“乌鸦之子”

iamk 日本恐怖故事 2023-12-14 08:30:02 384 0

我打算把这个故事带到坟墓里。

当时参与的人都已经去世了,现在几乎没有人记得和谈论这件事

半条腿在棺材里不知道还能活多少年[文]

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如果有什么想写、想做、想说的,最好趁还有空的时候去做。

>

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在告诉自己这件事之后,我决定发布这个。

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好吧,不管你生锈的脑袋怎么转,都[章]很难讲述一个发生在你生命早期的故[来]

>不合理的故事。

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无论我如何努力拉回我的记忆之弦,[自]可惜的是,最重要的部分只是像正午[i]的月亮一样依稀出现。

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然而,这个故事在神秘诡异的同时,[a]也非常悲惨。

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这也是一个故事,所以

你们中的一些人可能会被冒犯。

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而且还很长。

我觉得文字很难读。

提前致歉。

不过,如果你能读到它,我会很高兴[m]

也将是冥界的纪念品。

我相信已经成为天人的亲人会很高兴的。

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那是大约 50 年前的事了。

在我居住的小镇上,有一个叫“乌鸦之子”的男人。

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除了“乌鸦之子”,我从未听过这个[k]人叫过别的名字。

本来就没有人知道他的真名。

就算他们知道,也不会有人直呼他们[.]的真名。

他高得可以抬头看,远高于当时男性[c]的平均身高。

他不在乎是下雨刮风刮风下雪。

无论是暖和的春天,还是炎热的夏天,还是清爽的秋天,还是寒冷的冬天,一年四季,过膝的胶靴都穿在脚踝上

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他穿着一件长长的黑色橡胶雨衣,几乎盖住了他的头。

两只手插在大衣口袋里,懒洋洋地晃[n]来晃去,像一只四处游荡寻找猎物的[恐]乌鸦。

这个人有一只乌鸦。 (好像。)

乌鸦依附在男人身上,一直栖息在他的右肩上。

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它可能偶尔会用喙梳理自己或拍打翅[怖]膀,但我没有看到。

我一直坐在男人的肩膀上一动不动。[鬼]

另外几只乌鸦总是粘在他身上,好像[故]就在他身边。

那人的头顶上不时盘旋着许多成群的[事]乌鸦。

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它变成了一个巨大的云状团块,一米[文]长,从很远的地方都能看到。

乌鸦的影子告诉了我那个人在哪里,所以我一看到它就跑到对面去逃。

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这个人总是一个人。

你住在哪里?

你有家人吗?

我不知道。

完全不知道它们栖息在哪里。

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这个人整天都在四处游荡。

对于食物,它们似乎像乌鸦一样四处[章]觅食。

“我从不生气。”

“因为我是乌鸦的孩子。”

方式。我在走路的时候,有时会听到[来]这样的对话。

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这是一个小镇。

没有人不认识这个人。

从前,家家户户都会有一个深方形的[自]铝制煤油桶,里面装着菜渣等垃圾,[i]放在后门前。

早上,附近一个养猪场的农民拉着满[a]满一车大桶喂猪,我来拿。

这名男子清晨出现,在农民到达之前[m]寻找食物残渣、剩余食物和剩余果汁[k]

清晨,在薄雾中,我翻动了沿路房屋[.]和公寓前的煤油罐,当我发现一些有[c]趣的东西时,我穿上一件大雨衣。我[n]经常看到他冲进去。

乌鸦乌鸦

嘎嘎嘎嘎

几只乌鸦瞄准溢出物,互相打斗。

乱七八糟

“乌鸦的孩子来了。”

“啊,今天还早。”

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在每家每户准备早餐时,都是这样的[恐]谈话。

一天。

不知道怎么回事,男人来的比平时晚[怖]了。

来捡剩菜的养猪场的欧巴桑说

“我跟你没关系,你去莎莎吧!”

