〉在应该有空调的办公室里,感觉有点热,可能是因为人比平时多了。
今天聚集在这里的都是和我有一点关系的人,他们看到的都是和日常生活不同的世界。
“大家都到齐了吗?”
〉坐在Tsuyu腿上的黑蛇咲希说[文]道。
“还有一个……哦,他们来了”
〉这间办公室的主任零看着门口说道[章]。开门的声音格格作响。
“哦,你已经集合了”
〉打开门,外面的热气就流入了房间[来]。进来的人一看到我们就这么说。
“你好,岩户先生”
〉岩户先生,隶属于魔术师联合会T[自]支部的干部之一。他是我加入时负责[i]面试的人。体格健壮,乍一看硬朗,[a]但内心善良,正义感极强。他看到我[m],笑着说:“好久不见。”
“好久不见,岩户先生,谢谢你接受[k]采访。”不过,雨宫君一开始就对我[.]很一般,采访也很轻松。
先生.见状的咲希看着我。
“我可以借用你的话吗?”
“嗯,我的?哦,我不介意。”
“对不起。也许是因为我睡在里面,[c]所以我可以更平静地说话。”
‖当我这么说的时候,Saki 悄悄地进入了我的脑海。
“好了,现在我们都到齐了”
‖咲希用嘴巴这么说着。当我在意识[n]中再次环顾办公室时,包括我在内的[恐] 10 个人聚集在一起。只是为了听听这个[怖] Saki 试图讲述的故事。
“各位,今天虽然突然打来电话,但[鬼]还是聚在了一起,谢谢大家。嗯,好[故]吧,我现在被志咕同学附身了,不过[事]是咲同学。”
p>
『零指着我对大家这么说。不,是咲,不是我。这里的所有人都将目光投向了咲希。
“Saki-san,我需要介绍一[文]个我从未见过的人。我会那样做的…[章]…”
‖零看着咲希说道。眼睛似乎有点凝[来]视。他还在提防咲希吗?
“嗯,小铃菜和小露~,你是市松吗[自]?”
“好吧,还有那个蓝眼睛的家伙”
〉咲希接下来指的是昴。他笑了。
“我是北上昴。我们谈了一些关于海[i]底列车的事情,不是吗?”呃……那[a]是谁?
指着金发男子。东堂右京,魔法师,[m]T支部干事。
“喂,别指着人啊~。我是藤堂右京[k],这是我女儿萤。”
‖右京先生苦笑着说道。坐在旁边的[.]小萤静静地注视着我。
“喂右京~,我会记住的,你的女儿[c]好可爱~”
‖咲希开心的说道。这家伙...
“对了!我以女儿为荣,还请多多关[n]照!”
‖右京先生依旧。你可能会和 Saki 相处得很好。
“嗯,我觉得我可以和你相处。哦,[恐]还有最后来的那个大家伙。你说的是[怖]摇滚运动吗?”
“是的,通灵能力。”岩户先生。正[鬼]如我之前所说,我不是一个可怕的人[故]。”
‖岩户先生笑着说。
“嘿嘿,光是看着就很强啊,能干什[事]么啊?所以能扛重物,擅长物理攻击[文]。”
〉岩户先生又笑了。
“物理……你驱邪的时候是不是要打[章]精神?当然,我是用拳头念力。”有[来]时候不是。
“说真的,是物理攻击吗?”
‖驱魔(物理)?说着,纱希自己接受了一些东西,试图进入正题。
“好了,我明白这些人是什么人了,我现在要说的,是雨宫志古的妹妹雨宫雏被害的真相。”
‖我的妹妹,雨宫雏……她是一个乖[自]巧可爱的女孩。而且他有一种奇怪的[i]能力。事发后,希娜全身受伤,事发[a]现场留下大量血迹。警方断定这是一[m]起命案并展开侦查,却找不到任何似[k]是而非的线索,案件因此陷入迷宫。[.]今天,真相终于大白。
〉○
〉从咲那里听来的故事。
‖红色……世界是红色的。不对,上面全是血。我视线的一侧...
〉鲜红世界的中心,黑色的东西在旋转。是他。躺在这里的人类,全都被他杀死了。黑色增加了范围和力量。这很危险。我也赶紧逃吧……!
