c]ら近寄ってくると、鉢の中を覗き込[n]んだ。

「ああ、この小石、これは引っ越し[恐]てきてすぐ、向こうの小川へ散歩に[怖]行ったときに河原で拾ってきたんだ[鬼]けど・・・どうかしたの?」

「これを見ろ。たぶん頭蓋骨の一部[故]だ。」

その欠片は言われてみると若干の丸[事]みを帯びていた。

頭蓋骨という言葉を聞いて母親の表[文]情が強張った。

鉢の中を調べると、他にも同じよう[章]な欠片が数個混ざっているではない[来]か。

娘達の生首事件がなければ、そうと[自]気づかなかっただろう。

父親はすぐに警察へ連絡した。

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◇◇◇◇

警察官の話によれば、三年ほど前に[i]ここから一キロほど川を遡った河原[a]の草むらで女性のバラバラ死体が発[m]見されたらしい。

しかし、頭部のみが発見されず、現[k]在は捜査が打ち切られていた。

犯人はもちろん、被害者が誰なのか[.]も不明のままとのことだった。

植木鉢の中にあった骨と思われる欠[c]片との照合はこれからになるが、も[n]しそれがやはり頭蓋骨なのだとする[恐]とその遺体の頭部である可能性が高[怖]いと警察官は言い、母親が小石を拾[鬼]った場所を詳しく確認した。

その結果・・・

河原のその周辺から頭蓋骨の多くの[故]部分が発見され、以前に発見されて[事]いた身体の他の部分とDNAが一致[文]した。

一般的に数年で頭蓋骨がここまで細[章]かく砕けることは考えにくく、犯人[来]が頭部を砕いたと思われるが、それ[自]が相当な恨みによるものなのか、遺[i]体の身元を分からないようにしよう[a]としたのかは不明だ。

砕かれていたのが頭部だけというこ[m]とからすると、おそらく前者なのだ[k]ろう。

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◇◇◇◇

植木鉢の中の頭蓋骨の欠片も全て警[.]察の手によって回収されたが、父親[c]は植木鉢の中の小石を全て川原に戻[n]し、その上で神社の宮司さんを呼ん[恐]でリビングのお祓いをして貰った結[怖]果、それ以降おかしなことは起こら[鬼]なくなった。

あの生首は、頭部が発見されぬまま[故]になっていた被害者の女性が、それ[事]を訴えるために現れたのだろうか。[文]

この発見によって事件が解決に向か[章]うかどうかは分からない。

それでも、気に入って購入したこの[来]家から引っ越す必要がなさそうな事[自]に影谷一家はほっとしたのだった。[i]

しかし・・・

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知佳、麻美姉妹はあの時の恐怖が消[a]えず、蘭丸に触れることが出来なく[m]なっていた。

蘭丸の長い毛があの時の恐怖を忘れ[k]させてくれないのだろう。

蘭丸の毛の間からあの目が見つめて[.]いるような気がするのだ。

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その恐怖心を和らげるために、母親[c]は蘭丸の胴体部分の毛を短く刈り込[n]んでしまった。

その結果、蘭丸は足の短いシュナウ[恐]ザーのようになってしまった。

しかしそのお陰で知佳と麻美はこれ[怖]まで通り蘭丸と笑顔で戯れられるよ[鬼]うになったのだ。

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多少寒くても、一時はふたりに避け[故]られていた蘭丸も幸せだろう。

そもそも蘭丸自身が望んで長髪にし[事]ていたわけではないのだから。

「わん」

◇◇◇◇ FIN

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