说着拉着他的手开车走了。

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男人扛着乌鸦,原路返回。

羽毛上有红黑色的血迹,应该是受了[鬼]伤。

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看着他的背影

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“那个人的母亲是Yotaka。”[故]他连自己的母亲是谁都不知道

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好吧,如果他的母亲是Yotaka[事],那么他的父亲一定是Crow。那[文]个男人不是人类。不。

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乌鸦这是害羞的结果。

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欧巴桑说着往地上啐了一口。

我对正在准备早餐的妈妈说

“Nighthawk是干什么的?[章]

我听说。

平时,好心的妈妈会说

“这个你不用记住!真的,○○先生。”< /p>

异常的提高声音,变得暴怒。

爸爸一边摊开报纸,一边说

“很快政府部门会考虑找垃圾回收公司来收。” < /p>

在那之前,我们将不得不依赖他们。”

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这是个坏词。

我想。

在那个时候,这个镇子上的大人都会[来]毫不犹豫的对孩子说这样的话。

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我以前很讨厌大人说这种粗话。

可是,这个老太婆教了我很多父母嘴[自]里永远说不出口的黑话。

“这是你妈妈的秘密……”

是他最喜欢的一句话。

我想是这个老太婆最先告诉我这个男人叫“乌鸦之子”。

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一天,在幼儿园接送车上,从后面看[i]到一个男人和一只乌鸦的窗口。稻田[a]

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我本能地拍着弘的肩膀叫了出来。

“哦,那边有一只小乌鸦,你看。”>

“别移开视线,也别站在椅子上,由香里,什么是你甚至在做什么?”

川村教授训斥了弘志一眼,我往窗外瞥了一眼,一副嫌烦的样子拉上了窗帘。

我的座位黑乎乎的,好像蒙了一层纱布,车内一时间鸦雀无声。

确定老师已经回到前排座位后,我们[m]从窗帘的缝隙里窥视外面的情况。

男人走在通往拱廊街的人行道上,他的雨衣在拍打着。

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它的样子就像一只收翅前的乌鸦,在[k]垃圾中搜寻。

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公交车经过时,我看到了那个男人的[.]脸。

他的脸黑乎乎的,满是污垢和灰尘,[c]就像是用墨水画的一样。

我看不清他的表情,大概是穿着厚重[n]的雨衣的缘故,不过他肩膀上的乌鸦[恐]正咧着嘴捂着嘴在跟人说话。

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在我幼小的眼里,肩上扛着一只大乌[怖]鸦懒洋洋地走着的大汉,就像宫泽健[鬼]二的童话《月夜的电心柱》一样,显[故]得阴森森的。

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“乌鸦之子” 日本恐怖故事

这不仅仅是看起来很奇怪。

几只乌鸦如薄雾般依附在男人身上,[事]更让他显得阴森森的。

弘说。

“乌鸦儿像鬼,好大。”

“不像鬼。”

< p>“和巨型巴巴真配,哪个更大?”

我们面面相觑,哈哈大笑。

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突然,乌鸦崽像是猜到了什么,停住[文]了脚步,转过脸来看着我。

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说完,他坏笑着,缓缓走向公交车。

“靠!我注意到你了。

“我在看你。躲。”稻田。

“现在,公交车会晃动,请坐好。”[章]

川村先生的声音响起。

老师肯定以为弘又在开玩笑了。

扭着脸面对你,皱着眉头,

“好吧。”

叹了口气。

公交车打大方向盘,向与拱廊街相反的方向变道,加速驶向下一个会合地点。

“现在没事了,你可以醒了。”

听到弘的声音,我从窗帘的缝隙里抬头看去。

公交车绕着新小区的公园转了一圈。

美智子和胜在花店门口等着妈妈。

此时,您应该没问题。

没有人,没有乌鸦,没有黑影

我什么也看不见。

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如释重负,我像决堤的大坝一样转向[来]了弘。

“我怕他,但我也怕他肩膀上的乌鸦[自],还有他身边的乌鸦,毛骨悚然,周[i]围有乌鸦飞来飞去,像大影子一样飘[a]来飘去刚刚

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Hiroshi 怀疑地盯着我看。

“咦,乌鸦?没有乌鸦,那个大黑影[m]是什么?除了他什么都看不见。”

“……”

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“Yukari-chan。你说没[k]有乌鸦。一个男人,嗯......[.]他说只有乌鸦。”

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“谎言。你是对的。乌鸦总是和我在[c]一起。栖息在我的肩膀上.....[n].”