我只是在散步。我注意到森林里的空气与往常不同。我应该更加注意这一点。否则,它可能不会发生。
‖这是一个偶然引起我注意的场景。许多通灵者和巫师包围了恶灵,并试图一次将它们驱除。然而,都没有任何作用,恶灵的诅咒和灵力只有增加。结果,在场的所有人都被他的斗气一下子给杀了。那些脑袋被砍掉的,那些眼睛被压碎的。更有全身被撕成碎片的。为了以防万一,能做到这种程度,真是个可怕的家伙。我无意帮助人类,但我不介意我的步行路线被毁了。话虽如此,我再强,也没有信心与他抗衡。散发出一股巨大的邪气。
〉这个恶魔是个女人。衣衫破烂,面目狰狞,散发着一股浩大的气势。我试图在他注意到之前离开那个地方。我现在打不过他。我也这么想。有那么一瞬间,我觉得我对上了他的眼睛。我吓坏了,立刻离开了那个地方。
∀当我冷静下来的时候,我想起了一件事。一周前,我即将被某个法师男抹杀。反正我什么都没做。一个男人未经允许袭击了我。我好不容易逃了出来,但也因此失去了大部分的魔力。当然可以,巫师说。 “不久,一场大灾难将降临这座城市,”他说,“我会得到它的。”一场大灾难……大概是比喻之前的恶灵吧。鸬鹚。这意味着巫师可能也在附近。一想到这里,我就更要离开这个地方了。
兜兜转转了一会儿,我们来到了一片人类的居住区。一个女孩正走在路上。她穿着一件可爱的裙子,头发上系着一条红丝带。我觉得里面有东西。我从那个女孩身上感受到了精神力量。注意到这一点,我不可能不感兴趣。我立刻走近那个女孩,叫了她一声。
“嘿,姑娘,天气真好”
‹ 姑娘叫我的时候,肩膀抽动了一下,[c]转过身来面对我。
“你好Snake-san。你可以[n]说话了。”
‖女孩这样说着,笑了笑。当时我很[恐]开心老实说,我以为被我吓了一跳就[怖]会逃跑的女孩回答了我的话。
“哦,是一条会说话的蛇。姑娘,你叫什么名字?”p>
∀我的名字……很少有人问我的名字。我很久以前就把那东西弄丢了。
“哦,我叫Saki,请叫我Sak[鬼]i。”
“你叫Saki!很高兴认识你!”[故]
雏菜这么说着,又笑了起来。 Saki 是一个临时名字,我突然想起了一个[事]老朋友以前叫我没有名字的时候。我[文]爱上了一个女孩。我喜欢人类的孩子[章]。因为吃起来很好吃。但是这个女孩[来]不一样。我对这个人的孩子有不同的[自]好感。
“咲桑,你的尾巴怎么像个火球?”[i]
‖少女突然说道。我的尾巴在我的名[a]字被盗的同时被切断了。正因如此,[m]那尾巴的尖端,便化作了紫色的魔火[k]。
“哦,原来是这样啊,早就被剪掉了[.],所以才会这样。”
“咲希同学,你的尾巴是不是被剪掉[c]了?是吗?”有那么疼吗?不疼吗?[n]”
‖女孩一脸担忧的看着我。
“嗯,现在一点都不疼了,哎,我做[恐]错事了,所以被砍了作为惩罚,所以[怖]发生这一切都是我的错。”
“原来如此。呵呵呵呵”
〉少女说着,他笑着抚摸着我的头。[鬼]
“不……”
“你不是喜欢被人宠着吗?>”不,一点都不喜欢!你安慰了我,我很开心。 >
“好样的”
‖女孩又笑了。我觉得我什么都说不出来了。这个女孩知道妖怪讨厌人类。但我真的没有那么讨厌他。有很多仙女喜欢人类。我也是……我也喜欢人。这丫头是不是不仅要了解人类的感情,还要了解魔族的感情?这么一想,不知为何,我的眼眶有些发烫。
“我哥警告我不要和鬼魂和妖怪太近,但我偶尔喜欢和妖怪这样说话。因为那只是坏妖怪。有像Saki-san这样温柔的妖怪,对吗?”
“嘿,你有哥哥吗?像 Hina-chan 这样可爱的女孩很容易成为目标。有时候,我会听哥哥的话。”
“我听欧尼酱说的。。但我有点担心。虽然我身体虚弱,但我只关心我。”
‖少女苦笑着说道。不知何故有趣。[故]
“你和你哥关系很好。”
“嗯,今年他又约我一起去参加夏祭[事],去年,我哥是”
‖然后女孩说了一会儿她的哥哥。我[文]边听边点头回应。
“雏酱,你很喜欢你哥哥”
“嗯”
‖他又笑了起来。那真是一个可爱的[章]笑容。突然,我感觉到了某种迹象。[来]和之前一样,那个邪恶的存在……
“不行,雏酱快跑!”
‖我看到的少女眼眶泛着红光。美丽[自]清晰的红色。
“不行了……这下厉害了,我逃不掉[i]了”
〉大颗的泪珠从少女通红的眼眶中滑[a]落。
“住手!不要使用你的力量!”一个[m]女孩使用她巨大的力量恐怕。那是因[k]为你无法控制它。
“等等,我要附身你,压制你的力量[.]!然后逃!”
“不行!”
女孩惊呼道。有史以来最响亮的声音[c]。
“如果你附身我,Saki-san[n]会死!我才不要那样!”
∀如果我附身这个女孩,我的力量会[恐]被她吸收。 .每个人都知道这一点。这就是她的[怖]能力。所以应该是被强大的邪灵气息[鬼]触碰后,自然而然的发动了。吞噬它[故]的力量。
“不试一试你永远不知道!在我的力[事]量消失之前压制你的力量是个好主意[文]!”试过了。就在这时,少女被黑灵[章]的漩涡包围,邪灵的灵力在少女的体[来]内开始肆虐。
“喂……你在说谎”
〉我什么也做不了,只能呆呆地看着。如果我现在靠近这个女孩,我会消失得无影无踪。我应该怎么办···。
``上、兵、战、人、大家、队、夹、里、前!''
九个字?谁在切割?
“滚开!”
‖女孩身后站着一个人。一个穿着和[自]服的男人。它试图收回魔法。
“嘿,你!你是通灵者吗?”
‖我走近那人,向他喊道。
“妖怪,你来这种地方干什么?”
〉我大喊一声,男人的脸色变得难看起来。
“对不起,我不能保证她的性命。”[i]
“我也会借给你我的力量!我很绝望[a]我不知道为什么我会如此拼命保护这[m]个女孩。但是,我从来不希望这个孩[k]子死去。我想保护雨宫雏。
‖男子略一思索后说道。
“你觉得你能附身那个女孩子吗?”[.]那么,尽量压制她的能力,同时,我[c]会想办法驱散她的”
“明白了”< /p>
〉我毫不犹豫的立刻回答。男子用驱魔术在以太漩涡中开了一个口子,大喝一声。
“走吧!”
男人话音一落,我就冲着女孩跳进了[n]风洞。
〉之后的事我记不太清了。当我醒来[恐]时,我躺在水泥地上。我微微抬起脸[怖],感到绝望。女孩已经倒下了。
“喂,你有意识吗?”
〉突然听到头顶有个声音。抬头一看[鬼],刚才的男人正挽着右手站在那里。[故]
“咦,你没受伤吧?”
“没什么,看了之后,我闭上眼睛往下看。
“对不起。Shiguru……我没能保护好Hina-chan。”
Shiguru……女孩说道。这是[事]她哥哥的名字。突然,我感觉到有人[文]的目光,转过身。一个男孩站在那里[章]。少年朝身边的中年男子喊了一声。[来]
“长坂先生,那雏……呢?”