我什么也说不出来。

那么,

我再也不会和那个男人有任何瓜葛了[恐]

我不会看到、听到或谈论他。

我下定决心了。

从现在开始,无论你看到什么,听到[怖]什么,你都一无所知。

我什么也看不见。

我听不到任何声音。

‖我不能说什么。

没关系。

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今天我觉得我已经想通了。

可是我一点都不懂。

男人和我自己。

是的,直到那一天。

[续]


作者:あんみつ姫
原文:「カラスの子」上

この話は、墓場まで持っていこうと思っていた。

当時の関係者は、皆お亡くなりにな[鬼]ってしまい、もう、この出来事を覚[故]えている人も

語る人も、今では ほとんどいなくなった。

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私も片足が半分棺桶に入っているような状態で、あと何年生きられるかも定かではない。

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書きたいことや やりたいこと、伝えたいことがあるなら、少しでも余力のある今のうちにしておいた方が良いだろうと、

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半ば強引に自分に言い聞かせ投稿を決意した次第である。

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まぁ、錆びついた頭をどんなにフル[事]回転させても、物心ついて間もない[文]頃に起きた出来事を語るというのは[章]

土台無理な話である。

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どんなに記憶の糸を手繰り寄せても、肝心なところは、真昼の月のように うすぼんやりとしか浮かんでこないのが残念だ。

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ただ、この話は、不可思議かつ不気味な話であると同時に、

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あまりにも悲惨な話でもあるため、[来]

中には、気分を害される方がいらっしゃるかもしれない。

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そして、相変わらず、長くなりそう[自]だ。

文章も読みにくいと思う。

予めお断りしておく。

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それでも、お読みいただけるのなら[i]、とても嬉しい。

冥途の土産にもなるだろう。

既に天上人となった身内も喜んでくれるに違いない。

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今から50年ほど前のことになる。[a]

私の住む町に、「カラスの子」と呼ばれる男がいた。

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この男が、「カラスの子」以外の名[m]で呼ばれるのを私は聞いたことがな[k]い。

そもそも、本名は、なんという名前[.]なのか、誰も知らなかった。

たとえ、知っていたとしても、本名[c]で呼ぶものなど一人もいなかっただ[n]ろう。

背丈は、見上げるほど大きく、当時[恐]の男性の平均身長よりかなり高かっ[怖]た。

男には、雨の日も風の日も嵐の日も雪の日も関係なかった。

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穏やかな春も、猛暑の夏も、すがす[鬼]がしい秋も 極寒の冬も、一年中、膝丈まである[故]長いゴム長靴を履き、くるぶし

まで隠れそうな長くて黒いゴムの雨合羽を、頭からすっぽりと被っていた。

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両手を合羽のポケットにつっこみ、前かがみで、のそのそ歩きまわる姿は、獲物を求めてさまよう、カラスの化身、いや、カラスそのものに見えた。

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あろうことか、男はカラスを一羽飼[事]っていた。(ようだった。)

そのカラスは、男に懐(なつ)いていて、いつも男の右肩に止まっていた。

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時々、くちばしで毛づくろいをした[文]り、羽ばたきをすることもあったの[章]かもしれないが、私は見たことがな[来]い。

いつも微動だにせず、男の肩に乗っていた。

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他にも数羽のカラスが、男の周りを[自]取り囲むように、常に纏(まと)わ[i]りついて離れなかった。

男の頭上には、時々、たくさんのカラスの群れが囲むように旋回していた。

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それは、一メートルもある大きな雲[a]状の塊となって、かなり遠くからで[m]も見ることができた。

カラスの群影は、男の居場所を教えてくれたので、男に会いたくない私は、それが見えると反対側に走って逃げた。

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男は、いつも一人ぼっちだった。

どこに住んでいるのか

家族はいるのか

一切わからなかった。

どこをねぐらにしていたのかも全く不明だった。

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男は、日がな一日ぶらぶらと歩きま[k]わっていた。

食べ物は、カラス同様ゴミを漁って食べていたようだった。

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「よく腹をこわさないものだ。」

「だって、カラスの子だからね。」[.]