‖他应该是少女的哥哥吧。我不自觉[自]地低下了脸。
“对不起……对不起,对不起,我没[i]能遵守诺言,真的很抱歉。”我一把[a]拽住了一个男人。
“为什么!为什么雏必须死!长坂先[m]生!”稻田。我就是这么做的。我忍[k]不住了。
〉我附在了男孩身上,劫持了他的思[.]想。
“我来玩玩这家伙的记忆”
〉说完,男人惊讶地抬头。
“哎,那可就糟了……”
“没关系,这家伙什么都不知道,什么都没见过。如果保持原样,它会随着时间的流逝而消失。
“喂,我可以借用一下这家伙的身体吗?我现在几乎无法保持清醒,等我处理完记忆就去睡觉。然后。。。下次我醒来的时候,我会告诉这个人一切的。”
‖所以我和那个男人一起去了男孩的[c]家。我篡改了男孩的记忆,让他忘记[n]了今天发生的一切。从那时起我的意[恐]识就很模糊,但在那之后,少女的尸[怖]体被发现,这件事就成了一件大事。[鬼]我和中年男子都转身离开了这件事。[故]
〉○
〉咲希不知不觉离开了我,坐在了T[事]suyu的腿上。不知不觉中,我已[文]经泪流满面。
“事实就是如此……对不起。”
〉咲希低着头说道。我有点无聊了。[章]
“咦……看着人家的眼睛,咲希”
〉我看着咲希说道。咲希缓缓抬起头[来],一言不发地对上我的眼睛。
“……我都记起来了,你和长坂先生[自]为了救雏,谢谢你。”
‖我用袖子擦了擦眼角的泪水。一边说着她什么也没说,只是直视着我的眼睛。外面传来的蝉鸣声,感觉很远。我只想静静地听着那个声音,什么都不做。我想用和那个时候一样的夏日音调闭上耳朵。不知何故,这就是我的感受。
作者:mahiro
原文:【夏風ノイズ】蛇と少女
冷房が効いているはずの事務所内は、いつもより人の密集率が高いせいか、少しだけ暑い気がする。
今日ここに集まった人たちは、俺と[i]少しだけでも関係を持った人物であ[a]り、その全員が日常とは異なる世界[m]を見ている。
「全員揃ったか?」
露の膝上に身を置いている黒い蛇、[k]サキが言った。
「まだ、あと一人・・・あ、来まし[.]た」
この事務所の所長であるゼロが入口[c]を見て言った。ガラガラガラと、戸[n]を開ける音がする。
「おっ、もう結構集まってたな」
戸が開いたことで、外の熱気が室内[恐]へと流れ込む。入ってきた人物は、[怖]俺達を見るなりそう言った。
「こんにちは、岩動さん」
呪術師連盟T支部に所属する幹部の[鬼]一人、岩動さん。俺が入会するとき[故]の面接を担当してくれた人だ。体格[事]が良く、一見は強面な印象だが、内[文]面は優しく正義感の強い人である。[章]彼は俺のことが目に入ると、笑顔で[来]「久しぶり」と言った。
「お久しぶりです、岩動さん。面接[自]のときはどうも」
「いやいや、こちらこそあの時はど[i]うも。俺、見た目がこんなだから初[a]対面の人から怖がられるんだけど、[m]雨宮くんは最初から普通に接してく[k]れて面接もしやすかったよ」
岩動さんはそう言うとゼロが用意し[.]たパイプ椅子に座った。その様子を[c]見たサキが俺のことを見る。
「しぐる、口借りていいか?」
「えっ、俺の?ああ、構わないけど[n]」
「悪いな。そこそこ長くお前の中で[恐]眠っていたせいか、その方が落ち着[怖]いて話せる」
そう言うとサキは俺の中にスゥッと[鬼]入ってきた。
「よし、これで全員揃ったな」
サキが俺の口を使ってそう言った。[故]俺も意識の中で改めて事務所内を見[事]回してみると、俺を含めて10人も[文]集まってくれた。全て、このサキが[章]語ろうとしている物語を聞くためだ[来]けに。
「皆さん、今日は急な呼びかけにも[自]関わらず、集まってもらいありがと[i]うございます。えっと、まぁ、今は[a]しぐるさんに憑依してますけど、サ[m]キさんです」
ゼロが皆にそう言いながら俺を指し[k]た。いや、俺ではなくサキか。今こ[.]こにいる全員はサキに注目している[c]のだ。
「サキさん、初対面の方の紹介が必[n]要なら、そうしますけど・・・」
ゼロがサキを見て言った。その目は[恐]少しだけ睨んでいるようにも見える[怖]。彼はまだ、サキのことを警戒して[鬼]いるのだろうか。
「えーっと、鈴那ちゃんと露ちゃん[故]と~、市松だっけお前?」
サキの少々乱暴な問いかけに市松さ[事]んは軽く微笑んで「はい」と頷いた[文]。
「よし、それと~目が青いヤツ」
次にサキが示したのは昴のことだっ[章]た。彼はそれに対し苦笑している。[来]
「北上昴だよ。海中列車の件で少し[自]だけ話したよね」
「あ~そういえばそうだったなぁ。[i]思い出した。んで、おーまーえーは[a]ー・・・誰だ?」
サキはそう言って金髪の男性を指さ[m]した。T支部の幹部で、呪術師の藤[k]堂右京さんだ。
「おいおい、人を指さすなよ~。俺[.]は藤堂右京で、こっちが娘の蛍だ」[c]
右京さんは苦笑しながら言った。彼[n]の隣に座っている蛍ちゃんは静かに[恐]こちらを見つめている。
「右京ねぇ~、覚えとくわ。娘ちゃ[怖]ん可愛いねぇ~」
サキは嬉しそうに言った。コイツ・[鬼]・・。
「だろぉ!自慢の娘なんでよろしく[故]なっ!」
右京さんも相変わらずだ。サキとは[事]結構気が合うかもしれない。
「いやぁ、お前さんとは仲良くなれ[文]そうだぜ。あ、それで最後に来たそ[章]のデカいヤツ。岩動って言ったか?[来]」
「そうだ、霊能力者の岩動。さっき[自]も言ったけど、怖い人じゃないよ」[i]
岩動さんは笑いながら言った。
「へぇ~、見るからに強そうだなぁ[a]。どんなことが出来るんだ?」
「主にPSI、一般的に言う超能力[m]だが、趣味が筋トレだから重いもの[k]を持ったり、物理攻撃が得意だった[.]りするぞ」
岩動さんはまた笑いながら言った。[c]
「物理・・・除霊の時は霊を殴るの[n]か?もちろん拳にゃ念力込めてるよ[恐]なぁ」
「あぁ~勿論、除霊の時はね。込め[怖]てない時もあるけど」
「マジか、物理攻撃か」
除霊(物理)か。と、サキは勝手に[鬼]何かを納得し、本題へ移ろうとした[故]。
「よし、今ここにいる奴らがどんな[事]人間かは大体理解できた。今から俺[文]様が話すのは、この雨宮しぐるの妹[章]、雨宮ひなが殺害された事件の真相[来]だ」
俺の妹、雨宮ひな・・・素直で可愛[自]い子だった。そして、不思議な能力[i]を持っていた。事件後、ひなの遺体[a]は身体中を傷付けられ、事件現場に[m]は大量の血が遺されていた。警察は[k]殺人事件と断定して捜査を始めたも[.]のの、それらしい手掛かりは見つか[c]らず、結局事件は迷宮入りしている[n]。その真相が今日・・・漸く分かる[恐]のだ。
○
サキから聞いた話。
赤い・・・世界が赤い。違う、血塗[怖]れなのだ。俺の視界一面が・・・。[鬼]
真っ赤な世界の中心で、黒いものが[故]渦巻いている。ヤツだ。ここに倒れ[事]ている人間全員がヤツに殺された。[文]黒色は範囲を広め、また力を増した[章]。危険だ。俺も早く逃げなくては・[来]・・!