道を歩いていると、時々、そんな会話が聞こえてきた。

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狭い町だ。

男を知らない者は、一人もいなかった。

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昔は、どの家でも、深くて四角いアルミの灯油缶の中に、野菜くずなどの生ごみを入れて勝手口の前に置いていた。

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朝になると、近所で養豚業を経営している農家の人が、それらを豚の飼料にするため、大きなドラム缶を積んだリヤカーを引いてもらいにやって来る。

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男は、農家の人が来る前に、生ごみや残飯や飲み残しのジュースを求めて、まだ夜も明けきらぬ前から現れた。

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早朝、薄い靄の中、道路沿いに立つ[c]家や集合住宅の前にある灯油缶をひ[n]っくり返し、目ぼしいものが見つか[恐]ると、大きな雨合羽の中に突っ込ん[怖]でいる姿をよく見かけた。

カァカァカァカァカァ

ギャアギャアギャア

そのおこぼれを狙って、数羽のカラ[鬼]スが争うように突き合う。

バサバサバサバサ

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「カラスの子が来てるよ。」

「あぁ、今日は早いね。連休明けで残飯が多いからだろう。」

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どこの家でも、それが朝ご飯の支度の会話だった。

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ある日のこと。

何があったのかわからないが、男は[故]、いつもより遅くやってきた。

残飯をもらいに来ていた養豚場のオ[事]バさんが、

「お前にやるようなものはないよ。[文]サッサとお行き!」

と言って手で追い払った。

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男は、カラスを肩に乗せ、そのまま[章]トボトボ、のそのそと今来た道を戻[来]って行った。

怪我をしていたのか、合羽に赤黒い血が付いていた。

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その後ろ姿を見ながら、

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「あの男の母親は、『夜鷹』だったんだよ。父親が誰かも解らないのだそうだ。

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まぁ、母親が『夜鷹』なら、父親は『カラス』だろうよ。あの男は、人間じゃない。

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カラスのなれの果てさ。」

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オバさんは、そう言って地面に唾を吐きだした。

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私は、朝食の支度をする母に

「夜鷹ってなあに。何する人?」

と聞いた。

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いつもは、温厚な母が、

「そんなことは覚えなくてもよろし[自]い!まったく、○○さんったら。」[i]

珍しく声を荒げ激怒した。

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父は、新聞を広げながら、

「もうじき、役所でもゴミの収集を[a]回収業者に依頼することを検討して[m]いるそうだ。

それまでは、あの人たちを頼るしか[k]ないだろう。」

と言って、母を宥めた。

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良く無い言葉なのだ。

と思った。

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当時、この町には、こういうことを平気で子どもに言う大人たちがいた。

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私は、この手の下衆な話題をする大人たちが大嫌いだった。

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だが、私の両親の口からは、絶対出[.]てこないような、いろいろな闇の言[c]葉を、このオバさんから教えてもら[n]った。

「あんたのお母さんには、内緒だけ[恐]どさ・・・」

が口癖だった。

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あの男が、「カラスの子」と呼ばれていることを一番最初に教えてくれたのも、このオバさんだったように思う。

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ある日、幼稚園の送迎バスに乗っている時、窓から男とカラスの後ろ姿が目に入った。

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私は、思わず、ひろし君の肩を叩き[怖]ながら叫んだ。

「あっ、あそこ、カラスの子がいる[鬼]。見て見て。」

「おおお、おるおる。今日も真っ黒だ。カラスだカラス。」

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「よそ見したり、椅子の上に立ってはいけません。ゆかりさん、あなたまで なにをしているのですか。」

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川村先生が、ひろし君を窘め、窓の[故]外を一瞥すると、いまいましいとば[事]かりにカーテンを閉めた。

私の席は、紗がかかったように薄暗[文]くなり、車内は、一瞬しんとなった[章]