俺はただ散歩をしていた。森の空気[自]がいつもと違っていることには気が[i]付いていた。そのことに、もっと注[a]意しておくべきだった。でなければ[m]、あんなことにはならなかったのか[k]もしれない。
それは偶然目に入った光景だった。[.]邪悪な悪霊を何人もの霊能者や呪術[c]師たちが取り囲み、一斉に除霊を試[n]みている。しかし、どれも効果は無[恐]く、悪霊の呪と霊力は増すばかりだ[怖]った。終にはそいつの怨念によりそ[鬼]こにいた全員が一斉に殺された。首[故]を捥がれた者、目を潰された者。更[事]には、全身を八つ裂きにされている[文]者もいた。念だけでこれほどのこと[章]ができるとは、恐ろしいヤツだ。人[来]間の手助けをするつもりは無いが、[自]俺の散歩コースを荒らされても困る[i]。とは言え、いくら俺の力でもそい[a]つにだけは敵う自信が無かった。そ[m]れだけ巨悪なオーラを放っていた。[k]
その悪霊は女だった。ボロボロの服[.]と恐ろしい形相で、凄まじい霊気を[c]放っている。俺は気付かれる前にそ[n]の場を離れようとした。今の俺では[恐]そいつに勝てない。そう思ったのだ[怖]。一瞬、そいつと目が合ったような[鬼]気がした。俺は恐ろしくなってすぐ[故]さまその場所を後にした。
落ち着いたところで、あることを思[事]い出した。1週間前、俺はとある呪[文]術師の男に消されかけた。無論、俺[章]は何もしていない。男が勝手に襲っ[来]てきたのだ。辛うじて逃げ出すこと[自]は出来たが、そのせいで殆どの妖力[i]は失ってしまった。確か、その呪術[a]師が言っていた。「もうじき、この[m]街に大きな災害がやってくる」と・[k]・・「私はそれを手に入れる」とも[.]言っていた。大きな災害・・・恐ら[c]く先程の悪霊を比喩したものだろう[n]。ということは、あの呪術師も近く[恐]にいるかもしれない。そう考えると[怖]、尚更この場から離れなければなら[鬼]ない。
暫くうろついていると、人間たちの[故]住宅地に出た。道路を一人の少女が[事]歩いている。可愛らしいワンピース[文]を着ており、髪には赤いリボンを結[章]んである。それに何かを感じる。そ[来]の少女からは霊能力を感じた。それ[自]に気づいて、俺が興味を示さないは[i]ずがない。すぐさま少女へと近付き[a]、声を掛けた。
「よぉ嬢ちゃん、いい天気だな」
少女は俺に呼び掛けられると、一瞬[m]肩をピクッとさせて俺の方を振り向[k]いた。
「こんにちは蛇さん。喋れるんだね[.]」
少女はそう言ってニコッと微笑んだ[c]。俺は嬉しかった。正直、俺に驚い[n]て逃げてしまうと思っていた少女は[恐]、俺の言葉に返事をしてくれたのだ[怖]。
「お、あぁ、喋る蛇さんだ。嬢ちゃ[鬼]ん、名前は?」
「私、ひな。雨宮ひなっていうの。[故]蛇さんの名前は?」
名前・・・名前を訊かれることなん[事]てほとんど無かった。そんなものは[文]、もうずっと昔に無くしてしまった[章]のだから。
「あ、俺の名前か・・・サキだ。サ[来]キって呼んでくれ」
「サキさんっていうのね!よろしく[自]!」
ひなという少女はそう言ってまた笑[i]った。サキというのは古い友人が名[a]前を無くした俺のことをそう呼んで[m]いたのを思い出し、咄嗟に口へ出し[k]た仮の名だ。俺は少女に好意を抱い[.]た。人の子は好きだ。何故なら喰う[c]と美味いから。だが、この少女は違[n]った。俺はこの人の子に、何か別の[恐]好意を持っていた。
「サキさん、どうして尻尾が火の玉[怖]みたいになってるの?」
不意に少女が言った。俺の尻尾は名[鬼]前を奪われた時と同時に切られてし[故]まった。そのせいで、尻尾の先は紫[事]色の鬼火のようになってしまってい[文]る。
「あ、これか。昔切られちまってな[章]ぁ。そのせいでこうなってるんだ」[来]
「サキさん、尻尾切られちゃったの[自]!?誰にそんな酷いことされたの?[i]痛くない?」
少女は心配げな顔で俺を見た。
「え、いやぁ今は全然痛くねぇよ。[a]ちょっとな、俺が悪いことしちまっ[m]たから、その罰で切られたんだ。だ[k]から、こうなったのは俺が悪いんだ[.]」
「そう・・・なんだ。えへへ」
少女はそう言って笑いながら俺の頭[c]を撫で始めた。
「なっ・・・」
「なでなでされるの嫌だ?それとも[n]、人にされるのが嫌なだけ?」
「いやぁ、全然!慰めてくれんだな[恐]。嬉しい」
「よかった」
少女はそう言うとまた微笑んだ。俺[怖]は何とも言えない気持ちになった。[鬼]妖が人を嫌っているということを、[故]この少女は知っている。だが実際そ[事]こまで嫌ってはいない。人間が好き[文]な妖者も沢山いる。俺だって・・・[章]俺だって、人が好きだ。この少女は[来]、人だけでなく妖の気持ちまで理解[自]しようとしているのか。そう思うと[i]、何だか目頭が熱くなった。
「お兄ちゃんがね、幽霊とか妖怪に[a]は近付いちゃだめって注意するんだ[m]けど、私はたまにこうやって妖怪さ[k]んとお話するのが好きなの。だって[.]、悪い妖怪だけじゃないもん。サキ[c]さんみたいに、優しい妖怪もいるで[n]しょ」
「へぇ、兄がいるのか。いい兄貴だ[恐]な。確かに悪い妖ばかりではないが[怖]、容易に関わるのは駄目だぜ。ひな[鬼]ちゃんみたいな可愛い子は狙われや[故]すいからな。たまには、兄貴の言う[事]ことも聞くんだぜ」
「お兄ちゃんの言うことはちゃんと[文]聞いてるよ。お兄ちゃん、優しいか[章]ら。でも、ちょっと心配性なの。自[来]分だって身体弱いのに、私のことば[自]かり気にかけて」
少女は苦笑しながら話した。何だか[i]微笑ましい。
「仲いいんだな、兄貴と」
「うん、今年も夏祭り一緒に行こう[a]ねって言ってくれたの。去年はお兄[m]ちゃんが病気で入院して、行けなか[k]ったから」
それから少女はしばらく兄のことに[.]ついて話した。俺はそれに相槌を打[c]ちながら聞いていた。
「ひなちゃん、本当に兄貴のことが[n]好きなんだな」
「うん」
また笑った。本当に可愛い笑顔だ。[恐]ふと、何かの気配を感じた。先程と[怖]同じ、あの邪悪な気配・・・。
「まずい、ひなちゃん逃げろっ!」[鬼]
俺が見た少女の目は、赤く光ってい[故]た。透き通った美しい赤色に。
「ダメだよ・・・こんなすごいの、[事]逃げられない」
少女の赤い目から大粒の涙が零れ落[文]ちる。
「やめろっ!力を使うな!」
「無理だよぉ・・・!力が抑えられ[章]ない・・・」
この少女は自分の膨大な力を恐れて[来]いる。何故ならばそれを制御しきれ[自]ていないからだ。
「待ってろ、俺がお前に憑依して力[i]を抑えてやる!そしたら逃げるぞっ[a]!」
「だめっ!」
少女は叫んだ。今までで一番大きな[m]声で。
「私に憑いたら、サキさんが死んじ[k]ゃう!そんなの嫌だ!」
俺がこの少女に憑依すれば、俺の力[.]は少女に吸収される。そんなことは[c]百も承知だ。彼女の能力はそういう[n]ものだ。だから強大な悪霊の霊気に[恐]触れて自然に発動してしまったのだ[怖]ろう。その力を呑み込むために。
「やってみなきゃわからねぇだろ![鬼]俺の力が消える前に、お前の力を抑[故]え込めばいい話だ!」
俺はそう叫んで少女に憑依しようと[事]した。その瞬間、少女を黒い霊気の[文]渦が取り囲み、軈て少女の中で悪霊[章]の霊力が暴走し始めた。
「おい・・・嘘だろ」
俺は呆然と見ていることしか出来な[来]かった。今この少女に近付けば、俺[自]は跡形も残らず消えてしまう。どう[i]すればいい・・・。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在[a]・前!」
九字?誰が切っている!?