先生が、一番前の席に戻ったのを確認し、私たちは、カーテンの隙間から、再び外の様子をそっと窺った。

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男は、雨合羽の裾をバホラバホラさせながら、アーケード街に続く舗道をのそのそと歩いていた。

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その姿は、翼をたたみ、ごみを漁る前のカラスの姿と被った。

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バスが、通り過ぎる間際、私は男の[来]顔を見た。

顔は、墨でも塗ったかのように、垢と埃にまみれ真っ黒に汚れていた。

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合羽を真深くかぶっていたからだろうか、表情までは見えなかったが、肩に乗せたカラスに ニヤニヤしながら口をくちゃくちゃさせて、なにやら楽しそうに話しかけていた。

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幼い私の眼には、肩に大きなカラスを乗せながら、のそのそ歩く大男は、宮沢賢治の童話「月夜のでんしんばしら」のように不気味に映った。

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見かけが異様なだけではなかった。[自]

男の周りに靄のように纏わりついている数羽のカラスが、この男を一層不気味な存在にしていた。

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ひろし君は言った。

「カラスの子、お化けみたいだ。で[i]っけえし。」

「みたいじゃなくて、お化けでしょ。お父さんが言ってた。六尺以上はあるって。」

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「ジャイアント馬場といい勝負だな[a]。どっちが大きいだろう。」

私たちは、顔を見合わせて笑った。

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すると突然、何かを察したかのように、カラスの子は、その場に立ち止まり、こちらに顔を向けた。

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それから、ニタニタと笑いながら、バスを目がけ、ゆっくりゆっくり歩み寄って来た。

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「ヤバい!気づかれた。」

「こっち見てるよ。隠れろ。」

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ひろし君の叫び声に驚いた私は、椅[m]子と椅子の間に身体を埋めた。

「さぁ、バスが揺れるから。ちゃん[k]と座って。」

川村先生の声が響く。

先生は、ひろし君がまたふざけてい[.]るのかと思ったのだろう。

身をねじるようにして こちらを向き、顔をしかめ、

「もう。」

と嘆息した。

バスは、ハンドルを大きく切り、アーケード街とは反対方面に車線変更し、次の待ち合わせ場所に向かってスピードを上げた。

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「もう、大丈夫だよ。起きていいよ[c]。」

ひろし君の声に顔をあげ、カーテン[n]の隙間から外を見ると、

バスは、新興住宅地の公園の辺りを[恐]走っていた。

お花屋さんの前で、みち子ちゃんと[怖]マサル君が、お母さんと一緒に待っ[鬼]ていた。

ここまで来ると、もう大丈夫だろう[故]

男も、カラスも、黒い影も

何も見えない。

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ほっとした私は、堰を切ったように[事]、ひろし君に捲(まく)し立てた。[文]

「あの人も怖いけど、あの人の肩に止まっているカラスも、その周りにいるカラスも、とても怖いよ。気味が悪い。いつもあの人の頭の上には、カラスが飛んでいるし。さっきもホラ大きな影みたいになって浮いてたでしょ。」

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ひろし君は、訝し気に私を見つめた[章]

「え、カラス?カラスなんかいなか[来]ったよ。大きな影って何。僕には、[自]あの人以外何にも見えなかったけど[i]。」

「・・・・・」

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「ゆかりちゃん。カラスなんていないって。男の人、うぅん・・・カラスの子しかいなかったってば。」

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「嘘。ちゃんといたじゃない。いつ[a]もいっしょにいるカラス。肩の上に[m]止まって・・。」

私は、それ以上、何も言えなかった。

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それから、

私は、

あの男には、もう、二度と関わらないことにしよう。

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あの男のことは、見ない、聞かない[k]、言わない。

と心に決めた。

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そして、これから、何を見ても、何[.]を聞いても、何も知らないことにし[c]よう。

   何も見えない。

   何も聞こえない。

   何も言えない。

それでいいのだ。

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この日、私は、すべてを悟ったかの[n]ような気持ちでいた。

だが、何ひとつ 理解してはいなかった。

男のことも、私自身のことも。

そう、あの日、あの時までは。

【つづく】

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