「離れろっ!」
少女の後ろに誰かが立っている。和[m]服姿の男だ。そいつが退魔術を試み[k]ている。
「おいアンタ!霊能者か?」
俺はその男に近付き声を掛けた。
「お前は、妖怪がこんなところで何[.]をしているのだ?」
「話は後だ!この嬢ちゃんを助けて[c]やってくれ!」
俺が叫ぶように言うと、男は難しい[n]顔をした。
「済まんが、彼女の命は保証できん[恐]ぞ」
「俺様も力を貸す!だから何とか何[怖]ねぇのか!」
この時の俺は必死だった。何故この[鬼]少女一人を守るためにここまで必死[故]になれたのかは分からない。だが、[事]俺はどうしてもこの子に死んでほし[文]くは無かった。雨宮ひなを守りたか[章]った。
男は少し考えてから言った。
「貴様、あの少女に憑依できそうか[来]?」
「なっ・・・」
「俺が術でサポートする。その間に[自]憑依して、出来るだけ彼女の能力を[i]抑えてやってくれ。その間に俺が除[a]霊してみる」
「わかった」
俺は迷わず即答した。男は退魔術で[m]霊気の渦に風穴を開けて叫んだ。
「いけっ!」
俺は男がそう言い終わるや否や、少[k]女を目掛けて風穴に飛び込んだ。
そこからはどうなったか、あまり覚[.]えていない。気が付くと、俺はコン[c]クリートの地面に倒れ込んでいた。[n]少し顔を上げて、俺は絶望した。少[恐]女が、倒れていた。
「おい、意識はあるか」
不意に頭上から声が聞こえた。顔を[怖]上げると、そこには先程の男が右腕[鬼]を押さえて立っていた。
「テメェ、怪我してんじゃねーか」[故]
「大したことはない。それより・・[事]・」
男は少女の方を見てから目を閉じて[文]俯いた。
「済まなかった。しぐる・・・ひな[章]ちゃんを、守ってやれなかった」
しぐる・・・少女が言っていた。彼[来]女の兄の名前だ。不意に、誰かの視[自]線を感じて振り返った。そこには一[i]人の少年が立っていた。少年は隣の[a]中年男に声を掛けた。
「長坂さん、ひなは・・・?」
おそらく彼が少女の兄だろう。俺は[m]思わず顔を伏せた。
「しぐるか・・・ごめんな、しぐる[k]。約束、守ってやれなかった。本当[.]に、ごめんな」
男がそう言い終えた直後、少年は男[c]に掴みかかった。
「なんでっ!なんでひなが死ななく[n]ちゃいけなかったんだよ!長坂さん[恐]!」
何も言わず俯いている男に、少年は[怖]泣きながら縋り付いた。そこで俺は[鬼]やってしまった。仕方なかったのだ[故]。
俺は少年に憑依し、精神を乗っ取っ[事]た。
「こいつの記憶、俺が弄っとくわ」[文]
俺がそう言うと男は驚いて顔を上げ[章]た。
「おい、それはまずいだろう・・・[来]」
「大丈夫だ。つーか、そうするしか[自]ねぇだろ。雨宮ひなは殺人事件に巻[i]き込まれて死んだ。こいつは何も知[a]らないし何も見ていない。それでい[m]いだろ」
正直、俺も限界が近かった。このま[k]までは時間の経過と共に消えてしま[.]う。
「なぁ、暫くこいつの身体を借りて[c]てもいいか?今の俺様じゃ起きてい[n]られるのがやっとだ。記憶の処理が[恐]終わったら俺様は眠りにつく。そん[怖]で、次に目覚めたとき、こいつに全[鬼]てを話そう」
「お前、ただの蛇妖怪だと思ってい[故]たが、どうやら少し違うらしいな。[事]そういうことなら任せた。それが今[文]の最善策だ」
そうして俺は男と共に少年の家まで[章]行った。俺は少年の記憶を弄り、今[来]日あったことは全て忘れさせた。そ[自]こから俺の意識は曖昧だが、その後[i]、少女の遺体が発見されて事件とな[a]った。俺もあの中年男も、その事件[m]からは目を背けた。
○
サキはいつの間にか俺から出て、露[k]の膝の上に乗っていた。気付けば、[.]俺は涙をポロポロと零していた。
「と、それが真実なんだ・・・しぐ[c]る、悪かった」
サキが俯きながら言った。俺は、な[n]んだか気怠くなってきてしまった。[恐]
「はぁ・・・人の目を見ろよ、サキ[怖]」
俺はサキを見て言った。サキはゆっ[鬼]くりと顔を上げ、無言で俺と目を合[故]わせた。
「・・・思い出したよ、全部。お前[事]と長坂さん、ひなを助けようとして[文]くれたんだな。ありがとう」
俺は目から溢れる涙を袖で拭いながら言った。サキは何も言わず、ただ俺の目を真っ直ぐ見ていた。外から聞こえてくる蝉の声が遠く感じる。暫く何もせずに、ただその声だけを聴いていたい。あの時と同じ夏の音色で、耳を塞いでおきたい。何となく、そんな気分だった。
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